クラミジアは、日本で最も頻度が高い性感染症です。男性は比較的症状が現れやすいですが、女性は無症状なことも多く、知らない間に感染しているケースもあります。
クラミジアの治療は、アジスロマイシンという抗生物質がメインです。ほかにもよく使われる抗生物質が数種類ありますが、アジスロマイシンは1回内服するだけで1週間効果が持続するため、クラミジアの治療に重宝されています。
本記事では、クラミジアの治療法や薬、症状について詳しく解説します。
クラミジアに有効なのは「抗生物質の服用」
クラミジアは、代表的な性感染症です。クラミジアに感染した人の体液が、性器や口の中などの粘膜に触れると感染します。
クラミジア・トラコマチスという細菌が原因のため、治療は抗生物質の内服がメインです。抗生物質とは、細菌の作用を弱くしたり壊したりする薬で、クラミジアには作用を抑えるものが処方されます。
クラミジアに有効な抗生物質の例
抗生物質は、クラミジア以外の病気でも処方される機会が多い薬です。しかし、抗生物質にはさまざまな種類があり、効果の出方も異なります。ほかの病気で処方された抗生物質が、クラミジアに必ず効果があるとは言い切れません。
ここでは、クラミジアの治療で用いられる抗生物質について解説します。
アジスロマイシン(ジスロマック)
クラミジアの治療でよく用いられるのが、アジスロマイシン(ジスロマック)です。アジスロマイシンは、クラミジア菌の働きを抑え、細胞が増殖するのを防ぎます。
アジスロマイシンは、1回4錠を一気に内服することで約1週間効果が持続するため、1度の内服で治療が終了するケースが多いです。内服後数日はお腹が緩くなる場合がありますが、数日でおさまることがほとんどです。
また、効果が持続する1週間は、薬の効果を維持するために飲酒を控えましょう。
レボフロキサシン(クラビット)
クラミジアでは、レボフロキサシン(クラビット)という薬も使われます。レボフロキサシンは、クラミジア菌が増殖するのを防ぎ、最終的には殺菌が可能です。
下痢などの副作用はアジスロマイシンよりも少ないですが、1日1回を約1週間内服する必要があり、服薬管理が重要といえるでしょう。
クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)
頻度はやや少ないですが、クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)という薬も使われます。
クラリスロマイシンによるクラミジアの殺菌率は、2週間で約90.9%。
高い殺菌率ですが、約2週間の継続内服が推奨されています。アジスロマイシンやレボフロキサシンでは、効果が薄かったり副作用が出たりした場合に用いられることが多い薬です。
シタフロキサシン(グレースビット)
シタフロキサシンは、クラミジア菌の働きを抑える抗生物質です。
抗生物質は、人によって耐性ができている場合もあります。そのため、アジスロマイシンやレボフロキサシンのようなクラミジア治療に用いる主な薬で思うような効果が得られない場合、ほかの薬に変更して治療を継続するのが一般的です。
シタフロキサシンは、1週間ほど毎日内服します。いずれの薬治療にも言えることですが、改善しているかの判断を必要とするため、治療してから2~3週間程度経った後、再検査を行う病院もあるようです。
服用からどれくらいで効くか
クラミジアは、薬の内服を開始してからどのくらいで効果が出るのでしょうか。
ここでは、薬ごとの効果の出方を解説します。
アジスロマイシンは4錠飲むと1週間程度
クラミジアの第一選択薬であるアジスロマイシンは、1回4錠を内服することで1週間程度効果が持続します。
飲み続ける必要がある薬は、服薬管理が大変になりがちです。一方、アジスロマイシンは1回の内服で完治することも多いため、そういった心配はありません。
飲み忘れによって治療の効果が出ないことが少なく、有効な治療法といえます。
アジスロマイシン以外
アジスロマイシン以外の抗生物質は、大体1日1〜2錠を1週間ほど継続するケースが多いです。服薬管理が必要で、飲み忘れなどがあると、十分な治療効果が得られないこともあります。
1週間ほど内服を継続したのちに再度受診をして、終了するか継続するかを判断します。大体1〜2週間ほど内服を続けると、完治できるケースがほとんどです。
クラミジアは病院で治療しなければいけないの?
クラミジアは代表的な性感染症のため、「市販薬で治療ができたら便利なのに」と考える方もいるでしょう。しかし、現状クラミジアの治療薬は市販での購入はできません。
ここでは、クラミジアの治療に受診が不可欠な理由について、紹介していきます。
クラミジア治療に有効な薬は市販では買えない
市販薬で、クラミジアに効果的なものは購入できません。
クラミジアの治療で用いる薬は「抗生物質」で、使用できる期間が決まっていたり副作用があったりと使用に注意が必要な薬です。また、クラミジアは感染を起こす場所や症状の個人差が大きく、一般の方がクラミジアかどうかを判断するのは難しいため、必ず検査が必要になります。
そのため、クラミジアの治療薬の購入には、医師の処方箋が必須です。
クラミジアはオンライン診療ができる
しかし、仕事が忙しい方や羞恥心から、なかなか病院に行けない方もいるでしょう。そのような場合におすすめなのが、オンライン診療です。
オンライン診療は自宅で受診ができるため、待ち時間なく好きなタイミングで受診ができます。検査キットが自宅に届くため、病院のスタッフに陰部を見られて恥ずかしい思いをすることもありません。薬も自宅に届くため、薬局に行くわずらわしさも感じずに済みます。
検査を自分で行うことに抵抗がなければ、オンラインでの受診が便利です。
\クラミジア陽性の場合オンラインで治療も可能/
クラミジアの主な症状
クラミジアは日本で1番多い性感染症と言われますが、具体的な症状はよく知らない方も多いのではないでしょうか。症状を知っておくことで素早く治療を始めることができ、パートナーにうつしてしまうリスクも減らせます。
ここでは、クラミジアの症状について詳しく解説します。
潜伏期間
クラミジア菌には、潜伏期間があり注意が必要です。潜伏期間とは、感染してから症状が出るまでの時間差のことで、クラミジア菌は1〜3週間ほどとされています。
そのため、潜伏期間中感染に気がつかないまま性行為をし、相手にも感染させてしまうケースも多いです。「症状が出ていないから安心」というわけではないため、注意しましょう。
男性と女性による症状の違い
クラミジア感染による症状には、男女差があります。男性は尿道に感染することが多く、排尿痛や尿道の違和感、かゆみなどが主な症状です。
しかし、女性は自覚症状がない場合も多く、妊娠時や不妊治療の検査で初めて発覚することもあります。
ほかにも、クラミジアはのどへの感染も多く、のどの腫れや痛み、発熱などの症状がみられます。
クラミジアでかかる病気と症状
クラミジアは、菌の名前です。感染を起こす場所によって症状も大きく異なります。それぞれ病名も異なりますが、原因となる菌が同じなため治療法はほぼ同じといえるでしょう。
ここでは、クラミジア感染で起こる病気とその症状について解説します。
尿道炎
クラミジア菌が尿道に感染を起こすと、尿道炎を引き起こします。クラミジアは性行為によって感染するため、陰部に近い尿道には感染しやすく、頻度が高い感染症です。
症状は、排尿時痛や尿道の違和感、尿道周辺のかゆみなどで、ネバネバした膿が出ることもあります。
精巣上体炎
尿道炎が悪化し、クラミジア菌が精巣まで到達すると、精巣上体炎を発症します。症状は、睾丸の腫れやお腹が圧迫されるような痛みが多いです。
咽頭クラミジア
咽頭クラミジアは、オーラルセックスなどによって喉にクラミジア菌が感染すると起こります。症状は、喉の痛みや腫れ、発熱などです。
症状の重さは人それぞれなので、人によっては軽い風邪で済まされてしまい、感染に気がつかない場合もあります。
直腸感染
直腸感染は、アナルセックスなどによりクラミジア菌が、肛門から侵入して腸に感染した状態です。
「クラミジア直腸炎」とも呼ばれ、便に血が混ざったり肛門周囲の痛みが出たりします。
子宮頸管炎
女性の子宮頸管にクラミジア菌が感染した場合には、子宮頸管炎を発症するケースが多いです。おりものからの異臭や量が増えるなどに加え、かゆみや下腹部痛などの症状が出ます。
感染に気づかず放置していると、卵管にまで感染が広がり不妊症につながる場合も。少しでも似た症状があった場合は、早めに検査を受けましょう。
肝周囲炎
子宮頸管炎が悪化するとクラミジア菌が肝臓まで到達し、肝周囲炎を引き起こします。強い腹痛が特徴です。
子宮外妊娠、不妊症
子宮頸管炎を放置していると、卵管までクラミジア菌が到達し、子宮外妊娠や不妊症の原因になります。これは、卵管の炎症により卵子がうまく通れなくなるのが原因です。
クラミジア感染は、放置しているとどんどん進行します。できるだけ早めに治療を開始することで、治療期間を短くすることができるでしょう。
発症後から治るまでの期間
クラミジアによる感染症は、治療薬の内服開始から3週間ほどで治療完了になるケースが多いです。
治療薬は、アジスロマイシンなら1回4錠、ほかの抗生物質であれば1週間ほど内服します。その後2週間は様子をみて、治ったかどうかの再検査で完治していれば治療完了です。
薬の内服中や様子見期間は、性行為は控えましょう。
検査方法や内容
クラミジアは、感染する場所によって症状が大きく変わります。そのため、自己診断が難しく、そもそも自覚症状がない場合もあるため、病院やクリニックでの検査が必要不可欠です。
ここでは、クラミジアの検査方法や内容について解説します。
検査ができる科
検査を受けたいと思ったとき、どこの病院に行けばいいのか迷う方は多いです。クラミジアは感染した場所や性別によって、受診する病院やクリニックが異なります。
ここでは、受診すべき診療科を紹介します。
男性
クラミジアは性行為で感染するため、性器まわりに症状が出る場合が多いです。そのため、男性は基本的に泌尿器科での診察となります。
また、便に血が混ざったり腹痛があったりなど、肛門周囲の症状がある場合は、肛門科での検査となる可能性もあるでしょう。
女性
女性の場合も、男性と同じく性器への感染が多いため、婦人科で検査が可能です。しかし、のどへの感染が疑われる場合や、腹痛などの症状も出ている場合は、耳鼻咽喉科や内科などの受診が求められることもあります。
いろいろな症状が出ていて分からないときは、1番症状がひどいと感じる部位の診療科を選びましょう。
保健所でも検査ができる場合がある
クラミジアを含む性感染症の検査は、保健所でも受けることができます。
しかし、病院のように営業していればいつでも検査ができるわけではありません。月に数日しか診療日がないため、治療開始までに時間がかかる場合があります。あまりにも時間がかかる場合は、病院に行くのが良いでしょう。
検査される内容
クラミジアの検査内容は、症状が出ている場所によって大きく差があります。
感染の危険がある性行為より24時間以上経過していれば、検査を受けることが可能です。
病院にもよりますが、早いと即日で検査ができます。
検査方法は部位によってさまざまです。
- 尿道炎:尿検査
- 咽頭クラミジア:うがい液
- 膣や肛門:綿棒で分泌物を採取
オンライン診療の場合は、自宅に送られてきた検査キットを使用して自分で検査を行います。
採取した検体を病院に返送し、結果が通知されると同時に必要であれば薬が送られてくるといった流れが一般的です。
まとめ
日本で1番多い性感染症とされるクラミジアですが、女性は無症状なことも多く、知らず知らずのうちに感染しているかもしれません。
クラミジアの治療は、抗生物質の内服がメインです。カップルでうつしあってしまう「ピンポン感染」を防ぐためにも、必ずカップルで検査、治療を受けましょう。
治療薬は医師の処方せんが必要になるため、病院の受診が必須です。最近では、便利なオンライン診療も利用できるため、忙しい方や羞恥心がある方でも受診しやすいでしょう。
クラミジアを放っておくと、女性は不妊症につながる可能性もあります。少しでも不安がある場合は、早めの受診を心がけましょう。
医療機関へ行くのが難しい方は自宅で検査できる「FemCHECK」がおすすめ
医療機関へ行くのが恥ずかしい、忙しくて病院へ行く時間が確保できない方はFemCHECKで自宅で簡単に性病の検査ができます。
FemCHECKは婦人科医が作った、自宅で検査ができる郵送おりもの検査キットです。
結果が陽性であった場合は、オンライン診療で診察からお薬の処方まで自宅で完結させることが可能です。
おりものの異常がある、性病の心配がある方は一度検査してみることをお勧めします。
以下のバナーから注文することができます。時期によっては品薄になる場合があるのでご注意ください。