マイコプラズマ肺炎は、細菌の感染によって起こる呼吸器感染症です。子どもを中心に流行るケースが多いですが、若年層の大人も罹患する可能性があります。
マイコプラズマ肺炎では、具体的にはどのような症状が出て、発症原因の菌にはどのように感染するのでしょうか。本記事では、マイコプラズマ肺炎の症状や感染経路、治療方法について解説します。記事を最後までご覧いただければ、マイコプラズマ肺炎に対する正しい知識が身につき、適切な治療が施せるでしょう。
「マイコプラズマ肺炎」とは?症状は?
マイコプラズマ肺炎は、耳馴染みのない横文字が並んでいて想像が付きづらいため、どのような原因と症状なのか分からない方もいるでしょう。マイコプラズマ肺炎の症状は、一般的な風邪に似ていますが、放置しておくと恐ろしい合併症に至るケースもあるため注意が必要です。
ここではマイコプラズマ肺炎の原因・症状について解説します。
「マイコプラズマ」という菌が原因で引き起こされる肺炎
マイコプラズマ肺炎は、その名に含まれている「マイコプラズマ」という菌が原因で引き起こされる肺炎のことです。菌の医学的な名称は「マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)」といい、極めて小さな病原体であり、人から人へ伝播します。
マイコプラズマ肺炎は14歳以下の子どもを中心に流行することが多く、小児の中では発生頻度が高い感染症として知られています。また、時期を問わず発生しますが、冬場は特に患者数が増える傾向にあります。
マイコプラズマ肺炎の患者数のうち80%近くは小児という報告もありますが、成人患者の報告も少なからずあり、大人でも小児と同様の症状が出るようです。
初期症状は風邪に似ているが、重症化・合併症発症の恐れも
マイコプラズマ肺炎の初期症状は風邪に似ていますが、重症化・合併症発症の恐れもあります。マイコプラズマ肺炎の主な症状は以下のとおりです。
発熱頭痛乾いた咳全身の倦怠感 |
マイコプラズマ肺炎は2~3週間ほどの潜伏期間を経て、発熱や頭痛などの初発症状を発症します。3~5日後に乾いた咳が始まり、解熱した後も咳が3~4週間程度続くケースがあるのが特徴です。また、重症化のリスクはそこまで高くはないものの、一部の患者は重症化するケースもあるため、油断はできません。
起こりやすい合併症としては、嘔吐や首の後ろの硬直などがみられる「髄膜炎」や意識障害などを引き起こす「脳炎」、耳の痛みや聞こえづらさが出る「中耳炎」などが挙げられます。
マイコプラズマ肺炎の感染経路は2パターン
マイコプラズマ肺炎の感染経路は2パターンあります。ここからは、それぞれの感染経路について、経路別に具体的にどのようなことに気を付けるべきか解説します。
なお、マイコプラズマ肺炎は、短時間・簡単な接触程度で感染する可能性は低く、長時間・濃厚な接触を行った場合に感染することが多いです。紹介する2つの感染経路に長い時間曝されないかという観点を持ってご覧ください。
パターン1:飛沫感染
マイコプラズマ肺炎は、患者の咳やくしゃみなどの飛沫が原因の「飛沫感染」で拡大します。具体的な対策は以下のとおりです。
- 人混みを避ける
- マスクを着用する
- 手洗いやうがいを徹底する
マイコプラズマ肺炎は年間を通じて発生する恐れがあるため、人が密集する空間では注意が必要です。特に咳やくしゃみが蔓延している空間ではマスクの着用を心掛け、こまめに手洗いやうがいをするとよいでしょう。
パターン2:接触感染
マイコプラズマ肺炎がうつる原因として、菌が付いた手から感染する「接触感染」もあります。具体的な対策は以下のとおりです。
- 不特定多数の人が触れる物・使う物にむやみに触らない
- 他の人が触れる物に触った場合、必ず手を洗ったり消毒したりしてから口や鼻に触れる
他者の触った物に触れることもそうですが、握手などでも菌をもらう可能性があります。マイコプラズマ肺炎感染の観点もそうですが、その他衛生的な観点でも重要なので、手洗いは手の消毒は心掛けるようにしましょう。
マイコプラズマ肺炎の治療方法
マイコプラズマ肺炎は自然に治ることも多いですが、症状が激しい場合は抗菌薬(抗生物質)を使うケースもあります。マイコプラズマに有効な抗菌薬は以下のとおりです。
- マクロライド系抗菌薬
- ニューキノロン系抗菌薬
- テトラサイクリン系抗菌薬
上記のうち、一般的に使用されているのは「マクロライド系抗菌薬」です。肺炎の症状が重くなり、患者の体内の酸素が低下している場合、酸素療法が行われるケースもあります。
マイコプラズマ肺炎についてよくある質問
最後に、マイコプラズマ肺炎に関するよくある質問をいくつか取り上げます。マイコプラズマ肺炎について気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
特徴的な症状は?喘息・コロナなどと判別しづらいのですが
マイコプラズマ肺炎の特徴的な症状は以下のとおりです。
- 発熱
- 頭痛
- 乾いた咳
- 全身の倦怠感
特に「乾いた咳」が特徴で、期間が経つにつれ強まったり、発症から4週間近く続いたりすることもあります。
ただ、通常の風邪や喘息、コロナなどと判別するのは難しいため、感染が疑われる場合できる限り早期に医師の診察を受けましょう。
マイコプラズマ肺炎はどのように検査するの?
マイコプラズマ肺炎に感染しているかどうかは、以下のような方法で検査できます。
- 血液検査
- 咽頭ぬぐい液による検査
- 呼吸音の聴診
- 胸部レントゲン
咽頭ぬぐい液による検査は、綿棒などで喉をぬぐい、採取した体液からマイコプラズマの遺伝子を調べる方法です。
重症化しやすい?
マイコプラズマ肺炎は子どもに多い病気ですが、若い大人も罹患する恐れがあります。また、子どもの方が軽度の症状で済み、大人は子どもに比べて重症化しやすいとも言われています。
マイコプラズマ肺炎にかかると、以下のような合併症を引き起こすこともあります。
- 髄膜炎
- 脳炎
- 中耳炎
マイコプラズマ肺炎って自然に治る?
マイコプラズマ肺炎は自然に治ることもある病気です。
ただ、他人にうつす可能性が高い病気ですし、症状が悪化して重症化したり合併症を引き起こしたりする可能性も否定できません。できる限り早めに医師の診察を受けましょう。
若い人がかかりやすいって本当?
マイコプラズマ肺炎患者の割合で一番多いのは、小児です。主に発症が多い年齢として「6歳から12歳」が挙げられます。また、患者数の80%近くを「14歳以下」が占めていることも多く、若い人・子どもによく見られる病気という認識は強いでしょう。
ただし、成人した大人の感染リスクもゼロではなく、子どもに比べ症状が軽く収まりにくいとも言われているため、油断はできません。
マイコプラズマがうつるのを予防するにはどうしたらいい?
マイコプラズマ肺炎感染の予防法は以下のとおりです。
- 人混みを避ける
- マスクを着用する
- 手洗いやうがいを徹底する
基本的な対策は、風邪やインフルエンザ、コロナなどと変わりません。菌を体に取り込まないための対策を心掛けましょう。
まとめ
今回は、マイコプラズマ肺炎の症状や感染経路などについて解説しました。
マイコプラズマ肺炎は2~3週間程度の潜伏期間を経て、徐々に私たちの体から症状を見せます。初期症状は軽度の発熱や頭痛、咳などですが、咳が長引いたり重症化したりする可能性もあります。また、「脳炎」「中耳炎」などといった合併症を引き起こす可能性も否めません。
「周囲で流行している」「まわりに感染が疑われる人がいる」などという方は、早めに対策を行い感染を予防しましょう。さらに、感染してしまった場合は、周囲にうつさないためにも他人との接触はできる限り控えましょう。
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