クラミジアという病名を耳にしたことがある人も多いのでは…。クラミジアとは性病のひとつで、現在10代~20代に急増しています。そしてこのクラミジア は、誰にでも掛かるリスクがある病気です。
クラミジアをはじめとする性病は薬を飲めば治るものが多いですが、放置すると不妊につながるなど恐ろしいリスクを有しています。今回は、クラミジアの原因や症状そして治療法まで、詳しく解説していきます。
クラミジアは誰にでも掛かるリスクがあるので『クラミジアを放置するとどうなるのか? 』、『心当たりない、見覚えがない時に、疑うべき症状にはどんなものがあるのか? 』など、しっかり理解しておくことをオススメします。
クラミジアとは?
冒頭でも少し触れましたがクラミジアとは、原因菌であるクラミジア・トラコマティスの感染により引き起こされる性病のことを指します。
クラミジアはもともと、トラコーマや封入体性結膜炎という目の病気の原因菌として主流でしたが、日本の生活水準が上昇し、通常の生活においても清潔な水に触れるようになった現在では、菌が目に作用することはほぼありません。
クラミジア感染の原因
続いて、クラミジア感染の原因について詳しく見ていきましょう。
クラミジア感染の原因は、『クラミジア・トラコマティス』と呼ばれる細菌が粘膜から侵入し、尿道や子宮頸管、咽頭、直腸などにある人の細胞に寄生し、繁殖することが原因となって起こる感染症のことを指します。
クラミジアに感染する原因として挙げられるのが、精液や腟の分泌物、血液や唾液などの体液交換があるような性行為や、それに類似するような性的な接触行為です。
しかし、実はこの『クラミジア・トラコマティス』は非常に弱い菌。なぜなら、『クラミジア・トラコマティス』人の身体から出てしまうと長く生きることができません。そのため、温泉での入浴などが原因で感染することは考えにくいでしょう。
クラミジアは、性行為時などに起きる粘膜や分泌物との接触以外で感染する可能性は低い感染症と覚えておきましょう。
前記したように、クラミジアは感染者の粘膜や体液が直接ふれ合うことにより感染します。
主なクラミジアの感染経路をもう少し分かりやすく見ていきましょう。
例えば、コンドームを使用せずに性行為を行った場合に、男性の尿道に潜んでいたクラミジアが女性の膣へ感染する可能性があります。
また、その逆で女性の膣内へと潜んでいたクラミジアが男性の尿道を伝って感染する可能性も考えられるでしょう。
クラミジアの感染力は強く、感染者と性行為を行った場合、約50%以上の確率で感染すると言われています。
特に、若い女性の感染は急増していて、当記事が行った独自の調査では10代後半~20代前半の約10%が感染したことがあるという調査結果が出るほどでした。
咽頭にクラミジアの原因菌を保有している場合、フェラやクンニといった前戯から性器に感染する可能性もあります。
クラミジアに感染している性器にオーラルセックスを行うことにより、咽頭クラミジアになってしまうことも考えられるでしょう。
さらに、咽頭クラミジアの場合、口内の粘膜が直接ふれ合うディープキスや唾液交換などから相手の喉に感染させてしまう可能性も少なくありません。
しかし、クラミジアは人の細胞内でしか生きられないため、飲み物のまわし飲みなどから喉へ感染することはほぼありませんのでその点はご安心を。
10代後半~20代前半の女性の主な感染経路はやはり、フェラやクンニなどの前戯のみも含めた性行為でした。
クラミジアの症状
クラミジアが厄介な感染症とされている大きな理由の一つとして、男女ともに初期症状がないことが挙げられます。
男性のクラミジアの場合、気付かないうちに悪化してしまうと尿道から入った菌が徐々に繁殖していき、前立腺炎や副睾丸炎を引き起こすだけでなく、肝炎や腎炎など臓器にまで症状が出てしまう可能性も考えられます。
そして、女性のクラミジアの場合は症状が進むことで、子宮内膜や腹腔内、卵管を伝って繫殖していき、卵管性不妊症や骨盤腹膜炎、子宮外妊娠を引き起こすことも考えられるでしょう。
さらに、妊娠中の女性の場合は産まれてくる子どもにも感染し、結膜炎や肺炎という形で症状が出てくるリスクもあります。クラミジアを放置することで、今後にも影響を及ぼす可能性があるのです。
例え、相手が夫婦や恋人やなどでも性行為を頻繁に行っている方は定期的に検診に行くことが大切となるでしょう。心当たりや身に覚えがなくても、知らず知らずにクラミジアに感染してしまうことがあるのです。
クラミジアの怖いところは、陰部だけではなく、オーラルセックスやキスなどによってのどにも感染する点。のどに感染したクラミジアは『咽頭クラミジア』と呼ばれ、症状が風邪と似ているため、見逃されやすいのです。
- のどの痛み
- のどの腫れ
- 発熱
- 体のだるさ
など、ほぼ風邪と同じ症状が現れるため、発症した多くの方が風邪薬だけを飲んで放置してしまいます。しかし、咽頭クラミジアは自然治癒することはないため、放っておくと咽頭炎や扁桃腺炎になる可能性が高まります。
1つ風邪と違うのは、自然治癒しないために症状がダラダラと長引くという点です。
- 特に風邪にかかるようなことをした覚えはないのに、風邪症状が長く続く
- 普段お付き合いをしているパートナーではない人とオーラルセックスやキスをした
といった心当たりがある場合は、咽頭クラミジアを疑いましょう。
クラミジアの潜伏期間
クラミジアの潜伏期間は、男女問わず1週間から3週間である場合が多いです。
また、オーラルセックスなど前戯などによってクラミジアが喉から性器へ感染した場合には、潜伏期間が通常より少し長くなってしまい、発症が遅くなる可能性も考えられます。
その理由は、咽頭クラミジアは病原菌の数が少ないことから、発症に必要な数まで増殖するための時間を有するからです。
感染の機会からどのくらいの期間が必要かは、クラミジアの感染経路や種類によって異なりますので注意しておきましょう。
さらに、骨盤腹膜炎の原因が数年前にかかったクラミジアによるものであったりや、妊娠の際に検査を受けて初めてクラミジアが発覚するケースなど、イレギュラーなケースも珍しくありません。
ごく稀になりますが、しばらく性行為をしていなかったのにクラミジアの感染が発覚する場合もあります。
このような場合は、実は既に数年前から感染していた可能性も考えられるんです。
かなり以前に感染したクラミジアが症状を現さずに潜んでいたり、以前に発症したクラミジアが完治していなかったなど、そのような形で保有していた病原菌が何かの拍子で発症してしまうこともあるようです。
クラミジアは、潜伏期間中に検査を受けても陽性反応が出ないこともあるので、その後気付かないうちに発症してしまい、他人に感染させてしまったり、悪化してしまいひどい症状になってしまうというケースも考えられます。
また、女性がクラミジアに感染した場合、発症後も約80%程が無症状であることからも正確な潜伏期間を特定することは難しいとされています。
クラミジアは子宮外妊娠など、たくさんのリスクも考えられます。
『クラミジアの恐れがある』と思った際などには自分で判断せずに、必ずかかりつけ医に相談するなどの処置を取るようにしましょう。クラミジア は自然治癒することがないので、放置せずしっかりと診断を受けることをオススメします。
クラジミアの検査方法
クラミジアの検査方法には、クラミジアの菌が体内にあるかどうかを検査する『抗原検査』や『PCR検査』と、菌に対する抗体があるかどうかを検査する『抗体検査』があります。
一般的に推奨されているのは主に抗原検査と遺伝子検出法(PCR検査)の2種類で、いずれも検査時における感染の有無を確認できる検査方法です。
それぞれメリット・デメリットが異なりますので、詳しく解説します。
抗原検査とは、クラミジア菌を構成しているタンパク質の存在の有無を確かめる検査方法で、結果が出るまでの時間が比較的に短いことが特徴ですが、感度(陽性を正確に検出できる割合)が低いなどの短所が挙げられます。
遺伝子検出法(PCR検査)は、クラジミア菌の遺伝子を検出することで感染の有無を判別します。前述の抗原検査と比べると結果が出るまでに要する時間が延びますが、正確に検出できる割合が高くなっています。
検査方法 | 男性:採尿、のど粘膜の採取 女性:子宮頚管細胞もしくは膣分泌物の採取、のど粘膜の採取 |
メリット | クラミジア感染しているかどうかが明確に分かる検査キットで自宅検査ができる 感度が抗原検査より高い |
デメリット | 女性は生理中の検査ができない 女性は性器を直接検査する必要があるため、病院での検査は羞恥心が伴う |
抗体検査とは、クラミジア菌を攻撃してくれる『IgA』や『IgG』という抗体が体内にあるかどうかで、感染を確かめる検査方法です。クラミジア菌自体を検査するわけではないので、抗原検査と比較すると確実性が劣るという特徴があります。
検査方法 | 採血 |
メリット | 性器の検査が不要 他の血液検査とあわせて検査が受けられる |
デメリット | すでに治癒している場合も陽性になるため、現在の感染かどうか判断できない 性器の感染か、のどの感染か分からない |
より高い正確性を求めるのであれば、抗原検査やPCR検査を選ぶようにしましょう。
クラミジアの治療法
クラミジアの治療では、抗生剤を使ってクラミジア菌を死滅させます。主な薬の内服方法は以下の通りです。
- アジスロマイシンを1度内服
- クラリスロマイシン、ミノサイクリン、ドキシサイクリンを1週間~2週間にわたって内服
アジスロマイシンは1度服用するとその後10日間効果を発揮するので、飲み忘れがありません。
どちらの方法でも、薬の服用から3週間ほど経った時点で一度クラミジア菌の検出検査を行い、菌が出なければ治療は完了です。結果が良くない場合は、抗生剤の種類を変更して、引き続き治療を続けることになります。
クラミジアは本人が完治しても、パートナーが感染していると性交渉の度に感染が繰り返される病気です。治療は必ずパートナーと一緒に受け、両方とも完治するまでは性行為を控えるようにしましょう。
クラミジア治療を途中で止めるリスク
アジスロマイシン以外の薬でクラミジアを治療する場合、1週間~2週間の内服が必要になります。中には途中で飲むのを忘れてしまったり、「もう大丈夫だろう」と勝手に内服を止めてしまったりする人も少なくありません。
しかし、途中で内服を止めてしまうと、菌を完全に死滅させることが難しくなります。中途半端に残ってしまった菌は、クラミジアの再発や、他の人への感染の原因となってしまうのです。
クラミジア治療で処方された薬は、必ず医師の指示通りに飲み切るようにしましょう。
クラミジアの予防法
クラミジアが治ったとしても、再度感染してしまっては元も子もありません。愛する人との関係をより良いものにするためにも、以下2つの方法でクラミジアを予防していきましょう。
クラミジアは菌が粘膜に付着することで感染する病気なので、コンドームの着用はクラミジア予防に効果的です。粘膜や体液が直接触れてしまうと感染に繋がるので、コンドームはなるべく挿入前から着用するようにしましょう。
また、オーラルセックスでクラミジア菌がのどの粘膜に付着すると、咽頭クラミジアに繋がります。挿入時だけではなく、オーラルセックスの際にもコンドームを着用しておくとより安全です。
クラミジアに感染しないためには、そもそも菌を寄せ付けないということが大切です。性行為をしないのが一番確実な方法ですが、現実的ではないため、相手は一人に絞るようにしましょう。
不特定多数の相手と関係を持つと、万が一感染しても感染源が誰か分からなくなります。むやみに感染を繰り返すことにも繋がりかねません。相手を一人に絞ることで、自分の体だけではなくパートナーの体も守ることができます。
まとめ
クラミジアは放置すると子宮の病気や不妊に繋がることもありますが、早期の治療で完治の可能性が高まります。クラジミアに感染してしまったと思った場合には、放置せずになるべく早く検査を受けて治療を早い段階から行えるようにしましょう。
クラミジアは一度完治しても、性行為の相手が感染していると再感染してしまいます。治療は必ずパートナーと2人で最後まで継続し、完治後は予防に努めましょう。
医療機関へ行くのが難しい方は自宅で検査できる「FemCHECK」がおすすめ
医療機関へ行くのが恥ずかしい、忙しくて病院へ行く時間が確保できない方はFemCHECKで自宅で簡単に性病の検査ができます。
FemCHECKは婦人科医が作った、自宅で検査ができる郵送の性病検査キットです。
結果が陽性であった場合は、オンライン診療で診察からお薬の処方まで自宅で完結させることが可能です。
おりものの異常がある、性病の心配がある方は一度検査してみることをお勧めします。
以下のバナーから注文することができます。時期によっては品薄になる場合があるのでご注意ください。