「10代の頃より、生理前のイライラや体調不良がつらくなった…」という方も多いのではないでしょうか?20代でPMS(月経前症候群)が悪化するのは、ホルモンバランスだけでなく生活リズムやストレスの影響も大きいものです。
この記事では、PMSがひどくなる原因と、日常でできるセルフケア・対処法をわかりやすく解説しています。つらいPMSに悩んでいる方は、ぜひ参考にして心と体を整えていきましょう。
20代でPMS(月経前症候群)がひどくなる原因とは?

「学生の頃より、生理前のイライラや体調不良がつらくなった…」という方も多いのではないでしょうか?
20代でPMS(月経前症候群)が悪化するのは珍しいことではありません。社会人になり、生活リズムやストレス環境が大きく変化することで、ホルモンバランスが乱れやすくなってしまうためです。
ここでは、PMSがひどくなる主な3つの原因を詳しく解説します。
ライフスタイルの変化
仕事や人間関係のプレッシャー、夜更かし、不規則な食生活など、20代では生活リズムが乱れがち。これがPMSを悪化させる大きな要因の1つです。
特に、睡眠不足やストレスは女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の分泌リズムを乱し、自律神経のバランスを崩します。その結果、体が「リラックスできない状態」になり、情緒不安定や頭痛、むくみといった症状を感じやすくなります。
栄養不足
ダイエットや外食中心の食生活による栄養不足もPMSを悪化させる原因になってしまいます。
ビタミン・ミネラルなどの栄養素が不足すると、PMSに影響する可能性があるとされています。
ビタミンDやビタミンB群などのビタミン,マグネシウムや亜鉛などのミネラルは抗炎症や抗酸化に寄与しているため,これら栄養素の欠乏は,PMS に影響している可能性がある
奥平智之.栄養精神医学からみた女性のメンタルヘルス.2023
症状に気づきやすくなる
20代は、ホルモンバランスが安定し始める時期であると同時に、心や体の小さな変化に敏感になりやすい時期でもあります。社会人としての環境変化や生活リズムの乱れが重なることで、体調のゆらぎをこれまで以上に強く感じる人が増えます。
特に、PMS(月経前症候群)のようなホルモン変動に伴う不調は、心身の両面に現れるのが特徴。「生理前になると気分が沈む」「集中力が続かない」といった変化を意識しやすくなり、結果としてPMSを“以前より重く感じる”傾向につながります。
このように、20代はホルモンバランスそのものが大きく乱れているのではなく、自分の体と気持ちの変化をしっかりと自覚できるようになる時期。だからこそ、症状を敏感に感じ取りやすいといえます。
PMSの対処法

PMSは、ホルモンの変動によって心身が不安定になりやすい状態。生活習慣を整え、体をゆるめることで少しずつ症状を和らげることができます。ここでは、日常生活で意識したい5つのケア方法を紹介します。
睡眠時間をなるべく一定に保つ
PMS期に心や体が不安定になりやすい原因の1つが、自律神経の乱れ。そのバランスを整えるために欠かせないのが「質の良い睡眠」です。寝る・起きる時間がバラバラだと、体内のホルモンリズムも不安定になります。
毎日同じ時間に眠りにつくことで、脳が自然と休息モードに入りやすくなるため、イライラや情緒不安、集中力低下が軽減されるでしょう。
栄養バランスの良い食事を心がける
PMS時の不調は、栄養バランスの偏りによっても悪化します。特に糖質やカフェインを摂りすぎると血糖値の乱高下を引き起こし、気分のアップダウンが激しくなりやすいです。「体と心を整える食事」を意識しましょう。
- ビタミンB6:ホルモンバランスをサポート(例:まぐろ、バナナ)
- カルシウム・マグネシウム:神経の興奮を抑制(例:小魚、アーモンド)
- 鉄分:疲労感やめまいを防止(例:レバー、ほうれん草)
「健康的に整える食事を取ること」が、PMSの症状を和らげる助けになります。ジャンクフードや甘いお菓子を避け、バランスの取れた食事を意識することで、月経前でも心穏やかに過ごせるようになるでしょう。
軽い運動やストレッチで血流を促す
体を動かすことは、気持ちも前向きにしてくれる効果的なセルフケアです。PMSによるむくみやだるさは、血流の滞りが主な原因。軽い運動を取り入れることで、筋肉を動かし、血行や自律神経のバランスが整いやすくなります。
- ヨガやピラティス:呼吸と動作を整えることで自律神経が安定
- ウォーキング:20〜30分ほど歩くだけでも気分転換に効果あり
- ストレッチ:下半身を中心にゆっくり伸ばして血行促進
激しい運動は逆にストレスとなるため、無理のない範囲で「心地よい疲労感」を感じる程度を目指しましょう。毎日の少しの運動習慣が、体も心も軽くしてくれます。
ストレスをため込まない工夫をする
PMSの精神的な症状を軽くするには、ストレスコントロールが重要になります。ストレスは女性ホルモンのバランスを乱し、気分の浮き沈みを悪化させてしまいます。休息時間を確保し、気持ちをリセットする時間を習慣化しましょう。
- アロマテラピー
- 38〜40度のぬるめの湯船での入浴。入浴剤を使用する
- ハーブティーをゆっくり味わう
一人の時間を意識的に作ることも立派なケアになります。メンタルの整え方が、PMSの症状を軽減してくれるでしょう。
ひどい場合は婦人科で相談する
日常生活に支障をきたす場合は、早めに婦人科を受診しましょう。PMSやPMDD(重度の月経前不快気分障害)は、ホルモンの乱れ・脳内神経伝達物質の影響も関係しているため、専門的な治療で改善できるケースが多いです。婦人科では、低用量ピル・漢方薬などの治療を受けられます。
放置すると悪化するおそれがあるため、症状がつらい時はためらわず医療機関を頼りましょう。
20代はPMSと上手に付き合おう
20代でPMS(月経前症候群)が悪化するのは、ホルモンバランスの異常そのものよりも、生活リズムやストレス、栄養・睡眠の乱れといった環境の変化が大きく影響しています。社会人として忙しい日々を送る中で、自律神経が乱れ、心身の不調を感じやすくなるのです。
まずは、自分の生理周期や体調の変化を記録して把握するのがおすすめです。生理周期アプリを活用して体のリズムを可視化すると、PMSの傾向をつかみやすくなります。
次に、睡眠・栄養・軽い運動を意識して整えましょう。食事で鉄分やビタミンを補い、ストレッチやウォーキングで血流を促すことで、症状の軽減につながります。
もし、症状が長引いたり日常生活に支障が出るほどつらい場合は、婦人科に相談しましょう。医師のサポートを受けることで、適切な治療や対策が見つかります。無理に我慢せず、自分の体と心を大切に整えましょう。
ルナレディースクリニックは、低用量ピルや漢方薬の処方に対応しております。つらい症状にお悩みの場合は当クリニックにご相談ください。

参考文献
奥平智之.栄養精神医学からみた女性のメンタルヘルス.2023
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspog/28/2/28_192/_pdf/-char/en?utm.com
順天堂大学
https://www.juntendo.ac.jp/news/22509.html




