「いつも通りの生理がきていたはずなのに、吐き気を感じて調べたら妊娠だった!」なんてことになったらとてもびっくりしますよね。ですが、実はこのような体験をした方は少なくないことをご存じでしたか?
そこで、本記事ではいつも通りの生理のはずが実は妊娠による出血だった場合の見分け方や、妊娠はしていないけれど出血があった場合の出血原因について徹底解説します。
いつも通りの生理が来ていたはずなのに…
今月もいつも通りの生理が来たはずなのに、なぜかいつもより出血量が少なかったり、日数が少なかったりする場合、妊娠している可能性があります。
とはいえ、生理の出血と妊娠初期症状の出血では見分けがつかない方がほとんどでしょう。
ここでは、まず生理の基礎知識から、生理と生理以外の出血を見分ける方法をご紹介しますので、ぜひご覧ください。
生理の基礎知識
まず、生理とは女性の皆さんもご存じの通り、正式名称は「月経」と言います。
月経とは、基本的に約1カ月の間隔で起こる約1週間の周期的な出血で、子宮内膜が出血とともに剥がれ落ちることで起こります。
生理には「生理期」「卵胞期」「排卵期」「黄体期」の4つの期間があり、時期によって心身ともに様々な変化が訪れるため、女性にとって生理は「面倒」と感じる方も多いでしょう。
エストロゲンとプロゲステロン
また、この期間中に「エストロゲン」と「プロゲステロン」と言う2つのホルモンが分泌されます。
エストロゲンは生理~排卵(卵胞期)に分泌量が増加し、生理や妊娠出産はもちろん、皮膚や骨、内臓や筋肉などのはたらきに大きな影響を与えています。
一方、プロゲステロンは排卵(卵胞期)~次の月経までの間(黄体期)に分泌量が増加し、基礎体温を上げ、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を安定させ、乳腺を発達させるなど、いわば体を妊娠に備えるためのホルモンです。このプロゲステロンは妊娠しなかった場合、排卵の1週間後位から減少していきます。
生理周期の乱れはホルモンバランスの乱れが原因
また、このホルモンバランスがストレスによって乱れると、生理周期が短くなったり、長くなったりと不安定になるため「先月は1カ月周期で来たのに、今月はまだ来ないな」などの生理周期の乱れを引き起こします。
特に生理周期が不安定な方の場合、生理が遅れてもいつものことだと捉えてしまい、結果的には妊娠していたということもあります。
生理と生理以外の出血を見分ける方法は?
生理と生理以外の出血を見分ける方法で最も多いのは「経血の色」です。
経血とは、生理のときに出血する血液のことで、通常生理の場合は赤~暗赤色であることが多いです。
しかし、生理以外の出血である妊娠初期症状の着床出血は「おりものに血が混じったようなピンク色」だったり、「茶色っぽい色」、「鮮血」だったりと人それぞれ違います。
加えて、生理での出血では血の塊が一緒に排出されることがありますが、着床出血の場合は排出されません。
また生理予定期間以外に起こり得る出血として「不正出血」も挙げられるでしょう。
不正出血の場合、妊娠初期症状と同様「茶色っぽい色」「鮮血」の出血が多く、その他にも少量のおりものに血が混じっている場合もあります。
また生理と生理以外の出血を見分ける方法として、着床出血は生理予定日とほぼ同じ時期にあることから見分けが難しいですが、不正出血の場合は生理予定期間以外に出血します。
その出血…生理じゃなくて「着床出血」かも
生理がいつも通りに来ない場合、妊娠を疑う方は多いことでしょう。
しかし、実は生理だと思っていた出血は着床出血かもしれません。
着床出血とは、受精卵が着床する際に起こる出血です。
着床出血は、通常の生理予定日とほぼ同様の時期から1~2日程度、長引く方でも3~4日前後、トイレットペーパーに血液が付くか付かないかの少量の出血があります。
また、人によっては生理と同程度の出血があるため、月経と区別がつかない場合もあるでしょう。
この場合、出血の後に体調の変化がないかもあわせてチェックしてみる必要があります。
生理だと思っていたけど妊娠していた
次は、生理だと思っていたけど妊娠していた場合に疑われる妊娠初期症状について徹底解説します。
よくある妊娠の初期症状
- おりものの色が変わった・量が増えた(サラサラとして水っぽいおりもの)
- 37度前後の微熱が続く
- 強い眠気に襲われる
- 胸が張って痛い
- すぐにイライラしてしまう
- 胃のむかつきやげっぷ
- 食欲が旺盛になるor食欲がない
- めまいや立ちくらみが増えた
- 生理よりも少量の出血があった
これらの症状は、生理前にもよく起こる症状であるため、妊娠初期症状との区別が難しいです。
しかし、着床出血のように、明らかに生理よりも少量の出血や、出血が短い期間で止まった場合、1つの目安として捉えても良いかと思います。
妊娠初期症状で出血を伴う場合
妊娠初期症状で出血を伴う原因は大半が着床出血です。
受精卵が着床すると、胎盤を作るために受精卵から絨毛と呼ばれる組織が子宮内で根を張るように伸びます。
そして、その根が定着する際に、子宮内膜の血管を傷つけてしまい、少量の出血が起こるのです。
着床出血は、妊娠4週~11週頃まで起こることが多く、出血が流産の原因になることは稀です。
しかし、出血の量が多かったり、回数が多かったり、長期間続く場合は産婦人科を受診しましょう。
妊娠初期症状が全くない場合は生理?
着床出血を含む妊娠初期症状が全くない場合でも、妊娠の可能性はあります。
人によっては全く症状がない方や、着床出血があまりにも少量過ぎて気づかなかったというケースも多いです。
そのため、生理のような出血はあったけれど次の生理予定日を過ぎても生理が来ない場合には、一度妊娠検査薬での検査や、産婦人科を受診してみてください。
妊娠ではない場合に疑うべき不正出血の原因
次は、妊娠検査薬をしたけれど妊娠はしていなかった場合に、疑うべき不正出血の原因を徹底解説します。
不正出血とは?
不正出血とは、ホルモンの異常や様々な病気により、生理予定日以外に出血することです。
不正出血ではないものとして、排卵期に起こりやすい中間期出血と呼ばれるものもあります。
どうして不正出血は起こるの?
不正出血は、ストレスや思春期、更年期などのホルモン量が不安定な時期に起こりやすいです。
特に、現代の女性はストレスを抱える方が多く、不正出血を経験したことがある方も多いかと思います。
大半は心配のない出血ではあるものの、何か重大な病気の症状の1つとして起こっている場合もあるため、不正出血が起こったら軽く捉えずに原因を考えてみましょう。
妊娠以外で出血が起こった場合に疑うべき出血を伴う病気
次は生理や妊娠以外で出血が起こった場合に疑うべき病気をご紹介しますのでぜひ参考にしてください。
①不正出血
1つ目は不正出血です。妊娠や生理以外で出血が起こったとき、1番に不正出血が疑われます。不正出血はそのまま放置せず、産婦人科へ行き適切な治療を受けるようにしましょう。
不正出血の特徴
- 生理予定日以外に出血があった
- 下腹部痛
- 出血した血液が「茶色っぽい」「鮮血」
- 出血以外に何らかの普通とは違う症状がある
- ストレスが溜まりやすい生活を送っているときに起こりやすい
②子宮筋腫
子宮筋腫とは、子宮を構成している平滑筋と呼ばれる筋肉組織が由来の良性の腫瘍です。
基本的に幅広い年齢層で起こりやすい病気で、無症状の方もいます。
しかし、症状が出る方は経血を輩出する際の子宮収縮機能に異常が出たり、子宮内膜が厚く形成されたりすることによって、出血が止まらなくなってしまう場合もあります。
子宮筋腫の特徴
- 生理が7日以上止まらない
- 経血の量が通常よりも増加している
- レバーのようなプルプルとした血液の塊が出てくる
- 頻尿
- 貧血になりやすい
③子宮内膜症
子宮内膜症とは、子宮内膜症組織が子宮外で増加する病気です。
子宮内膜は子宮の内壁の1番表面にありますが、子宮内膜症になると、卵巣や腸の腹膜で出血が起こり、卵巣や卵管、腸が癒着してチョコレートのう腫と呼ばれる卵巣のう腫ができます。
子宮内膜症は、病気が進行すると生理痛が段々と強くなり、生理時以外にも下腹部や腰が痛みを感じるようになります。特に、排便痛や性行為時の強い痛み、不妊は子宮内膜症特有の症状です。
子宮内膜症の特徴
- 腹痛
- 腰痛
- 以前よりも生理痛が強くなった
- 排便時も痛みを伴う
- 妊娠を望んでも叶わなかった経験がある
⑤子宮頸がん
子宮頸がんは、子宮の入り口部分にある子宮頚部にヒトパピローマウイルス(HPV)が感染することによって起こる悪性腫瘍です。子宮の内側を覆っている子宮内膜に発生する子宮体がん(子宮内膜がん)に次いで発症率が高い病気となっています。
この子宮頸がんは最初は上皮に留まっていますが、次第に子宮の筋肉へ染み込み、膣や子宮周りの組織に及んだり骨盤内にあるリンパ節に転移する可能性があります。
更に病状が進行すると、膀胱や直腸、肺や肝臓、骨にも転移するため、最悪命にも関わります。
しかし、子宮頸がんには初期症状がほとんどないため気づいたときには症状が進行していることも多く、定期的な子宮頸がん検診を受けることが大切です。
子宮筋腫の特徴
- 性行為による出血
- 茶褐色・黒褐色のおりものが増える
- 血尿
- 足腰の痛み
- 激しい下腹部痛
⑥子宮頸管・内膜ポリープ
子宮にできるポリープには「子宮頸管ポリープ」と「子宮内膜ポリープ」があります。
子宮頸管ポリープは、子宮頚部の組織が増殖し、子宮頸管内に指のような形で突き出た腫瘍です。
ほぼ良性腫瘍ですが、慢性の炎症や感染症が原因で起こりやすくなります。
また、子宮内膜ポリープは、子宮内膜から発育したきのこのような腫瘍で、不正出血や重い生理痛などを伴うことで知られています。
子宮内膜ポリープは、炎症や分娩、流産、女性ホルモンが原因で起こりやすいとされていますが、初期症状が全くない方も多いです。
子宮頚管・内膜ポリープ
- 運動・性交・排便時のいきみで出血しやすい
- 膿のようなおりものが出る
- 生理痛が重くなる
- 生理時の出血量が多くなる
- 不妊の原因になりやすい
⑦クラミジア頸管炎
クラミジア頸管炎は、クラミジアと呼ばれる病原体が子宮頚部に感染し発生する炎症です。
大半はクラミジアに感染した男性の尿道分泌物から感染するため、性行為での感染率が高いとされています。
クラミジア頸管炎は、感染から1~3週間経過するとおりものの増加や性行為時の出血などが起こりますが、無症状のまま気づかれないことが多いです。
またクラミジア頸管炎に気づかずに出産を行うと、産道感染で新生児に「新生児結膜炎」と呼ばれる目の病気や肺炎がみられることもあります。
クラミジア頸管炎の特徴
- おりものの増加
- 性行為時の出血
- 下腹部痛
- 右上腹部痛
- 診察を受けてもクラミジア頸管炎と気づかれにくい
⑧萎縮性膣炎
萎縮性膣炎とは、閉経前後に女性ホルモンが低下することによって、膣の壁が乾いてただれる病気です。萎縮性膣炎になると、性交時の刺激で出血しやすくなったり、性交痛が起こります。
その他にも、性交時、潤滑油となっていたエストロゲンが減少することで、灼熱感を感じる方や自浄作用が衰えることで、性器からのにおいが気になる方もいるでしょう。
萎縮性膣炎の特徴
- 閉経前後に発症
- 黄色いおりものが出る
- 性行為時の刺激で出血しやすい
- 膀胱炎になりやすい
- 性交痛
不正出血は何科に行けば良い?
不正出血かな?と感じたら、産婦人科で検査を受けることをおすすめします。
また、病気によって検査は様々で1度の検査では明確な病名が判明しない場合もあるため、検査を何度か行ったり、原因と考えられる出来事を医師に詳しく説明したりすることが大切です。
いつも通りの生理が実は妊娠だったときによくある質問【Q&A】
次はいつも通りの生理が実は妊娠だったときによくある質問【Q&A】を徹底解説します。
- 生理予定日じゃないのに、生理と同じ位の出血があるんだけど…
- 生理予定日ではないのに、生理と同じ位の出血がある場合、不正出血が疑われます。
また、妊娠初期症状の着床出血でも、生理と同じ位の出血が起こる場合があるため、心当たりがあれば妊娠検査薬の使用や、産婦人科を受診してください。
- 生理予定日に少ない出血が出てすぐに止まったんだけど…これって妊娠?
- それは、着床出血の可能性があります。
心当たりがない場合は、ストレスなどが原因で女性ホルモンが乱れている可能性もあるため、日常生活を見直し、産婦人科を受診してみましょう。
- 病院で妊娠が確定するのは何週目からですか?
- 基本的に、妊娠が確定となるのは胎嚢にいる赤ちゃんの心拍が確認できた時点です。
そのため、胎嚢が確認できても赤ちゃんの心拍が確認できなければ、再度受診してくださいと言われ、二度手間になる可能性もあるため、目安として妊娠5週目前後で病院を受診してみましょう。
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