アフターピル服用前後にお酒を飲んでも大丈夫？飲酒が与える影響と服用時の注意点を解説！

この記事を監修した医師

近都 真侑　

産婦人科医・産業医

近畿大学医学部卒業し、その後名戸ヶ谷病院で初期研修を経て千葉西総合病院と昭和大学の産婦人科にて勤務。ヤフー株式会社にて専属産業医を経て、JR東日本や株式会社ココナラなど述べ20社の産業医を歴任。

この記事を監修した医師

川原正行

ルナレディースクリニック院長 / 産婦人科専門医・母体保護指定医

1998年岡山大学医学部卒業。岡山大学病院、広島中電病院、福山医療センターでの産婦人科研修を経て、独立行政法人医薬品医療機器総合機構（PMDA）にて医薬品・医療機器の承認審査に従事。こうのとりレディースクリニック、新宿レディースクリニックにて勤務の後、2021年よりルナレディースクリニック院長。

「お酒を飲んだ後にアフターピルを服用しても大丈夫？」
「お酒のせいで避妊率が下がることはある？」

アフターピルを服用する際に、飲酒をしてしまって避妊効果に影響はないか不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、アフターピルの服用前後にお酒を飲んだとしても、避妊効果が直接的に低下することはありません。

ただし、飲酒によってアフターピル服用後の吐き気や嘔吐といった副作用が強く現れ、吐いてしまうことで薬の吸収が不十分となり、避妊効果が損なわれるリスクがあります。

この記事では、飲酒がアフターピルの効果にどう影響するのか、そして服用時に注意すべき点を解説します。

ルナレディースクリニックなら、診察前に無料でお悩み相談も可能です。

アフターピルや避妊についてご不安がある方は、ぜひ利用してみてください。

結論：アフターピル服用前後のお酒は避妊効果に影響しない

アフターピル（緊急避妊薬）の服用前後にお酒を飲んだとしても、避妊効果が低下することはありません。

アフターピルの有効成分は、消化器系で吸収され、肝臓で代謝されますが、アルコールによって成分の効果が下がることはないとされています。

そのため「アフターピルを飲んだのに効果がなかったのはお酒のせい？」といった心配は不要です。

【タイミング別】アフターピル服用前後の飲酒

ここでは、服用のタイミングごとに飲酒が及ぼす影響や注意点を詳しく解説します。

アフターピルを飲む前の飲酒

アフターピルを飲む前に飲酒してしまっても、避妊効果に影響はありません。

飲酒後すぐにアフターピルを服用しても、アルコールが薬の吸収を阻害したり、作用を妨げたりすることはないとされています。

ただし飲酒の影響で判断力が鈍ることもあるため、服用のタイミングや用量を間違えないように注意しましょう。

医師から指示された用法・用量を正確に守らないと、アフターピルの効果が十分に発揮されず妊娠のリスクを高める恐れがあります。

アフターピルを飲んだ後の飲酒

アフターピルを服用した後の飲酒も、避妊効果への直接的な影響はありません。

ただし服用直後から数時間以内は副作用が出やすく、アルコールを摂取することで症状が悪化してしまう恐れがあります。

副作用の中でも吐き気や嘔吐はよく見られ、飲酒によってより強く症状を感じることがあるでしょう。

アフターピル服用後に嘔吐してしまうと、薬の成分が十分に吸収されず、妊娠してしまうリスクが上がります。

服用後2時間以内に嘔吐した場合は、すぐに医療機関に相談し、必要に応じてもう一錠服用してください。

副作用による吐き気や嘔吐を防ぐために、最低でも2時間、できれば翌日までは飲酒を控えた方がよいでしょう。

アフターピル服用時の注意点

アフターピルの避妊効果を最大限に引き出すためには、飲酒の有無にかかわらず、注意するべき点があります。

アフターピルはできるだけ早く（72時間以内）に服用する

アフターピルを服用する際に最も重要なのは、性行為後できるだけ早く服用することです。

レボノルゲストレルを主成分とするアフターピルは、性行為後72時間以内の服用が推奨されています。

上記の通り、性行為から時間が経つごとに避妊効果は減少します。

アフターピルによっては120時間以内の服用で避妊効果を発揮するものもありますが、どの種類の緊急避妊薬でも早めに飲むことが避妊率を高めるポイントです。

そのためアフターピルの処方を希望する場合は、可能な限り早く医療機関を受診してください。

2時間以内に吐いてしまった場合は医療機関に相談

アフターピルを服用後、2時間以内に嘔吐してしまった場合、薬の成分が十分に吸収されていない可能性があり、避妊効果が損なわれるリスクがあります。

飲酒の有無にかかわらず、吐き気や嘔吐は現れやすい副作用です。

もし服用後2時間以内に嘔吐してしまった場合は、すぐに医療機関に相談し、再度服用が必要か医師の指示を仰ぐようにしてください。

飲酒をしたことを医師に伝える

アフターピルを処方してもらう際に、お酒を飲んだことや飲酒量・時間を医師に伝えましょう。

医師は健康状態を総合的に判断し、最適なアドバイスや注意点を説明します。

例えば、過度な飲酒によって脱水症状を起こしていたり、肝機能に影響がある場合など、状況に応じて最適な服用方法を検討してくれるでしょう。

安全で効果的にアフターピルを服用するために、情報を正確に伝えることが大切です。

吐き気や頭痛などの副作用に注意

アフターピルは、服用後に以下のような副作用を引き起こすことがあります。

症状は一時的なものがほとんどで、通常24時間以内に治まることが多いですが、症状の程度には個人差があります。

副作用は飲酒によって悪化する可能性がありますが、アルコールが直接的に避妊効果を低下させるわけではありません。

もし症状がひどい場合や、24時間以上経っても改善しない場合は、医療機関に相談しましょう。

ルナレディースクリニックは、ご自宅にいながらオンラインで医師に相談ができます。

医療機関に行けない方でも気軽に利用できるので、ぜひご活用ください。

アフターピルと飲酒の関係に関するよくある質問

アフターピルと飲酒に関して、多くの方から寄せられる疑問に回答します。

大量にお酒を飲んでしまったけど、アフターピルの効果は大丈夫？

大量にお酒を飲んでしまっても、アフターピルの避妊効果が直接的に失われる心配はほとんどありません。

前述の通り、アルコールが薬の有効成分の吸収や代謝に影響を与えないためです。

ただし、大量飲酒は嘔吐を誘発するリスクを高めます。

もし大量飲酒後にアフターピルを服用し、2時間以内に嘔吐してしまった場合は、すぐに医療機関に相談してください。

アフターピル前後の飲酒で副作用が強く出る？

アフターピル自体の副作用（吐き気、頭痛など）と、飲酒による体の不調が重なることで、症状が強く感じられる可能性はあります。

アルコールには利尿作用があり、脱水症状を招いたり、肝臓へ負担をかけたりします。

アフターピルも一部の人には胃腸の不調を引き起こすことがあるため、アルコールと組み合わさることで不快感が増すことがあるでしょう。

しかし飲酒によってアフターピルの副作用が変化したり、重篤な副作用を引き起こすわけではありません。

お酒の種類（ビール、ワイン、日本酒など）によって影響は変わる？

お酒の種類（ビール、ワイン、日本酒、蒸留酒など）によって、アフターピルの避妊効果への影響が変わることはありません。

どの種類のお酒でも、アルコールが薬の有効成分に直接作用して避妊効果を低下させることはないとされています。

重要なのは、アルコールの摂取によって引き起こされる嘔吐のリスクです。

アルコール度数の高いお酒や短時間での大量摂取は、嘔吐のリスクを高める傾向があるため、注意が必要です。

まとめ

この記事ではアフターピル（緊急避妊薬）と飲酒の関係について、詳しく解説しました。

アフターピルの服用前後に飲酒しても、避妊効果に直接的な影響はありません。

しかし、以下の点には十分にご注意ください。

予期せぬ妊娠を防ぐためにアフターピルを服用する際には、冷静に対処することが何よりも大切です。

アフターピルの服用前後に飲酒をしてしまい、避妊効果に影響があるのではないかと不安に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、過度に心配する必要はありません。

もし不安な点や疑問があれば、一人で悩まず、医療機関にご相談ください。

婦人科や産婦人科に行くのに抵抗がある方や、忙しくて受診する時間がない方でも、ルナレディースクリニックならオンライン診療が利用できます。