クラミジアにかかった場合は下痢症状が出る?感染経路や治療方法について紹介

クラミジアは日本では圧倒的に患者数が多い性病です。クラミジアについて正しい知識を身につけることで自分やパートナーの身を守れます。「もしかしてクラミジアかも?」と不安な方や、「クラミジアについて知識をつけたい!」という方に向けて、この記事ではクラミジアにかかった場合の症状や感染経路、治療方法について詳しく解説します。特定のパートナーしかいない方でも、クラミジアへの感染が疑われるような症状が続く場合は放置せずしっかり検査をしましょう。

下痢が続く場合はクラミジアが原因?

下痢が続く場合、原因としてウイルス性胃腸炎、感染性腸炎、過敏性腸症候群など、たくさんの疾患が考えられます。下痢症状だけでクラミジアと断定することは困難なため、ほかの症状もあわせて確認する必要があります。不安な場合はパートナーと2人で病院を受診し、検査してみましょう。

クラミジアとは?

クラミジアとは、既に感染している人との性的行為によって感染してしまう性病の一つです。性的な行為には、オーラルセックス・セックス・アナルセックスなども含まれます。感染部位は、男性と女性で異なりますが、主に性器に感染します。

・男性:尿道、肛門、のど

・女性:膣、肛門、のど

日本では特に若年層の感染者が多く、全ての性病のなかでも最も患者数が多い感染症とされています。

また、5人に4人は自覚症状がないといわれており、何年も気づかないことも多く、クラミジアの感染を放置すると精巣上体炎や骨盤内炎症疾患などを起こし、不妊の原因になってしまいます。

クラミジア性尿道炎は潜伏期間1~3週間で発症しますが、淋病と比較すると潜伏期間が長く、全く症状が出ない場合も少なくありません。かゆみや痛み、膿が出るなど軽度の症状が多く、排尿痛もほとんどないため、不快感や違和感のみの場合もあります。

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クラミジアの原因

クラミジアの原因となる病原体はクラミジア・トラコマティス(Chlamydia trachomatis)です。主に性的な行為によって、感染している粘膜との接触や、分泌物との接触によって感染します。また、分娩時の産道感染で母子感染するケースもあります。

クラミジアの潜伏期間

クラミジアの潜伏期間は、男女共に約3週間前後ですが、1週間程度で体に異変を感じる人もいます。症状を感じるまでの期間には個人差があるため、潜伏期間の3週間を過ぎたから大丈夫ということではありません。また潜伏期間に自分がクラミジアに感染していると気づくのは非常に難しいでしょう。

クラミジアの感染力は約30%~50%と非常に強力で、潜伏期間中にも感染ため、日頃からコンドームをつけるなどの対策が必要です。

【男女別】クラミジアの具体的な症状

男女共にかかる恐れのあるクラミジアですが、男女で症状の違いはあるのでしょうか。ここでは、クラミジアの男女別の具体的な症状についてわかりやすく解説します。

男性の場合

全体の約50%に自覚症状があらわれるといわれています。ストレスなどで抵抗力が弱くなったときに症状が出やすくなります。

・排尿痛

・性器のかゆみ

・睾丸が腫れる

・サラサラとした尿道分泌液が出る

◆咽頭クラミジアの場合

・のどの腫れや痛み

・発熱

◆肛門クラミジアの場合

・排便時の出血

・肛門痛

・粘血便(血液が混ざったベタベタした便)

◆クラミジア性結膜炎の場合

・結膜の充血

・まぶたの腫れ

・目やにの増加

・症状が進行すると結膜にブツブツが出る

女性の場合

全体の約20%に自覚症状があらわれるとされています。ストレスなどで抵抗力が弱くなった場合に症状が出やすくなります。

・黄色いおりもの

・おりものの量が増えた

・普段と違う匂いがする

・排尿の回数が増える

・残尿感

・膀胱炎

◆咽頭クラミジアの場合

・のどの腫れや痛み

・発熱

◆肛門クラミジアの場合

・排便時の出血

・肛門痛

・粘血便(血液が混ざったベタベタした便)

◆クラミジア性結膜炎の場合

・結膜の充血

・まぶたの腫れ

・目やにの増加

・症状が進行すると結膜にブツブツが出る

クラミジアの検査方法

「もしかしてクラミジアかも?」と思って病院に行った場合、どのような検査を受けることになるのでしょうか。ここでは、クラミジアの検査方法について解説します。

うがい検査

うがいをして吐き出した液からクラミジアに感染していないかを調べる検査です。

専用の水でうがいをし、採取用コップに吐き出した後、専用の容器に移し替えて検査にだします。結果は当日〜翌日にはわかります。

血液検査

うがい検査では、骨盤内などクラミジアに感染した場所によっては検査結果が陰性となる恐れがあります。そのため、血液検査で補助的にクラミジア抗体の有無を確認しなければなりません。結果は4〜5日でわかります。

クラミジア抗体の検査の見方は以下のとおりです。

・IgA陰性・IgG陰性:感染していない。

・IgA陰性・IgG陽性:1ヶ月以上前に感染していたが、現在は治癒している。

・IgA陽性・IgG陰性:1ヶ月以内に感染していて、現在も感染している。または偽陽性。

・IgA陽性・IgG陽性:1ヶ月以上前に感染していて、現在も感染している。

クラミジアの治療方法

クラミジアの治療では抗生物質を服用します。ここでは、主な薬を2点紹介します。

薬剤名ジスロマック(アジスロマイシン)クラビット(レボフロキサシン)
形状錠剤錠剤
服薬頻度1回きり4錠1日1錠7日間
特徴1回の内服で治療が完結する。胃痛や下痢が起こりやすい。多くの感染症に高い効果がある。ジスロマックよりも下痢しづらい。

ジスロマック(アジスロマイシン)

ジスロマックは一気に4錠飲むことで、効果が1週間持続します。1回の内服で治療がおわるためよく用いられますが、内服後数日は胃が痛い、お腹がゆるくなるといった症状が出る傾向です。

また、ジスロマックは肝臓で代謝される抗生物質であるため、アルコールの摂取によりジスロマックの吸収率が低下し、薬の効果が弱くなる場合があります。薬の効果が低下すると、クラミジアが治療できなくなることがあるため注意しましょう。

妊娠中にクラミジアにかかっていることが判明した場合、出産前に治療する必要があります。ジスロマックは妊婦も服用できる抗生物質であるため、治療の際にはジスロマックを用います。

クラビット(レボフロキサシン)

クラビットは1日1錠を7日間服用します。ジスロマックに比べ下痢をしづらいメリットがありますが、1週間毎日服用しなければなりません。

服用と検査は医師の指示に従う

抗生物質をしっかり服用した後は、菌が消滅しているか確認するために再度病院で検査を行います。近年では薬への耐性がある菌も増えているため、一度治療をしただけでは完治しない場合もあるのです。症状が改善されても自己判断で薬を中断せず、医師の指示に従いましょう。

クラミジアの治療費用

クラミジアの治療費用は保険が適用されるかどうかで大きく変わります。

クラミジアをはじめとする性感染症の検査を受ける場合、保健所では無料で検査を受けられますが、検査できる病気の種類は限られてしまいます。病院では検査費用がかかりますが、幅広い検査が可能です。感染していることがわかればすぐに治療を開始できるメリットがあります。

クラミジアの治療費用ですが、普段かかっていない病院に行く場合は3,000~5,000円程の初診料が必要です。また、検査費用が3,000~5,000円程、薬の費用が1,000~2,000円程かかるでしょう。保険適用されない場合にはさらに費用がかかります。

初診料(普段かかっていない病院の場合)約3,000~5,000円
検査費用(保険適用の場合)約3,000~5,000円
検査費用(保険適用なしの場合)約5,000~10,000円
薬代(保険適用の場合)約1,000~2,000円
薬代(保険適用なしの場合)約3,000円

クラミジアの予防方法

クラミジアの予防には以下の方法があります。

  • 性的な行為(オーラルセックス・セックス・アナルセックス)では必ずコンドームを使用する
  • 不特定の相手と性的接触する場合や、複数の性的パートナーがいる場合は定期的に検査を受ける
  • 感染していた場合、パートナーも検査を受ける

クラミジアの菌は自然発生することがないため、予防接種はありません。また、感染して治っても免疫を獲得しないため、あらゆる性行為によって人から人へと何度でも感染します。性的な接触があれば誰にでも感染リスクがあるのです。

クラミジアには感染しないための「予防」が非常に重要です。セーフセックスを心がけましょう。

クラミジアに関するよくある質問

クラミジアに関するよくある質問をまとめました。正しい知識を身につけて、しっかり予防しましょう。

クラミジアは自然治癒するの?

クラミジアは以下の特徴を持っているため自然治癒しません。

  • 免疫が成立しづらい特徴の菌
  • 2~3日で増加する増殖サイクル

クラミジア菌は宿主に依存する細菌であるため、免疫が成立しづらい傾向です。そのため、外敵を攻撃してくれる白血球の攻撃が弱く、自然には治癒しません。

攻撃が弱ければ炎症も弱いということになるため、自覚症状があまりなく、感染しても無自覚であることが多いのです。

放置しても自然治癒しない上、さまざまな症状を伴うほかの病気へと重症化していきます。

クラミジアと淋病の違いとは?

クラミジアは、クラミジア・トラコマティスという細菌に、淋病は淋菌に感染することで起こります。

クラミジアと淋病は症状が似ていますが、一般的にクラミジアよりも淋病の方が、症状が強く出る人が多い傾向にあり、どちらも無症状の人が多いという共通点があります。特に、女性の淋病は症状を自覚しづらいとされているのです。

淋病は男性の方が症状を自覚しやすいため、見かけ上は男性の淋病患者が多くなっているように見えます。しかし、これは女性の淋病患者が少ないわけではなく、女性の場合自覚症状が出ないため、検査に至らず少なく見えるだけなのです。

女性の場合は不妊症の原因になる?

クラミジアは女性の不妊症の原因になります。

女性の場合、進行すると「子宮付属器炎」や「骨盤内炎症性疾患」などを発症する恐れがあります。しかし、自覚症状があまりないため、卵管障害や卵管性不妊症がわかってから診断されるケースは少なくありません。女性の場合は男性よりもクラミジア自体の症状は軽度ですが、合併症や後遺症のリスクが比較的高い傾向です。

まとめ

日本では、特に若年層の感染者が多く性病のなかでも圧倒的に患者数が多い感染症です。

クラミジアは自覚症状に乏しく、かかっていることに気づいていないケースは多くあります。クラミジア尿道炎の場合の主な症状として、軽いかゆみや痛み、膿が出るなどが挙げられます。排尿痛はほとんどなく、不快感や違和感を抱くことがあるようです。また、自然治癒はしないため、感染しても何年も気づかないこともあります。自覚症状がないまま放置すると精巣上体炎や骨盤内炎症疾患などを起こし、不妊の原因になります。

万が一感染が疑わしい場合には、旦那やパートナーと一緒に検査を受けましょう。クラミジアにならないためには、性的な行為(オーラルセックス・セックス・アナルセックス)では必ずコンドームを使用する、不特定の相手と性的接触する場合は定期的に検査を受けるといった予防策を講じることが大切です。

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