アフターピル服用後に出血があり、「これって避妊できたサイン?」と疑問を感じている方もいるかもしれません。
この出血は「消退出血」と呼ばれ、避妊が成功した可能性を示すサインの一つとされています。
ただし、出血があれば100%避妊が成功したというわけではなく、妊娠初期の「着床出血」など、他の出血との見分けが難しい場合もあります。
この記事では、消退出血について詳しく解説し、着床出血など他の出血との違い、そして最も確実な避妊確認の方法をお伝えします。
正確な知識を得て、あなたの不安解消にお役立てください。
消退出血とは、子宮内膜が剥がれて起こる出血のこと

消退出血とは、体内のホルモンレベルが急激に低下した際に起こる出血のことです。
通常の生理も、排卵後に分泌される黄体ホルモンが低下することで子宮内膜が剥がれて起こるため、消退出血の一種と考えられます。
アフターピルは体内に黄体ホルモン類似成分を一時的に取り込み、その後その成分が代謝されることでホルモン濃度が急激に低下します。
この「ホルモンの急激な低下」に子宮内膜が反応し、生理の時と同じように剥がれ落ちることで出血が起こります。
これが、アフターピル服用後に見られる消退出血のメカニズムです。この出血が見られることで、妊娠に必要な子宮内膜の状態が維持されなかったことを示唆し、避妊成功の可能性の目安となるのです。
消退出血はアフターピル服用から7日後に起こることが多い
消退出血が始まる時期は、アフターピルの種類と服用したタイミング(性行為からの時間や生理周期の段階)、そして個人差によって変動します。
一般的には、アフターピルを服用してから2日後から3週間以内に起こることが多いとされています。 その中でも、服用後3日から10日程度、特に7日後頃に見られるケースが多くあります。
項目 | 消退出血 | 生理(月経) |
---|---|---|
出血の タイミング | アフターピル服用から 2日〜2週間後 | アフターピル服用から 3週間後 |
出血の期間 | 2〜3日間 | 通常3日以上 |
出血の量 | 少量 | 通常〜多め |
ただし、服用後2日や3日といった早い段階で見られる方もいれば、1週間以上経ってから見られる方もいらっしゃいます。
消退出血の発生時期には大きな個人差があり、7日後というのはあくまで一般的な目安に過ぎません。
もし目安よりも早い時期や遅い時期に出血があったとしても、必ずしも異常ではありません。
消退出血の量は比較的少ない

消退出血の量は通常、生理の量より少ないことが多いです。
子宮内膜があまり厚くなっていない段階で剥がれるため、経血量も生理ほど多くならない傾向があります。
ただし、出血量には個人差が大きく、普段の生理に近い量やそれより多いと感じる方もいれば、ごく少量で終わる方もいます。
もし出血量が通常の生理より明らかに多かったり、多すぎるのではないかと感じる場合は、消退出血以外の不正出血の可能性も考えられるため注意が必要です。
量に関する不安がある場合は、医師に相談することをおすすめします。

消退出血の色は茶色いことが多い
消退出血は茶色や黒っぽい色をしていることが多いです。
これは、出血量が少なかったり、血液が子宮内で一時的に留まって酸化するためです。
ただし、茶色や黒以外にも、ピンク色や鮮血が見られることがあります。特に出血の始まりや終わりには色が変化しやすいです。
また、少量の血の塊やドロッとした性状が混ざることもありますが、これらは通常大きな問題にはなりません。
一方で、出血が多量の塊を伴ったり、長期間止まらない場合は、他の原因が考えられるため注意が必要です。

なぜ消退出血が来ない?原因を解説
「アフターピルを飲んだのに出血が来ない…」「消退出血がないけど大丈夫?」
消退出血が来ない方は、強い不安を感じていますよね。
消退出血はすべての人に必ず発生するわけではありません。出血がないからといって、すぐに「避妊失敗=妊娠」と判断する必要もありません。
ここでは、消退出血が来ない場合に考えられる原因について解説します。
アフターピル服用のタイミングと排卵の状態
消退出血が来ない原因の一つとして、アフターピルを服用したタイミングが関係している可能性があります。
特に、すでに排卵が終わった後にアフターピルを服用した場合、消退出血が起こりにくい、あるいは起こらない場合があります。
アフターピルは排卵を抑制または遅延させることが主な作用ですが、すでに排卵が終わっている場合はこの作用が働きにくく、子宮内膜への影響も異なるため、消退出血が起こらないことがあります。
生理周期のどの段階で服用したかによって、出血の有無やタイミングが変わることを知っておきましょう。
ホルモンバランスやストレスの影響
消退出血が起こらない原因の一つに、ホルモンバランスや心身のストレスが関係している可能性があります。
アフターピル服用後のホルモン変動に対する身体の反応は人それぞれ異なり、体質によっては子宮内膜の剥離が起こりにくかったり、出血量がごくわずかで気づきにくい場合があります。
また、予期せぬ性行為や妊娠の不安自体が大きな精神的ストレスとなり、強いストレスや睡眠不足、不規則な生活はホルモンバランスを乱し、消退出血の有無やタイミングに影響を与えることも。
「なぜ出血がないのか」という不安が、さらにホルモンバランスに悪影響を及ぼす可能性も考えられるでしょう。
不安な方は「妊娠検査薬」を使おう

妊娠検査薬を使うことは、最も確実な妊娠確認の方法です。
消退出血の有無だけで妊娠の成否を100%判断することはできません。
消退出血が見られなくても、アフターピルの排卵抑制作用によって妊娠は成立していない場合があるうえに、逆に消退出血があっても稀に妊娠しているケースもあります。
妊娠検査薬は、妊娠すると体内で分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンを尿中から検出して判定します。
このホルモンは、受精卵が子宮内膜に着床した後に分泌が始まり、尿で検出可能なレベルに達するまでには一定の時間が必要です。
妊娠検査薬を使うタイミング
妊娠検査薬で最も正確な判定ができる推奨時期は、性行為があった日から数えて約3週間後です。
アフターピル服用により生理周期がずれることがあるため、生理予定日からの遅れで判断するよりも、性行為からの日数を基準に検査を行う方が確実です。
3週間経過しても出血がない場合や不安が強い場合は、このタイミングで妊娠検査薬を使用することを強くおすすめします。
万が一、検査結果に疑問がある場合や不安が続く場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、専門家の判断を仰ぐことが安心につながります。
また、ルナレディースクリニックでは妊娠診断を実施しており、LINEから簡単に予約が可能です。お困りの際はぜひご利用ください。

消退出血に関するよくある質問
ここでは、消退出血やアフターピル服用後の出血について、ユーザーからよく寄せられる具体的な疑問にQ&A形式で回答します。
消退出血と着床出血の違いって何?
消退出血と着床出血の見分け方に迷う方は多いです。最も重要な見分けポイントは「時期」と「量」です。
出血の 種類 | 特徴 (時期、量、色など) | 妊娠の可能性 |
---|---|---|
消退出血 | アフターピル服用後、数日~2週間程度。 (特に7日後が多い) 少量~中等量。色は茶色、ピンク、赤など様々。 期間は2~3日程度が多い。 | 避妊成功の可能性が高い一つのサイン。 ただし100%ではない。 |
着床出血 | 性行為(受精)から約10日後~2週間程度、生理予定日頃に起こる。 ごく少量(下着に付く程度)。 色はピンクや茶色が多い。期間は1~3日程度。 | 妊娠初期のサインの一つ。 妊娠している可能性が高い。 |
出血の 種類 | 特徴 (時期、量、色など) | 妊娠の可能性 |
---|---|---|
消退出血 | アフターピル服用後、数日~2週間程度。 (特に7日後が多い) 少量~中等量。色は茶色、ピンク、赤など様々。 期間は2~3日程度が多い。 | 避妊成功の可能性が高い一つのサイン。 ただし100%ではない。 |
生理 | 通常の月経周期に基づいた生理予定日頃に起こる。 量が比較的多く、期間は3~7日程度。 | 妊娠していないことを示す最も確実なサイン。 |
不正出血 | 生理期間以外の出血全般。 原因は様々(ホルモンバランス、病気など)。 量、色、期間はケースによる。 | 原因による。 妊娠の可能性とは直接関連しない場合が多いが、病気の可能性もある。 |
着床出血 | 性行為(受精)から約10日後~2週間程度、生理予定日頃に起こる。 ごく少量(下着に付く程度)。 色はピンクや茶色が多い。期間は1~3日程度。 | 妊娠初期のサインの一つ。 妊娠している可能性が高い。 |
アフターピル服用後、比較的早い時期の出血なら消退出血の可能性が高いです。
性行為から2週間以上経ってから見られた少量の出血は、着床出血の可能性も考慮が必要です。
見た目だけで判断せず、時期と量を記録しておくことが大切です。もし見分けに迷う場合や不安な場合は、医療機関で相談しましょう。

アフターピルを服用したら絶対に消退出血が来ますか?
いいえ、アフターピルを服用したら絶対に消退出血が来るというわけではありません。
消退出血が起こるかどうかは、下記のような要因によって影響を受けます。
- 服用したアフターピルの種類
- 服用タイミング(特に排卵との関係)
- その時の体調やストレス
消退出血が見られなくても、アフターピルが排卵を抑制するなどの作用が働いていれば、避妊に成功している可能性は十分にあります。
したがって、出血の有無だけで判断せず、最終的な妊娠の確認は、性行為から3週間後の妊娠検査薬で行うことが非常に重要です。
まとめ
- 消退出血があれば避妊成功の可能性は高いですが、100%確実ではない
- 消退出血が見られなかったとしても、避妊が成功している可能性は十分にある
- 妊娠しているかどうかを確実に知るためには、性行為があった日から数えて3週間後の妊娠検査薬による検査が不可欠
不安な方は、医療機関を受診してください。 専門家の判断を仰ぐことが、正確な状況把握と安心に繋がります。
この記事で正しい知識を得て、少しでも安心して過ごし、そして自身の状況に応じた適切な次のステップを踏み出すための一助となれば幸いです。


