「毎日飲むって言われたけど、具体的にどうすればいいの?」「飲み忘れたらどうなるの?」そんな疑問や不安をお持ちではありませんか?
低用量ピルは正しい飲み方を守ることで高い避妊効果が期待でき、さらに生理痛の軽減やPMS(月経前症候群)の改善など、女性の生活の質を向上させる様々な効果があります。
この記事では、低用量ピルの基本的な飲み方や飲み始めるタイミングなどわかりやすく解説します。
低用量ピルの飲み方①:低用量ピルの基本的なルール

低用量ピルを効果的に服用するためには、基本的なルールを理解することが大切です。
1日1錠を毎日決まった時間に服用する
低用量ピルは1日1錠を毎日ほぼ同じ時間帯に服用することが基本です。
飲む時間は朝でも昼でも夜でも構いませんが、毎日決まった時間に飲むことで飲み忘れを防ぐことができます。
数時間程度のずれであれば問題ないとされていますが、できるだけ一定の時刻に服用する習慣をつけましょう。
- 就寝前:1日の終わりのルーティーンとして習慣化しやすく、副作用(吐き気など)が出ても睡眠中なので気になりにくい
- 朝食後:毎日の食事と結びつけることで飲み忘れを防ぎやすい
- 夕食後:仕事や学校から帰宅後のリラックスタイムに服用できる
ご自分の生活リズムに合った時間帯を選び、スマートフォンのアラームやリマインダー機能を活用すると効果的です。
低用量ピルの21錠タイプと28錠タイプの違い
低用量ピルには21錠タイプと28錠タイプの2種類があります。
どちらも薬効成分は同じで、避妊効果や生理痛の改善効果に違いはありません。
21錠タイプの飲み方
21錠の実薬(ホルモンが含まれている錠剤)を毎日1錠ずつ服用し、21錠飲み終わったら7日間休薬します。
休薬期間が終わったら、次のシートの1錠目から服用を再開します。
28錠タイプの飲み方
最初の21錠は実薬で、残りの7錠は「プラセボ(偽薬)」と呼ばれるホルモンが含まれていない錠剤です。
28錠すべてを順番に飲み終わったら、そのまま次のシートの1錠目に進みます。
- 毎日飲み続けることで服用習慣が途切れない
- 飲み忘れのリスクが低くなる
- 休薬期間を数える必要がない
初めて低用量ピルを服用する方や、飲み忘れが心配な方には28錠タイプがおすすめです。
1相性と3相性の違い
低用量ピルには、ホルモンの配合量によって1相性と3相性の2つのタイプがあります。
1相性ピル(マーベロン、ファボワールなど)
すべての錠剤に含まれるホルモン量が一定です。
- ホルモンバランスの変化が少ない
- PMS症状の軽減に効果的
- ニキビや肌荒れの改善が期待できる
- すべての錠剤が同じ色
どの錠剤から飲み始めても効果に変わりはないため、飲む順番を間違える心配がありません。
3相性ピル(トリキュラー、ラベルフィーユ、アンジュなど)
自然なホルモン変化に近づけるため、錠剤が3段階に分かれています。
色分けされており、飲む順番が決まっています。
- 生理周期に合わせてホルモン量が変化
- 不正出血が起こりにくい
- 生理周期が安定しやすい
- 錠剤が色分けされている(飲む順番を守る必要あり)
どちらのタイプも避妊効果に違いはありませんが、体質や目的に合わせて医師と相談して選ぶことをおすすめします。
低用量ピルの飲み方②:飲み始めるタイミングと初回の飲み方

低用量ピルをいつから飲み始めるかは、効果を得るために非常に重要です。
生理初日から5日目までに開始
低用量ピルは生理(月経)が始まった日から5日目までの間に飲み始めるのが基本です。
生理初日(Day1スタート)から飲み始めた場合
生理が始まってから24時間以内に1錠目を服用すると、その日から避妊効果が得られます。
最も確実に避妊効果を得たい方は、生理初日からの服用開始がおすすめです。
生理2日目~5日目に飲み始めた場合
生理開始から5日目までに飲み始めた場合は、最初の7日間は他の避妊法(コンドームなど)を併用することをおすすめします。
7日間連続で服用すれば、確実な避妊効果が得られるようになります。
Sunday(サンデー)スタート
Sundayスタートとは、生理が始まった後の最初の日曜日に1錠目を飲み始める方法です。
この方法を選ぶと、休薬期間(または偽薬期間)中の出血が週末を避けやすくなるため、週末に予定がある方に人気です。
- 月曜日~土曜日に生理が始まった場合:次の日曜日から服用開始
- 日曜日に生理が始まった場合:その日から服用開始
ただし、Sundayスタートの場合は生理初日からの服用ではないため、最初の7日間は他の避妊法を併用してください。
生理日以外から始める場合の注意点
生理周期が不順で生理日がはっきりしない場合や、月経困難症やPMSの改善を目的とする場合は、生理日以外のタイミングで服用を開始することもあります。
- 妊娠していないことを確認してから服用開始する
- 最低7日間は他の避妊法を併用する
- 7日間連続で服用するまでは避妊効果が得られないことを理解しておく
生理日以外から服用を開始する場合は、必ず医師の指示に従ってください。
低用量ピルの飲み方③:2シート目以降の開始タイミング
1シート目を飲み終わった後、2シート目以降の正しい飲み方について説明します。
21錠タイプの2シート目の開始
21錠タイプの場合、1シート(21錠)を飲み終わったら7日間の休薬期間を取ります。
休薬期間7日間が終わったら、生理(消退出血)の有無にかかわらず、次のシートの1錠目から服用を開始します。
休薬期間中に出血が続いていても、または出血がまだ来ていなくても、予定通り8日目から新しいシートを始めてください。
28錠タイプの2シート目の開始
28錠タイプの場合、1シート(28錠)をすべて飲み終わったら、翌日すぐに次のシートの1錠目を飲み始めます。
28錠タイプは休薬期間がないため、飲み忘れのリスクが低く、シンプルで続けやすいのが特徴です。
生理(消退出血)の有無にかかわらず、予定通り服用を継続してください。
低用量ピルの飲み忘れた時の対処法

どんなに気をつけていても、飲み忘れてしまうことはあります。
ここでは、飲み忘れた時の具体的な対処法を詳しく解説します。
低用量ピルの飲み方:1日(24時間以内)の飲み忘れ対処法
1日分(24時間以内)の飲み忘れに気づいた時点で、すぐに飲み忘れた1錠を服用してください。
その後、いつもの時間に当日分の1錠を服用します。
1日に2錠服用することになりますが、問題ありません。
避妊効果への影響
服用時刻から12時間以内に飲み忘れに気づいた場合は、避妊効果は維持されます。追加の避妊対策は不要です。
【12時間以上遅れた場合】
12時間以上遅れた場合は、避妊効果が低下している可能性があるため、気づいた時点ですぐに服用し、その後7日間はコンドームなどの他の避妊法を併用してください。
2日(48時間)の飲み忘れ対処法
2日分の飲み忘れに気づいた時点で、直ちに飲み忘れていた2錠をまとめて服用します。(つまり、その日の服用はこれで終了です)
- 飲み忘れた2錠をまとめて服用する
- 1日に3錠飲まないように注意
避妊効果への影響
避妊効果が大幅に低下しているため、飲み忘れに気づいてから7日間連続で服用するまでは、コンドームなどの他の避妊法を併用してください。
この期間中に避妊に失敗した場合は、アフターピル(緊急避妊薬)の服用を検討しましょう。
3日以上の飲み忘れ対処法
3日以上飲み忘れた場合は、現在のシートの服用を中止してください。
その後、次の生理(出血)が来るのを待ち、生理が始まってから5日以内に新しいシートの1錠目から服用を再開します。
避妊効果への影響
新しいシートを開始してから最低7日間は他の避妊法を併用する必要があります。
飲み忘れに気づく前や直後に性交渉があった場合は、できるだけ早く医療機関を受診し、アフターピル(緊急避妊薬)の服用を検討してください。
飲み忘れで生理が来た場合の対処法
飲み忘れによって生理が来た場合は、現在のシートを破棄してください。
新しいシートを開始してから7日間は他の避妊法を併用しましょう。
低用量ピルの飲み方に関するよくある質問
低用量ピルに関してよく寄せられる質問にお答えします。
低用量ピルの飲み方:何歳から何歳まで服用できる?
初経発来後から服用可能ですが、骨成長への影響を考慮する必要があります。
月経周期の確立および骨成長の終了は通常15歳前後とされているため、15歳以降からの服用が一般的です。
また、健常女性では閉経移行期まで使用することができますが、40歳以上の未閉経者では慎重投与となります。
ただし、35歳以上で1日15本以上喫煙している方は、血栓症のリスクが高まるため服用できません。
低用量ピルの休薬期間に生理が来ない場合は?
休薬期間(または偽薬期間)に生理(消退出血)が来なくても、基本的には心配ありません。
きちんと服用できていた場合は、そのまま次のシートを開始して問題ありません。
ただし、以下の場合は妊娠の可能性があるため、医療機関を受診してください。
- 飲み忘れがあった
- 併用注意の薬を服用していた
- 2周期以上連続で消退出血がない
心配な場合は、市販の妊娠検査薬で確認することもできます。
低用量ピルの服用を中止したい場合は?
低用量ピルの服用を中止する場合は、現在服用しているシートをすべて飲み終えてから中止することを推奨します。
シートの途中で中止すると、不正出血が起こりやすくなります。
また、副作用が強く、シートの途中で服用を中止したい場合は、自己判断せず必ず医師に相談してください。
ピルの種類を変更することで副作用が改善する場合もあります。
まとめ:低用量ピルの飲み方を正しく理解して安心して使用しましょう
低用量ピルは、正しい飲み方を守ることで高い避妊効果が得られるだけでなく、生理痛の軽減、PMSの改善、ニキビの改善など、女性の生活の質を向上させる様々な効果があります。
低用量ピルを服用する際は、必ず医師の診察を受け、正しい服用方法で続けることが大切です。
服用中に不安なことや疑問があれば、遠慮せず医師に相談してください。
正しい知識を持って低用量ピルを活用することで、より快適で健康的な生活を送ることができます。





