【医師監修】早期治療が重要!HIV感染症の検査方法、治療法などをご紹介!

HIV感染症という病気をご存知でしょうか?

HIV感染症は、治療をおこなわずに放置しているとエイズ(AIDS、後天性免疫不全症候群)へと症状が進行することがあります。AIDSになると、免疫不全を起こして死亡に至ることもあるので早めの治療が重要です。そして、早期にHIV感染症の治療をするためには検査を受けることが重要です。

今回は、HIV感染症の検査方法や治療方法などをご紹介します。

HIV感染症は自覚症状が少ない

HIV感染症は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染することで引き起こされる病気です。HIV感染症を放置すると重篤な全身性免疫不全を起こすことが知られていますが、感染初期には症状が少ないことが特徴です。こちらでは、HIV感染症の症状を解説します。

感染初期はインフルエンザに似ている

HIV感染が成立すると、2〜3週間後に血中のHIVが急速にピークに達し、初期症状があらわれます。これは、発熱、喉の痛み、筋肉痛、皮疹、リンパ節の腫れ、頭痛などのインフルエンザに似た症状です。初期症状はあらわれてから数日から10週間程続きますが、ほとんどの場合時間とともに軽快します。

数年かけて免疫力が低下してAIDSを発症

初期症状が軽快してからは、目立った症状があらわれない無症候期にはいります。無症候期は、数年〜数十年間ほど続きますが、この間にHIVが細胞を攻撃し続け、徐々に免疫機能が低下します。

無症候期を過ぎると発熱や倦怠感、リンパ節の腫れなどの症状があらわれるとともに、帯状疱疹やヘルペス、結核、口腔カンジダなどの通常では感染しないような細菌やウイルスなどに感染して症状があらわれることがあります。

HIVに感染していて、23種類存在するAIDS指標疾患に1つ以上あてはまった場合にはAIDSと診断されます。

HIV感染症の検査方法

HIV感染症は、感染初期には症状が少ないので、気づかずに日常生活を過ごしていることもあります。そのため、早めにHIV検査を受けることが重要です。

HIV検査の流れとしては、最初にHIVスクリーニング検査を、陽性だった場合は次に確認検査を行います。確認検査を行うのは、HIVスクリーニング検査での結果が偽陽性の可能性もあるためです。確認検査でも陽性であればHIVに感染していることになり、陰性であればHIVスクリーニング検査偽陽性です。

HIV検査は、大きく分けて3種類存在します。

抗体検査

一般的に行われているHIV検査は「抗体検査」が多いです。感染成立後、体内でHIVが増殖し、血中にHIVに対する抗体が産生されます。HIV抗体の有無を確認する検査方法が抗体検査です。

感染の可能性のある行為から3ヶ月以降であれば受けることができます。20〜30分ほどで結果がでますが、約1%の確率で偽陽性が出ることがあるので陽性であっても確認検査が必要です。

抗原・抗体検査

抗原はHIVの一部であり、抗体検査より早い段階で感染の有無を確認できます。最短で感染の可能性がある行為から30日後には検査を受けることができますが、抗原にはHIV1型、HIV2型が存在し、検査が可能になる期間が異なるので注意が必要です。

HIV1型は行為後から30日後で検査が可能になり、HIV2型が検査可能になるには3ヶ月かかります。HIV1型、HIV2型療法で陰性が確認された場合にはHIVの感染は否定されます

NAT検査

NAT検査(核酸増幅検査)は、HIV遺伝子の有無を確認する検査方法です。抗体検査や抗原・抗体検査と比べると検査が可能になる期間が短いことが特徴です。感染の疑いのある行為から12日後に検査が受けられます。

しかし、検査結果が出るまで1週間かかり、偽陰性になることが稀にあるので3ヶ月後に確認検査を行う必要があります

HIV感染症の治療法

従来のHIV治療薬は副作用が多く、体内の免疫機能において重要な役割を果たすTリンパ球の減少が確認されるまで使われていませんでした。しかし、現在では、様々なHIV治療薬が開発され、副作用が少ない治療薬も増えてきており、早い段階でHIV治療薬を使用した薬物療法が推奨されています。

多剤併用療法が一般的

HIV治療薬には以下の治療薬が存在します。

  • 核酸系逆転写酵素阻害薬
  • 非核酸系逆転写酵素阻害薬
  • プロテアーゼ阻害薬
  • CCR5阻害薬
  • インテグラーゼ阻害薬
  • 融合阻害薬(日本では未承認)

1996年に多剤併用療法が開発され、現在では3〜4種類のHIV治療薬を組み合わせて併用する治療法が基本です。この療法が開発されてからHIV感染者の死亡率は減少しました。

今日では2〜3種類のHIV治療薬が配合された合剤が開発され、1日1回1錠の服用で治療できるようになっています。

しかし、HIV治療薬が進歩しても体内からHIVを完全に排除できないため、生涯を通してHIV治療薬の服用が必要です。

飲み忘れに注意

HIV治療薬の服用が中途半端だとHIVを十分に抑えられなくなり、HIVが治療薬に対して耐性を持つことがあります。こういった場合では治療が不可能になることもあるので、治療薬の飲み忘れには注意が必要です。

内服10回のうち1〜2回飲み忘れるだけで2人に1人は耐性ウイルスが発生すると言われているので非常に厄介な病気です。飲み忘れを防ぐためにもスマートフォンのアラームを使用するなど工夫をしてみるといいでしょう。

医療費は軽減できる

HIV治療薬は、非常に高価であるため薬物療法を継続するには経済的負担が非常に大きいです。

しかし、一定の条件を満たすことで身体障害者の認定を受けることが可能です。身体障害者認定を受けることで医療費の負担が大きく軽減されるので活用を検討してみてください。

気になることがあれば検査を受けてみる

HIV感染症は、性行為以外に日常生活で感染することがほとんどありません。感染経路が限られるので予防が可能です。

一方で、HIV感染症は、自覚症状が少ないため自分で気づくことが難しい病気でもあります。現在では、HIV感染症は早期に治療することでAIDS発症を抑制できるので気になることがあれば医療機関や保健所などでHIV感染症の検査を受けてみてください。

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参考文献

https://www.hok-hiv.com/knowledge/treatment/

https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/400-aids-intro.html

https://www.std-lab.jp/stddatabase/hiv-aids.php

https://www.hivkensa.com/knowledge/mame

https://www.hok-hiv.com/for-medic/inspection/