「性器に特殊なイボができた」「前よりイボの数が増えている」こんな症状でお悩みではありませんか?それは「尖圭コンジローマ」かもしれません。尖圭コンジローマは性病の一種で、感染リスクが高く再発する可能性もあるため、感染疑いがある場合は、早目の受診が必要です。
この記事の前半で「尖圭コンジローマの概要・セルフチェック・似ている生理現象」について、後半では「診断方法・治療」について解説しているので、ぜひ参考にしてください。
コンジローマの原因とは?
尖圭コンジローマとは、性器や性器周囲、肛門周囲などにニワトリの鶏冠(とさか)やカリフラワーのようなイボができる病気で、いわゆる性病の一種です。HPVウイルスに感染することによって発症しますが、痒みや痛みなどの症状が現れないことがほとんどです。
そんな尖圭コンジローマに感染する原因や感染経路はいったいどのようなものなのでしょうか。ここでは、原因と感染経路について詳しく解説します。
コンジローマに感染する原因
尖圭コンジローマは、HPV(ヒトパピローマウイルス)に感染することが原因です。HPVは80種類以上と多くの種類が存在しますが、尖圭コンジローマの原因のほとんどはHPV6型または11型です。HPV6型・11型への感染が約90%以上を占めており、発癌性のリスクが低いことから「低リスク型」と言われています。
また、尖圭コンジローマはHPV16型・18型・31型などが混合して感染する「高リスク型」があり、子宮癌の発癌に関係する悪性のウイルスも存在します。
コンジローマの感染経路
尖圭コンジローマの主な感染経路は、「性行為や性行為に類似する行為」によって感染します。性行為などによって性器がこすれ、皮膚や粘膜などに小さな傷ができることでHPVが傷口に侵入し感染します。また、性器以外にも口内、舌、尿道、肛門内などに発生することもあり、感染経路がはっきりしないケースもあります。
尖圭コンジローマの感染者と性行為をした場合は約80%の確率で感染するため、きちんとした治療・予防が重要です。
感染経路に覚えがない場合
尖圭コンジローマは感染経路を特定することが難しい病気です。
理由は、以下の3つが挙げられます。
- 潜伏期間が長い
- オーラルセックスなどで口内や舌に感染する可能性がある
- 稀に小児・高齢者の感染を認める
HPVの潜伏期間は3週間〜8ヶ月と長く、いつ・どこで感染したか特定することが困難な場合も多いです。また、尖圭コンジローマはオーラルセックスなどによって口内や舌などにも感染するため、性行為をしていなくてもキスなどから感染してしまうケースあります。
稀に、小児や高齢者でも感染を認めることがあり、手についたウイルスが粘膜や傷口の触れることで感染する場合もあります。
このように尖圭コンジローマは感染経路を特定することが難しく、感染経路に覚えがないことは少なくありません。
コンジローマのセルフチェック
尖圭コンジローマは男・女ともに、以下の3項目でセルフチェックが行えます。
- コンジローマが現れる部位
- イボの色
- イボの形
感染が心配な方は、病院への受診の前にセルフチェックをしてみましょう。万が一、セルフチェックで感染が疑われる場合は、男性は泌尿器科または皮膚科、女性は婦人科への受診をおすすめします。
男性のセルフチェック
尖圭コンジローマの感染が疑われる方は、チェックしてみましょう。
【コンジローマの症状が現れる部位】
- 亀頭の先端部分
- 尿道口
- 包皮内外板
- 冠状溝(亀頭と陰茎体の境目)
- 陰のう
- 会陰
- 肛門周囲
- 肛門内
【イボの色】
- 黒
- 黒っぽい茶色
- ピンク
- 白
【イボの形】
- イボの先端が尖っている
- ニワトリの鶏冠(とさか)のような形
- 乳首(乳頭)のような形
- カリフラワーのような形
- 表面はザラザラしている
上記で当てはまる項目がある場合、尖圭コンジローマの感染が疑われます。男性の場合は、泌尿器科または皮膚科へ受診しましょう。
女性のセルフチェック
尖圭コンジローマの感染が疑われる方は、下記の項目をチェックしてみましょう。
【コンジローマの症状が現れる部位】
- 大陰唇
- 小陰唇
- 膣前庭
- 尿道口
- 会陰
- 肛門周辺
- 肛門内
【イボの色】
- 黒
- 黒っぽい茶色
- ピンク
- 白
【イボの形】
- イボの先端が尖っている
- ニワトリの鶏冠(とさか)のような形
- 乳首(乳頭)のような形
- カリフラワーのような形
- 表面はザラザラしている
上記で当てはまる項目がある場合、尖圭コンジローマの感染が疑われます。女性の場合は、婦人科へ受診しましょう。
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コンジローマに似た生理的現象など
セルフチェックで尖圭コンジローマだと判断が難しい場合は、尖圭コンジローマに似た生理現象かもしれません。
似ている生理現象は以下の3つが挙げられます。
- フォアダイス
- 真珠様陰茎小丘疹
- 包皮腺
それぞれの特徴や尖圭コンジローマとの違いを1つずつ解説します。
フォアダイス
フォアダイスは、直径は1mm〜2mm程度の白いできものやブツブツが陰茎および包皮部に発生します。フォアダイスは「できものの大きさが揃っている」「表面は滑らか」という特徴があり、尖圭コンジローマの特徴である「イボの大きさはバラバラ」「表面はザラザラ」と真逆であるため区別しやすいです。
フォアダイスのブツブツは脂肪の塊であり、良性の生理現象です。性病ではないため、人に感染することもなく、治療も必要ありません。
真珠様陰茎小丘疹
真珠様陰茎小丘疹は、く白いできものやブツブツが陰茎の冠状溝(亀頭の外側)に発生します。真珠のネックレスのように、光沢を持ったブツブツがリング状に規則正しく並んでいることが特徴です。尖圭コンジローマは表面がザラザラしており、規則性もないため、区別しやすいです。
真珠様陰茎小丘疹も生理現象であるため、治療の必要はありません。
包皮腺
包皮腺は、タイソン腺とも呼ばれており、白いブツブツが包皮小帯(裏すじ)に発生します。包皮小帯(裏すじ)の両側に1つずつできることが特徴です。皮脂腺でもあるため、ブツブツ内に汚れが溜まりやすく、異臭の原因となります。
尖圭コンジローマと区別しにくいですが、痒みや匂いを伴う場合は包皮腺である可能性が高いでしょう。包皮腺も生理現象の1つなので、治療の必要はありません。
コンジローマの診断について
尖圭コンジローマである場合、パートナーと一緒に感染している可能性があります。尖圭コンジローマ感染者と性行為した場合、約80%の確率で感染してしまうため、無症状でも感染している恐れがあるからです。
潜伏期間が長く、感染経路の特定が難しい場合がありますが、感染を繰り返す「ピンポン感染」となる可能性もあることからパートナーと一緒に治療することが望ましいです。尖圭コンジローマの潜伏期間と検査について理解し、コンジローマが疑われる場合は病院を受診しましょう。
コンジローマの潜伏期間
潜伏期間が長いため、忘れたころに症状が現れます。尖圭コンジローマは感染から症状が現れるまでに3週間〜8ヶ月(平均2.8ヶ月)かかるからです。例え、尖圭コンジローマの感染がわかったとしても、「いつ・どこで・誰との間で感染したのか」という原因を特定できないケースもあります。
また、症状が落ち着いていても3ヶ月以内に約25%の確率で再発する可能性があることから、治療が終わっても最低3ヶ月は様子をみる必要があると言えます。
コンジローマは視診で診断可能
尖圭コンジローマはイボの形状が特徴的であるため、視診によって診断が可能です。しかし、「尖圭コンジローマ感染疑い」などの場合は、検査を行うこともあるでしょう。尖圭コンジローマの検査は、患部を綿棒で拭ってウイルスを採取する方法が一般的です。
ただし、以下のような症状などを認める場合は、HIV検査・生化学検査による組織診断・遺伝子診断などが必要となります。
- 確定診断が必要な場合
- 治療していても悪化する場合
- 患者が免疫不全の可能性がある場合
- 硬結や 潰瘍がみられる場合
上記のような症状などがなければ、視診のみで診断されるでしょう。
コンジローマの治療について
尖圭コンジローマの治療は大きく分けて以下の2種類があります。
- 外用薬による治療
- 外科治療
- 凍結療法
- 電気焼灼(電気メス)
- 炭酸ガスレーザー蒸散
- 画家的切除
しかし、外用薬などの単独治療の場合、約20~30%が再発すると報告されています。そのため、再発予防の効果を高めるために外用薬と外科治療を同時に行う可能性がるので、治療方法を理解しておきましょう。
それぞれの治療内容について、以下で解説します。
外用薬による治療
尖圭コンジローマ1つ目の治療方法は、「外用薬による治療」です。抗ウイルス作用のある外用薬「イミキモドクリーム(ベセルナクリーム5%®)」を患部に塗ることで、少しずつウイルスを弱らせていきます。基本的に週に3回で、塗ってから6〜10時間後に洗い流しが必要です。
外用薬では尖圭コンジローマが消失するまでに時間を要すため、最大で16週間(4ヶ月)使用する場合があります。
また、連日の使用ができないため、「何曜日に塗るか」決めておくといいでしょう。
外科治療
尖圭コンジローマ2つ目の治療方法は、「外科治療」です。4つの方法があり、いずれも日帰りで手術可能です。
凍結療法 | -196℃の液体窒素を使って、イボを除去する治療法です。麻酔なしでも治療できるのが特徴です。 |
電気焼灼(電気メス) | 電気メスでイボを切除する治療法です。痛みがあるため、イボ周囲に麻酔します。 |
炭酸ガスレーザー蒸散 | レーザーでイボを除去する治療法です。痛みがあるため、イボ周囲に麻酔します。 |
外科的切除 | 専用器具(ハサミなど)を使って切除する治療法です。痛みがあるため、イボ周囲に麻酔します。 |
「どの治療法を選択するか」担当医師としっかり話し合って決めましょう。
コンジローマに関するよくある質問
尖圭コンジローマに関するよくある質問について回答します。
よくある質問は、以下の4つです。
- コンドームを使用すれば感染しませんか?
- 相手に症状がないので病院に行かなくてもいいですか?
- コンジローマは保険適用されますか?
- コンジローマは完治しますか?
以下で、1つずつ回答します。
コンドームを使用すれば感染しませんか?
尖圭コンジローマの予防方法の1つとして、コンドームを使用することが推奨されています。しかし、コンドームだけでは感染を完全に予防することはできません。なぜなら、性器以外(外陰部)に症状が現れている場合は、容易に感染してしまうからです。
例えば、男性の場合は陰嚢や会陰、肛門周囲、女性の場合は大陰唇や小陰唇、肛門周囲などに症状が現れている場合は、コンドームで覆うことができません。そのため、コンドームを着用しても感染を完全に予防することはできません。
尖圭コンジローマに感染している場合は、「性行為または性行為に類似する行為を控える」ことが感染予防になるといえます。
相手に症状がないので病院に行かなくてもいいですか?
相手に症状がない場合でも一緒に医師へ相談することをおすすめします。その理由は、尖圭コンジローマは「痒みや違和感をおぼえるケース」と「無症状のケース」があるからです。無症状だからといって放っておくと、お互いに感染を繰り返す「ピンポン感染」となり、コンジローマが治りにくくなる可能性があります。
また、尖圭コンジローマ感染者と性行為を行った場合、約80%の割合で感染する可能性があります。そのため、無症状でも、どちらかが感染している・感染の疑いがある場合は一緒に医師へ相談しましょう。
コンジローマは保険適用されますか?
症状がある場合は保険診療での治療が可能です。外用薬や外科治療においても基本的に保険適用です。しかし、「インターフェロン局所注射」など保険適用でない治療方法もあるため、治療前に保険適用か、治療費はどのくらいかを確認しましょう。
また、イボなどの症状が現れていない場合は自由診療となる可能性があるため、医療機関へ確認しておくとよいでしょう。
コンジローマは完治しますか?
「イボの数が少ない」「サイズが小さい」などの初期症状の場合は、完治する可能性もあります。しかし、尖圭コンジローマは再発しやすく、外用薬などの単独治療の場合は20~30%が再発すると報告されています。外用薬+凍結療法など複数の治療を行うことで、再発を防止する効果を高めることが可能です。
ただし、外見では治癒したように見えても、HPVウイルスが完全に消滅していない可能性もあるため、再発を防ぐためにも一定期間の通院が必要です。
まとめ
尖圭コンジローマとは、性器や性器周囲などにニワトリの鶏冠(とさか)やカリフラワーのようなイボができる病気で、いわゆる性病の一種です。HPVウイルスに感染することによって発症しますが、痒みや痛みなどの症状が現れないことがほとんどです。
尖圭コンジローマの特徴は以下の3つです。
- 潜伏期間は3週間〜8ヶ月と長い(平均2.8ヶ月)
- 3ヶ月以内に約25%の確率で再発する
- 感染者との性行為を行った場合は約80%の確率で感染する
尖圭コンジローマは、の感染が約90%以上を占める「低リスク型」がほとんどですが、子宮癌の発癌に関係する「高リスク型」も存在するため、早目に受診することをおすすめします。また、パートナーも感染している可能性があるため、一緒に受診するようにしましょう。
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