日常生活を送っていくなかで陰部が痒くなったことはありませんか。陰部の痒みの原因はかぶれ、感染、ホルモン減少などさまざまです。陰部が痒い=病気という訳ではありませんが、くり返し痒みが生じる場合は性感染症のおそれもあります。
この記事では、陰部が痒くなる原因、陰部が感染しやすい状態、陰部の痒みの自然治癒などについて紹介します。この記事を参考にして陰部が痒いときの対処法を学びましょう。
陰部が痒い原因とは?
陰部が痒い原因は、主に「かぶれ」、「感染」、「ホルモン減少」の3つが考えられます。
かぶれは陰部の蒸れや下着による締め付け、生理用ナプキンの接触などで発生し、感染による痒みは細菌やウイルス、真菌(カビ)などに感染することで発生します。更年期によるホルモンの減少も陰部が痒くなる原因です。
ここからは、どのように痒みが発生するのかを解説します。
かぶれによる痒み
かぶれによる痒みを「接触皮膚炎」といいます。これは、下着の締め付けやナプキンの接触といった刺激によって炎症を起こした状態のことです。
皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層構造をしています。体を守るバリアのような役割を担っている表皮でも防ぎきれない刺激があるときに発生するのがかぶれです。刺激以外にも皮脂、汗、蒸れ、乾燥、アレルギー性の特定の物質などが原因となりかぶれは発生します。
女性の場合、生理中のナプキンが接触したり経血によって蒸れたりすることがかぶれの原因となります。男性の場合、サイズの合わないコンドームでアレルギー反応が起きたり、衣服で蒸れたりすることなどが原因と考えられています。
感染による痒み
粘膜は皮膚ほど感染に対するバリアの機能が強くありません。感染症の原因となる細菌、ウイルス、真菌(カビ)などが入りやすくなっています。
もともと陰部は高温多湿になりやすく、病原体の栄養となる皮脂や汚れがたまりやすい場所です。感染者と性行為などをして粘膜接触すると感染するおそれがあります。
また、性行為をしなければ感染しないのかといえばそういう訳ではありません。体内に常在菌として潜んでいるカンジダや、公衆浴場などでうつるおそれのある白癬菌など、直接性行為をしなくても感染するリスクはあります。
ホルモン減少によるもの
更年期を迎えて徐々に女性ホルモンであるエストロゲンは減少していきます。この女性ホルモンが減少していくと、皮膚は薄くなって刺激に弱くなります。
膣の痒み以外で挙げられる症状は、膣壁や膣内膜の乾燥、柔軟性が失われる、膣分泌液の減少、などです。これらの症状は強い不快感を伴うため、更年期を迎える前に知っておきましょう。
なお、更年期を迎えると膣の見た目、機能、感触が変化します。この症状が、閉経関連泌尿生殖器症候群(GSM)です。陰部が痒くなる以外にもさまざまな症状が発生するようになります。
陰部が感染しやすい状態とは?
感染の原因となる病原菌は、もともと膣や腸、皮膚の表面に常在しているものがほとんどです。ではなぜ常在している病原菌によって感染してしまうのでしょうか。その原因は免疫力の低下、膣内の乳酸菌の低下などです。詳しく見ていきましょう。
免疫力が落ちた状態
風邪や寝不足によって免疫力が低下した状態になると性感染症にかかりやすくなります。風邪や寝不足の状態でなくとも、過度なストレスによっても性感染症にかかりやすくなるため注意が必要です。
性感染症の例としては、下記のようなものがあります。
・性器ヘルペスウイルス感染症:過度なストレスが原因で発生
・エイズ(後天性免疫不全症候群):体の免疫力の低下が原因で発生
特にエイズの初期症状は風邪に似ていて、症状が治まったと思っても無症状の期間が8年~10年続きます。無症状の期間はずっと免疫力が低下した状態となるため、性感染症以外の病気にかかるリスクも高いでしょう。
常在している病原菌に負けないためにも、規則正しい生活やストレス発散など免疫力が低下しないよう努めてください。
膣内の乳酸菌が少なくなる状態
膣内の乳酸菌が減少することでも、性感染症を含む女性特有の不調は発生しやすくなると考えられています。
膣内の乳酸菌が減少する原因はさまざまです。抗生物質の服用、生理前、膣内の過度な洗浄、ストレス、加齢などが原因となり、乳酸菌が減少します。その結果として発生するのが、通常酸性を保っている膣内の酸性度の弱化です。常在している病原菌が増殖しやすい環境となり細菌性膣症を引き起こします。細菌性膣症を引き起こすと、陰部の痒みやおりものの状態が変化するため注意が必要です。
陰部の痒みは自然に治まる?
陰部の痒みは原因にもよりますが、軽症であれば自然に治まる場合もあります。普段と比べておりものの状態が違う、性感染症が心配、痒みが強いなどの症状がある方は、注意しましょう。病院を受診する際の目安について紹介します。
おりものの変化
おりものの状態を確認してにおいや色が普段と異なる場合は性感染症に感染しているおそれがあります。
性感染症のおりものの特徴は以下のとおりです。
クラミジア | ・おりものの増加・不正出血※症状を感じない場合も多い |
淋病 | ・おりものの増加・不正出血※症状を感じない場合も多い |
膣トリコモナス症 | ・泡状で、悪臭の強いおりもの |
性器カンジダ症 | ・白いヨーグルト状のおりもの |
細菌性膣症 | ・においのある灰色のおりもの・量は少なめ |
性感染症が心配
性感染症は主に性行為で感染します。ここで性行為として扱われるものは一般的な膣に陰茎を挿入するセックスはもちろん、フェラチオ、クンニリングス、アナルセックスも含まれます。
性行為をすることで必ず性感染症になる訳ではありません。一方で、精液や膣分泌液に病原体が含まれているため皮膚や粘膜の小さな傷から感染するリスクはあります。
感染リスクのない性行為はないことを理解し、性行為をするときはコンドームを着用する、性行為の前にシャワーを浴びるなど予防に努めましょう。
性行為の後に陰部の痒みやおりものの変化といった症状が発生した場合、念のため病院で検査を受けることをおすすめします。
痒みが強くて早く治したい
陰部はとてもデリケートなため、痒みのケアは慎重に行わなければなりません。
陰部の痒みが強い場合は、市販薬を使用するケースがあると思います。
痒みやかぶれに効くとされる市販薬でも「粘膜には使用しないでください」と注意書きがあるものは、使用しないようにしましょう。
数日間に渡って強い痒みを伴う場合はカンジダに感染しているおそれがあります。早めに病院を受診するようにしましょう。
異変があれば早期受診を
症状が痒みだけで数日で治まる程度なら問題ありませんが、以下の症状が発生している場合は早期に受診してください。
・痒みが強く、範囲が広い
・水泡や潰瘍がある
・おりものの変化
・市販薬やスキンケアをしても痒みが治まらない
また、陰部の痒みなどの症状が発生した場合、何科を受診すればいいのか迷うかもしれません。男性の場合は泌尿器科を、女性の場合は婦人科や産婦人科を受診しましょう。
まとめ
陰部の痒みの原因はかぶれ、感染、ホルモンの減少などさまざまです。下着の締め付けやナプキンの感触などで接触皮膚炎を発症することもあります。
陰部は高温多湿で病原体の栄養となる皮脂などがたまりやすいため、性行為前にシャワーを浴びて清潔にし、コンドームを着用するなど性感染症対策に努めましょう。
また風邪や寝不足といった免疫力の低下やストレスがきっかけで性感染症にかかるリスクは高まります。日頃から体調に気を配り、なるべくストレスをためないようにすることも大切です。
もし、強い痒みがある、水泡や潰瘍がある、おりものに変化があるなどの異変がある場合は早期に病院を受診しましょう。なお、受診先は男性の場合は泌尿器科、女性の場合は婦人科や産婦人科です。
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