2024/08/30
「最近生理がこない」「妊娠しているわけではないのに、どうして生理がこないの?」とお悩みの方はいませんか?もしかすると、生理がこないのはストレスや病気が原因かもしれません。
本記事では、生理がこない原因としてよく挙げられるストレスとの関係性や、考えられる7つの病気について徹底解説していきますので、ぜひご覧ください。
生理がこない!
ここではまず、生理について仕組みや生理がこない原因として挙げられるものを徹底解説します。
そもそも生理とは
生理は、月に1回の周期で子宮内膜から起こる出血のことです。正式名称は月経といいます。
主に13歳頃から初潮を迎える方が多く、そこから閉経までの数十年間、女性はこの生理と上手に付き合っていくことになるため、面倒だと感じる方も多いでしょう。
生理の仕組み
生理は「月経期」「卵胞期」「排卵期」「黄体期」の4つの期間を毎月繰り返して起こります。
この期間は女性ホルモンの「エストロゲン」「プロゲステロン」が分泌され、女性の体内で妊娠への準備が行われています。
エストロゲンは、生理~排卵の起こる卵胞期に分泌量が増加し、生理や出産、皮膚や骨など体内の幅広い部分に大きな影響を与える女性ホルモンです。
対してプロゲステロンは、卵胞期~次の月経が行われるまでの間である黄体期に分泌量が増加し、基礎体温を上げて受精卵が子宮内膜に着床しやすくしたり、乳腺を発達させたりと体を妊娠に備えるための女性ホルモンです。
よく危険日と言われる時期は排卵期で、この時期に精子と卵子が出会い着床すると妊娠成立となり、出会わなければ妊娠のために分泌されているプロゲステロンの量は徐々に減少していきます。
そして、妊娠のために準備されていた子宮内膜がプロスタグランジンと呼ばれる子宮を収縮させる分泌物によって剥がされ、経血と一緒に排出されるのが生理の流れと仕組みです。
生理がこない原因として挙げられるもの
生理がこない原因としてよく挙げられるものは以下の4つになります。
①妊娠
毎月きていた生理がこなくなったとき、1番に疑うのは妊娠の可能性です。
生理がこないことと、妊娠初期症状と呼ばれるものを感じた場合、一度妊娠検査薬を使用して妊娠の有無をチェックしてください。
②ピルの服用
妊娠をしている様子がない場合、日常的にピルを服用している方はそれが原因の可能性もあります。
ピルは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンと呼ばれる2つのホルモン作用を利用した経口避妊薬です。
ピルを服用している間は卵巣を休止させ、排卵を抑制するため、生理がきません。
ただし、ピルには1カ月に7日程度休薬期間と呼ばれるピルの服用をお休みする期間があり、この時期には消退出血と呼ばれる生理のような出血が起こるため、ピルを服用していても出血があった場合、休薬期間であれば体の正常反応です。
③肥満
肥満の方の場合「生殖機能の低下」「卵胞の発育不良」などを引き起こすことで、排卵がしにくくなり、結果的に生理がこなくなることがあります。
また、人によっては生理がまったくこなくなる「月経不順」や、肥満による生活習慣病などの病気を発症する可能性もあります。
肥満の定義に関しては「BMI:体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」の計算結果が25以上の方です。
そのため、生理がこなくなった原因が肥満かな?と思ったら、一度BMIを計算してみましょう。
④過度なダイエット
過度なダイエットで急激に体重が減ると、脳の視床下部・下垂体が生命の危機を感じ卵巣へのホルモン分泌の指示をストップします。
これにより、卵巣からのホルモン分泌が低下することも、生理がこなくなることも原因の1つです。
健康的に体重を落とす場合、月に現在の体重の5%以内の減量が望ましいと考えられています。
例えば50kgの方は約2.5kg、60kgの方であれば約3kg前後までならば月に減量しても許容範囲です。
しかし、それ以上の体重を急激に落としてしまうと、生理がこなくなる可能性が高くなります。
ストレスや病気によって生理が来ない可能性もある
ここまで解説してきた原因以外にも、現代社会ならではの原因として「ストレス」が挙げられます。妊娠とストレス、そして最終的な可能性として病気、この3つは生理がこなくなる原因として疑われることが多いです。
ストレスによって生理がこない原因はホルモンバランスの乱れ
ストレスによって生理がこない原因はホルモンバランスの乱れが挙げられます。
ここでは、ストレスと生理の関係性や対処法に関して徹底解説していきますのでぜひ参考にしてください。
ストレスと生理の関係性
私たちは、ストレスが溜まると脳から副腎皮質刺激ホルモンが分泌されます。
この副腎皮質刺激ホルモンは「食欲抑制」「睡眠抑制」「性腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌抑制」などのはたらきをしています。
生理に関係しているのはこの中の、性腺刺激ホルモン放出ホルモンです。
性腺刺激ホルモン放出ホルモンが脳の視床下部から分泌されると、その刺激で下垂体から卵胞刺激ホルモンと黄体化ホルモンが分泌されます。
そして、これらのホルモンに刺激されることで、卵巣から卵胞ホルモンのエストロゲンと黄体ホルモンのプロゲステロンが分泌され、生理が起こるのです。
しかし、ストレスによって副腎皮質刺激ホルモンが分泌されることによって、性腺刺激ホルモン放出ホルモンが抑制されてしまった結果、ホルモンバランスが乱れ、生理がこなくなるのです。
体がストレスを感じているときのサイン
体がストレスを感じているときのサインは以下のようなものがあります。
- 不安
- イライラしやすい
- 頭痛
- 動悸
- 下痢・便秘
- 胃痛
- 不注意
- 暴飲暴食など
特に、いつもならイライラしないことなのに最近はなぜかイライラしてしまうという方や、暴飲暴食をしたわけでもないのに胃が痛い、嫌なことがあるとついつい暴飲暴食をしてしまうという方は、知らず知らずのうちに体がストレスを感じているとサインを送っている可能性があります。
長期的にストレスを溜め込んで我慢していると、生理がこないだけではなく、最終的に睡眠障害や摂食障害、うつ病などの病気を発症するリスクが高まるため、注意が必要です。
ストレスが原因で生理がこないときの対処法
次は、ストレスが原因で生理がこないときの対処法をご紹介します。
ストレス発散法を見つける
ストレスが原因で生理がこない場合、相当なストレスを溜めている可能性が高いです。
そのため、一気に発散することはできなくてもこまめにストレスを軽減できるよう、何かしらのストレス発散法を見つけることをおすすめします。
例えば就寝前の1時間は、大好きなアロマキャンドルを焚いて目を閉じてみたり、休日は自分へご褒美を与えたりと、自分のできる範囲で行える贅沢をしてみてください。
質の良い睡眠を取る
睡眠には、深い睡眠のノンレム睡眠と浅い睡眠のレム睡眠があります。
この深い睡眠であるノンレム睡眠が得られるほど、体内の修復や回復を促進してくれる成長ホルモンが多く分泌され、自律神経のはたらきを整えることができます。
その結果、ストレスへの耐性や回復力も向上します。
質の良い睡眠をとるためには「眠りやすい環境を整える」「ぬるめのお湯でゆったりと入浴する」「寝る直前までスマホやテレビの光を浴びない」などの対策が有効です。
信頼できる人に話を聞いてもらう
なかなか自分でストレス発散することができないという方は、信頼できる人に話を聞いてもらうことも1つのストレス発散に繋がります。
ストレス解消になる理由として、人に話を聞いてもらうことで、自分の中にある悩みを言葉にして開放することができるからだとされています。
話をする際は、今自分の思っていることをそのまま吐き出してみてください。
最初はまとまりのない話でも、話しているうちに「何がストレスの原因なのか」を自身で明確に理解することができるため、ストレスへのピンポイントな対策法を見つけることができる可能性があります。
漢方薬を服用してみる
漢方とは、中国から伝わって日本で発展した伝統医学で、漢方薬は中国から伝わって日本で発展した伝統医学の漢方医学理論に基づいて処方される医薬品のことです。
漢方薬は、自然界に存在する植物や動物、鉱物などの薬効となる部分を2つ以上組み合わせて作られます。漢方薬は人それぞれの悩みや症状にピッタリの処方を行うことができる点が魅力です。
どの漢方が自身に良いかわからないという方は以下の表を参考にして選んでみましょう。
漢方薬 | 症状 |
桂枝加竜骨牡蛎湯 (けいしかりゅうこつぼれいとう) | 些細なことが気になる緊張しやすいストレスで眠れない日がある疲れやすい |
柴胡加竜骨牡蛎湯 (さいこかりゅうこつぼれいとう) | 布団に入ってもアレコレ考えてしまうイライラしやすい細かいことが気になる万年便秘気味 |
半夏厚朴湯 (はんげこうぼくとう) | 喉に何か詰まったような感覚がある緊張すると咳払いが出る常に気分がふさがってしまう動悸やめまいがある |
抑肝散加陳皮半夏 (よくかんさんかちんぴはんげ) | イライラしやすい周りにあたってしまう歯ぎしりをする癖がある実は胃腸が弱いと思う |
加味帰脾湯 (かみきひとう) | 不眠症些細なことが気になる胃腸が弱い理由はわからないが精神的に不安 |
この他にも、様々なストレスにおすすめの漢方薬があるため、気になった方は一度漢方薬を取り扱う薬局や、ドラッグストアで薬剤師に相談して自身に合った漢方薬を見つけてみてください。
心の病院を受診してみる
周囲の人に話をしたくない方や、誰にも迷惑をかけたくないという方は、心の病院を受診してみるのも1つの手です。
心の病院と聞くと精神的に病気を持っている方が通院するというイメージをお持ちの方もいますが、近年では気軽に心の相談をすることができます。
体の不調には、しっかりと病院があるのですから、心の不調にも病院があって当然です。
最近ストレスが溜まっていて、生理もこないとお悩みの方は、お近くの精神科や、インターネット上で手軽に相談できるオンライン相談などを利用してみましょう。
生理がこない場合に考えられる7つの病気
次は、生理がこない場合に考えられる7つの病気を徹底解説していきます。
高プロラクチン血症
高プロラクチン血症とは、出産や授乳をしていないのにプロラクチンと呼ばれるホルモンの数値が高い状態のことです。
このプロラクチンは、授乳のためのホルモンで通常だと産後に多く分泌されます。
しかし「薬剤」「甲状腺機能低下症」「下垂体の病気」「視床下部の病気」のいずれかが原因となって発症するとされており、プロラクチンの数値が高くなると排卵障害や黄体機能不全による月経不順などが起こる可能性があります。
加えて、そのまま放置すると不妊の原因にも繋がるため、注意が必要です。
高プロラクチン血症の特徴 |
①出産や授乳をしていないのに母乳が出る |
②生理が不定期・年に数回しか生理がこない |
③避妊していない状態で性行為をしても一向に妊娠する気配がない |
④「薬剤」「甲状腺機能低下症」「下垂体の病気」「視床下部の病気」のいずれかが原因とされることが多い |
甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症は、バセドウ病やグレーブス病と呼ばれるもので、甲状腺ホルモンが異常に多くつくられることで、新陳代謝が活発になる病気です。
甲状腺ホルモン以外にも交感神経系のカテコールアミンと呼ばれる神経伝達物質が過剰になることで、「動悸」「体重減少」「下痢」「生理の異常」「眼球突出」などの症状が生じます。
特に生理の異常については「希発月経」「過少月経」「過多月経」のいずれも起こる可能性があります。
甲状腺機能亢進症の特徴 |
①生理異常 |
②息切れ |
③暑がりになる |
④些細なことで疲れやすくなる |
⑤些細なことでイライラして落ち着きがなくなる |
早期閉経(早発卵巣不全)
早期閉経(早発卵巣不全)は、40歳未満で卵巣機能が低下することにより、月経が3カ月以上ない状態のことです。
卵巣のはたらきが悪くなって、エストロゲンなどの分泌がなくなってしまうことで、生理がこなくなったり、更年期のような症状を伴うこともあります。
早期閉経(早発卵巣不全)は明確な原因はわかっていませんが、卵巣の手術や放射線治療、化学療法などのがん治療を受けたことがきっかけとなって発症したという報告や、染色体や遺伝子の異常などで発症したとされる報告があります。
早期閉経(早発卵巣不全)の特徴 |
①40歳未満で月経が3カ月以上ない状態 |
②更年期のような症状を伴う場合もある |
③エストロゲンの不足により、骨折リスクが高まる可能性がある |
④明確な発症原因は不明 |
⑤ストレスによって卵巣がうまくはたらかないことが関係している可能性がある |
生理不順・無月経
生理不順は25日未満で出血したり、次の月経がくるまでに39日以上かかったりと生理周期がバラバラの状態を指し、無月経は妊娠していないにもかかわらず、3カ月以上月経がない状態のことです。
また無月経には18歳以上になっても生理が始まらない「原発性無月経」と過度なダイエットなどが原因となって起こる「続発性無月経」があります。
原発性無月経の原因は、染色体異常や先天性の性器異常、ホルモン異常などとされており、続発性無月経や月経不順の原因はストレスなどによってホルモンバランスが乱れることが原因とされており、黄体機能不全症や機能性子宮出血などを引き起こすリスクが高くなります。
生理不順・無月経の特徴 |
①25日未満での出血、次の月経までの間隔が39日以上「生理不順」 |
②18歳以上になっても生理が始まらない「原発性無月経」 |
③過度なダイエットなどが原因で生理がこない「続発性無月経」 |
④生理不順・続発性無月経はホルモンバランスの乱れが原因として考えられる |
⑤原発性無月経は、染色体異常や先天性の性器異常が原因として考えられる |
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、卵巣内の男性ホルモンが多いことで、卵胞の発育に時間がかかってなかなか排卵することができない疾患です。
多嚢胞性卵巣症候群は、10mmくらいの大きさの卵胞が卵巣の外側に一列に並んだままの状態で、超音波で確認してみると、ネックレスのように見えることから「ネックレスサイン」とも呼ばれています。
生理の異常としては、無月経や希発月経が挙げられ、放置することで不妊にも繋がる可能性があります。加えて、男性ホルモンの影響で「ニキビができやすくなる」「肥満」「毛深くなる」などの症状が現れることも多く、不妊以外にも子宮体がんやメタボリックシンドロームのリスクが高くなるため注意が必要です。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の特徴 |
①生理の異常 |
②元々順調だった生理周期が乱れている |
③最近毛深くなった気がする |
④最近食べ過ぎていないのに太った |
⑤ニキビが増えた |
生理がこないときは「婦人科」を受診しよう
ここまでで解説した通り、生理がこないときには何らかの病気が原因の場合もあります。
そのため、生理予定日から2週間以上生理がこないときは、一度婦人科を受診することをおすすめします。
生理がこないことに関するよくある質問【Q&A】
次は、生理がこないことに関するよくある質問【Q&A】に回答していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
- このまま生理がこないと、どうなりますか?
- 1番心配すべきことは「将来妊娠しにくくなるリスクが高まること」です。1番心配すべきことは「将来妊娠しにくくなるリスクが高まること」です。
- 婦人科を受診する際に何か必要なものはありますか?
- 持っている方は、生理を記録した手帳やアプリを持っていきましょう。持っている方は、生理を記録した手帳やアプリを持っていきましょう。
- 生理がこないだけで、婦人科を受診しても良いですか?
- 女性にとって生理はとても大切なものです。
生理がいつものようにこない場合は、なるべく早く婦人科を受診しましょう。
- 婦人科ではどんな診察をしますか?
- 生理がこない場合、婦人科では問診や採血、超音波検査を行い、必要であれば薬剤の処方を行います。また内診を行う場合も、内診は行いたくない旨を伝えれば無理に行いませんので安心してください。
生理に関する質問はルナレディースクリニックへ
今回は、生理がこない原因について、ストレスと生理の関係性や考えられる7つの病気を徹底解説しました。ルナレディースクリニックはお客様一人ひとりの悩みに寄り添い、ベストな対処法を提案させていただきます。今回の記事も、参考になれば幸いです。
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