尖圭コンジローマとは?症状や治療方法について解説

「性器にイボがある」という悩みをお持ちでないでしょうか。もしかしたら「尖圭コンジローマ」と呼ばれる性感染症が原因かもしれません。尖圭コンジローマは自然治癒が難しく、再発率も高い病気です。

この記事では、尖圭コンジローマの基本情報や治療などについてわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。

尖圭コンジローマとは?

尖圭コンジローマは性病の一つですが、具体的にはどのような病気なのでしょうか。まずはその原因や症状について詳しく解説します。

原因

尖圭コンジローマは、HPV(ヒトパピローマウイルス)に侵されることで感染します。子宮頸がんの原因となるウイルスもHPVですが、ハイリスク型HPVと呼ばれるものであり、尖圭コンジローマを引き起こすウイルスとは別の種類です。HPVは200種類以上存在し、そのうち陰部に感染するものは40種類あります。

尖圭コンジローマの原因になる型は、ローリスクと呼ばれる6型と11型の2種類です。HPVの感染者のうち90%はローリスク型であるといわれています。

感染経路

尖圭コンジローマの主な感染経路としては、性行為が挙げられます。皮膚や粘膜などの微小な傷からウイルスが侵入することで、感染します。ごく稀に手指や病変部位に接触している物を経由して、接触感染することもあるようです。また、分娩時の産道から母子感染するケースもあります。

潜伏期間

尖圭コンジローマの症状が現れるまでの潜伏期間は、平均すると数週間から2~3ヶ月程度です。一方で、半年以上経ってから症状が出る方も少なくありません。潜伏期間が長いため、感染源を特定しづらいことも尖圭コンジローマの特長です。

症状

尖圭コンジローマのイボの色は、ピンク色や茶色、白色や黒色などです。イボの形状はツブ状の表面を持つ乳頭状やトサカ状、あるいはカリフラワー状、もしくは扁平なものが単独または複数できます。

放置するとイボが大きくなり、数も増えます。初期は、イボに痛みやかゆみなどを感じることはほぼありません。しかし、症状が進行すると、大きくなったイボの病変が目立ち、出血・痛み・かゆみといった症状につながる場合があります。

男性の場合は、主に亀頭の先端や陰嚢、尿道、肛門周辺、肛門内にイボの症状が出るのが特徴です。女性の場合は、主に大陰唇や小陰唇、膣前庭、膣内部、肛門、唇周辺、口内にイボが発生します。イボが膣内部にできることもあるため、感染に気付かないまま症状が進行する恐れもあります。

尖圭コンジローマと似ている病気

ここでは、尖圭コンジローマと間違いやすい病気や症状について解説します。

フォアダイス陰茎に白い小さなブツブツとしたできものができます。性感染症ではなく、ブツブツの中身は脂肪です。特別な治療も必要ありません。
包皮腺男性の陰茎にある部位で、タイソン腺とも呼ばれます。包皮小帯(裏スジ)の両側に見られる白いブツブツです。尖圭コンジローマの初期症状に似ていますが、生理現象で生じるものです。
真珠様陰茎小丘疹生理現象で起こるイボで、男性の場合は亀頭の外側に冠状に真珠のような小さなブツブツが生じます。
軟性線維腫(アクロコルドン)首や脇など、摩擦が生じる場所の皮膚にイボが多数出てきます。摩擦や日光照射など、皮膚老化による皮膚の変化であり、悪性のものではありません。
皮下腫瘤皮下腫瘤は皮膚の下にできるしこりのことです。良性と悪性に分かれます。元々小さな良性のしこりがあったものの、細菌感染などが起こり、しこりが大きくなって違和感が生じる場合があります。
毛包炎毛根を包んでいる毛包が炎症を起こした状態です。毛穴の奥で細菌感染を引き起こし、膿が出ることもあります。赤く腫れたり、痛みが出たりすることもありますが、数日で落ち着きます。
扁平コンジローマ尖圭コンジローマと名前が似ていますが、全く別のもので、梅毒に感染した場合にできる皮膚病変です。肛門周辺の皮膚や外陰部に平べったい隆起として生じます。ジクジクとした散在性の病変であり、軽い痛みやかゆみ、不快感があるのが特徴です。梅毒は、病変部の病理組織検査や血液検査で診断されます。梅毒の治療をすると扁平コンジローマも消失します。

尖圭コンジローマの治療方法

尖圭コンジローマには特別な検査は必要なく、目視で確認する「視診」を行います。ここでは、診察後の尖圭コンジローマの一般的な治療方法と、その費用について解説します。

外用薬による治療

外用療法(塗り薬)では、抗ウイルス作用のある塗り薬を患部に塗布する方法が採用されています。腟内や肛門内など、症状が発生している箇所によっては使用できません。

抗ウイルス作用のある塗り薬をイボやその周辺に塗り、6~10時間後に石けんなどを用いて洗い流します。これを1日1回、1週間に3回行います。最低でも2週間程度続ける必要があるため、怠らないようにしましょう。治療期間は症状の進行度合いによって変わりますが、最大16週間続けます。週に3回、1ヶ月使用した場合の治療費は3割負担で4,500円程度です。

注意点として、塗った部位やその周辺に赤みやただれ・潰瘍・表皮のはがれなどが生じることがあります。

液体窒素による治療

−196℃の液体窒素を綿棒などに浸して数秒間患部に押し当てます。ウイルスの活性を抑え、患部を小さくする治療方法です。

1~2週おきに治療を継続し、大きさや数によっては治療に半年ほどかかることがあります。また、外用薬と液体窒素による治療の2つを組み合わせる場合もあります。単独治療の場合、20〜30%の確率で再発する恐れがありますが、2種類を組み合わせることで再発防止に効果的です。

副作用として、痛みのある水疱ができる場合があります。1~2週間ほどで吸収されるため、水膨れができても潰さないようにしましょう。治療費は3割負担で1回800~1,000円程度です。

手術療法

手術療法では局所麻酔をした後、電気メスでイボを切除します。副作用で熱傷や糜爛、潰瘍、疼痛が生じることがあるので注意しましょう。電気メスの代わりに炭酸ガスレーザーでイボを蒸散させる場合もあります。炭酸ガスレーザーを使用する場合も、糜爛や潰瘍、疼痛、色素沈着などの副作用が現れるケースがあります。

手術は1度の治療で、全てのイボを取り除くことができます。一方で、手術後に再発をするケースもあるため、注意深く経過を観察しましょう。なお、治療費は3割負担で9,000~15,000円程度です。

尖圭コンジローマは自然治癒する?

尖圭コンジローマは本来治療が必要な性感染症ですが、自然治癒することが稀にあります。しかし、症状が進行するとイボが増殖するとともにサイズも大きくなる可能性があり、場合によっては悪性化する恐れがあります。

悪性化すると、その分治療にも長い時間が必要です。放置すればパートナーなどに感染させてしまう場合もあるでしょう。症状の悪化防止と感染拡大予防の観点からも、尖圭コンジローマに感染したら早めに受診しましょう。

再発する可能性はどれくらい?

尖圭コンジローマの再発リスクは、3ヵ月以内で25%といわれています。どの治療法でも1回の治療で必ず治るとは限りません。尖圭コンジローマは個人差がある病気で、イボの数や大きさ、治療への反応度合いによって治療にかかる時間が異なります。早い人で1~2ヶ月、長い人では半年から1年ほどです。

表面上のイボを取り除いた場合でも、ウイルスが潜在し再発する恐れがあります。イボが消失してから最低3ヵ月は、再発していないかどうかの確認が必要です。

尖圭コンジローマの予防方法

尖圭コンジローマは、コンドームだけでは完全には予防できません。HPV6型・11型に対応できるHPVワクチンを打つのが有効です。現在日本には、尖圭コンジローマの予防効果があるワクチンが2種類あります。

1つ目は「ガーダシル」です。HPV6型・11型と子宮頚がんの原因ウイルスであるハイリスク型HPV16・18型に対応しています。小学校6年生相当から高校1年生相当の女性は、定期接種として自治体の助成を利用できます。

2つ目は「シルガード9」です。「ガーダシル」で対応している4つのHPVタイプに加え、HPV31・33・45・52・58の5つのHPVタイプに対応しています。

ワクチン名効果のあるHPVウイルス副作用費用
4価ワクチン「ガーダシル」6型、11型、16型、18型疼痛、紅斑、腫脹など全1回で約1万5,000円~2万円程度
9価ワクチン「シルガード9」6型、11型、16型、18型、31型、33型、45型、52型、58型疼痛、紅斑、腫脹、頭痛など全3回で約10万円程度

ワクチン接種費用は、病院・クリニックによって異なります。一般的には、「ガーダシル」では1回あたり約1万5,000円~2万円程度が費用の目安です。「シルガード9」の場合は、全3回で約10万円程度が目安となります。

まとめ

尖圭コンジローマはHPVウイルスが原因で感染・発症する性感染症です。症状は、ツブ状の表面を持つ乳頭状やトサカ状、カリフラワー状、扁平なものが、単独または複数できます。放置するとイボが大きくなり、数も増えてしまいます。

潜伏期間は数週間から8か月程度までと長期にわたり、発症すると治療に時間がかかるのが特徴です。治療には塗り薬や液体窒素、電気メスでの切除などがありますが、一度の治療で完治することは少なく、再発率も3ヵ月以内で25%と非常に高い病気です。自然治癒も難しく、ウイルスが完全に体から抜けるまでに数か月の時間を要します。

予防には正しくコンドームを装着することに加え、HPVワクチンの接種が効果的です。この記事を参考に尖圭コンジローマについてしっかり理解し、予防を徹底しましょう。

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