細菌性膣症という病気をご存知でしょうか?
細菌性膣症は、名前の通り女性特有の疾患で、女性なら誰でも発症する可能性がある病気です。デリケートゾーンのことなのでなかなか相談することが難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
放置していると症状が進行して重大なことが起こる可能性もあるので早めの治療が必要です。細菌性膣症の対策をするためにも症状や原因について知ることも重要なことです。
今回は、細菌性膣症と原因や注意点を解説します。
細菌性膣症とは?
細菌性膣症は、膣の中の細菌バランスが崩れることで起こる疾患です。人間の体には、常在菌というものが皮膚だけでなく膣の中にも存在しています。常在菌は、ざまざまな菌がバランスよく存在して病気を引き起こす病原菌が増えないようにする役割を持っています。
しかし、何らかの理由で常在菌のバランスが崩れることで病原菌に対するバリアの役割を果たせなくなります。細菌性膣症は、膣の中に存在する常在菌のバランスが崩れることで発症します。膣内の雑菌が増えると痛みやかゆみ、臭いが発生することがあるので日常生活にも影響が起きます。
細菌性膣症は誰でもなる可能性がある
膣で起こる病気の中で性感染症をイメージする方が多いのではないでしょうか。細菌性膣感染症は、常在菌のバランスが崩れることで発症するため性行為以外が原因になることがあります。そのため、女性であれば誰でもなる可能性があるため、性行為をしていないから細菌性膣症にはならないと油断しないことが重要です。
細菌性膣症の原因は?
細菌性膣症は、常在菌のバランスが崩れることで発症します。常在菌のバランスが崩れる理由として様々なものがあります。原因について知ることで対策をすることもできるので解説をします。
性行為は相手と密着するため様々な菌を交換することにつながります。常在菌のバランスが正常であれば雑菌の繁殖を抑制できますが、不衛生な性行為をしたり、不特定多数との性行為をしたりすると様々な雑菌が多量に侵入するため常在菌のバランスが崩れてしまいます。
また、男性側には症状があらわれないこともあるのでパートナーに問題がなくても細菌性膣症になることもあります。性行為をする時にはコンドームの使用が細菌性膣症の予防に重要な役割を果たします。
睡眠不足や慢性的なストレス、肥満や運動不足などの生活習慣の乱れは細菌生膣症の発症リスクを上昇させます。生活習慣が乱れると免疫力が低下することが知られています。免疫力が低下すると膣内に侵入した雑菌を排除できずに過剰に繁殖する可能性が高くなります。
適切な睡眠時間を確保したり、バランスの取れた食生活したりして生活習慣を改善することで細菌性膣症の発症リスクを抑えることができます。
膣をある程度、清潔に保つことは細菌性膣症の予防に効果を発揮します。しかし、過度に洗浄をすると常在菌のバランスを崩すことにつながります。女性の膣には自浄作用があり、善玉菌である乳酸菌によって酸性に保たれているため洗い過ぎには注意が必要です。
細菌性膣症を放置すると危険!
細菌性膣症の約半数は無症状であり、自覚症状が少ない疾患です。そのため、膣内に雑菌が繁殖している状態でも放置をしてしまうことも少なくありません。細菌性膣症は、放置していると膣トリコモナス症や子宮頸管炎を併発する可能性もあります。子宮頸管炎から卵管炎など進行していくと不妊の原因になる可能性もあります。
また、妊婦では細菌性膣症になると絨毛膜羊膜炎を起こし、子宮口が開きやすくなることもあります。妊婦が細菌性膣症を放置していると流産や早産の危険性が高くなるため早めの対処が必要です。
細菌性膣症になりやすい人は?
普段から不摂生な生活をしている人や仕事が忙しすぎて休めていない人は細菌性膣症になりやすいです。免疫力が低下している状態だと細菌性膣症になりやすいため免疫力を高めるために対策をした方がいいでしょう。
免疫を低下させる要因として以下のことがあります。
- 過度なストレス
- 睡眠不足
- 肥満
- 糖尿病
- 偏った食生活
ストレス対策や生活習慣の改善をすることで細菌性膣症の予防だけでなく、生理不順などに伴う辛い症状の軽減にもつながります。その他にも、きつめのズボンでデリケートゾーンが蒸れることで雑菌が繁殖しやすくなることもあるので注意が必要です。
細菌性膣症の治療は?
細菌性膣症の治療には局所療法と内服療法の二つがあります。局所療法は、クロラムフェニコール膣錠または、メトロニダゾール膣錠を1日1回、膣に挿入します。治療期間は6日間を1クールとして行います。内服療法は、メトロニダゾールやクリンダマイシン、アモキシシリンなどの抗菌薬を内服して治療します。
内服薬は、全身性の副作用が起きるリスクがあるため妊婦には使用しにくいデメリットがあります。そのため、細菌性膣症の治療は局所療法が主流となっています。
気になることがあれば医療機関へ受診する
明らかな自覚症状がある場合だけでなく、少しおりものの様子が気になる場合にも膣に何らかの異常が起きている可能性があります。また、細菌性膣症だけでなくクラミジアや淋菌などは、女性では明らかな自覚症状があらわれないこともあるので感染に気づかずに重症化しているケースもあります。そのため、少しでも気になることがある場合には一人で悩まずに医療機関へ受診した方がいいでしょう。
まとめ
細菌性膣症は、女性であれば誰でもかかる可能性がある病気です。自覚症状が少ない病気で、約半数が無症状であるため知らずに症状が進行していることもあるので注意が必要な病気でもあります。細菌性膣症を放置していると将来の妊娠に関わることもあり、妊婦では流産や早産の危険性を高めることにもなります。
細菌性膣症は、膣内の常在菌のバランスが崩れることが原因であるため普段から免疫力を高めることが大切です。そのため、免疫力の向上のために生活習慣を改善して置くことも細菌性膣症の予防にもつながります。少しでも気になることがあれば医療機関へ受診しましょう。
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参考文献
- https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/22-女性の健康上の問題/腟感染症と骨盤内炎症性疾患/細菌性腟症
- http://jssti.umin.jp/pdf/guideline2008/02-8.pdf