クラミジアの感染経路とは?心当たりがない場合の確認点、男女別の症状を紹介

クラミジアは気が付かないうちに感染します。放置しておくと重症化により不妊の原因となる恐れもあるため、早期の治療が必要です。もしも心当たりがある場合には無症状だったとしても受診が推奨されます。そのような判断材料にするためにも、クラミジアの感染経路や症状、合併症、予防方法、検査、治療法についてご紹介します。

早期発見につなげることができ不妊や重症化を防ぐことができますので、最後まで一読していただければと思います。

クラミジアとは

クラミジアは尖圭コンジローマ、淋菌感染症、性器ヘルペスウイルス感染症とともに5類感染症として感染症法に定められている性感染症(STD)です。日本国内での性感染症で最も多いと国立感染症研究所では発表されています。

クラミジアは感染すると不顕性感染で無症状が多く、自身が感染していることを知らずに生活している方も少なくありません。また知らないうちにパートナーへ感染させている可能性もあります。特に20代前半の女性に多く、新生児への感染も懸念されています。

感染率は年々上昇しており、2015年から2020年の5年間において、女性は1.1倍、男性は1.3倍です。潜伏期間は1~3週間と長く、この期間で性交などの接触がある度に感染してしまう可能性があります。以上より性交の際にはコンドームの着用などの予防がとても大切になってきます。

クラミジアの感染経路は

クラミジアの感染経路は主に粘膜同士や分泌物との接触が原因です。そのため性行為以外にも類似の行為で感染する可能性があります。しかしクラミジアの生命力自体は弱いため、一度体から離れるお風呂やトイレなどのルートでは感染する可能性は極めて低いといえます。

性行為

性行為はクラミジアの感染経路として最も可能性が高くなっています。性行為やオーラルセックス、アナルセックスといった類似行為により感染部位の粘膜同士や分泌物と接触することで感染します。主には性器、尿道、口内などが該当します。

また女性の場合は自覚症状がない場合が多いことから、感染しているとは知らずにパートナーへ感染させてしまい、その後パートナーに症状があらわれてクラミジアの感染が発覚するケースも多くあります。

心当たりがない場合

クラミジアは感染する心当たりがない場合でも、感染しているかもしれません。もしも潜伏期間の1~3週間のあいだ、キスや性行為をしておらず心当たりがない場合には下記のことが考えられます。

  • 精液や膣分泌液が指などに付着していた
  • 唾液に触れて気づかなかった
  • 血液が付着していたまま気が付かなかった

精液や分泌液は尿道や膣を通って排出されています。そのため分泌物の中にもクラミジアは存在している可能性が大いにあり得ます。分泌物がついた指でそのまま自分の性器を触った場合は媒介していることになり、感染するリスクがあるのです。

クラミジアが咽頭感染している場合には、唾液にもクラミジアが混入している可能性があります。もしも唾液や血液が手についたまま眼を擦ると結膜炎を発症させるかもしれませんので危険です。

【男女別】クラミジアの症状

クラミジアは感染するとさまざまな症状が出現します。特に男性は女性に比べて症状が出現しやすい傾向にあり、男性が気づいて受診をして感染が発覚するケースも珍しくありません。男女別で出現する症状や合併症が違うため、早期発見できるように覚えておくと良いでしょう。

【男性】クラミジアの主な症状

男性は女性よりも自覚症状がある場合が多いため、さまざまな症状が出現します。男性の主な症状は下記です。

  • 白い膿の排出
  • 排尿時痛
  • 尿道不快感
  • 掻痒感

男性は尿道口が直接、外とつながっているため、尿道口に感染しやすいのが特徴です。尿道口に感染すると炎症が起こり、排尿時の痛みや尿道の不快、掻痒感が出現したり、さまざまな合併症を起こしたりします。また感染が悪化し精巣の方に感染が広がると陰嚢の腫脹や圧痛、疼痛、発熱などの症状が出現します。

膿が尿道から出てくることがあっても白っぽいものが少量のため気が付きにくい場合が多く、違和感を感じないまま感染が拡大してしまうケースに注意が必要です。

【男性】クラミジア感染で起こる合併症

男性の場合、クラミジアに感染することにより、下記のような合併症が多く見られます。

  • 尿道炎
  • 精巣上体炎

男性でみられやすい合併症として一番多いのは尿道炎です。クラミジアの尿道感染により炎症が起き、排尿時痛や尿道不快感を生じます。尿道炎からさらに感染が悪化してしまうと、精巣への感染が起きて精巣上体炎が引き起こされます。

精巣上体は精巣の上部にあるコイル状の管です。その管が炎症を起こしてしまうと精巣上体炎となります。精巣上体炎になると陰嚢が片方もしくは両方とも腫れてきます。圧をかけると疼痛が見られたり、発熱したりします。

男性の方が女性よりも症状が出やすいため、少しでも自覚症状があれば受診を検討しましょう。

【女性】クラミジアの主な症状

女性がクラミジアに感染すると無症状のことが多く、いつの間にか感染している状況にあるケースが多いです。女性特有の症状が下記のものになります。

  • 帯下の増加
  • 軽い下腹部痛

女性は膣に感染すると子宮頸管が発赤して排膿がみられることがあります。帯下の量も増加し、出血しやすくなったり、月経の期間中でもないのに出血がみられたりする方も少なくありません。

卵管炎になると両側または片側の下腹部に疼痛があり、重度の場合には悪心・嘔吐が出現します。子宮内膜炎による不正出血や発熱がみられ、3人に1人の割合で出現するといわれています。早期の場合には症状が軽度か全くない状態で、悪化していくにつれ、移動する痛みや腹壁が反射的に固くなる動き(筋性防御)や、押して離したときにくる痛み(反跳痛)に注意が必要です。

【女性】クラミジア感染で起こる合併症

女性で起こりうる合併症としては、下記のものが挙げられます。

  • フィッツ・ヒュー・カーティス症候群
  • 卵管卵巣膿瘍
  • 卵管留水症

フィッツ・ヒュー・カーティス症候群は卵管炎から右上腹部に痛みを訴え、肝周囲に炎症を引き起こしてしまいます。その後慢性化してしまい、増悪と寛解を繰り返すのが特徴です。他の症状としては疼痛や発熱、悪心、嘔吐があります。

卵管卵巣膿瘍は慢性的な卵管炎のある女性の約15%にみられるもので、急性と慢性の感染がみられて治療が遅くなったり不完全だったりする可能性が高いです。膿瘍が破裂すると重度の症状や敗血症性ショックがみられる恐れもあります。

卵管留水症は膿ではない液体によって管采部が閉塞し卵管が膨張した状態です。通常は無症状ですが、骨盤圧迫感、性交痛、慢性の骨盤痛、不妊の原因にもなってしまいます。

クラミジアの感染予防策

クラミジアの感染は基本的に接触感染の予防と同様となります。クラミジアは分泌物や粘膜から相手の粘膜に移動するため、下記のような方法が効果的です。

  • コンドームの着用
  • 感染の恐れがある方との性行為は避ける

コンドームの役割は避妊だけではありません。性感染症の感染確率を下げる予防にも大きな役目をはたしています。性行為だけでなく、オーラルセックスやアナルセックスといった前段階からの着用が望ましいです。粘膜や分泌物が直接付着することを避けたいため、コンドームに触れる手にも注意しておきましょう。

また感染の恐れがある方との性行為は必ず避けましょう。不特定多数の方との性行為をしている場合には必ず検査に行き、早期発見と感染拡大防止を心がけましょう。

クラミジアの検査方法とは?

クラミジアの検査方法は基本的に採尿や膣分泌物の採取、血液採取などで行われます。女性でも採尿のみで検査できる方法もあります。検査の種類は下記です。

  • 核酸増幅検査
  • 抗体検査
  • 抗原検査

核酸増幅検査は最も確実な同定が可能です。抗体検査は過去のクラミジア感染歴の確認になります。抗原検査は現在、クラミジアが生息しているのかを調べる検査です。

クラミジアの検査は各自治体が行っていて無料で受診できます。毎日実施しているわけではないため、必ず検査を行っている保健所に問い合わせるかホームページで確認してから行きましょう。

また咽頭クラミジアの場合は咽頭拭い液、肛門の場合は直腸の拭い液で各場所の感染状況を知れます。また性器検査を受けて陰性だった場合には咽頭や肛門からの検査を受ける必要も出てきます。

男性の検査方法

男性のクラミジア検査は核酸増幅検査を行い即日から数日で検査結果を知ることが可能です。ほとんどの場合、採尿のみで可能でTRC法やTMA法、イノムクロマト法、PCR法などさまざまな方法で検査を行います。

イノムクロマト法は即日に検査結果を知ることができ、検体を採取して専用カートリッジに数滴ほど滴下後、15分程度で判定できます。目視でも判定可能ですがリーダーの使用により、目視よりも正確な定量診断が可能です。

男性の場合、検査を行う場所は泌尿器科か性病科での検査となります。男性は症状があれば診察がありますが、検査自体は採尿を行うのみで終了です。当日から1週間以内には検査結果がわかるでしょう。もしも陽性だった場合にはパートナーと一緒に治療が開始となります。

女性の検査方法

女性の検査方法も男性と同じTRC法やTMA法、イノムクロマト法、PCR法ですが、検体の採取方法が異なります。核酸増幅検査の場合、男性は採尿で可能でしたが、女性の場合は下記の検体を採取します。

  • 膣の分泌物
  • 帯下
  • 尿

どのような装置を使って検査を行うのかによって、採取する検体が変わってきます。綿棒で膣内を拭って分泌物や帯下を採取するか、採尿を提出するかです。月経中の場合は月経期間が終了してからの検査になります。

女性は泌尿器科や性病科に加え、婦人科でも検査が可能です。パートナーと一緒に受診する場合には婦人科の検査は難しいため、問い合わせてから検査に行きましょう。

クラミジアの治療法

性感染症ガイドライン2016によると、性器クラミジアの治療方法は薬物療法が主な選択です。マクロライド系またはキノロン系の抗菌力があるもの、またはテトラサイクリン系の薬剤を1日か7日間連続投与により治癒を目指します。

抗菌剤は内服のものと点滴で行うものがあり、重症化しているものに対しては点滴治療が検討されます。点滴治療となった場合でも3~5日の投与でその後は内服薬への切り替えが可能です。点滴はミノサイクリンが有効とされています。

治癒の判定としては内服開始後2週間経過して、核酸増幅法などを用いてクラミジアが検出されるかどうかを観察します。血清抗体検査では治癒の判定はできないため注意が必要です。内服による治療がきちんとできていない場合には2~3週間後にクラミジア病原検査を行って、治癒を確認します。

クラミジアは自然治癒するの?

クラミジアは自然治癒することはありません。クラミジア自体は生命力が非常に弱い病原体ですが、増殖し続けるため自然治癒することはなく、ピンポン感染(パートナーに移し、再度自分にも感染して繰り返してしまうこと)の原因になります。

治療をせずにそのまま放置しておくと、不妊の原因になったり重症化したりと辛い経験をするため、必ず受診して医師の指示通りに治療を受けましょう。ピンポン感染を防ぐためには、必ずパートナーと一緒の同時期に治療をする必要があります。

また治療中とその後に医師が問題ないと判断するまでは、性行為は控えるようにしましょう。感染力が強いため、少しの量でも生存していると感染してしまう可能性があります。

まとめ

クラミジアの感染経路は性器が接触する性行為が主ですが、オーラルセックスやアナルセックスでも咽頭や直腸に感染してしまいます。またパートナー同士でクラミジアを移し合ってしまうピンポン感染を防ぐため、同時期の治療が必要です。

男性の場合は泌尿器科か性病科、女性の場合には婦人科でも検査が可能ですので、パートナーや心当たりがある方と一緒に治療を受けましょう。医師が治癒したと判断するまでは性行為を控えて、治療に専念する必要があります。

もしもそのまま放置してしまうと不妊の原因になったり、重症化して腹膜炎や精巣上体炎などになったりしてしまいます。性行為の時にはきちんとコンドームを使用し、感染予防に努め、少しでも心当たりがある場合には必ず受診しましょう。

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