淋病(りんびょう)とは?喉の痛みや腫れがある場合は咽頭淋菌かも!

淋病は性感染症の一つで、近年患者が増加傾向にあります。発熱などの症状は風邪に似ているため、そのまま放置してしまう方も多いですが、自然に治ることのない病気です。なかでも喉の痛みや腫れがあり、キスやオーラルセックスに思い当たる節がある場合は「咽頭淋菌」を疑った方がよいかもしれません。

本記事では「咽頭淋菌(淋病)」に関する症状、原因、治療法などを紹介します。。喉に痛みがあり、淋病を疑っている場合は、この記事を参考にしてみてください。

喉の痛みは淋病(りんびょう)が原因?

淋病に感染すると、喉に痛みが生じることがあります。一方で、喉に痛みや違和感があるからといって、必ずしも淋病に感染しているわけではありません。風邪などの他の病気が原因となっていることもあります。

では、喉の痛み方によって淋病かどうかを見分けることはできるのでしょうか。喉の痛みは風邪や他の性病など、淋病と似た病気が原因の可能性があるため、淋病であるかどうかを自己判断することは難しいといえます。気になる際は、病院を受診して医師に確認してもらうことが大切です。

咽頭淋菌(いんとうりんきん)とは

「咽頭淋菌」とは、「淋菌」が咽頭(喉)へ感染することで発症する病気のことです。キスやオーラルセックスを伴う性行為をすることで感染します。咽頭淋菌の潜伏期間は2〜7日ほどです。

治療せずに放置すると悪化してしまい、咽頭炎などに進行してしまう恐れがあります。クラミジアに次いで感染者が多く、注意しなければならない性病です。咽頭への感染は比較的女性に多く、近年増加傾向にあります。

そもそも淋病(りんびょう)とは

「淋病」の正式名称は「淋菌感染症」と呼び、性行為やオーラルセックスによって淋菌が感染して発症する性病です。基本的に自然治癒することはないため、放置した場合、悪化し続ける病気です。咽頭淋病のほかにも、男性の場合は「淋菌性尿道炎」、女性の場合は「淋菌性子宮頚管炎」などが発症します。

また、無症状のケースもあるため、無自覚にパートナーを感染させてしまうことがあります。症状を自覚できても、ただの風邪と判断して放置してしまうケースも見られます。思い当たる節がある場合は、早急に病院を受診しましょう。治療が遅れると症状が悪化し、最悪不妊症などに陥ってしまう恐れがあります。

喉の痛み以外の咽頭淋菌の症状

咽頭淋菌の主な症状は喉の痛みですが、それ以外にもさまざまな症状があります。どのような症状があるか確認しておきましょう。咽頭淋菌の主な症状は以下の通りです。

  • 喉の痛みや腫れ
  • 喉がイガイガする
  • 喉が詰まっている感じがする
  • 咳が出る
  • 痰が出る
  • 扁桃腺が腫れる
  • 発熱

咽頭淋菌は、外見上の変化が見られないこともあり、症状が自覚できないケースも多くあります。

咽頭淋菌にかかる原因や感染経路

咽頭淋菌を発症する原因のほとんどは、オーラルセックスを伴う性行為です。加えて、精液や膣分泌液、ディープキスなどからも感染を引き起こします。

また、性行為よりも例は少ないですが、出産時の母子感染も感染経路の一つです。母子感染では、赤ちゃんが産道を通る際に感染します。

咽頭淋菌の治療方法

咽頭淋菌の治療方法は、「抗生物質」「静脈注射」「点滴」が用いられます。主な抗生物質はセフィキシムやミノサイクリン、静脈注射はセフトリアキソンです。薬が効かない耐性を持った菌も増加しており、その場合は抗生物質ではなく、静脈注射が用いられます。

一度の治療では効かないケースもあり、治療後は再検査が必須です。たとえ症状がおさまっても陰性の結果が出ないと完治したとはいえません。

完治が確認できていない状態での性行為は、パートナーを感染させてしまう恐れがあります。症状によって治療期間の差はありますが、おおむね1か月は治療期間と考えておきましょう。

咽頭淋菌の検査方法

淋菌の検査方法は、感染部位によって異なります。咽頭部分の検査であれば、ミネラルウォーターなどでうがいをした際のうがい液を採取します。ここでは、淋菌の検査における「グラム染色法」と「核酸増幅法」の2つを解説します。

グラム染色法

グラム染色法とは「鏡検法」と呼ばれる方法の一つで、細菌を色素で染め分けて顕微鏡で観察する検査のことです。分泌物を検体として採取した後に、顕微鏡で「グラム陰性双球菌」が多核白血球の細胞質内にあるかどうかを確認します。グラム陰性双球菌は、ピンク色のコーヒー豆に似た形をした菌です。

グラム染色法は、淋菌の陽性と陰性を迅速に把握できます。そのため、早急な処置が求められる医療現場などで多く実施されています。

核酸増幅法

核酸増幅法は、ウイルスの遺伝子を検出する検査方法です。ウイルスの遺伝子が増幅する検査液を作成し、そこに唾液などの検体を加えます。ウイルスがいる場合、検査液と反応することで何万倍にも増幅したウイルスの遺伝子が検出できる仕組みです。新型コロナウイルスのPCR検査も、核酸増幅法の一つになります。

核酸増幅法は、増幅した淋菌の遺伝子を検出します。そのため、すでに菌が死んでいる場合でも検出できる方法です。少ない淋菌を発見できる高感度の検査方法といえます。

喉以外に感染する淋病(りんびょう)の種類と症状

淋菌は喉以外で男性器や女性器、目(結膜)にも感染し、淋病を発症させます。喉以外に感染する淋病は、以下の通りです。

  • 淋菌性尿道炎
  • 淋菌性子宮頚管炎
  • 淋菌性結膜炎

ここでは、上記3つの淋病について症状や潜伏期間などを解説します。症状の程度は感染した場所や性別によって違いがあります。特に性器への感染は、不妊症の原因にもなるため注意が必要です。

淋菌性尿道炎(りんきんせいにょうどうえん)

淋菌性尿道炎は、淋菌が男性器に感染し、尿道に炎症を起こす病気です。放置すると前立腺炎や精巣上体炎に進行する恐れがあります。年齢を問わず感染し、適切な治療をしないと不妊の原因である無精子症を患う場合もあります。

また、一度の感染で免疫が作られることはなく、繰り返し感染するケースもあるので注意しましょう。淋菌性尿道炎の症状はクラミジアに似ており、主に以下のような症状があります。

  • 頻尿
  • 強い尿意がある
  • 排尿痛がある
  • 尿道から膿が出る

淋菌性子宮頚管炎(りんきんせいしきゅうけいかんえん)

淋菌性子宮頚管炎は、淋菌感染によって子宮頚管に炎症を起こす病気です。感染後は、約2〜7日間の潜伏期間があります。子宮頚管の炎症が腹腔までに達すると骨盤腹膜炎を起こし、最悪不妊症になるため注意が必要です。淋菌性子宮頚管炎は無症状であるケースも珍しくありません。

淋菌性子宮頚管炎は、主に以下のような症状があります。

  • おりものが増える
  • おりものに異臭がする
  • 不正出血
  • 高熱
  • 悪寒
  • 嘔吐

淋菌性結膜炎(りんきんせいけつまくえん)

目に淋菌が感染するケースは多くありませんが、菌がある部位に触った手で目に触れることで淋菌性結膜炎を起こしてしまう場合があります。多くの場合は、片目にのみ発症するのが特徴です。感染後は、およそ12〜48時間以内で症状が現れます。

性器や喉への感染とは違い、わかりやすく症状が出るため、治療せずに放置してしまうといった事態はあまり起きません。合併症として全眼球炎や角膜穿孔を起こす恐れがあり、最悪の場合は失明につながってしまうため注意が必要な病気です。

淋菌性結膜炎の主な症状は、以下の通りです。

  • まぶたが腫れる
  • 目ヤニが多く出る
  • 目が充血する
  • 白目から膿が出る
  • 重度の化膿性結膜炎を起こす

咽頭淋菌に関するよくある質問

ここでは、咽頭淋菌に関するよくある質問について紹介します。

咽頭淋菌は自然治癒するの?

咽頭淋菌は自然治癒しません。咽頭淋菌を疑う場合は、性病専門の科がある病院を受診するようにしましょう。

咽頭淋菌は、敗血症や関節炎などの全身感染症を引き起こす可能性がある病気です。将来の不妊を引き起こす可能性もあります。重症化する前に早めの受診を心がけましょう。

咽頭淋菌はピンポン感染しやすいの?

咽頭淋菌は、ピンポン感染しやすいという特徴があります。ピンポン感染とは、パートナー同士で再感染を繰り返すことをピンポン球のラリーに見立てた言葉です。淋病は感染しても免疫を獲得できないため、きちんと治療を受けないと何度も感染してしまいます。

ピンポン感染を防ぐには、パートナー間で注意しなければなりません。パートナーが感染していた場合は、完治後再度感染してしまうというケースは多くあります。

咽頭淋菌ではなく咽頭クラミジアの可能性はある?

喉への痛みや違和感がある場合に、咽頭淋菌ではなく、咽頭クラミジアを発症している可能性もあります。クラミジアも性病のひとつで、咽頭に感染したケースを咽頭クラミジアと呼びます。咽頭淋菌と咽頭クラミジアを併発している場合もあるため注意しましょう。

喉の痛みを感じる場合は、咽頭クラミジアよりも咽頭淋菌の方がその症状が強く出る傾向にあります。とはいえ、どちらも感染の自己判断は困難です。どちらも症状が出ない場合もあるため、感染が疑われる場合は必ず病院で検査を受けましょう。

まとめ

喉の痛みや違和感があるとき、ただの風邪と判断するのは早計です。性感染の心当たりがある場合は咽頭淋菌を発症しているかもしれません。咽頭淋菌はピンポン感染しやすく、自然に治ることはありません。喉以外だと性器や角膜などに感染し、咽頭と同様に感染部位に炎症を起こし、淋菌性の尿道炎や子宮頚管炎を引き起こす恐れがあります。自己判断するのは難しいため、必ず病院で検査を受けるようにしましょう。

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