「下着についたおりものが茶色い…これって病気?」 「誰にも相談できず、ネットで調べるほど不安になってしまう」 そんな悩みを抱えていませんか?
実は、生理前後の茶色いおりものは、経血が混じった正常な変化であることがほとんどです。 しかし、なかには子宮頸がんや性感染症など、早期受診が必要な病気のサインの可能性もあります。
この記事では、茶色のおりものについて、考えられる14つの原因と疑われる病気、病院受診の目安を紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
- 茶色いおりものが「心配ない」ケースと「要注意」なケースの見分け方
- 今すぐ病院を受診すべき症状チェックリスト
- 時期別(生理前・妊娠初期など)の原因

【結論】茶色いおりものの多くは正常だが、長引く場合は注意が必要
おりものの色や量は、ホルモンバランスや生理周期によって日々変化します。
実は、茶色いおりもののほとんどが生理周期による一時的な変化であり、病気ではありません。ただし、中には感染症や子宮のトラブルが隠れているケースもあります。
ここでは、「心配のいらない茶色いおりもの」と「受診が必要なケース」をわかりやすく解説します。
心配ない茶色いおりものの特徴
茶色いおりものが出ても、次のような場合は体の自然なサイクルによるおりものの変化なので、過度な心配はいりません。
- 時期:生理開始の2〜3日前、または生理終了直後
- 量:おりものシートで十分対応できる程度
- 色:薄い茶色〜茶褐色
- 持続期間:2〜3日以内に自然に消える
- 他の症状:痛み・かゆみ・においなどがない
これは古い経血が酸化して茶色く見えているだけで、多くの場合は心配いりません。生活リズムを整え、体調を観察する程度で問題ないでしょう。
要注意な茶色いおりものの特徴
次のような場合は、ホルモン異常や感染症、不正出血などのサインである可能性があります。
- 時期:生理前後以外(排卵期を除く)
- 量:ナプキンが必要なほど多い
- 色:黒っぽい茶色や鮮血が混じる
- 持続期間:1週間以上続く
- 他の症状:腹痛、腰痛、悪臭、かゆみ、発熱など
このような症状がある場合、子宮内膜炎・子宮頸部ポリープ・性感染症・子宮筋腫などの病気が関係していることがあります。
自己判断せず、早めに婦人科を受診しましょう。
「これくらいで受診していいのかな」とためらう方も多いですが、婦人科ではおりものの相談は日常的に行われています。
早めの相談が、将来の妊娠や健康を守る第一歩です。不安なときは、症状の経過をメモして受診すると、診断がスムーズになります。
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正常なおりもの・異常なおりものの色とにおい
おりものは、体調やホルモンバランスの影響を受けて色やにおいが変化します。
| 項目 | 正常なおりもの | 要注意なおりもの |
|---|---|---|
| 色 | 透明・白・乳白色 | 黄緑色・緑色・黄色・赤色・茶褐色 |
| におい | やや酸っぱいにおい (ヨーグルト・チーズのような香り) | ・魚が腐ったようなにおい ・イカ臭 ・強い悪臭 など |
| 原因・状態 | 排卵期や生理前後など ホルモン変化による生理的な分泌物 | ・細菌性膣炎 ・トリコモナス膣炎 ・クラミジア感染 ・子宮内膜炎 ・不正出血 などの可能性 |
ただし、必ずしも色やにおいだけで異常と判断できるわけではありません。たとえば、長時間放置すると白色や乳白色のおりものが薄黄色に変わることもありますし、生理後には子宮内に残った経血が混ざって茶色っぽくなることもあります。
正常か異常かを見極めるには、「色」「におい」だけでなく「かゆみ・痛み・おりもの量」などの変化をあわせてチェックすることが大切です。
【時期別】茶色のおりものが出る原因

茶色いおりものの原因は、生理周期やホルモン変化によって異なります。ここでは、生理前・生理中・生理後・妊娠初期といった「時期別」に考えられる原因をわかりやすく解説します。
「生理前」茶色いおりものが出る原因
生理前に茶色いおりものが出る場合、主に以下の4つの原因が考えられます。
- 何らかの原因で少量の出血が混じっている
生理前後は少量の経血がおりものに混じることがあり、また性行為などで粘膜に刺激が加わって出血することもあります。通常は一時的なもので心配いりませんが、長期間続く・においが強い・量が多い場合は婦人科の受診を検討しましょう。 - 排卵出血
排卵期に卵胞が破れてわずかに出血し、それがおりものに混じることで茶色く見えることがあります。これは中間期出血とも呼ばれ、通常は2〜3日で自然におさまります。 - ホルモンバランスの変化
ストレスや睡眠不足、過度なダイエットなどでホルモンバランスが乱れると、機能性出血と呼ばれる不正出血が起こることがあります。一方、器質性出血は子宮や膣の病気・感染症が原因です。
症状が続く場合は、子宮内膜炎や子宮頸部の疾患などの早期発見のためにも、早めの受診をおすすめします。 - 着床出血
受精卵が子宮内膜に着床する際、内膜の血管が傷ついて少量の出血が起こることがあります。
下腹部の軽い痛みを伴うこともあり、生理予定日を1週間過ぎても生理が来ない場合は妊娠の可能性もあるため、検査薬で確認してみましょう。
このように、生理前の茶色いおりものは一時的なホルモン変化によるものが多いですが、期間が長い・においが強い・痛みを伴う場合は、感染症や子宮の異常が原因の可能性もあります。
「生理中」茶色のおりものが出る原因
生理中に茶色のおりものが出る場合、ほとんどが経血の酸化による正常な現象です。以下の2つの原因を解説します。
- 経血の酸化
茶色のおりものが出る原因として問題がないのは、経血が時間経過によって酸化している場合です。この場合、通常のおりものに酸化した経血が混じって茶色く見えたり、おりものではなくごく少量の酸化した経血が出ていたりする可能性もあります。 - 過少月経
過少月経とは、月経量が少なく、おおよそ生理2日目で出血が止まることを言います。この場合、ナプキンに茶色のおりもの位の経血が少し付着する程度のため、生理ではなく不正出血と勘違いしてしまう方も多いです。
生理中の茶色いおりものは、生理の始まりや終わりかけに特に見られやすい現象です。ただし、生理が極端に短い(1〜2日で終わる)、量が異常に少ない状態が続く場合は、ホルモンバランスの乱れや子宮の病気が隠れている可能性があります。
「生理期間外」茶色のおりものが出る原因
次は、生理期間外に茶色のおりものが出る4つの原因を解説していきます。
- 生理で残った経血が酸化した
生理が終わった直後は、まだ子宮内膜に残っていた経血が少量ずつ排出されることがあります。
排出された経血が酸化することで、茶色のおりものが出たように見えるのです。 - 中間期出血
中間期出血は、排卵出血で解説した通り茶色のおりものが出ても問題ないケースが多いです。
ほどんどの中間期出血は、生理予定日の約14日後、生理が終わってから約7日後に起こります。
また、茶色のおりものに加えて、下着に付着する程度の出血、下腹部痛がある場合、中間期出血である可能性が高いです。 - ピルの服用
初めてピルを服用した方は、ピルに含まれるホルモンによってホルモンバランスが崩れて不正出血を起こすことがあります。
このとき、副作用として生理のような出血が起こる場合や、茶色のおりものが出ることがあるため、初めてピルを服用して茶色のおりものが出た場合は、この不正出血である可能性が高いです。 - 更年期
40代~50代になると閉経に向けて女性ホルモンが減少し、更年期を迎えます。
このとき、ホルモンバランスが不安定になることで、更年期障害として不正出血が起きておりものに経血が混じって茶色く見えることがあります。
「妊娠初期」茶色のおりものが出る原因
次は、妊娠初期に茶色のおりものが出る4つの原因を解説していきます。
- 女性ホルモンが急激に増えた
妊娠すると女性ホルモンが急激に増えるため、茶色やピンク色のおりものが出ることがあります。基本的には問題ありませんが、出血量が増える・鮮血が混じる場合は早めに産婦人科を受診しましょう。 - 胞状奇胎(ほうじょうきたい)
胎盤になるはずの絨毛が異常に増殖し、子宮内に粒状の組織が詰まる病気です。妊娠初期のような症状や茶色いおりものが見られ、検査で妊娠ではなく胞状奇胎と判明することもあります。 - 流産・切迫流産
流産は妊娠初期に赤ちゃんが亡くなってしまうこと、切迫流産はその一歩手前の状態です。少量の出血はよくありますが、出血量が増える・茶色いおりものが続く場合はすぐに受診が必要です。 - 子宮外妊娠
受精卵が子宮以外(多くは卵管)に着床する妊娠です。初期には茶褐色のおりものや下腹部痛が現れ、進行すると卵管破裂による大量出血の危険があります。
茶色のおりものを伴う病気の種類
茶色いおりものが長く続いたり、痛み・悪臭を伴う場合には、子宮や卵巣、性感染症などの病気が関係していることがあります。ここでは、代表的な病気の特徴や治療・予防法を紹介します。
子宮頸ガン
子宮頸ガンは、子宮の入り口(子宮頸部)に発生するがんです。ヒトパピローマウイルス(HPV)の持続感染が原因で、20〜30代の若い女性にも増えています。
初期は無症状ですが、進行すると腫瘍から出血し、酸化した血液が茶褐色のおりものとして出てくることがあります。
- 早期発見なら子宮を残した治療が可能
- 2年に1回の子宮頸がん検診で予防
- 必要に応じてHPVワクチン接種も検討
定期検診を受けていない方は、すぐに婦人科で検診を予約してください。
子宮体ガン
子宮体ガンは、子宮の奥(子宮内膜)に発生するがんで、「子宮内膜がん」とも呼ばれます。子宮体ガンは、女性生殖器の病気として最も発症率が高く、年間1万5,000人以上が診断されている病気です。
自覚症状として、生理期間以外の出血・おりものが増える・閉経後の出血などが見られます。その他にも排尿時の痛みや性交時の痛み、下腹部の痛みなどを感じることもあります。
- 早期発見なら子宮を温存した治療が可能
- 閉経後に不正出血があれば早めに受診
- 定期的な婦人科検診で早期発見につながる
子宮体ガンを放置すると最悪の場合、子宮を摘出しなければなりません。しかし早期発見すれば子宮を摘出することなく、妊娠することもできます。そのため、悲しいリスクを避けるためにも定期的な検査が大切です。
子宮筋腫
子宮筋腫は、子宮の筋肉(平滑筋)にできる良性の腫瘍です。成人女性の約4人に1人が発症するとされ、30〜50代に多くみられます。
無症状のこともありますが、筋腫の大きさや位置によっては、経血量の増加や長引く生理、不正出血が起こることがあります。
発生部位により「筋層内筋腫」「漿膜下筋腫」「粘膜下筋腫」などに分類されます。特に漿膜下筋腫がねじれると、激しい痛みを感じることがあるため、強い下腹部痛があるときはすぐに受診しましょう。
- 経過観察や薬物療法で症状をコントロールできる
- 重度の場合は筋腫摘出や子宮全摘術を検討する場合も
- 定期的な婦人科検診で早期発見・管理が大切
子宮筋腫は良性腫瘍のため、早期に見つけて適切に経過を追えば大きな問題になりにくい病気です。月経の変化や出血の増加を感じたら、婦人科での検査を受けましょう。
子宮内膜ポリープ・子宮頸管ポリープ
子宮ポリープは、子宮の粘膜が一部増殖してできる良性の腫瘍です。発生部位によって「子宮内膜ポリープ」と「子宮頸管ポリープ」に分けられます。
どちらも慢性的な炎症やホルモンバランスの乱れが関係しているとされ、妊娠を経験した30〜50代の女性に多く見られます。ほとんどが良性ですが、まれに悪性化することもあるため注意が必要です。
症状は、茶色いおりもの以外にも膿が混じったおりものが排出されたり、ちょっとした性器への刺激で出血しやすくなったりすることが挙げられます。
- 多くは外来での日帰り手術で切除可能
- 再発防止のため、ホルモンバランスの改善が重要
- 定期的な婦人科検診での経過観察が必要
子宮頸管ポリープは受精卵の着床を阻害することから、妊娠経験がない方の場合、不妊の原因になる可能性があるため注意が必要です。
クラミジア・淋菌感染症【性感染症】
クラミジア感染症と淋菌感染症は、性交渉によって感染する代表的な性感染症です。子宮頸部や尿道などの粘膜に炎症を起こすため、放置すると骨盤内炎症や不妊につながるおそれがあります。
初期は自覚症状が少なく、気づかないうちに感染を広げてしまうケースもあります。茶色いおりものや性行為後の出血が見られる場合は、感染による炎症で粘膜が傷ついている可能性があります。
進行すると、黄色〜黄緑色のおりもの、下腹部痛、排尿痛などの症状が出ることもあります。男性パートナーにも感染するため、診断を受けた場合は必ずパートナーも一緒に治療を行うことが大切です。
- 抗菌薬(抗生物質)による治療で完治が可能
- 性交渉をする場合はコンドームを正しく使用
- パートナーと同時に検査・治療を受ける
- 定期的な婦人科検診・性感染症検査で早期発見
クラミジアや淋菌感染症は、早期発見・治療すれば後遺症を防げる病気です。おりものの色や量がいつもと違うと感じたら、早めに婦人科へ相談しましょう。

茶色のおりものがでた場合の受診目安

「このくらいで病院に行くべき?」「様子を見ても大丈夫?」と迷う方も多いでしょう。ここでは、茶色いおりものが続くときに受診を検討すべき症状やタイミングを解説します。
出血が止まらない・出血量が段々と増えている
茶色のおりものだと思っていたものが実は不正出血である可能性もあります。そのため、1週間以上経過しても出血が止まらない場合や、出血量が段々と増えている場合は病院を受診してください。
腰痛や腹痛を伴っている
茶色のおりものに加え腰痛や腹痛を伴う場合、何らかの感染症や病気にかかっている可能性があります。
そのため、常に痛いわけではなくても決して放置せず、病院を受診して適切な治療を受けましょう。
排尿や性交時に痛みを感じる
排尿や性交時に痛みを感じる場合、上記の腰痛や腹痛と同様、何らかの感染症や病気にかかっている可能性があるため、なるべく早く病院を受診してください。
妊娠中または妊娠の可能性がある
妊娠中や妊娠の可能性がある方の場合、不正出血や流産、切迫早産など母体や胎児にとって悪影響を及ぼす状態である可能性が高いため、ただちに産婦人科へ相談しましょう。

茶色のおりものに関するよくある質問【Q&A】

次は、茶色のおりものに関するよくある質問【Q&A】を解説していきます。
- 茶色のおりものがどのくらい続いたら病院を受診するべきですか?
- 茶色のおりものが1週間以上続いたら、病院を受診してください。
また、1週間経過していなくても何らかの症状がある場合はなるべく早く病院を受診しましょう。
- 茶色のおりものは何科を受診すれば良いですか?
- 婦人科や産婦人科を受診してください。
産婦人科は婦人科も兼ねているため、妊娠をしていない方でも、近くに婦人科がない場合は産婦人科を受診しましょう。
- 茶色のおりものがネバネバしてにおいが気になるのですが……
- 茶色~黒褐色でネバネバして悪臭があるおりものは、進行した子宮頸ガンの疑いがあります。
子宮頸ガンは自覚症状がほとんどないため、このようなおりものに気づいたら、ただちに病院を受診してください。
- 生理は来ないのに、茶色のおりものがしばらく出ているのですが病気ですか?
- 時期によっては問題がないケースもありますが、茶色のおりものが出ている日数や量によって何らかの感染症や病気にかかっている可能性もあるため、一度病院を受診しましょう。
まとめ
茶色いおりものの多くは、生理周期やホルモン変化による一時的なもので心配いりません。
しかし、長く続く・悪臭や痛みを伴う・鮮血が混じる場合は、感染症や子宮の病気が原因の可能性もあります。
- 正常な茶色いおりもの:生理前後や排卵期に一時的に見られる
- 注意が必要なケース:1週間以上続く、においや痛みを伴う
不安な症状があるときは、早めに婦人科で検査・相談を受けることが大切です。
ルナレディースクリニックはお客様一人ひとりの悩みに寄り添い、ベストな対処法を提案いたします。今回の記事も、参考になれば幸いです。
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