月経以外で突然の出血が起こると「原因は何?」「婦人科を受診すべき?」など不安になってしまう方は多いでしょう。
不正出血は、多くの女性が経験する症状で、月経以外の時期に起こる女性器からの出血を指します。
不正出血の原因は多岐にわたり、ホルモンバランスの乱れから深刻な病気の可能性まであるため、気になる症状がある場合は婦人科への早めの受診が必要です。
本記事では、不正出血の種類や原因、受診のタイミングについて詳しく解説します。検査方法や治療法についてもお伝えするため、不正出血による不安を抱えている方は、ぜひ参考にしてください。
不正出血とは
不正出血とは、月経や分娩以外の時期に女性器から起こる出血を指し、女性の健康状態を反映する重要なサインの一つです。
なぜなら、不正出血は体内の異常を示す場合が多く、そのまま放置すると深刻な健康問題につながる可能性があるからです。
たとえば、ホルモンバランスの乱れやストレス、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が原因となる場合があります。子宮体がんや子宮頸がんといった重大な病気が潜んでいる場合もあります。
不正出血がみられた場合は、できるだけ早く医療機関を受診し、原因を特定しましょう。医師の診断による適切な治療により、健康リスクを未然に防ぎ、安心した日常生活を送れます。
生理との違い
不正出血と生理の見極めは難しく、どちらかわからず婦人科への受診を迷ってしまう方は多いでしょう。
不正出血の整理の特徴は、以下のとおりです。
【生理の特徴】
- 規則的な周期で起こる(通常28日周期)
- 出血量や期間がある程度予測可能(3〜7日程度)
- 経血の色や粘性が一定の範囲内で変化する
- 周期的な身体の変化(乳房の張りや下腹部の痛みなど)をともなうことが多い
【不正出血の特徴】
- 不規則な時期に起こる
- 出血量や期間が一定ではない
- 経血の色や粘性が通常の生理と異なる場合がある
- 出血以外の症状をともなう場合がある
両者の違いを認識しておけば、不正出血の可能性を早期に察知し、すみやかに婦人科を受診できます。
不正出血による症状
不正出血の症状は個人差が大きいため、さまざまな形であらわれます。主な症状には以下のようなものがあります。
- 出血の色:鮮血のような赤い出血から、茶色っぽい出血まである
- 出血量:おりものに少量混じる程度の軽微なものから、大量の出血まである
- 出血の持続時間:数時間から数日間続くものもある
- 出血以外の症状:腹痛、腰痛、めまい、吐き気などをともなう場合がある
- 不規則性:生理周期とは関係なく起こる
不正出血の色の違いは、出血の新しさや量を反映している場合があり、出血量が多い場合は貧血のリスクも考慮する必要があります。
さらに、出血が長期間続く場合は、病気が原因である可能性が高くなり、腹痛やめまいなどの症状の有無は不正出血の原因を特定する手がかりとなります。
不正出血の症状は、原因によって異なるため、できるだけ症状の詳細を記録しておきましょう。
不正出血の種類
不正出血の種類を事前に理解しておけば、自身の症状がどのカテゴリーに該当するかを把握し、適切な対応をとるのに役立ちます。
不正出血の種類は、おもに以下の4つに分けられます。
- 機能性出血
- 器質性出血
- 中間出血
- その他の出血
それぞれの特徴と原因を詳しく説明していきます。
機能性出血
機能性出血は、比較的多くみられる不正出血です。性器に疾患はなく、おもにホルモンバランスの乱れが原因で起こります。
機能性出血の特徴と原因は、以下のとおりです。
【特徴】
- 思春期や更年期に起こりやすい
- 少量の出血がみられる
- 持続期間は個人差が大きい
【原因】
- ホルモンバランスの乱れ
- ストレス
- 体重の急激な変化
- 薬剤の影響
機能性出血は、ストレスや体重変化の影響などによるホルモンバランスの乱れによって引き起こされます。
そのため、機能性出血の対処法としてストレス解消や生活習慣の改善、必要に応じてホルモン療法が推奨されます。
また、機能性出血は、薬剤の影響で起こる場合もあるため、原因となっている薬剤がある場合は、医師と相談のうえで調整しましょう。
機能性出血は、多くの場合深刻な健康上の問題を示すものではありませんが、持続する場合や大量の出血がある場合は、婦人科での検査が必要です。
器質性出血
器質性出血は、子宮や卵巣、膣などの内性器の疾患によって引き起こされる出血です。器質性出血が疑われる場合、より慎重な対応が必要となります。
器質性出血の特徴と原因は、以下を参考にしてください。
【特徴】
- 出血量や頻度が不規則
- 痛みをともなう場合がある
- 持続期間が長い傾向がある
【おもな原因疾患】
- 子宮筋腫
- 子宮内膜症
- 子宮内膜ポリープ
- 子宮頸がん
- 子宮体がん
- 卵巣腫瘍
- 膣炎
上記の疾患は、それぞれ特有の症状や進行パターンをもちます。
たとえば、子宮筋腫では月経量の増加や月経痛の悪化が多くみられ、子宮頸がんや膣炎などでは接触出血(性交後出血)する可能性が高まります。
器質性出血は、早期発見と早期治療が重要です。定期的な婦人科検診の受診で、深刻な状態に進行する前の対処が可能です。
中間出血
中間出血は、排卵にともなうホルモンの変動が原因で起こるため、排卵期出血とも呼ばれます。
中間出血の特徴と原因は、以下のとおりです。
【特徴】
- 生理周期の中間(通常、次の生理の約2週間前)に起こる
- 少量の出血や茶色っぽいおりものとしてあらわれる場合が多い
- 持続期間は短くほとんどの場合1〜2日程度で収まる
【原因】
- 排卵時のホルモン変動
- 排卵時の卵胞破裂
- 黄体化未破裂卵胞症候群(LUF症候群)
中間出血は、正常な生理現象の一部である場合が多く、特別な治療を必要としません。ただし、以下のような場合は婦人科の受診が推奨されます。
- 出血量が多い、または長期間続く
- 強い痛みをともなう
- 頻繁に中間出血が起こる
中間出血は、排卵の兆候として捉えられ、妊娠を希望する場合には、排卵日の目安として活用する場合もあります。ただし、必ずしもすべての女性に見られる現象ではないことに注意が必要です。
その他の出血
その他の出血には、特定の状況や外的要因によって引き起こされる不正出血が含まれます。
おもな原因には以下のようなものがあります。
<その他の出血の種類>
妊娠に関連する症状による出血 | 着床出血:受精卵が子宮内膜に着床する際に起こる軽微な出血流産:妊娠初期の自然流産にともなう出血異所性妊娠:子宮外妊娠による出血 |
性行為による外陰部や膣の傷からの出血 | 膣の乾燥や炎症による粘膜の傷過度に激しい性行為による物理的な傷 |
外傷による出血 | スポーツや事故による外陰部の傷医療処置(子宮内膜掻爬術など)後の出血 |
薬剤の影響による出血 | ピルの副作用抗凝固薬による出血 |
全身疾患に関連する出血 | 血液凝固異常甲状腺機能異常 |
その他の出血は、原因や状況に応じて適切な対応が必要です。
たとえば、妊娠に関連する出血の場合は、早急な婦人科の受診が必要であり、薬剤の影響による出血の場合は、処方医との相談が重要です。
まずは、不正出血が起きた状況や考えられる原因を確認しましょう。
不正出血の原因となる病気
不正出血はさまざまな病気が原因で起こる可能性があります。
不正出血の原因になりうる病気には、以下のようなものが挙げられます。
- 子宮筋腫
- 子宮内膜症
- 子宮内膜ポリープ
- 子宮頸がん
- 子宮体がん
- 膣部びらん
- 膣炎
- 膣がん
- 卵巣腫瘍
- 性感染症
不正出血の原因となる病気について理解を深め、症状の早期発見と治療に役立てましょう。
子宮筋腫
子宮筋腫は子宮の筋肉にできる良性腫瘍であり、30歳以上の女性の20%~30%が罹患するといわれている疾患です。
子宮筋腫にみられる症状は、以下を参考にしてください。
【子宮筋腫の疑いがある症状】
- 月経量の増加や月経期間の延長
- 月経痛の悪化
- 不正出血
- 頻尿
- 腰痛
- 腹部の膨満感や圧迫感
子宮筋腫の治療は、症状や筋腫の大きさによって決定されますが、適切な治療により改善が期待できます。気になる症状がある場合は、婦人科医への相談がおすすめです。
子宮内膜症
子宮内膜症は、子宮内膜という組織が子宮外に発生してしまう病気であり、生理がある女性の約10人に1人がかかっているといわれています。
子宮内膜症の症状には、以下のようなものが挙げられます。
【子宮内膜症が疑われる症状】
- 月経痛の悪化
- 不妊
- 腰痛
- 性交痛
- 排便痛
- 不正出血
子宮内膜症による不正出血は、薬物療法や手術などの治療により症状の改善が期待できます。早期発見と早期治療が重要なため、症状がある場合はすみやかに婦人科を受診しましょう。
子宮内膜ポリープ
子宮内膜ポリープは子宮内膜が過剰に増殖してできる腫瘍です。ほとんどが良性の腫瘍ですが、子宮体がんが発生している場合もあるため、検査で確認しておく必要があります。
子宮内膜ポリープには、以下のような症状がみられます。
【子宮内膜ポリープが疑われる症状】
- 不正出血
- 不妊
- 月経過多
- 月経不順
子宮内膜ポリープ治療は、おもに手術による摘出です。子宮内膜ポリープによる不正出血は、ポリープを摘出することで改善が期待できます。ただし、再発の可能性もあるため、定期的な検診が必要です。
子宮頸がん
子宮頸がんは、子宮の入り口(頸部)にでき、子宮がんのうち約7割程度を占めている病気です。
子宮頸がんのおもな原因は、HPV(ヒトパピローマウイルス)感染であることがわかっています。感染しても約90%の人は免疫の力でウイルスが自然に排除されますが、約10%の人は感染が持続し、子宮頸がんの発生につながります。
子宮頸がんにみられる症状は、以下を参考にしてください。
【子宮頸がんが疑われる症状】
- 不正出血
- 性交後の出血
- おりものの増加や異臭
- 下腹部痛
子宮頸がんの治療には、手術療法や放射線療法、化学療法などがあります。
また、子宮頸がんは、進行度にともない死亡率や再発率が高くなる病気のため、早期発見が非常に重要です。定期的な検診の受診が、早期発見につながり、治癒率も高くなります。
少しでも気になる症状が見られる場合は、早めに婦人科医に相談しましょう。
子宮体がん
子宮体がんは、子宮体部の内膜に発生する「がん」です。閉経後の女性に多く見られますが、若年層でも発症する場合があります。また、肥満や月経不順がある方が発症しやすい傾向にあります。
子宮体がんのおもな症状は、以下のとおりです。
【子宮体がんが疑われる症状】
- 不正出血(特に閉経後の出血)
- 血性のおりもの
- 下腹部痛
- 性交痛
- 腰痛
- 足のむくみ
子宮体がんの治療は手術が基本です。ほかにも、放射線療法や化学療法、ホルモン療法などがあります。子宮体がんによる不正出血は、とくに閉経後の女性にみられた場合に注意が必要です。
子宮体がんは、早期発見し治療すれば、高い確率で改善できます。心配な症状がある場合は、すぐに婦人科を受診することが重要です。
膣部びらん
膣部びらんは、子宮頸部の円柱上皮の部分が外側に張り出し、赤く見えている部分のことを指します。性成熟期の女性の8~9割にみられ、病気ではありませんが、膣部びらんがあると、膣炎になるリスクが高まります。
膣部びらんが引き起こす症状は、以下を参考にしてください。
【膣部びらんが疑われる症状】
- 不正出血
- 接触出血(性交後出血)
- おりものの増加
- 膣炎になりやすくなる
膣部びらんは、無症状の場合が多く、とくに治療は必要ありません。しかし、膣部びらんによって不正出血やおりものの増加、膣炎が起きてしまう場合は、治療によって改善できます。
膣部びらんと疑われる症状がある場合は、ほかの疾患と見分ける必要があるため、自身で判断せずに婦人科の診断を受けましょう。
膣炎
膣炎は、膣の粘膜に炎症が起こる病気です。細菌や真菌、ウイルスなどの感染やアレルギー反応が原因となる場合があります。
膣炎の症状には、以下のようなものが挙げられます。
【膣炎が疑われる症状】
- 不正出血
- おりものの異常
- 赤みや腫れ
- かゆみや痛み
- 排尿痛
- 性交痛
膣炎の治療は、薬物療法を中心とし、原因となる病原体や状態に応じて行われます。膣炎による不正出血は、適切な治療により改善が期待できます。
ただし、膣炎は改善しても再発する恐れがあるため、下着の選択や過度の洗浄を避けるなど、予防のための生活習慣の改善が重要です。
膣がん
膣がんは、比較的まれな「がん」ですが、不正出血が症状としてあらわれる場合があります。頻度は女性生殖器がんの約1%程度で、高年齢やHPV(ヒトパピローマウイルス)感染などが危険因子となります。
膣がんのおもな症状は、以下を参考にしてください。
【膣がんが疑われる症状】
- 不正出血
- 異常なおりもの
- 性交痛
- 骨盤痛
- 排尿痛
- 膣内のしこり
- 便秘
膣がんの治療では、手術や放射線療法、化学療法などが行われます。
膣がんは早期発見が難しいため、定期的な婦人科検診が重要です。不正出血や異常なおりものが続く場合は、すみやかに婦人科を受診しましょう。
卵巣腫瘍
卵巣腫瘍は、卵巣にできる腫瘍であり、大きいものでは30㎝を超えるものもあります。年代にかかわらず、誰にでも発症のリスクがある病気です。
初期は無症状の方が多いですが、腫瘍が大きくなると、不正出血が起こる可能性があります。
卵巣腫瘍の症状には、以下のようなものが挙げられます。
【卵巣腫瘍が疑われる症状】
- 不正出血
- おりものの増加
- 下腹部痛や膨満感
- 頻尿
- 便秘
- 足のむくみ
卵巣腫瘍の治療は、手術療法を基本とし、腫瘍の種類(良性・悪性)や状態によって判断されます。腫瘍が小さいうちは症状が出ない場合が多いため、定期的に婦人科検診を受けておくことが重要です。
性感染症
性器クラミジア感染症や淋菌感染症などの性感染症も、不正出血の原因となる可能性があります。
不正出血の原因と疑われる性感染症の種類には、以下のようなものがあります。
【性感染症】
- 性器クラミジア感染症
- 淋菌感染症
- 膣トリコモナス症
性感染症の治療は、原因となる病原体に応じた抗生物質や抗原虫薬を用います。多くは治療により改善しますが、再感染予防のために、パートナーの検査や性行為を安全に行うことが重要です。
また、定期的な検査が、早期発見と早期治療につながります。
不正出血で婦人科を受診するタイミング
不正出血が起きた場合、すぐに婦人科を受診すべきか迷ってしまう方は多いでしょう。
結論、以下のような場合は、すぐに婦人科の受診をおすすめします。
- 出血量が多い
- 強い痛みをともなっている
- 不正出血を繰り返している
- 閉経後なのに出血している
- 2週間以上出血が持続している
- 性交後に出血がある
- 妊娠中の出血
- 異常なにおいや色の出血
- 貧血症状がある
- 月経周期が乱れている
ただし、上記に当てはまらなくても、少しでも気になる症状がある場合は、早めに婦人科を受診してください。
とくに、以下のような方は注意が必要です。
- 40歳以上の女性
- 過去に婦人科系の疾患や手術歴がある方
- 家族に婦人科系のがん発症歴がある場合
- 避妊薬やホルモン療法を受けている方
早期発見と早期治療が多くの婦人科疾患において重要です。何か気になる症状がある場合は、迷わず婦人科を受診しましょう。
医療機関では、あなたの症状や状況に応じた適切な検査と診断を行い、必要な治療を提案してくれます。
婦人科で行う不正出血の検査方法
婦人科では、不正出血の原因を特定するためにさまざまな検査が行われます。
- 超音波検査
- 子宮がん検査
- おりもの検査
- 血液検査
- 妊娠検査
いざという時に慌てないように、婦人科の検査内容についてあらかじめ把握しておきましょう。
超音波検査
超音波検査は、内診ではわからない子宮や卵巣の状態を確認するための検査方法です。
超音波検査では、腹部または腟内に超音波プローブをあて、子宮内の大きさや形状の確認、子宮筋腫やポリープの有無などを調べます。
さらに、超音波検査は、子宮内膜の肥厚を調べられ、子宮内膜の厚みが増すことが多い子宮体がんの判断にも有効です。ただし、初期の子宮体がんは発見できない可能性があります。
超音波検査は、妊娠の有無の確認にも用いられ、痛みがなく、リアルタイムで子宮内部を観察できるのが特徴です。
子宮がん検査
子宮がん検査は、おもに子宮頸がんと子宮体がんの検査のことです。
子宮頸がん検査は、子宮頸部(入口)を専用のブラシやヘラなどでこすり細胞を採取し、がん細胞の有無を顕微鏡で観察します。
細胞に異常がみられた場合、子宮頸がんを引き起こすHPVウイルスの有無を調べたり、コルポスコープ(膣拡大鏡)を使用したりしてさらに詳しく診断します。
子宮頸がんのなかには、急速に進行するものもあるため、不正出血に関係なく、定期的に検診を受けることが大切です。
子宮体がん検査では、細い棒状の器具により子宮内膜から細胞を採取し、顕微鏡でがんの有無を調べます。がんの疑いがある場合、子宮内膜の一部を採取し、さらに詳しい精密検査が行われます。
子宮がん検査は、子宮がんの早期発見が可能となり、子宮がんで亡くなるリスクを防ぐための重要な検査です。
おりもの検査
おりもの検査は、膣炎や性感染症の診断に有効です。
内診や超音波検査、血液検査などの結果、感染症の疑いがある場合は、おりものを採取し原因菌を特定します。
おりもの検査で診断可能な疾患には、以下のようなものが挙げられます。
- 細菌性膣症
- カンジダ膣炎
- 膣トリコモナス症
- クラミジア感染症
- 淋菌感染症
おりものの色や量が通常と違ったり、かゆみがあったりする場合は、病気の可能性があります。不正出血以外でも気になる症状がある場合は、早めに婦人科を受診しましょう。
血液検査
血液検査は、黄体ホルモンやエストロゲン、卵胞刺激ホルモンといった女性ホルモンの量を調べ、出血を起こしやすくする病気の有無や、炎症反応の有無を調べる検査です。
また、血液検査は、不正出血によって貧血を起こしていないかの確認にも役立ちます。
血液検査により、不正出血の原因となる全身疾患やホルモン異常を発見できます。
妊娠検査
妊娠検査では、検尿によって不正出血が妊娠に関連しているかどうかを確認します。
妊娠が原因の不正出血には、注意が必要なケースが含まれるため、早急に妊娠の有無を確認する必要があります。
妊娠検査は、以下のような場合にとくに重要です。
- 生理が遅れている
- 妊娠の可能性がある不正出血がある
- 子宮外妊娠が疑われる
妊娠検査は、避妊を行っている場合でも、避妊の失敗を考慮して検査を受けることが重要です。
婦人科で行う不正出血の治療方法
不正出血の治療は、原因や症状の程度に応じて行われます。
おもな治療方法については、以下の表を参考にしてください。
治療方法 | 概要 |
---|---|
生活習慣の改善 | ストレス管理適度な運動バランスの取れた食事鉄分やビタミンを十分に摂取禁煙適正体重の維持安全な性行為の実践 |
薬物療法 | ホルモン療法止血剤抗生物質抗炎症薬 |
手術 | 子宮鏡下手術子宮内膜アブレーション筋腫核出術子宮全摘出術 |
放射線療法 | 主に子宮がんや膣がんの治療に用いられる外部照射と腔内照射がある |
化学療法 | 子宮がんや卵巣がんの進行対して行われる抗がん剤を用いて、がん細胞の増殖を抑制する |
不正出血の治療法は、原因疾患や症状の程度、患者の年齢や妊娠希望の有無などを考慮して選択されます。医師と相談しながら、最適な治療法を選択しましょう。
不正出血を予防するにはストレスのケアも大切
不正出血を防ぐためには、日々のストレス管理が重要です。
慢性的なストレスは、視床下部や下垂体、卵巣系に影響を与え、ホルモンバランスを乱す恐れがあります。ストレスによるホルモンバランスの乱れは、不正出血を引き起こすだけでなく、ほかの病気のリスクを高める可能性があります。
不正出血を防ぐためには、ストレスを溜め込まず、定期的に解消する習慣をつけることが大切です。
ストレス発散方法は、以下を参考にしてください。
- 家族や友人と交流する
- ショッピングや旅行を楽しむ
- おいしいものを食べる
- 好きな香りでリラックスする
- 音楽を聴く
- ゆっくりとお風呂に浸かる
- 適度な運動を
また、規則正しい生活リズムは、ホルモンバランスの安定につながり、ストレスの緩和に役立ちます。毎日の安定した睡眠の維持やバランスの取れた食事と適度な運動は、免疫機能を高め、感染症のリスクを低減します。
生活習慣の改善は、不正出血だけでなくさまざまな病気を防ぐ重要な要素であるため、意識して取り組みましょう。
まとめ
不正出血は、多くの女性が経験する症状であり、ホルモンバランスの乱れやストレス、子宮筋腫や子宮がんなどの重大な疾患まで、さまざまな原因が考えられます。
つまり、不正出血は体の不調をあらわすサインであるため、早期の婦人科受診が重要です。不正出血が続く場合や、ほかの症状をともなう場合は、深刻な病気が隠れている可能性があります。
不正出血を予防するためには、ストレスケアや生活習慣の見直しが有効ですが、完全に予防するのは難しいのが現実です。
定期的な検診の習慣化で病気の早期発見につとめ、安心した生活を送れるようにしましょう。