おりものからいつもと違った、「変な」においがする。
もしかしたらそれは細菌性膣症という病気のサインかもしれません。
細菌性膣症は、膣内の細菌バランスが崩れて悪玉菌が増殖することで起こります。症状が軽いため放置されがちですが、特に妊娠を希望している女性にとっては、流産や早産など大きなリスクにつながる可能性があります。
この記事では、細菌性膣症についてその検査方法と治療法、そして予防法を紹介します。

細菌性膣症の検査方法は?
細菌性膣症の検査は主に膣の分泌液を用いた「おりもの検査」で行われます。検査による痛みや、かゆみもありません。 分泌液が灰色であったり、膣内のpHがアルカリ性寄りであったり、魚が腐ったようなにおいにより細菌性膣症を確定します。
もし妊娠を望んでいる場合、細菌性膣症かもしれないと思ったら一度検査することをおすすめします。なぜなら、細菌の増殖によって子宮頸管炎や絨毛膜羊膜炎といった病気を引き起こしてしまったり、妊娠している女性の場合はさらに進行して前期破水や切迫早産、早産につながってしまうからです。
ただし、細菌性膣症のほとんどは症状が出ません。妊娠を希望している場合は、早産・流産の原因になってしまう可能性があるため、念のために検査しておくと安心です
感染が判明した場合でも、妊娠14週までに治療を行うことで流産の危険を避けた上で妊娠を継続できます。
おりもので分かる細菌性膣症の見分け方
細菌性膣症かどうかはおりもので判別できます。細菌性膣症かどうかを見分けるためには、おりものの「色・におい・形状」が重要なポイントです。
細菌性膣症は通常、おりもののにおいで判別します。おりものが「魚の腐ったような強いにおい」の場合は、細菌性膣症の可能性が高いです。パートナーからの指摘で検査をしてみたら病気だったということもあります。
おりもの「黄色や灰色」の場合も同様です。細菌性膣症は、おりものの形状にはあまり変化はみられません。
また、外部のかゆみや、おりものの量自体が増加することもあります。
おりものに異常が出る病気は他に膣カンジタ症や、膣トリコモナス症があります。
膣カンジダ症
膣カンジダ症の場合、おりものは白色の酒かす状になります。形状から細菌性膣症ではないと判断できます。また腹壁や膣の外部周辺に灼熱感、痒み、発赤を伴います。おりものは魚の腐ったようなにおいにはなりません。症状からも細菌性膣症とは区別することが可能です。
膣トリコモナス症
膣トリコモナス症の場合、おりものは膿のような黄色~黄緑色の泡沫状となり、こちらも形状から細菌性膣症でないことが分かります。症状としては外陰部ではびらん、灼熱感、痒み、排尿時の痛みがあります。膣トリコモナスにかかった女性のおりものは生臭いにおいがします。
おりもの異常の原因は早期発見することが重要です。検査キットを使って自宅で簡単にチェックする方法があります。まずは手軽な検査キットを試してみることがおすすめです。
\おりものの異常があれば性病検査をしましょう/

細菌性膣症の治療法
細菌性膣症の治療は、服薬と生活習慣の見直しによって行います。
細菌性膣症の治療には、メトロニダゾールやクリンダマイシンが有効です。
メトロニダゾール :1日2回の経口服用を7日間継続させます。途中で症状が緩和しても必ず7日間飲みきってください。ただし妊娠初期は経口服用はできません。経口薬は全身に作用をもたらす可能性があるため妊娠している女性に対しては外用薬の方が望ましいです。膣錠やクリンダマイシンの外用を行います。
クリンダマイシン : 妊婦には外用薬であるクリンダマイシンで治療を用います。ただ、クリンダマイシンはコンドームを含めたラテックス製品の避妊具を使用することができません。それはクリンダマイシンがラテックスを弱めるためです。
妊娠している場合、感染の可能性を考えると、性行為は控えた方がよいかもしれません。
細菌性膣症になると、悪臭を軽減させようと膣を頻繁に洗う方も多いですが、これは一時的な効果しか得られません。洗いすぎによって膣内の「善い」菌(自浄作用を担う菌)を減らしてしまうため、過度な膣洗浄はやめましょう。
デリケートゾーン専用の石けんを用いて、膣内の自浄作用を保つようにすることが大切です
細菌性膣症に限らず、病気になった時に前向きに考えることは簡単ではありません。特にデリケートゾーンの悩みならなおさらです。
細菌性膣症は、膣内の菌のバランスが崩れることによって起こる現象です。病気にかかったことをきっかけに、規則正しい生活習慣を心がけ、負荷の強いストレス環境にいる場合はその環境を見直すことをおすすめします。
細菌性膣症の予防法は?

細菌性膣症の予防法はいたってシンプルであり、以下の予防法を徹底してください。特に妊娠を希望している場合はリスクの高い感染症ですので、しっかりと予防することが求められます。
- 疲れやストレスを溜めすぎないこと
- 性交渉の際にはコンドームを着用すること
- 過度に膣洗浄をしないこと
特に妊娠を希望している場合はリスクの高い感染症ですので、しっかりと予防することが求められます。
細菌性膣症には、寝不足が続いたり、疲れが溜まっている時にかかりやすくなります。強い疲れを放置すると細菌性膣症だけでなく、他の感染症の病気にもかかりやすくなります。
細菌性膣症も放置していると卵管や子宮に感染が広まる可能性があります。その際、骨盤内の炎症など、リスクの高い疾患につながりやすくなります。また、将来妊娠しにくくなる危険性もあります。
無理のないライフスタイルを過ごすためにはどうすればよいかを一度考えてみてください。
細菌性膣症の予防はもちろん、性病の予防としてコンドームが効果的です。パートナーが嫌がる、面倒だから、つけない方がいい、など理由はさまざまですが、コンドームを着けないことで細菌性膣症をはじめとした性病にかかるリスクも高くなってしまいます。性病予防の観点からしてもコンドームは着用するようにしてください。
過度な膣洗浄は、膣が持つ自然な自浄作用を損ない、感染症のリスクを高めてしまいます。よかれと思って、膣内を石鹸やボディソープで洗いすぎると、膣内の善玉菌であるデーデルライン桿菌まで洗い流してしまい、細菌バランスが崩れる原因となります。外陰部をぬるま湯で優しく洗う程度で留めましょう。
細菌性膣症はトイレやパートナーとの性交渉時に軽い痛みを感じることがあります。これは一時的にコリネバクテリウム菌などが増殖している状態です。自覚症状がないこともありますが、放置していると「子宮外妊娠」や「不妊」のリスクが高まってしまいます。
まとめ
本記事では、細菌性膣症における検査方法、見分け方、治療方法、予防法を紹介しました。
細菌性膣症は症状が出ないこともあり、つい放置してしまうこともあるかと思います。しかし、妊婦さんや、今後妊娠したい女性にとって大きなリスクとなってしまう可能性があります。
いつもと違う違和感に気づいたら、些細なことでも構いませんので、まずは一度病院で検査をしてみてくださいね
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おりものの異常がある、性病の心配がある方は一度検査してみることをお勧めします。
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