【医師監修】血精液症とは?症状・原因・妊娠への影響について解説!

パートナーの精液に血が混ざっていると、何か病気なのではないかと気になることありますよね。

精液に血液が混ざる『血精液症』は自然治癒することが多く、基本的にはあまり心配はいりません。

しかし、原因がクラミジアなど性感染症だった場合は不妊の可能性が高まります。

本記事では

  • 血精液症とは何か
  • 血精液症の原因
  • 血精液症が妊娠に及ぼす影響

を専門医が解説します。

ぜひ最後まで読んで適切な対処を行ってくださいね。

血精液症とは?

血精液症とは、精液の中に血液が混ざった状態を指します。

精液は精子と体液から構成されていますが、これらを作ったり貯蔵したりする器官に出血が起こると、精液に血液が混入するのです。

精液の大部分は精嚢や前立腺の分泌物であることから、出血部位は精嚢か前立腺であると考えられます。

血の色は出血時期が古ければ古いほど茶色~黒っぽく、新しい場合は鮮血色となるため、血の色から出血時期を推察することも可能です。多くの場合、出血があるだけで痛みなどの症状はありません。

血精液症の原因

血精液症の大部分は数日で自然治癒するため、あまり心配する必要はありません

しかし、1ヶ月以上の長期間出血が続く場合は

  • 前立腺や精嚢の炎症・うっ血
  • 精子輸送路の病気

といった原因も考えられます。

前立腺の生検後も出血することがあるので、各原因について詳しく解説していきます。

①前立腺の生検

『生検』とは、疑わしい病変の一部を切り取り、病気を診断する検査のことです。

前立腺の生検は前立腺がんの診断に用いられ、肛門に挿入した器具から直腸を経て前立腺に針を指入し、前立腺の組織を採取します。前立腺周囲は血流が多く、直腸粘膜も太い血管が走っているため、生検後は出血しやすくなるのです。

生検で出血した血液が精液と混ざって血精液症となるほか、尿と混ざって血尿が見られることもあります。しばしば生検をしてから数ヶ月後に起こることがあるため、生検と出血の関連を思いつかない場合も多いです。精液に血が混ざっている場合は、数ヶ月前に前立腺の生検をしていないか確認してみましょう

②前立腺や精嚢の炎症・うっ血

前立腺や精嚢に何らかの原因で炎症が起きたり、循環障害でうっ血が起きたりすると、局所的に血流が集まり血管がもろくなります。

その際に射精などの衝撃が加わると、血管が破れて出血し、血精液症になることがあります。排尿時に違和感や不快感がある場合は、前立腺炎を疑いましょう。

前立腺の炎症やうっ血は、細菌への感染のほか、アレルギーも原因になり得ることが分かっています。出血が続く場合は検査や内服薬による治療が必要です。原因がはっきりしている場合には、その原因に対して治療を行っていきます。

③精子輸送路の病気

精液は精巣・精巣上体・精管・精嚢・前立腺という精子輸送路を経て、尿管から体外に排出されます。これらの器官の腫瘍や結石といった病気も、血精液症で考えられる原因の1つです。

精巣がんや前立腺がんは、初期段階では自覚症状がほとんどありませんが、がんが進行すると尿や精液に血液が混じることがあります。血精液症からがんなどの病気が見つかる頻度はあまり多くありませんが、ごくわずか数%の方が抱えている場合があるので血精液症に気づかれた方は病院に行かれることを強く薦めます。

④原因不明

血精液症はほとんどの場合原因を特定できないと言われており、原因が分からない血精液症は『特発性血精液症』と呼ばれています。

特発性血精液症は、数日で自然治癒することがほとんどで、あまり心配する必要はありません。

前立腺炎の感染経路

細菌への感染は、前立腺炎など炎症の原因の1つです。

一番多いのは大腸菌への感染で、肛門から尿道に侵入した大腸菌が上流にある前立腺などに広がり、炎症を引き起こします。そのほか注意が必要なのは、クラミジアや淋菌による性感染症です。クラミジアや淋菌に感染すると、尿管から上流に菌が広がって前立腺炎や精巣上体炎を引き起こします。

感染経路は、性行為で直接粘膜に触れることによる接触感染です。淋病は感染から数日で症状が現れますが、クラミジアは1〜3週間の潜伏期間があります。自覚症状がないまま病状が進行することも多いので、過去に不特定多数と関係を持っていたなどの心当たりがある場合は、検査をしてみましょう。

ストレスが血精液症を引き起こす?

前立腺炎の原因として考えられるものの1つが、精神的なストレスです。

前立腺炎の患者、特に慢性前立腺炎の患者さんには日ごろ多忙な日々を送っている人が多く、長時間のデスクワークによる血流障害や不規則な生活のほか、精神的なストレスも原因だと考えられています。

ストレスが前立腺炎を引き起こす具体的なメカニズムは明らかになっていませんが、仕事で忙しい人の中には、精神的に強いストレスを抱えている人が多いのも事実です。ストレスが前立腺炎を引き起こし、結果的に血精液症につながっている可能性もあります。生活習慣や仕事スタイルなどを見直し、リラックスできる時間を持てるよう心掛けてみましょう。

血精液症が妊娠に直接影響する可能性は低い

血精液症の大部分は数日で自然治癒するため、妊娠への影響もないと考えて差し支えありません。

しかし、原因がクラミジアや淋菌への感染だった場合、

  • 男性の精管が塞がる
  • 女性の卵管を変形させる

といった症状を引き起こし、不妊症となる可能性があります。

血精液症が直接妊娠に及ぼす影響はあまりありませんが、原因が性感染症だった場合は抗菌薬の服用等の治療が必要です。

性感染症はパートナー2人が完治しなければ、性行為の度に感染を繰り返します。

感染が明らかになった場合は、必ず2人で一緒に治療を進めましょう。

まとめ

血精液症とは、精液の中に血液が混ざる症状のことです。

多くの場合は原因を特定できない特発性です。数日で自然治癒しますが、前立腺炎などの病気が原因だと、症状が長期間続くこともあります。特に、クラミジアや淋菌感染症は不妊の原因にもなる病気です。

血精液症自体はあまり心配する必要がない症状ですが、出血が止まらない場合は何らかの病気の可能性もあるため、病院で検査の上、適切な治療を受けましょう。そしてほぼすべての患者さんに対して、血精液症はがんの徴候ではなく、また性機能に影響を与えない点には安心して良いでしょう。

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