コンドームが破れたり、正しく避妊できていなかったりして、妊娠してしまうのではないかと不安になっている方もいるでしょう。
避妊に失敗した可能性がある場合は、性行為からの経過時間を確認し、早めに緊急避妊薬であるアフターピルの服用を検討することが大切です。アフターピルには服用できる期限があり、時間の経過に伴って期待できる効果が低下します。
この記事では、避妊に失敗した可能性があるケースや妊娠確率、アフターピルの服用期限と入手場所について解説します。
避妊に失敗した可能性があるケース

まず、避妊に失敗した可能性について見てみましょう。
以下に当てはまる場合は、緊急避妊を検討する必要があります。
- 避妊せずに性行為をした
- 腟外射精をした
- コンドームが破れた、外れた、腟内に残った
- 性行為の途中からコンドームを装着した
- 低用量ピルを飲み忘れた
腟外射精では、射精前に分泌される液体へ精子が含まれる可能性を否定できません。また、性行為後に腟内を洗浄しても、妊娠を防ぐ方法にはならないため注意が必要です。
低用量ピルを飲み忘れた場合の対処法は、製剤や錠数、シート内の服用時期によって異なります。妊娠を希望しておらず、避妊に失敗した可能性を否定できない場合は、自己判断で様子を見ずに緊急避妊を検討しましょう。
避妊しなかった性交1回による妊娠確率は約10~33%

避妊しなかった性交1回による妊娠確率は、性行為をした時期と排卵日の関係によって異なります。
妊娠希望の健康な女性221人を対象に行われた研究では、尿中ホルモンから排卵日を推定し、避妊しなかった性交1回あたりの妊娠確率を算出しました。その結果、排卵日の5日前では約10%、当日は約33%でした。
ただし、これはあくまで妊娠希望の健康な女性を対象とした研究結果です。避妊に失敗したすべての人へ、一律に当てはまる数字ではありません。
実際の排卵日は、月経周期や体調によって変化します。「生理予定日から考えると排卵日ではない」「妊娠確率が低そう」といった理由だけで、妊娠しないとは判断できません。
妊娠を望まない場合は、確率の高低にかかわらず、早めに緊急避妊を検討することが大切です。
避妊に失敗したときはアフターピルで妊娠を防げる可能性がある

アフターピルは、避妊しなかった場合や、避妊に失敗した可能性があるとき、妊娠を防ぐ目的で服用する緊急避妊薬です。主に排卵を遅らせることで、妊娠の成立を防ぎます。
ただし、服用しても必ず妊娠を防げるわけではありません。
アフターピルには服用できる期限があるため、性行為からの経過時間を確認し、できるだけ早く入手する必要があります。
アフターピルには72時間以内と120時間以内に服用する種類がある
アフターピルには、性行為から72時間以内に服用するレボノルゲストレル製剤と、120時間以内に使用するウリプリスタル酢酸エステル製剤があります。
日本で市販されているのは、レボノルゲストレルを含むアフターピルです。一方、医療機関によっては、120時間以内に服用する種類を扱っている場合もあります。
「72時間以内」「120時間以内」は、服用できる期限です。期限まで同じ効果が続くという意味ではなく、いずれも早く服用するほど高い効果が期待できます。
アフターピルの服用時間は性行為をした時刻から数える
アフターピルの服用期限は、日付や日数ではなく、避妊に失敗した性行為の時刻から数えます。
たとえば、金曜日の23時に性行為をした場合、24時間後は土曜日の23時です。48時間後は日曜日の23時、72時間後は月曜日の23時にあたります。
「翌日だから24時間以内」「3日後だから72時間以内」とは限りません。アフターピルを入手するときは、性行為をした日付だけでなく、時刻も確認してください。
避妊に失敗した性行為が複数回ある場合は、最初の性行為からの経過時間を医師や薬剤師へ伝えます。正確な時刻が分からないときは、把握している範囲の情報を伝え、早めに相談しましょう。
アフターピルの入手場所

アフターピルは、要件を満たした一部の薬局やドラッグストアで購入できます。産婦人科・婦人科を受診し、診察後に処方してもらう方法もあります。
入手場所によって取り扱う種類や受け取り方が異なるため、性行為からの経過時間を踏まえて選ぶことが大切です。
一部の薬局で処方箋なしで購入できる
2026年2月2日から、要件を満たした一部の薬局やドラッグストアで、アフターピルを処方箋なしで購入できるようになりました。
すべての店舗で販売しているわけではありません。購入を希望する場合は、厚生労働省が公開している店舗一覧を確認してください。
薬局やドラッグストアで販売されているのは、性行為から72時間以内に服用するレボノルゲストレル製剤です。購入できるのは服用する本人に限られ、薬剤師から確認や説明を受けます。
購入後は薬剤師の面前で服用する必要があり、持ち帰ることはできません。在庫がない場合や、販売可能な薬剤師が不在のときもあります。
来店前に店舗へ電話し、購入できる状況か確認しましょう。薬剤師による確認の結果、店頭で購入できず、医療機関の受診を案内される場合もあります。
医療機関では診察後に処方してもらえる
産婦人科や婦人科では、診察を受けたうえで、アフターピルを処方してもらえます。医療機関によっては、対面診療だけでなくオンライン診療にも対応可能です。
取り扱っている薬は医療機関ごとに異なります。性行為から72時間以内に服用するレボノルゲストレル製剤のほか、120時間以内に使用するウリプリスタル酢酸エステル製剤を扱う医療機関もあります。
ウリプリスタル酢酸エステル製剤は国内未承認です。服用を希望する場合は、取り扱いの有無を事前に確認してください。
診察では、性行為からの経過時間や体調、服用中の薬を踏まえて、アフターピルについて医師へ相談できます。服用後の経過や妊娠の有無に加え、低用量ピル・ミレーナといった継続的な避妊方法も相談可能です。
【アフターピル服用後の注意点】
アフターピルを服用しても、すぐに避妊の成否が分かるわけではありません。服用から3週間後を目安に妊娠検査薬を使用するか、医療機関を受診し、妊娠の有無を確認してください。
服用後に出血があっても、それだけで避妊に成功したとは断定できません。妊娠検査薬で陽性が出た場合は、産婦人科や婦人科を受診しましょう。
また、アフターピルには服用後の性行為による妊娠を防ぐ効果がありません。妊娠の有無を確認するまでの性行為でも、適切な避妊が必要です。
今後の避妊失敗を防ぐ方法

今後の避妊失敗を防ぐには、コンドームを最初から正しく使用することが大切です。継続的な避妊を希望する場合は、低用量ピルやミレーナも選択肢となります。
ここでは、それぞれの特徴や注意点を解説します。
コンドームを性行為の最初から正しく使用する
コンドームは、性器が接触する前から装着してください。挿入の途中や射精の直前から使用した場合、十分に避妊できない可能性があります。
使用前には、期限が切れていないか、包装に破損がないかを確認します。サイズの合った製品を選び、爪やアクセサリーで傷つけないように扱うことも重要です。
射精後はコンドームの根元を押さえながら抜き、外れや精液の漏れがないか確認しましょう。コンドームは妊娠だけでなく、性感染症を防ぐためにも必要です。
低用量ピルを服用する
低用量ピルは、女性ホルモンを含む経口避妊薬です。主に排卵を抑え、妊娠を防ぎます。
医療機関で診察を受けたうえで処方され、毎日決められた方法で服用します。継続的な避妊を希望する人や、コンドームだけでは不安を感じる人の選択肢です。
ただし、低用量ピルには性感染症を防ぐ効果がありません。性感染症の予防には、コンドームも使用する必要があります。
下記記事では、避妊目的でピルを使用する場合の種類や選び方について解説しています。あわせてご覧ください。
ミレーナを装着する
ミレーナは子宮内に装着し、黄体ホルモンを持続的に放出する子宮内システムです。一度装着すると長期間にわたる避妊効果が期待でき、低用量ピルのように毎日服用する必要はありません。
ピルの飲み忘れが心配な人にとっても、ミレーナは選択肢となります。装着できるかどうかは、診察や検査を受けたうえで医師が判断します。
ミレーナには、性感染症を防ぐ効果がありません。感染予防が必要な場合は、コンドームも使用しましょう。
避妊に失敗した可能性がある場合は早めにアフターピルを服用しよう

コンドームの破損や脱落、低用量ピルの飲み忘れがあった場合は、避妊に失敗した可能性があります。腟外射精や性行為後の腟内洗浄も、妊娠を防ぐ方法にはなりません。
妊娠を望んでいない場合は、性行為をした時刻からの経過時間を確認し、早めにアフターピルを入手することが大切です。一部の薬局やドラッグストアでは、処方箋なしで購入できます。産婦人科・婦人科の対面診療やオンライン診療でも処方を受けられます。
アフターピルの服用後は、3週間後を目安に、妊娠の有無を確認してください。今後も継続的な避妊を希望する場合は、低用量ピルやミレーナについて医師へ相談しましょう。
参考資料
- 厚生労働省|緊急避妊薬の販売が可能な薬局等の一覧
- Wilcoxら|排卵と性交時期・妊娠確率に関する研究
- 第一三共ヘルスケア|ノルレボ 使用者向医薬品ガイド
- アリナミン製薬|海外のアフターピルとの違い・国内承認の有無
資料確認日:2026年11月2日



