クラミジアの感染経路は?お風呂や性行為でうつる?

「クラミジア」と聞いたことがあるけど、どんな病気なのかはわからない、という方も多いのではないでしょうか?感染していても自覚症状があまりないため、感染に気づいたときには不妊症になっていたということもあり得る病気です。

パートナーが変わった人、不特定多数と性的関係にある人などは、ぜひこの記事を読んでクラミジアについての知識をつけ、自分やパートナーの体を守りましょう。

クラミジアとは?

クラミジアとはどのような病気なのでしょうか?クラミジアについて、疫学的な観点からわかりやすく解説します。

原因

クラミジアの原因菌はクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)です。

クラミジア・トラコマチスは、主に性交や性的な行為によって感染する性病の一種です。性的な行為とは、オーラルセックス・セックス・アナルセックスなどのことを指します。

感染部位の粘膜との接触や分泌物との接触により人から人へ感染します。また、分娩時の産道感染で母子感染することがあります。

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潜伏期間

クラミジアの潜伏期間は1〜3週間で、潜伏期間もうつります。

男女ともに自覚症状に乏しく気づきづらいとされていますが、男性よりも女性の方が自覚症状がないため、より気づきづらいといわれています。

通常の症状

男性の場合、ほとんど自覚症状はなく、あっても尿道炎によってかゆみを感じる程度であり、多くの場合排尿痛や尿道不快感、腫れなどは伴いません。

女性の場合は子宮頸管炎、骨盤内付属器炎、不妊、肝周囲炎などを起こしますが、自覚症状はおりものの増加程度であり、ほとんどの場合自覚症状はありません。性的な行為によって咽頭に感染した場合は咽頭炎を起こし、首のリンパ節が腫れる場合があります。

検査

感染機会から24時間経過で検査を受けられ、24時間以内に結果がわかるものもあります。

感染部位、性別により検査内容が変わります。

・性器クラミジア

男性:尿を採取

女性:綿棒を使用して膣からの分泌液を採取

・咽頭クラミジア

生理食塩液40mlで15秒間、うがいした液体を採取

・肛門クラミジア

細い綿棒を数センチ肛門に入れ、分泌物を採取

クラミジア感染で起こる病気

クラミジアに感染すると、他の病気になってしまう場合があります。どのような病気があるのか詳しく解説します。

男女共通の病気

クラミジア感染によって起こる男女共通の病気を解説します。

・咽頭感染

喉への感染は無症状なことがほとんどですが、一部の人で喉の痛み・頸部リンパ節の腫脹・耳のつまり感・難聴・滲出性中耳炎・鼻づまりなどが出る場合があります。

・直腸感染

直腸へは性器感染からリンパの流れに乗って感染することがあります。排便時の出血・粘血便・肛門痛などが出る場合がありますが、症状が軽く受診に至らないことも多いです。

・成人型封入体結膜炎

感染した人の分泌物が手や指についた状態で目をこするなどして感染します。目の充血・膿性の目やに・まぶたの腫れなどが出ます。

・新生児型封入体結膜炎

クラミジアに感染した母親が、出産時に新生児の目に感染させてしまうことで起きます。生後5〜12日頃に目の充血・膿性の目やに・まぶたの腫れ・稀に偽膜という分泌物の塊が結膜できることもあります。

男性の病気

クラミジア感染によって起こる男性の病気を解説します。

・尿道炎

最も多く見られる症状で、尿道に炎症が起きます。排尿時の痛みや膿のような分泌物が出ます。

・精巣上体炎

精巣上体は睾丸の中にある組織です。そこが炎症を起こし、腫れ・痛み・軽い発熱などが出ます。

女性の病気

クラミジア感染によって起こる女性の病気を解説します。

・子宮頸管炎

子宮の入り口の子宮頸管に炎症が起きます。子宮頸管炎になった約50%の人が無症状だとされています。おりものの増加・生理痛のような下腹部の痛み・不正出血・性行痛などが出ます。

・骨盤腹膜炎・子宮内膜炎・卵管炎・卵巣炎

症状が進行してしまうと、子宮よりもさらに奥の組織にも炎症を起こします。これを「上行性感染」といい、さらに進行すると「肝周器炎」となり、下腹部から右上腹部にかけて強い痛みが出ます。

不妊症の原因になることも

クラミジア感染が不妊症の原因になる場合があります。主な病気と起こりえる症状について解説します。

・子宮付属器炎

クラミジアに何度も感染をしてしまい、卵管炎が慢性的になると、卵管粘膜ヒダ構造や卵管分泌細胞に異常をきたします。特に卵管上皮下まで炎症が広がると卵管が線維化します。ここまで進行すると自然回復は不可能です。卵・胚の輸送能障害が起き、子宮外妊娠や卵管性不妊へとつながってしまいます。

・骨盤腹膜炎

何度も感染して炎症が骨盤内に広がると、骨盤腹膜炎になります。

卵管采周囲癒着や骨盤内の癒着が併発し、卵のピックアップ機能に障害が起きます。卵管采が完全に閉塞してしまった場合、手術の必要があるでしょう。ここまで症状が悪化すると自然妊娠が非常に難しくなります。

クラミジアの感染経路

クラミジアはどのような感染経路を辿るのでしょうか。例を挙げて解説します。

温泉やトイレでうつる?

温泉やお風呂、トイレでうつることはありません。

性病と聞くと、お風呂に一緒に入ったらうつってしまうのではないかと不安になるかもしれませんが、クラミジアは人の細胞に寄生しなければ増殖することも、生きることもできない細菌です。性行為では粘膜と粘膜が触れるため感染しやすくなりますが、粘膜同士が触れない状態ではほぼ感染しません。そのため、共用のコップやタオルなどが感染経路になる心配もありません。

キスや性行為でうつる?

唇が触れ合う程度のキスであれば、自分か相手のどちらかがが咽頭クラミジアだったとしても感染する恐れはほとんどないといってよいでしょう。しかし、ディープキスのような粘膜同士が触れるキスでは感染することがあります。

また、性行為では粘膜同士が触れることになるため、うつる恐れがあります。コンドームなしの1回の性行為で感染する確率は30〜50%にもなります。さらに、オーラルセックスでは喉に、アナルセックスでは肛門にうつる場合があります。

妊娠中に胎児へうつる?

妊娠・出産時の胎児への感染には3つのパターンがあります。

・胎内感染: 胎児がお腹の中で感染

・産道感染:分娩時に産道を通る際に感染

・母乳感染: 母乳を通しての感染

妊婦の3~5%がクラミジアをもっており、感染すると流産や早産の原因になることがあります。分娩時に新生児へと産道感染する可能性は30~50%とされています。新生児の結膜炎や肺炎の原因となることがあります。

新生児の結膜炎の場合は生後約5~12日に、目やにや結膜充血などの症状が出ます。

肺炎の場合は1~2か月の潜伏期があります。通常は発熱はなく、呼吸が多くなる、呼吸時に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音がする、痰や喀血のある湿った咳が出る、哺乳力が落ちるなどの症状が出ます。

クラミジアの治療法

クラミジアの治療にはどのような手段が使われるのでしょうか。薬の名称から副作用まで詳しく解説します。

治療薬

クラミジアの治療にはマクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系の抗生物質を使用します。

抗生物質の系統薬剤名副作用特徴
マクロライド系アジスロマイシン(ジスロマック)クラリスロマイシン(クラリス、クラシリッド)下痢・吐き気・嘔吐・腹痛など殺菌作用のある抗生物質。効果が強いので1回の服用で済む。
ニューキノロン系レボフロキサシン(クラビット)シタフロキサシン(グレースビット)発疹・じんましん・発熱・下痢・頭痛など抗菌作用がある。副作用が出にくいが、7〜14日間服用する必要あり。
テトラサイクリン系ミノサイクリン(ミノマイシン)ドキシサイクリン(ビブラマイシン)腹痛・吐き気・食欲不振・胃腸障害などニューキノロン系と同じく、抗菌作用がある。代表的な薬「ミノマイシン」は、重症患者によく使用される。

検査・治療にかかる費用

クラミジアの検査や治療にかかる費用はいくらくらいになるのでしょうか。保険適用の場合の費用は以下のとおりです。

初診料(普段かかっていない病院の場合のみ)3,000~5,000円
検査料2,000~3,000円
薬代1,000~2,000円

完治したかどうかを再度検査する病院もあります。

また、保険外の自由診療などになるとさらに費用がかかります。

まとめ

クラミジアは男女ともに自覚症状に乏しく、男性の場合尿道炎によるかゆみ、女性の場合おりものの増加といった症状が出る程度です。感染に気づかず、知らず知らずのうちに他の病気の原因になる場合があります。女性では不妊の原因になることもありますし、妊娠時の検査で発覚することもあります。少しでも違和感がある場合や、不特定多数との性行為があるような場合には定期的に検査を受けましょう。

万が一感染していた場合でも治療は抗生物質の服用で済む場合がほとんどであり、薬の服用自体も1~14日程度で終わることが多いです。感染経路は感染している粘膜との接触や分泌物との接触です。お風呂や温泉、共用のコップやタオルなどから感染することはありませんが、性行為ではうつる恐れがあるため、セーフセックスを心がけ、しっかりとコンドームを装着しましょう。

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