「アフターピルと低用量ピルは併用してもいいの?」「低用量ピルをアフターピルの代用に使っても避妊効果はある?」と疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
普段から低用量ピルを正しく服用している場合は、高い避妊効果が期待できるため、避妊に失敗した時でもアフターピルを服用する必要はありません。ただし、低用量ピルの飲み忘れがあったり飲み始めて数日だったりする場合は、アフターピルを併用して避妊をした方がよいでしょう。
この記事ではアフターピルと低用量ピルは併用できるのか、低用量ピルはアフターピルの代わりになるのか、それぞれの避妊薬の効果の違いなどを解説します。
アフターピル(緊急避妊薬)と低用量ピルは併用できる?

結論として、アフターピルと低用量ピルは併用しても問題ありません。 ただし、すでに低用量ピルを正しく服用していた場合には、基本的にアフターピルを併用する必要はありません。
低用量ピルは、毎日決められた時間に服用を続けることで、高い避妊効果が得られる薬です。正しく服用できていれば、妊娠の可能性は非常に低く抑えられています。
一方、以下のようなケースは、ピルの避妊効果が十分に発揮されない可能性があるため、妊娠リスクに備えてアフターピルを服用するのが安全です。
- 低用量ピルを飲み始めてから7日以内に、3錠以上の飲み忘れがあった
- 低用量ピルの効果を妨げる薬やサプリメント(抗生物質、セントジョーンズワートなど)を服用していた
- 3日以上連続で低用量ピルの服用を忘れていた
アフターピルと低用量ピルを併用した際には、吐き気や嘔吐などの副作用が強く出ることもあるため、体調の変化には注意が必要です。
すでに低用量ピルを使っている方がアフターピルの処方を希望する際は、必ず医師にその旨を伝えるようにしましょう。
※参照元:日本産科婦人科学会「緊急避妊法の適正使用に関する指針(平成28年度改訂版)」、NPO法人ピルコン「緊急避妊薬・アフターピル」
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低用量ピルはアフターピルの代用になる?

低用量ピルは、基本的にアフターピル(緊急避妊薬)の代用にはなりません。
低用量ピルは、1日1錠を継続して服用することで排卵を抑え、避妊効果を得る薬です。避妊効果を安定させるには、月経開始日から少なくとも7日間以上、毎日飲み続ける必要があります。飲み始めた直後や、服用を忘れた日がある場合には、十分な避妊効果は得られません。
一方、アフターピルは避妊に失敗したあと、緊急的に服用することで排卵を遅らせ、妊娠の成立を防ぐ薬です。性交後72時間以内(種類によっては120時間以内)に1回のみ服用するのが一般的です。
低用量ピルを自己判断で多量に服用することは、効果が保証されないうえに、副作用のリスクもあるため非常に危険です。個人の判断で低用量ピルを代用することは避けましょう。
緊急避妊が必要な場合は、必ず医師の診察を受けて、アフターピルの処方を受けてください。
アフターピル(緊急避妊薬)と低用量ピルの違い

アフターピルと低用量ピルは、どちらもホルモンの力を使って避妊を行う薬ですが、目的や使い方、効果の続き方に違いがあります。
ここでは、アフターピルと低用量ピルの特徴を詳しく解説します。
アフターピルは緊急時に服用する避妊薬
アフターピル(緊急避妊薬)は、「緊急時」に使う避妊薬です。たとえば、コンドームが破れたり外れたりした場合や、性行為が避けられなかった場合など、避妊に失敗したときに妊娠を防ぐために服用します。
- コンドームが破れたり外れたりしたとき
- 避妊をせずに性行為をしてしまったとき
- 性暴力に遭ってしまったとき
アフターピルの効果は、飲むタイミングによって大きく変わります。性行為から時間が経たないうちに服用することが大切で、時間が経つほど効果は下がります。
アフターピルの種類 | 有効な服用時間 |
---|---|
レボノルゲストレル | 性交後72時間以内 |
ウリプリスタル酢酸エステル | 性交後120時間以内 |
低用量ピルは日常的に服用する避妊薬
低用量ピルは、毎日同じ時間に1錠ずつ服用することで、避妊効果を発揮する薬です。飲み忘れがあると効果が下がるため、注意が必要です。避妊だけでなく、生理痛の軽減・月経周期の安定・ニキビ改善など、さまざまな目的で使われています。
- 計画的な避妊
毎日服用を続けることで、ほぼ100%に近い避妊効果が得られます。 - 月経困難症の改善
生理痛を和らげたり、出血の量を減らすことができます。 - 月経周期の安定化
不規則だった生理の周期を整える効果があります。 - PMS(月経前症候群)の緩和
生理前のイライラや不調を軽くするのに役立ちます。 - ニキビの改善
ホルモンのバランスを整えることで、ニキビができにくくなります。
一般的には、21日間服用して7日間休むタイプや、24日間服用して4日間休むタイプなどがあります。
フリウェルやドロエチといった超低用量ピルも、低用量ピルの一種です。避妊だけでなく、生理に関する不調の治療にも使われています。ただし、アフターピルの代用としては使用できません。
種類 | ホルモン量の特徴 |
---|---|
一相性ピル | 全ての錠剤に同じ量のホルモンが含まれている |
三相性ピル | 周期に合わせてホルモン量が変化する |
超低用量ピル | さらにホルモン量を抑えたタイプで、生理痛の治療にも使われる |
アフターピル服用後の低用量ピルはいつから飲み始められる?

アフターピルを服用したあと、低用量ピルはいつから飲み始めてよいのかは、使用したアフターピルの種類によって異なります。
- ノルレボ(レボノルゲストレル):翌日から低用量ピルを飲み始めることが可能です。
医師の判断によっては、アフターピル服用当日に開始する場合もあります。 - エラ(ウリプリスタール酢酸エステル):6日目以降から低用量ピルを始めるのが一般的です。
これは、エラが低用量ピルの成分(ホルモン)と作用が干渉する可能性があるためです。
低用量ピルは、月経が来るのを待たずに飲み始めることができます。ただし、アフターピル服用後はホルモンの影響で出血や月経周期が乱れることがあります。妊娠の可能性が不安な場合は、市販の妊娠検査薬で確認したうえで開始すると安心です。
低用量ピルを再開するときの注意点
アフターピル服用後に低用量ピルを再開する際は、以下の点に注意しましょう。
- 副作用が強く出る場合がある
アフターピルの影響によって、吐き気や頭痛、胸の張り、気分の落ち込みなどの副作用が強く現れることがあります。体調がすぐれないと感じた場合は、無理をせず一度医師に相談しましょう。 - 服用後7日間は追加で避妊が必要
低用量ピルを再開しても、最初の7日間は避妊効果が不安定です。この期間中に性行為をする場合は、コンドームなどの併用避妊を行いましょう。 - 生理が遅れている場合は妊娠検査を行う
アフターピルの影響で生理が遅れることがありますが、妊娠の可能性もゼロではありません。心配な場合は、市販の妊娠検査薬で確認してから低用量ピルを再開するのが安心です。 - 不正出血があっても服用は継続する
低用量ピルを再開すると、体がホルモンバランスの変化に慣れるまでに不正出血がみられることがあります。数日〜数週間で落ち着くケースが多いため、医師の指示がない限りは服用を継続してください。
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まとめ

アフターピル(緊急避妊薬)と低用量ピルの併用は、可能です。ただし通常正しく低用量ピルを服用できている場合は、アフターピルを追加で飲む必要はありません。
アフターピルと低用量ピルの違いは、以下のとおりです。
- アフターピル
避妊に失敗したときの「緊急時」に服用します。性行為後は、できるだけ早く服用することで効果が高まります。 - 低用量ピル
毎日服用を続けることで、高い避妊効果を維持できる「計画的な避妊薬」です。生理に関する不調の改善にも役立ちます。
アフターピルの代わりに、低用量ピルを使用することはできません。緊急避妊が必要なときは、すぐに医療機関を受診してアフターピルを処方してもらいましょう。
アフターピルを服用した後、低用量ピルを飲み始めるタイミングは、アフターピルの種類や医師の判断によって異なります。普段から低用量ピルを服用している方は、必ず診察時にその旨を伝え、医師の指示に従ってしたがって再開してください。
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