ファボワールの避妊効果は高いといわれますが、いつから効くのか、飲み忘れたら妊娠リスクが上がるのかといった不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、ファボワールの避妊の仕組みや21錠と28錠の違い、服用前に知っておきたい注意点など、安心して服用をはじめるための知識をわかりやすく解説します。
ファボワールの3つの避妊効果
ファボワールは、正しく飲み続けることで高い避妊効果が期待できる低用量ピルです。
妊娠を防ぐ仕組みとして、以下の3つの働きがあります。
- 排卵を抑える
- 子宮内膜を薄く保つ
- 精子を入りにくくする
1.排卵を抑える
ファボワールの中心となる避妊効果は、排卵を抑えることです。妊娠は、卵子と精子が出会うことから始まるため、卵子が出にくい状態を保てば妊娠のきっかけを減らせます。
ファボワールに含まれる女性ホルモンは、脳から卵巣へ出る排卵の指令を弱め、卵胞という卵子を育てる袋の成長を抑えます。その結果、受精のきっかけとなる排卵そのものを抑え、妊娠の可能性を下げるのです。
2.子宮内膜を薄く保つ
ファボワールには、子宮内膜を妊娠しにくい状態にする働きもあります。子宮内膜とは、受精卵が着床するために子宮の内側に作られる膜です。
通常は生理周期に合わせて膜は厚くなりますが、ピルを飲んでいる間は薄く保たれます。そのため、万が一受精が起きた場合でも、受精卵が子宮にとどまりにくい環境になります。
3.精子の侵入を防ぐ
ファボワールは、子宮の入り口にある粘液の性質も変えます。
この粘液は子宮頸管粘液と呼ばれ、通常は排卵の時期に精子が通りやすい状態になります。しかしファボワールを飲むと、粘液に粘り気が出て、精子が子宮の中へ進みにくくなるのです。
排卵を抑える働きに加えて、精子の通り道をふさぐことで、受精が起こる可能性をさらに下げます。
ファボワールを正しく服用した場合の避妊成功率
ファボワールは、飲み忘れや服用方法の誤りがなければ、高い避妊効果が期待できる低用量ピルです。
国内臨床試験では、避妊を希望した女性992人のうち、薬の効果が十分に得られず妊娠したと考えられる人は1人だったと報告されています。この結果から、避妊成功率は99.9%とされています。
注意したいのは、薬そのものの効果が高くても、毎日の飲み方で結果が変わることです。
飲み忘れを含めた一般的な使用では、避妊失敗率が約9%まで上がるとされています。そのため、正しく服用を継続できるかが大切です。
ファボワールの避妊効果が出るタイミング
ファボワールの避妊効果がいつから期待できるかは、飲みはじめる日によって変わります。
生理初日からはじめる場合と、それ以外の日にはじめる場合では、追加の避妊が必要な期間は異なるため、服用開始日を確認しておくことが大切です。
生理初日から飲みはじめた場合
ファボワールを初めて服用する場合は、生理が始まった日から飲みはじめるのが基本です。生理初日から正しく服用を開始できていれば、飲みはじめた日から避妊効果が期待できます。
これは、排卵に向けた体の準備が本格的に進む前に、ピルの働きで排卵を抑えやすくなるためです。
不安な場合は、念のためにコンドームを併用すると安心です。
生理初日以外に飲みはじめた場合
生理2日目以降、または生理中ではない時期に飲みはじめた場合は、7日間連続でファボワールを服用するまで避妊効果が安定しない可能性もあります。すでに排卵に向けた準備が体内で進んでいることもあるためです。
この期間に性行為をする場合は、コンドームを併用しましょう。飲みはじめた日を忘れないように記録しておくと、不安を減らせます。
避妊効果に不安がある場合は最初の7日間の追加避妊も検討する
生理初日からファボワールを飲みはじめたか曖昧な場合は、最初の7日間はコンドームを併用すると安心です。
とくに生理初日かどうか判断しにくい場合や、服用時間がずれた場合は、コンドームで追加避妊を行いましょう。
ファボワール21錠と28錠の違い
ファボワール21錠と28錠は、実薬に含まれる成分や避妊効果に違いはありません。実薬とは、避妊効果に関わるホルモンを含む錠剤のことです。
大きな違いは、21錠を飲み終えたあとの7日間を、何も飲まずに過ごすか、偽薬を飲みながら過ごすかにあります。
21錠タイプの特徴
21錠タイプは、シートに入っているすべての錠剤が実薬です。
21日間毎日1錠を飲んだあと、7日間は何も飲まない休薬期間に入ります。薬を飲まない日があるため、休薬期間が終わった翌日から新しいシートをはじめるために、開始日を忘れないような管理が必要です。
28錠タイプの特徴
28錠タイプは、21錠の白い実薬に加えて、ホルモンを含まない緑色の偽薬が7錠入っています。偽薬とは、薬の成分による効果はないものの、毎日飲む習慣を続けるための錠剤です。
休薬期間にも錠剤を飲む流れが続くため、次のシートへの切り替え忘れを防ぎやすく、飲み忘れが不安な人に向いています。
偽薬期間や休薬期間の避妊効果
偽薬期間や休薬期間でも、その前の21日間に実薬を正しく飲めていれば、避妊効果は続くと考えられます。
ただし、休薬期間を7日間より長くしたり、新しいシートの開始が遅れたりすると、排卵が起こりやすくなり妊娠リスクも上がります。不安な場合はコンドームを併用し、医師に相談しましょう。
ファボワールを飲み忘れた場合の対処法
ファボワールを飲み忘れた場合、忘れた錠数やシートのどの時期かによって対応が変わります。
ケース別に、飲み忘れの対応を解説します。
1錠飲み忘れた場合
1錠だけ飲み忘れた場合は、気づいた時点ですぐに忘れた分を飲むことが基本です。そのうえで、いつもの時間に当日分も服用します。
同じ日に2錠飲むことになる場合があります。
自己判断で飛ばしたり、翌日以降にまとめて調整したりしないことが大切です。
1錠の飲み忘れであれば避妊効果への大きな影響は少ないとされています。ただし、同じシートで何度も飲み忘れている場合は、避妊効果が不安定になることがあるため、注意しましょう。
2錠以上飲み忘れた場合
ホルモンを含む白色の錠剤を2日以上続けて飲み忘れた場合は、避妊効果が下がる可能性もあります。この場合は、服用を中止して次の月経が来るのを待ってから、新しいシートで再開しましょう。
飲み忘れた周期は妊娠の可能性が高まるため、コンドームを併用してください。
不安が強い場合や、飲み忘れの直前に性行為があった場合は、医師に相談しましょう。
偽薬を飲み忘れた場合
28錠タイプの緑色の偽薬にはホルモンが含まれていないため、飲み忘れても避妊効果そのものに影響はしません。
ただし、偽薬を飲み忘れたことで次のシートをはじめる日が遅れてしまうと、避妊効果に影響する可能性があります。
飲み忘れた偽薬は破棄し、予定通りに新しいシートへ進むことが大切です。
3週目に飲み忘れた場合
3週目に実薬を飲み忘れた場合は、次の休薬期間や偽薬期間に入ることで、薬を飲まない期間が長くなりすぎる点に注意が必要です。この時期に飲み忘れると、排卵が起こり、妊娠につながる可能性があります。
3週目に飲み忘れた場合は、休薬・偽薬期間を設けず、次のシートをはじめる、医師に相談するなどの対応が必要です。
避妊効果に不安がある場合は場合は、コンドームを併用しましょう。
ファボワールで生理をずらすときの避妊効果
旅行やイベントなどで、生理日をずらしたいと考える方もいるでしょう。ファボワールのような低用量ピルでも、生理を移動することは可能です。
| 生理を早める | 一定期間実薬をしたのちに、早めに休薬期間を設ける |
| 生理を遅らせる | 21錠飲み終えたあとに休薬せず、次のシートの実薬を続けて飲む |
では、ファボワールによって生理日を移動した場合の避妊効果について解説します。
生理移動中も避妊効果は継続するが飲み方に注意が必要
生理移動中も、白色の錠剤を正しく飲み続けていれば避妊効果は続くと考えられます。ただし、避妊効果を保つには、実薬を決められた通りに飲み続けることが大切です。
休薬期間を7日以上に延ばしたり、自己判断で服用を中止したりすると、排卵が起こる可能性もあります。
避妊効果を得ながら生理をずらしたいなら医師に相談することが大切
避妊効果を保ちながら生理をずらしたい場合は、自己判断ではなく医師に相談することが大切です。旅行や予定に合わせて出血日を調整したい場合でも、飲み方を誤ると避妊効果が下がる可能性もあります。
自己判断で飲み方を変更せず、医師の指示に沿って服用しましょう。
ファボワールを服用する前に知っておきたい4つの注意点
ファボワールは高い避妊効果が期待できる一方で、以下のような注意点もあります。
- 副作用が出る場合がある
- 血栓症のリスクに注意が必要
- 併用薬によっては効果が下がることがある
- 性感染症は予防できない
効果だけでなく、注意点も理解してから服用をはじめましょう。
1.副作用が出る場合がある
ファボワールを飲みはじめた直後は、体がホルモンの変化に慣れるまで、吐き気や乳房の張り、頭痛、不正出血などが起こることもあります。こうした症状は、服用開始後3ヶ月ほどで落ち着く場合もあります。つらい症状が続くときは医師に相談しましょう。
2.血栓症のリスクに注意が必要
ファボワールでとくに注意したい重大な副作用が血栓症です。血栓症とは、血管の中で血のかたまりができ、血流が妨げられる状態を指します。
以下のような症状は、血栓症の可能性がある危険なサインです。
- 激しい腹痛
- 胸の痛み
- 突然の息切れ
- 強い頭痛
- 視力の異常
- ふくらはぎの急な痛みや腫れ
このような症状が出た場合は、自己判断で様子を見ず、服用を中止して救急医療機関を受診することが大切です。
3.併用薬によっては効果が下がることがある
ファボワールは、ほかの薬やサプリメントとの組み合わせで避妊効果が下がることもあります。抗てんかん薬、結核の治療薬、一部の抗生物質などは飲み合わせに注意が必要とされています。
服用中、もしくは新たに飲みはじめる薬やサプリメントがある場合は、診察時や薬を受け取るときに必ず医師へ伝えましょう。
4.性感染症は予防できない
ファボワールは妊娠を防ぐための薬であり、性感染症は防げません。感染予防にはコンドームが必要です。
新しいパートナーとの性行為や感染リスクが不安な場面では、避妊目的のピルと感染予防目的のコンドームを分けて考えることが大切です。
ファボワールの避妊効果が不安なときの確認方法
ファボワールの避妊効果が不安な場合の確認方法は、以下のとおりです。
- 飲み忘れや体調不良がなかったか確認する
- 妊娠検査薬の使用時期を確認する
- 不安が強いときは医師に相談する
妊娠の可能性を自己判断だけで抱え込まず、必要に応じて妊娠検査薬や医師への相談につなげることが大切です。
飲み忘れや体調不良がなかったか確認する
まず確認したいのは、実薬を正しく飲めていたかです。
服用時間が大きくずれた日や飲み忘れた日、服用後に嘔吐や激しい下痢があった場合は、薬が十分に働いていない可能性があります。
新しい薬やサプリメントをはじめた場合も、飲み合わせを確認しましょう。
妊娠検査薬の使用時期を確認する
休薬期間や偽薬期間に出血がない場合は、妊娠の可能性を考えて妊娠検査薬の使用を検討しましょう。ただし、検査薬は使う時期が早すぎると正しく判断できないことがあります。
一般的な妊娠検査薬は、生理予定日の約1週間後から使えます。
飲み忘れ後に性行為があった場合や、出血がなく不安な場合は、検査薬の説明に従い、確認してみましょう。
不安が強いときは医師に相談する
妊娠への不安が強いときは、自己判断で服用を止めず医師に相談することが大切です。
以下のような情報をメモしておくと、医師に状況を伝えやすくなります。
飲み忘れた錠数
性行為があった日
嘔吐や下痢の有無
使っている薬
不安を一人で抱えず、まずは相談してみましょう。
ファボワールの避妊効果を保つために正しく服用しよう
ファボワールの避妊効果は、正しい服用を続けることで高く期待できます。排卵を抑える働きに加え、子宮内膜や精子の通り道にも作用します。
ただし、飲み忘れ、嘔吐や激しい下痢、休薬期間の延長、薬やサプリメントとの飲み合わせで妊娠リスクが高まることもあるため、注意が必要です。
飲み方を間違えたときや、妊娠の可能性が心配な場合は、状況をメモして医師に相談しましょう。




