尿検査で性病か分かるの?性病検査方法を解説

「健康診断の尿検査で性病は判定できるの?」「性病にかかったかもしれないけど、尿検査で何が分かるの?」など疑問や悩みがある人も多いのではないでしょうか。

この記事では、尿検査で性病の検査はできるのかという疑問に答えながら、性病の検査を受ける方法や検査の内容、検査で分かる性病について紹介しています。

性病検査で悩みがある人の疑問が解決できる内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。

健康診断の尿検査では性病は分からない

健康診断や人間ドックの尿検査では、性病を調べる項目が含まれていないため性病は分かりません。

尿検査で分かることは、腎臓や泌尿器系などの内科系の病気の有無や病気の兆候です。健康診断の尿検査の項目と調べる内容は以下のとおりです。

検査項目調べる内容
尿タンパク尿に含まれるタンパクの量
尿潜血尿中の血液の有無
尿糖尿のブドウ糖の量
尿沈渣尿を遠心分離にかけてできた沈殿物
尿比重尿に含まれる成分の濃度を数値で示す
尿ウロビリノーゲン尿中のビリルビンの量

上記の項目で異常があった場合、必要に応じて医療機関へ受診し、問診やさらに詳しい検査が行われます。

尿検査は内科系の病気の兆候を調べるために実施

健康診断や脳ドックの尿検査では、内科系の病気の有無や兆候を早期発見し、早期治療を目的として行われています。

尿検査の各項目で分かる病気を以下にまとめました。

尿検査の項目分かる病気
尿タンパク腎臓病、尿路感染症、前立腺や泌尿器系のがん、心臓病など
尿潜血膀胱炎、糸球体腎炎、腎臓や尿路の結石など
尿糖糖尿病、腎性糖尿、甲状腺機能亢進症など
尿沈渣膀胱炎、腎臓や尿路の結石、がんなど
尿比重尿比重が高い場合:糖尿病、脱水症など尿比重が低い場合:腎不全、尿崩症など
尿ウロビリノーゲン肝炎、胆管結石

尿タンパクは運動後や睡眠不足、水分不足などでも陽性となることがあります。また、尿潜血は生理前後に陽性になりやすいため、尿検査と生理期間が重なる場合は健康診断の日程を変更するか、尿検査のみ後日行うとよいでしょう。

性病検査は自分で申し込む必要がある

性病の検査を受けるには、性病検査を行っている診療科に自分で申し込む必要があります。

性病の検査を行っている診療科は、男性は泌尿器科、女性は婦人科や産婦人科です。また性病専門の診療科を性感染症内科といい、男女問わず性病検査が可能です。

ただし、性感染症内科の医療機関によっては、診察対象を男性のみ、女性のみとしているケースがあるので注意してください。診療科による主な診療範囲は以下のとおりです。

対象診療科主な診療範囲
男性泌尿器科腎臓、尿管の尿路系陰茎、前立腺の生殖器系
女性婦人科、産婦人科膣、子宮、卵巣の女性特有の疾患
男女どちらも可性感染症内科性感染症全般

HIV検査は全国の保健所で受診できる

後天性免疫不全症候群(エイズ)の原因となるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染しているかどうかを調べる検査は、全国の保健所にて無料で受けることができます。

匿名で受けられますので、検査履歴や検査結果が誰かに知られる心配はありません。検査は5㏄ほど採血を行い、血液検査でHIV抗体の有無を確認します。

HIVに感染していれば、HIV抗体があるという意味で「陽性(プラス)」、感染していなければ「陰性(マイナス)」という結果が出ます。

HIV検査を受けるタイミング

HIVに感染してもすぐに抗体はできないため、感染の有無をはっきり知りたい場合は、心当たりのある感染の機会から3ヶ月以上経ってから検査をしましょう。その結果が陰性であれば、感染していないと考えることができます。

感染の機会から3ヶ月経っていなくても、検査自体は受けることは可能です。ただしその結果、陰性であっても、最終確認のために3ヶ月以上経ってからの再検査が必要です。

性病検査の種類と判明する病気

性病(性感染症)の種類によっては自覚症状がほとんどないものがあります。

適切な治療をせずそのままにしておくと、性病の重症化やパートナーへの感染、母子感染のリスクが高まるため、性病検査による早期発見・早期治療は重要です。

性病の検査は以下の5つがあります。

  1. 視診
  2. 性器検査(尿検査)
  3. 血液検査
  4. 喉の検査
  5. 皮膚検査

それぞれ詳しく解説します。

視診(性器ヘルペス、尖圭コンジローマなど)

性器ヘルペスや尖圭(せんけい)コンジローマなど肉眼的に診断できる性病は、まず問診をしてから性器などを視診します。

病気とその症状は以下のとおりです。

病気症状
性器ヘルペス・性器周辺や肛門周辺に水ぶくれや赤いポツポツがある・水ぶくれがやぶれるとただれる・痛みや痒み、不快感を伴う・発熱、全身のけだるい感じ(倦怠感)がある・女性の場合は排尿時痛による排尿障害や歩行困難になることもある
尖圭コンジローマ・性器周辺や肛門周辺にとがったとさかのようなイボがある・イボはピンク色や茶色・痛みや痒みはない・放っておくとイボが大きくなったり増えたりする・女性の場合は膣の内側にできることもある

性器検査(淋菌、クラミジアなど)

性器検査は男性の場合は尿検査を行い、女性の場合は尿検査に加えて頸管(けいかん)粘膜を採取します。

頸管粘膜は膣の奥にある子宮の入り口にあたる部分で、この頸管粘膜に性病の病原菌が感染するため、判別には採取が必要です。

医療機関によって医師にて頸管粘膜を採取することや、自分で採取するケースもあります。検査の際に痛みを伴うことがあり、生理中の検査は精度が落ちるため、正しい検査結果が出ない可能性があります。

性器検査から分かる病気は以下のとおりです。

  • 淋菌(りんきん)
  • クラミジア
  • マイコプラズマ
  • ウレアプラズマ
  • トリコモナス
  • カンジダ
  • 細菌性膣症

病気の症状

性器検査から分かる病気の症状を紹介します。

病気症状
淋菌【男性】・尿道の痒みや熱っぽさ・粘液や黄色の膿が出る・ひどい時はペニスが腫れることもある【女性】・男性よりも症状に気づきにくい・緑黄色の濃いおりものがある・尿道から膿が出る
クラミジア【男性】・尿道がむず痒い・排尿時に軽い痛みがある【女性】・無症状のことが多い・おりものが少し増える・軽い生理痛や不正性器出血がある・黄色い濃いおりもの
マイコプラズマ・ウレアプラズマ【男性】・尿道の違和感や痒みがある・尿道から膿が出る・排尿時痛がある【女性】・無症状のことが多い・おりものが増加する
トリコモナス【男性】・無症状のことが多い・排尿時の痛みや頻尿がある【女性】・強い悪臭のする白色と黄色の泡沫状の大量のおりものが出る・陰部の痒みや痛みがある・性交痛や排尿時痛がある
カンジダ【男性】・無症状か痒みがある・ペニスの先端が赤くなり水泡ができる【女性】・陰部の強い痒み、熱感、痛みがある・白いヨーグルト状のおりものが出る
細菌性膣症【女性】・外陰部の痒み、熱感、痛みがある・白色と黄色の悪臭を伴うおりものが出る

尿検査(尿道炎、膀胱炎など)

性病の尿検査は出始めの尿(初尿)を採取することが大切です。出始めの尿は、一般的な健康診断で用いられる中間尿よりも尿道の分泌物や細胞が含まれているため、性病の検査に適しています。

ビタミンCは検査結果に影響を与える可能性があるため、検査前日はビタミンCが多く含まれる飲食物は控えてください。

【ビタミンCが含まれるもの】

  • ビタミンCのサプリメント
  • 栄養ドリンク
  • 青汁
  • アセロラジュース など

尿検査で分かる病気は以下のとおりです。

  • 淋菌(りんきん)
  • クラミジア
  • マイコプラズマ
  • ウレアプラズマ
  • カンジダ
  • 一般細菌(雑菌)
  • 尿道炎(男性)
  • 膀胱炎(女性)

血液検査(梅毒、HIV、性器ヘルペスなど)

血液検査は精密検査では8㏄ほど、即日検査では1ccほどの血液を採取します。健康診断と同じように肘の内側の静脈から採血をしますが、肘の内側の部位での採血が難しい場合は、手の甲や手首から採血するケースがあります。

採血する部位はアルコールで消毒するため、アルコールにアレルギーがある人は採血の前に伝えましょう。アルコールフリーの消毒が使われます。また採血で気分が悪くなりやすい人も事前に伝えた方が無難です。診察台などで横になりながら採血を受けられる場合があります。

血液検査で分かる病気は以下のとおりです。

  • 梅毒
  • HIV
  • 性器ヘルペス
  • B型肝炎
  • C型肝炎

病気の症状

血液検査で分かる病気の症状を紹介します。

病気症状
梅毒・梅毒は感染した後の期間によって症状が異なります。【感染後約1ヶ月】・性器や口にできもの、しこり、ただれができる【感染後約3ヶ月】・手のひらや足の裏など全身に発疹ができる【数年~数十年後】・心臓、血管、神経の異常が現れることがある
HIV・自覚症状がほとんどなく気づくことが困難・HIVによって体の免疫力が低下し日和見感染症を発症するとエイズと診断される
B型肝炎【急性B型肝炎】・微熱、だるさ、食欲不振、吐き気・嘔吐がある・みぞおちの右側に痛みがある・お腹に張りがある・皮膚が黄色くなる(黄疸:おうだん)【慢性B型肝炎】・はっきりした症状が出ないまま、長くB型肝炎ウイルスが滞在する・気が付かないうちに肝硬変や肝がんになることがある
C型肝炎・進行するまで無症状のことが多い・症状がある場合は、だるさ、食欲不振、疲れやすさがある・気が付かないうちに肝硬変や肝がんになることがある

日和見(ひよりみ)感染症とは、普段なら感染しないようなカビ、細菌、ウイルスなどの病原体に抵抗できず感染することをいいます。

喉の検査(淋菌、クラミジアなど)

喉の検査はうがい液や唾液を用いて検査をします。

  • うがい液で検査する方法

生理食塩水を口に含み、上を向いて生理食塩水が咽頭に届くように10~20秒ガラガラうがいします。そのうがい液を検査に使用します。

  • 唾液を用いる方法

咽頭の粘膜を綿棒で採取します即日検査が可能です。

綿棒での検査は反射的に嘔吐を誘発することがあるため、うがい液の方が検査を受ける人の負担が少ないことが特徴です。

加えて、うがい液の方が若干ではありますが、検出率が高いという統計結果が報告されています。菌を採取しやすいように、医療機関を受診する2時間前は食事やうがい、歯磨き、ガムをかむことは控えてください。

喉の検査で分かる病気は以下のとおりです。

  • 淋菌(りんきん)
  • クラミジア
  • マイコプラズマ
  • ウレアプラズマ

皮膚検査(亀頭炎、性器ヘルペスなど)

皮膚検査は、陰部や肛門部など、症状が出ている部位を綿棒で軽くこすって組織を採取します。柔らかい綿棒で軽くこするため痛いと感じることはありません。

皮膚検査で分かる病気は以下のとおりです。

  • 亀頭炎
  • 性器ヘルペス
  • 尖圭コンジローマ
  • トリコモナス
  • カンジダ

性病検査の時間

性病検査にかかる時間は、検査方法と内容によって異なります。目安は以下のとおりです。

  • 検査のみの場合、約20分~30分
  • 診察と検査をする場合、約1時間
  • 即日検査をする場合、検査をしてから検査結果が出るまで約30分~1時間

性病と診断され薬が処方される場合は、院内または調剤薬局での処方にも時間がかかります。医療機関の混み具合や検査方法、薬の処方によって検査にかかる時間が大きく異なるため、時間にはゆとりを持って受診しましょう。

予約をすると検査がスムーズにできる医療機関や、予約不要の医療機関もあります。事前に受診する予定の医療機関に確認しておきましょう。

性病検査結果判明までの時間

性病の検査結果は、すぐに診断できるものから、1週間ほどかかるものもあります。性病の種類と、各性病の検査結果が出るまでの時間・日数の目安を紹介します。

病気検査結果が出るまでの時間・日数の目安
淋菌30分後
クラミジア30分~1時間後
咽頭淋菌2日~3日後
咽頭クラミジア2日~3日後
マイコプラズマ・ウレアプラズマ1週間前後
カンジダ数日~1週間前後
膣トリコモナス症2日後
性器ヘルペス4日~5日後
尖圭コンジローマ1週間前後
亀頭包皮炎1週間後
梅毒15分~20分後
HIV・エイズ15分後
B型肝炎・C型肝炎4日~5日後

検査結果が出るまでに時間がかかる病気は、後日検査結果を聞くために医療機関に受診が必要なケースや、電話やメールで検査結果の報告を受けられることもあります。またwebで検査結果を確認できる医療機関もあります。

まとめ

健康診断や人間ドックの尿検査は、腎臓や病気などの病気の有無や兆候を調べるものであり、性病の有無は分かりません。

性病の有無を調べる際は、診察できる診療科を受診する必要があります。またHIV検査は保健所にて匿名で無料検査が可能です。

性病の検査をすると性病の有無が分かり、性病が判明した場合は症状が悪化する前に治療ができます。

自分と大切なパートナー、産まれる子どもを守るために、適切な医療機関で性病の検査をしましょう。

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