ED(勃起不全)とは?原因や治療法を知って正しい対策を!

ED(勃起不全)とは、性機能障害の1つです。性行為の際に「勃起しない」「十分に硬くならない」などの症状がある人はEDの可能性が考えられます。従来、EDの治療は困難と言われていましたが、現在はほとんどのケースで治療が可能です。

ここではEDで悩んでいる人に向けて、EDになる4つの原因に加え、具体的な治療法や対策を解説します。最後までご覧いただければ、今すべきことが明確になるでしょう。

EDとは

ED(勃起不全)とは、「勃起機能が低下」する症状です。以下に該当する場合、EDの可能性が考えられます。

・勃起しない

・勃起しても持続しない

・たまに勃起しないことがある

・十分に硬くならない

・挿入しても柔らかくなって抜けてしまう

一言でまとめると、満足のいく性行為を行えるだけの勃起が得られない状態はEDと言えます。

ED=「勃起不全」「勃起障害」

ED(勃起不全)とはErectile Dysfunctionの略で、それぞれの英単語が表す意味は以下のとおりです。

・Erectile:勃起性の

・Dysfunction:機能障害(不全)

勃起に関するあらゆる機能障害(不全)はEDに該当します。EDは根本の原因となる病気が改善され、自信を取り戻すことにより、完治させることも可能です。EDの原因は人それぞれ異なるため、まずはEDが引き起こされる要因を知ることが重要と言えます。

そもそも勃起はどのようにして起きるのか

勃起は性的興奮によって起こります。勃起までの大まかな流れは以下のとおりです。

  1. 性的興奮が起こる
  2. 陰茎海綿体に動脈血が多く流れ込む
  3. 血液が充満して勃起する

「陰茎海綿体」とは、陰茎(ペニス)の長さや太さ、形状などをつかさどる組織のこと。簡単に言えば、性的興奮により、血液が充満することで勃起が起きるというメカニズムです。

EDの原因を4つのタイプ別に紹介

EDと一口に言っても、発症する原因はさまざまです。EDの原因は、大きく以下4つのタイプに分類できます。

  • 神経・血管系の障害(器質性ED)
  • 心理的・精神的なストレス(心因性ED)
  • 器質性EDと心因性EDが合わさったもの(混合型ED)
  • 薬剤の副作用(薬剤性ED)

それぞれのタイプごとで、原因となる疾患や状況、発症しやすい年齢などが異なるため、まずはどのタイプに該当するかを知ることが大切です。ここからは、タイプごとに解説を進めます。

タイプ1:神経・血管系の障害(器質性ED)

器質性EDとは、血管や神経、内分泌系などの機能が原因で起きるEDです。40代以降に多く見られます。

原因となる疾患・状況など・血管の障害(糖尿病・動脈硬化・高血圧・事故等による血管の損傷など)・神経の障害(脳卒中・パーキンソン病・てんかん・事故等による神経の損傷など)・内分泌系の機能低下(テストステロンの減少など)
発症しやすい年齢40代~

「テストステロン」は男性ホルモンの一種で、加齢やストレス、運動不足などが原因で減少します。テストステロンの量が減ると、性欲が減退する点にも注意が必要です。

タイプ2:心理的・精神的なストレス(心因性ED)

心因性EDは、心理的・精神的な要因、もしくはパートナーとの関係が原因となって引き起こされるEDです。主に20~30代に多く見られます。

原因となる疾患・状況など・現実心因(パートナーとの関係・妊活のプレッシャー・ストレスなど)・深層心因(性行為への不安や嫌悪感・自身の体や女性へのコンプレックスなど)
発症しやすい年齢20~30代

性的に興奮していても、心理的・精神的なストレスによって体が反応しなくなるケースは多いです。上記のほか、うつ病や統合失調症、アルコール依存症などの精神疾患も、心因性EDに関連すると考えられています。

タイプ3:器質性EDと心因性EDが合わさったもの(混合型ED)

混合型EDは、器質性EDと心因性EDが合わさって引き起こされます。概要は下表のとおりです。

原因となる疾患・状況など・血液の障害(加齢による動脈硬化や高血圧など)・仕事のストレス(仕事が上手くいかない・役職が変わって重圧がかかるなど)・プライベートのストレス(子どもの自立・介護など)
発症しやすい年齢40~60代

混合型EDは核となる原因を捉えにくく、改善までに時間がかかるケースもあります。40~60代の人は特に注意が必要です。

タイプ4:薬剤の副作用(薬剤性ED)

薬剤性EDはその名のとおり、薬の副作用が原因となって起こるEDです。原因となる主な薬剤を紹介します。

原因となる薬剤など・睡眠薬・降圧薬・抗うつ薬・精神安定剤・男性ホルモン抑制剤・アレルギー用剤(ステロイドなど)
発症しやすい年齢年齢は関係なし

薬剤性EDは服用している薬の副作用に起因するため、年齢は関係ありません。上記の薬を服用したからといって全ての人にEDの副作用が発症するとは限りませんが、発症の可能性は少なからずあるとして認識しておかなければなりません。

EDの治療方法

EDの治療方法は大きく、以下の3通りに分類できます。

  • 薬物治療
  • 外科治療
  • その他の治療

その他の治療は生活習慣の見直しによるセルフ治療を指します。それぞれの治療方法について、具体的に見ていきましょう。

【薬物治療】最も一般的な対処法

EDの最も一般的な対処法として、薬物治療(内服薬による治療)が挙げられます。以下が、現在日本国内で使用を認められている治療薬です。

商品名総称
バイアグラシルデナフィル(Sildenafil)
レビトラバルデナフィル(Vardenafil)
シアリスタダラフィル(Tadarafil)

もちろん、自己判断による薬の服用は厳禁ですし、薬物治療で必ずしも結果が得られるとは限りません。ただ、ED治療薬によって勃起の改善が見られれば、大きな自信に繋がります。

成功体験を積み重ねることで、性行為に対するポジティブなイメージを取り戻すことができるでしょう。

【外科治療】手術で改善を図る

EDの治療は、外科手術で改善を図るのも1つの方法です。手術には、陰茎や陰茎近くの血管の治療を行って血流改善を図るものや、陰茎の中にシリコンの棒を埋め込み、物理的に改善を図るものなどさまざまです。

手術特徴
PTA(経皮的血管形成術)カテーテルを用いて血管を広げる治療法。血管系の原因で起きているEDの治療に効果が見られるが、血管が完全に閉塞している場合、適用は難しい。
衝撃波治療特殊な医療機器を使って陰茎に低強度の衝撃波を与えることで、血管新生の促進を図る治療法。元々別分野での治療に用いられていたが、近年、当治療法に血管新生効果があることが判明し、EDの治療にも導入されている。
陰茎プロステーシス手術「プロステーシス」と呼ばれる、シリコンでできたインプラントを陰茎内に埋め込む治療法。疑似的に勃起を実現することが可能だが、「自然な勃起の実現が不可能になる」「埋め込んだ器具は取り外すことが困難」などといった理由から、治療の最終手段として用いられることが多い。

上記は外科治療の一例です。「薬物治療では効果が見られなくなってきた」「もっと根本から治したい」など、状況によっては外科治療が抜群の効果を見せることもあるでしょう。

【その他】セルフでできる対処法もある

薬物治療や外科治療のほか、以下のようなセルフでできる対処法も有効です。

  • 十分な睡眠時間の確保
  • 栄養バランスの取れた食事の摂取
  • 定期的な運動・筋トレの実施
  • 禁酒・禁煙

それぞれの項目について、具体的に解説します。

十分な睡眠時間の確保

EDのセルフケアをするうえで、十分な睡眠時間の確保は重要です。十分に睡眠が取れていない場合、勃起機能が落ち、EDに繋がりやすいことがわかっています。

また、自ら睡眠時間を削ってしまっている場合もそうですが、「睡眠時無呼吸症候群」など、何らかの病気の影響でしっかりとした睡眠が確保できていない場合もED発症の危険性があります。

小さなことですが、EDを疑う人やEDに悩む人は自身の睡眠の質を見直してみてください。

栄養バランスの取れた食事の摂取

EDは糖尿病・高血圧・肥満などの生活習慣病に起因するケースがあるため、栄養バランスの取れた食事の摂取を心がけてください。EDの予防や改善に期待できる栄養素と主な食材は下表のとおりです。

栄養素主な食材主な効果
亜鉛卵黄・豚肉・チーズ・牡蠣 など男性ホルモンのテストステロンの分泌を促す
シトルリンスイカ・メロン・トウガン・へちま など陰茎の血管を広げる「NO(一酸化窒素)」の生成を促す
DHA・EPAイワシ・サンマ・サバ・サケ・アジ など全身の血行を改善する

上記とは逆に、カロリーや塩分、脂質が多くなりがちなインスタント食品やジャンクフードは避けたほうが良いでしょう。血行悪化や血流低下が動脈硬化の原因となり、EDを引き起こす可能性があるためです。

定期的な運動・筋トレの実施

定期的な運動や筋トレを実施することで、EDの改善に繋がるケースがあります。血流が良くなり、勃起に必要な血液が陰茎まで届きやすくなるためです。特におすすめの運動や筋トレの具体例を紹介します。

  • ジョギング
  • ランニング
  • スクワット
  • ケーゲル体操(骨盤底筋体操)
  • 開脚ストレッチ

ケーゲル体操は「骨盤底筋体操」とも呼ばれており、以下の4ステップで勃起をコントロールする筋肉を手軽に鍛えることができます。

  1. 仰向けに寝て膝を曲げる
  2. 足を肩幅に開く
  3. 肛門を5秒間ぎゅっと締める
  4. 5秒間脱力する

禁酒・禁煙

過度な飲酒や喫煙をしている人は、禁酒や禁煙にチャレンジしてみてください。アルコールには神経系の働きを抑制する作用、タバコには血管を収縮させる作用があることから、EDに繋がる可能性があるとされるのです。

程よい飲酒なら問題ありませんが、毎日大量のアルコールを摂取しないと気が済まない人は注意が必要です。喫煙も血流に悪影響を与える可能性が考えられるため、控えるに越したことはありません。

「EDかも…」と不安になったらやるべきこと

「EDかもしれない…」と不安になったときは、以下いずれかの対応を参考にしてください。

  • 悩んだらとりあえず「泌尿器科」もしくは「かかりつけ医」へ
  • より的確な治療なら「精神科」「神経科」「ED専門医」など、原因に合わせた病院を受診

それぞれの項目について、順番に解説します。

悩んだらとりあえず「泌尿器科」もしくは「かかりつけ医」へ

EDに悩んでいるならひとまず、「泌尿器科」に相談してみましょう。EDの診療やED治療薬の処方に対応してもらえる泌尿器科は数多く存在します。

また、普段から飲んでいる薬や、受けている治療がEDの原因になっている可能性があるため、かかりつけ医に相談するのも有効な対策です。心当たりがあるなら、行きつけの病院に足を運んでみてください。

ちなみに、泌尿器科やかかりつけ医で相談した結果、EDの原因が専門外と判明した場合は、適切な病院を紹介してもらうことができます。

より的確な治療なら「精神科」「神経科」「ED専門医」など

EDの原因がある程度明確になっているなら、より的確な治療を求めて以下に相談するのが良いでしょう。

  • 精神科
  • 神経科
  • ED専門医

心理的、精神的なストレスが引き金となって起こる心因性EDの場合は精神科、神経や血管系の障害とされる器質性EDなら神経科といった具合で、原因によって的確な治療が行える科が変わります。EDの原因が特定しにくい場合は、ED専門医で診察を受けるのもおすすめです。

ただし、精神科や神経科、ED専門医なら、より的確な治療を施してもらえますが、必ずEDが治るとは限らないことを理解しておきましょう。

【注意】自己判断による通販での治療薬購入は非推奨!

ED治療薬による治療は一般的に知られている手法ですが、自己判断による通販での治療薬購入はおすすめできません。特に以下の点には注意が必要です。

  • 海外通販は偽造品が出回っている
  • 海外通販と医療機関が正式に行っている「オンライン診療・通販」は別物
  • 個人輸入の国内通販は違法行為

偽物の薬は思わぬ健康被害を引き起こすリスクがあります。実際に、偽造シアリスを服用し、重篤な低血糖症を発症した人の事例が報告されているため、十分に注意しておきましょう。

ED治療薬は、医療機関を通して購入するのが鉄則と言えます。

まとめ

EDは、陰茎(ペニス)に血液が充満することによって起きる「勃起」が、何らかの原因によって上手く起きず満足に性行為を行えない「勃起不全」です。

その原因はさまざまで、その原因によって対処法は全く異なります。もし「自分はEDかも…」と不安になったら、「泌尿器科」や「かかりつけ医」に相談してみましょう。

なお、自己判断による通販での治療薬購入はNGです。偽薬を服用することで、甚大な健康被害が引き起こされる可能性があります。ED治療薬を服用する場合は必ず、医師の指導のもとで使用してください。

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