生理痛で薬を飲んでいるのに効果が感じられず、毎月の憂鬱な時間に悩んでいませんか?
実は、生理痛の薬が効かないのには明確な原因があり、適切なタイミングで服用したり、体を温めるなどの対処法を組み合わせることで、痛みを大幅に軽減できる可能性があります。
この記事では、生理痛の薬が効かない原因や効果的な飲み方、薬以外の対処法など、生理痛の悩みを解決するための情報を詳しく解説します。
生理痛の薬が効かない主な原因

生理痛の薬を飲んでも効果が実感できない場合、いくつかの原因が考えられます。
①薬を飲むタイミングが遅い
生理痛の薬が効かない最も多い原因は、服用するタイミングが遅すぎることです。
一般的な鎮痛薬は服用してから効果が現れるまでに20~30分程度かかります。
痛みが強くなってから慌てて薬を飲んでも、すぐには効果が得られません。
特にNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)と呼ばれる鎮痛薬は、プロスタグランジンの生成を抑制する働きがあるため、痛みが出る前に服用することが非常に重要です。
②冷えやストレスで痛みが増強している
体の冷えやストレスがあると、血行不良になり生理痛が強くなります。
その結果、通常よりも強い痛みを感じるようになり、薬の効果が十分に感じられなくなるのです。
また、ストレスはホルモンバランスを乱し、体温調節機能を低下させる原因にもなります。
薬を飲むだけでなく、体を温めてリラックスすることも、生理痛を和らげるためには欠かせません。
③子宮に関する病気が隠れている
市販の鎮痛薬を飲んでも効果がない、あるいは年々生理痛がひどくなっている場合は、子宮や卵巣に病気が潜んでいる可能性があります。
生理痛を引き起こす代表的な病気には、以下のようなものがあります。
- 子宮内膜症:子宮内膜が本来あるべき場所以外に発生し、炎症や癒着を起こす病気
- 子宮筋腫:子宮の筋肉にできる良性の腫瘍で、過多月経や強い生理痛を引き起こす
- 子宮腺筋症:子宮内膜が子宮の筋層に入り込み、子宮が腫大する病気
- 卵巣の腫瘍:卵巣に腫瘍ができることで痛みや不快感が生じる
これらの病気がある場合、市販の鎮痛薬では対処しきれないほどの強い痛みが出ることがあります。
特に、生理を重ねるごとに痛みが強くなっている場合や、月経時以外にも痛みがある場合は、早めに婦人科を受診することが大切です。
生理痛の薬を効果的に服用するための正しい飲み方

薬の効果を最大限に引き出すためには、正しい飲み方を知ることが重要です。
①痛みを感じ始めたらすぐに服用する
生理痛の薬を効果的に使う最大のコツは、「痛くなりそう」と感じた瞬間に服用することです。
「少し痛みを感じ始めた」「そろそろ痛くなりそうだな」というタイミングで薬を飲めば、プロスタグランジンが大量に分泌される前に痛みを抑えることができます。
用法・用量を守っていれば、定期的に服用しても薬が効きにくくなることはありません。
②空腹時の服用は避ける
ロキソプロフェンやイブプロフェンなどのNSAIDsを主成分とする鎮痛薬は、胃粘膜を傷つける可能性があるため、空腹時の服用は避けましょう。
空腹の状態で薬を飲むと、生理痛に加えて胃痛が起こってしまうこともあります。
食後すぐでなくても構いませんが、軽く何か食べてから服用することをおすすめします。
③水またはぬるま湯で服用する
薬は必ずコップ一杯の水かぬるま湯で服用してください。
お茶やジュース、牛乳などで飲むと、飲み物に含まれる成分が薬の吸収や作用に影響を与える可能性があります。
また、水なしで薬を飲むと、食道や胃に薬が張り付いてしまい、粘膜を傷つける原因にもなります。
必ず十分な量の水と一緒に服用することが大切です。
④用法・用量を必ず守る
薬を飲んでもすぐに効果が感じられない場合でも、用法・用量を守って服用間隔を空けることが重要です。
多くの鎮痛薬は、次の服用まで4~6時間程度の間隔を空ける必要があります。
効果が不十分だからといって短時間で追加服用すると、副作用のリスクが高まります。
市販薬で十分な効果が得られない場合は、自己判断で量を増やすのではなく、医師に相談しましょう。
⑤15歳未満は服用できない薬がある
15歳未満の方は、ロキソプロフェンやイブプロフェンなどのNSAIDsを服用できません。
これらの成分は、15歳未満の未成年が服用すると重い副作用を発症する可能性があるためです。
15歳未満の方が生理痛の薬を使用する場合は、アセトアミノフェンを主成分とする小児用の鎮痛薬を、保護者の監督の下で服用してください。
薬を選ぶ際は、必ずパッケージに記載されている年齢制限を確認しましょう。
生理痛の薬が効かない時の対処法

薬を正しく飲んでも効果が不十分な場合は、他の対処法を組み合わせることで痛みを和らげることができます。
体を温める
体を温めることは、生理痛を和らげる最も効果的な方法の一つです。
下腹部や腰を中心に温めることで血流が促進され、痛みの緩和につながります。
- 湯船にゆっくり浸かって体の芯から温める
- カイロや湯たんぽで下腹部や腰を温める
- 腹巻きや毛布を使って体を冷やさない
- 温かい飲み物を飲む
特に入浴は、血流を促進するだけでなくリラックス効果も得られるため、生理痛の緩和に非常に効果的です。
鎮痛薬の種類を変えてみる
今使っている薬が効かない場合は、別の種類の鎮痛薬に変えてみるのも一つの方法です。
市販の生理痛薬には様々な種類があり、主成分や配合成分によって効き方が異なります。
| 主成分 | 特徴 | おすすめの人 |
|---|---|---|
| ロキソプロフェン | 強い鎮痛・抗炎症効果がある | 強い生理痛に悩む方 |
| イブプロフェン | バランスの良い鎮痛効果 | 一般的な生理痛の方 |
| アセトアミノフェン | 胃に優しく副作用が少ない | 胃腸が弱い方、15歳未満の方 |
医師や薬剤師に相談しながら、自分の症状や体質に合った薬を選ぶことが大切です。
漢方薬を試してみる
漢方薬は体質を根本から改善し、生理痛を和らげる効果が期待できます。
漢方薬は血の巡りを良くすることで、様々な不調の改善に働きかけます。
生理痛の改善に用いられる代表的な漢方薬には、以下の3つがあります。
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):体力虚弱で冷え症の方
- 加味逍遥散(かみしょうようさん):イライラや不安感がある方
- 桂皮茯苓丸(けいひぶくりょうがん):のぼせや肩こりがある方
ただし、漢方薬は即効性があるわけではなく、体質を改善するために1~3ヶ月程度継続して服用する必要があります。
自分の体質に合った漢方薬を選ぶことが重要なので、医師や漢方専門医に相談することをおすすめします。
低用量ピルを検討する
鎮痛薬を飲んでも痛みが改善しない場合、低用量ピルの服用が非常に効果的です。
低用量ピルには、子宮内膜の増殖を抑える働きがあります。
子宮内膜が厚くならないことで、痛みの原因となるプロスタグランジンの分泌量が減少し、生理痛が軽減されます。
また、子宮内膜が薄くなることで経血量も減少するため、過多月経による貧血の改善にも効果が期待できます。
- 生理痛の軽減
- 経血量の減少
- 生理周期の安定
- PMSの症状改善
- 将来の子宮内膜症や卵巣がんのリスク低減
低用量ピルにはいくつかの種類があり、体質や健康状態によって適した製品が異なるため、必ず医師の診察を受けましょう。
軽い運動をする
痛みが辛い時に運動するのは難しいかもしれませんが、無理のない範囲で軽く体を動かすことで血行が促進され、痛みが緩和されることがあります。
適度な運動はストレス発散やリラックス効果も期待できるため、生理中でも可能な範囲で取り入れましょう。
- ウォーキングやゆっくりとした散歩
- ヨガやストレッチ
- 骨盤を回す運動
- 深呼吸をしながらのリラクゼーション
激しい運動は逆効果になることもあるため、自分の体調に合わせて無理のない範囲で行うことが大切です。
生理痛の薬が効かないことに関するよくある質問
生理痛の薬が効かないことについて、多くの方が抱える疑問にお答えします。
生理痛の薬を毎月飲んでいると効かなくなりますか?
用法・用量を守って短期間服用する場合、薬が効かなくなることはありません。
「鎮痛薬は飲み続けると効かなくなる」という誤解がありますが、毎月生理のときに数日~1週間程度、用法・用量を守って服用する場合は全く問題ありません。
ただし、鎮痛薬を月に15日以上服用する習慣が3ヶ月以上続くと、「薬物乱用頭痛」という状態になり、かえって頭痛が悪化するリスクがあります。
生理痛だけでなく頭痛でも頻繁に鎮痛薬を使用している場合は、服用頻度を見直すか、低用量ピルなど別の治療法を相談することをおすすめします。
生理痛の薬が効かない時、追加で飲んでもいいですか?
薬の用法・用量に記載されている服用間隔を必ず守ってください。
短時間で追加服用すると、副作用のリスクが高まり、胃腸障害や肝臓・腎臓への負担が増大します。
多くの鎮痛薬は次の服用まで4~6時間程度の間隔を空ける必要があります。
もし指定された服用間隔を守っても効果が不十分な場合は、薬の種類を変えるか、処方薬や低用量ピルなど他の治療法を相談しましょう。
自己判断で量を増やすことは絶対に避けてください。
ロキソニンとイブ、どちらが生理痛に効きますか?
どちらも生理痛に効果的ですが、ロキソニンの方がやや強い鎮痛効果があります。
ロキソニン(ロキソプロフェン)とイブ(イブプロフェン)は、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)に分類される鎮痛薬で、生理痛に効果があります。
ただし、胃に負担がかかる可能性があるため、空腹時の服用は避けましょう。
生理痛の薬を飲むのをやめたら痛みに強くなりますか?
薬を我慢しても痛みに強くなることはなく、むしろ悪影響があります。
「薬に頼らず我慢すれば痛みに強くなる」という考えは誤りです。
生理痛は適切に管理することが大切です。
痛みを感じ始めたら早めに薬を服用し、それでも効果が不十分な場合は医師に相談しましょう。
生理痛が年々ひどくなっています。これは正常ですか?
生理を重ねるごとに痛みが強くなっている場合は、器質性月経困難症の可能性があります。
これは子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症などの病気が原因で起こる生理痛です。
特に以下のような変化がある場合は、早めに婦人科を受診しましょう。
- 以前は市販薬で対処できたが、最近は効かなくなった
- 寝込むほどの痛みが出るようになった
- 経血量が増えてきた
- 生理時以外にも痛みを感じるようになった
我慢をせず、早期発見・早期治療が重要です。
まとめ:生理痛の薬が効かない時は原因を見極めて適切な対処を
生理痛の薬が効かない原因は、服用タイミングの遅れ、冷えやストレスによる血行不良など様々です。
薬だけで効果が不十分な場合は、身体を温める、鎮痛薬の種類を変える、漢方薬を試す、低用量ピルを検討するなどの対処法を組み合わせることで、痛みを和らげることができます。
「生理痛は我慢するもの」という考えは誤りです。
気になる症状がある場合は、一人で悩まず医師に相談しましょう。





