「咽頭ヘルペス」とは、一般的にノドと呼ばれる「咽頭」の部分にヘルペスの症状が現れる病気です。症状が現れる場所の関係で飲食が満足に行えなくなるため、身体的にも精神的にも非常に苦痛を伴うでしょう。
そんな咽頭ヘルペスには、具体的にどのような症状があるのでしょうか。本記事では、咽頭ヘルペスの症状から検査のこと、治療についてなどを網羅的に紹介していきます。「もしかして咽頭ヘルペスかも…」とお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
咽頭ヘルペスの症状とは
咽頭ヘルペスとは、ヘルペスの原因である「単純ヘルペスウイルス」が咽頭部に感染することで発症します。症状として、以下のようなものが挙げられます。
- 強い咽頭痛嚥下痛(飲み込むときに感じる痛み)
- 高熱唇や舌などの“びらん(ただれている状態)” など
こうした症状によって飲食が困難となり、脱水状態に陥る恐れもあるでしょう。
似たような病気として「口唇ヘルペス」が挙げられます。口唇ヘルペスも咽頭ヘルペスと同じウイルスが原因で引き起こされる病気です。
しかし、咽頭ヘルペスとは感染場所が少し異なり、口や唇といった場所にヘルペスウイルスが感染した場合に発症します。
口唇ヘルペスの症状では、唇や口の周りに水ぶくれが見られます。咽頭ヘルペスの場合は、口の周りにヘルペスが現れるわけではないため、感染場所によって症状が異なる点を把握しておきましょう。
咽頭ヘルペスかどうか調べる方法とは
咽頭ヘルペスが発症すると咽頭痛・嚥下痛、高熱などの症状が現れます。
しかし、こういった症状だけでは咽頭ヘルペスと断言することは難しく、他の病気の可能性も考えられるでしょう。例えば、同様の症状が現れる病気として「咽頭炎」や「扁桃炎」も挙げられます。
ここでは、「かかっているのが本当に咽頭ヘルペスなのか」を判断するための感染経路・感染原因や検査方法などを見ていきましょう。
咽頭ヘルペスの感染経路や原因
咽頭ヘルペスが引き起こされる感染経路や感染原因には、以下のようなものがあります。
- 口唇ヘルペスを発症している人とのキス
- 口唇ヘルペスを発症している人との飲み物の共有
- 性器ヘルペスを発症している人とのオーラルセックス
咽頭ヘルペスは、ヘルペスウイルスが咽頭、ノドのあたりに感染することで発症します。そして、ウイルス自体は、口唇ヘルペスや性器ヘルペスなどを発症している人の体液(唾液、精液など)に含まれています。
そのため、キスやオーラルセックスなどウイルスが「口」を通して体内へ入る状況が作られていた場合、咽頭にウイルスが感染する可能性があるのです。
咽頭ヘルペスの検査方法
咽頭ヘルペスに罹患しているかどうかの検査は、症状の問診や視診もそうですが、「ヘルペスウイルスの有無」を調べるのが主です。ウイルスの有無を検査する方法として、以下の2種類の検査が挙げられます。
- 血液を採取して行う「抗体検査」
- 唾液や粘液を採取して行う「抗原検査」
これら検査は医療機関でも受けられます。ただ、病院に行かずとも行える「検査キット」を購入して受けることも可能です。
血液を使う「抗体検査」の検査キットは、大手通販サイトや医薬品を扱う通販サイトなどで買えます。「血液を採る」というと病院で受けるような注射器での採血を想像するかもしれませんが、市販の検査キットは指先からごく少量の血液を採取する仕組みなので、針や血に極度の恐怖心が無ければ使えるでしょう。
体液を使う「抗原検査」の市販キットも、抗体検査と同じく通販サイトでの購入が可能です。ただ、咽頭ヘルペス向けの抗原検査キットはあまり見つからないかもしれません。そもそも、咽頭ヘルペスの発症自体が他のヘルペスと比べ珍しく、そこまでセルフの検査キットが普及していないためです。
なお、紹介したような「市販されている検査キット」を用いてヘルペスウイルスの有無を確かめることも可能ですが、これらの製品は精度に不安が残り、正しい検査結果が得られない恐れがあります。そのため、ヘルペスの検査をする際には、可能な限り病院や保健所といった医療機関で行うことをおすすめします。
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咽頭ヘルペスの検査費用
病院で受ける検査の場合、保険適用外(自由診療)ならば「8,000円~10,000円程度」が費用の目安です。この費用は、抗体検査・抗原検査ともにほとんど変わりはありません。どちらを受けてもおおよそ同じ値段で検査が受けられるでしょう。
一方で、市販されている検査キットならば「3,000円~5,000円程度」で検査が実施できます。一見すると、市販されている検査キットの方が安価で検査を実施できそうに見えますが、病院での検査が保険適用になった場合、3割負担の方であれば検査費用は「2,500円~3,000円程度」になります。
なお、「保険適用外(自由診療)」とは、具体的な症状や周囲の人間のヘルペス発症などは見られず「とりあえず自分がウイルスを持っているのかどうか知りたい」「症状は無いけど念のためやっておきたい」といった状況のときに適用される診療です。具体的な症状があり、パートナーや身近な人でヘルペスウイルスへの感染が見受けられた場合には、保険が適用される可能性が非常に高いです。
このように、保険適用となった場合、病院での検査の方が安価に検査を受けられます。検査結果も、市販キットより病院で受ける検査の方が精度が高いため、自身の現状や希望に応じて検査の受け方を選んではいかがでしょうか。
咽頭ヘルペスの治療方法について
検査を通してヘルペスウイルスに感染していると分かり、喉の痛みや発熱といった症状の原因が咽頭ヘルペスであると判明した場合、ヘルペスウイルスに着目して治療が行われます。
ここからは、咽頭ヘルペスの治療方法や費用について解説します。
咽頭ヘルペスの主な治療方法
咽頭ヘルペスを治療する際は、ウイルスの増殖を抑えるために「抗ヘルペスウイルス薬」が用いられます。
咽頭ヘルペスの場合の抗ヘルペスウイルス薬は「飲み薬」が主です。なお、飲み薬の形は錠剤が一般的ですが、喉や咽頭の痛みによって嚥下能力が落ちている場合、飲み薬の中でも飲み込みやすい顆粒剤や、注射剤が用いられることもあるでしょう。
ドラッグストアで販売されているヘルペスの薬は、どれも口唇ヘルペス用の「塗り薬」です。患部が咽頭である咽頭ヘルペスに対応した飲み薬は市販されておらず、医師から処方されなければ入手することはできません。
咽頭ヘルペスの治療にかかる費用
咽頭ヘルペスの治療に必要となる費用は、かかった病院や症状の重さ、薬を服用する期間などによっても異なりますが、保険適用の3割負担でおおよそ「2,000円~10,000円程度」が目安です。
場合によっては、これらの治療費用の他に検査費用などが追加されます。
咽頭ヘルペスが完治するまでの期間
現在の医療技術で、一度感染したヘルペスウイルスを体内から完全に除去することは難しい状況です。そのため、「再発しない」という意味での完治は難しいかもしれません。
しかし、抗ヘルペスウイルス薬を服用することでウイルスの増殖を抑えることができれば、自然と咽頭ヘルペスの症状も収まり、通常通りの生活ができるようになります。悪化させないための行動や正しい薬の服用を意識していれば、基本的には「1週間~10日ほど」で症状は収まるでしょう。
なおヘルペスは、自覚できる症状が無くなったとしても、体内でウイルスが潜伏・増殖していることもあり得ます。そのため、自己判断で薬の服用をやめると再発する恐れがあります。薬を使う際は、必ず医師から指定された回数・日数を守って服用しましょう。
ヘルペスウイルスによる咽頭以外の病気について
咽頭ヘルペスは、ヘルペスウイルスが咽頭に感染することが原因で発症します。一方で、ウイルスが別の部分に感染すると、別の病気を発症してしまうのです。
ここでは、ヘルペスウイルスによって発症する別の病気について見ていきましょう。
ヘルペスウイルスの種類
ヘルペスウイルスは細かく分けると、水痘・帯状疱疹ウイルスやヒトヘルペスウイルス6など、8種類が挙げられます。その中でも、「単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)」と「単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)」は、一度感染すると再発性が高く、水ぶくれを形成することで知られています。
また、単純ヘルペスウイルス1型・2型では、感染する場所や症状が異なり、感染後に発症する病気も明確に区別されているのです。
単純ヘルペスウイルス1型は、主に口内や口の周りに感染し、口唇ヘルペスを発症します。口の中の唾液や粘液に単純ヘルペスウイルス1型が含まれており、キスや飲み物の共有などによって感染します。
一方、単純ヘルペスウイルス2型は性器や肛門に感染し、発症する病気は性器ヘルペスです。性器ヘルペスは性病の一種であり、主に性的行為によって感染します。
性器ヘルペスについて
性器ヘルペスの原因である「単純ヘルペスウイルス2型」は、体液や皮膚などに含まれます。そのため、性行為やオーラルセックスなどによって、性器ヘルペスは感染していくのです。
なお、稀に単純ヘルペスウイルス1型に感染して口唇ヘルペスを発症している人が、オーラルセックスが原因で性器と接触することによって、相手側が性器ヘルペスを発症する場合もあります。
性器ヘルペスの場合、性器や臀部といった箇所に水ぶくれが発生します。発熱や全身痛、リンパ節の腫れなどの症状が発生し、排尿や歩行が困難になる事例も見受けられます。
一方で、咽頭ヘルペスは咽頭部にヘルペス特有の水ぶくれが形成されることによって、強い咽頭痛や嚥下痛、発熱を引き起こします。また、こういった症状によって飲食ができなくなる場合もあり、普段通りの生活を送ることが困難になるでしょう。
このように、性器ヘルペスと咽頭ヘルペスは、感染する場所の違いがありますが、どちらも日常生活に支障をきたす症状が現れます。そのため、無理に自然完治を目指すのではなく、医師の診断を受けて抗ウイルス薬による治療を行いましょう。
咽頭ヘルペスの予防法とは
そもそも、咽頭ウイルスは以下のような経路で感染する恐れがあります。
- 口唇ヘルペスを発症している人とのキスや飲み物の共有
- 性器ヘルペスを発症している人とのオーラルセックス
性行為もそうですが、普段意識せずに行っている生活習慣も感染原因に含まれます。そのため、咽頭ヘルペスへの感染を予防するのであれば、「『近しい関係の人たちにヘルペスを発症している人がいないか』をきちんと把握すること」が一番の対策です。
このとき、どういった行動でヘルペスウイルスが感染するのか、避けるべき行為は何なのかといったことを把握し、相手を傷つけないための配慮が必要です。
ヘルペスウイルスは、一度感染すると完全に排除することは困難です。抗ヘルペスウイルス薬の使用によって症状が落ち着いたとしても、免疫力が低下した段階で繰り返し再発する可能性もあるでしょう。
もし、一度咽頭ヘルペスを発症してしまったのであれば、再発抑制のために抗ヘルペスウイルス薬を正しく服用すること、免疫力を下げないよう健康的な生活を続けていくことを心がけましょう。
まとめ
咽頭ヘルペスとは、ヘルペスウイルスが咽頭に感染した際に発症する病気です。発症すると、強い咽頭痛や嚥下痛、発熱などの症状が現れます。
しかし、症状だけでは他の病気との判断が難しいこともあり、専門的な知識を有した医師であってもすぐに咽頭ヘルペスかどうか判断することは困難です。周囲の人でヘルペスに感染している人がいないかどうか確認し、いる場合その人との接触方法を思い返してみましょう。
咽頭ヘルペスは、発症しても死に至る可能性が高い病気ではありません。ただ、一度感染すると現在の医療技術では完治することが困難で、他人にうつす可能性もあり、発症時は日常生活を満足に行うことができなくなります。感染しないためにも、そして万が一感染してしまった場合は症状をできる限り抑えるためにも、適切な予防や治療を行いましょう。
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