中絶手術は原則、健康保険が適用されず、自己負担となります。
そのため「中絶費用はいくらかかるのか」「安くてどのくらいなのか」「費用が払えない…どうしょう。」という疑問、不安を抱える方は少なくありません。
この記事では、初期中絶と中期中絶それぞれの費用相場や、中絶費用が払えない場合の対処法、当クリニックの中絶費用について詳しく解説します。
ご自身の心身を大切にした選択のために、参考にしていただければ幸いです。
人工妊娠中絶手術に必要な費用の相場とは

人工妊娠中絶手術の費用は、妊娠週数や手術方法、医療機関によって大きく異なります。
中絶は、妊娠週数で「初期中絶」と「中期中絶」の2種類に分けられ、費用の相場が大きく違います。
妊娠期間 | 手術費用の相場(健康保険の適用外) |
---|---|
初期(妊娠11週6日まで) | 7~10万円 |
中期(妊娠12週から21週6日まで) | 40~60万円(入院・埋葬費用を含む) |
初期中絶では妊娠週数に関わらず定額の料金設定をしている医療機関もあれば、週数ごとに費用も増額する医療機関もあります。
また、提示している費用が手術費用のみの医療機関もあれば、術前検査や術後検診も含めた総額を提示している医療機関もあります。
単に額面を比較するだけでなく、料金体系や費用の中に含まれるサービス内容、追加料金が発生する場合を確認することが大切です。
手術費用のほか、術前検査や術後診察、通院時の交通費も含めた総額を確認しましょう。

次は中絶方法ごとの費用について解説します。
初期中絶の費用相場は7~10万円
初期中絶は、妊娠5週目~11週6日までに行われる中絶で、費用の相場は7〜10万円程度です。
日帰り手術が可能なため、入院費用がかからず、中期中絶よりも心身の負担や費用を抑えられます。
初期中絶の方法は主に「吸引法」と「掻爬(ソウハ)法」があり、それぞれの特徴や相違点、費用の相場は下表のとおりです。

項目 | 吸引法 | 掻爬法 |
---|---|---|
手術方法 | 子宮内にストロー状の管を挿入し、子宮内容物を吸い出す方法 | 日本で従来から行われてきた中絶方法トング状の器具で子宮内容物をつまみ出した後、スプーン状の器具で子宮内をかき出す方法 |
術前処置 | 不要な場合が多い | 子宮口よりも太い器具を使用するため、手術前に子宮口を広げる処置がある |
手術に伴うリスク | 子宮内膜を傷つけるリスクが低く、WHOが安全性の高い方法として推奨している | 医師の熟練度による影響を受けやすく、子宮を傷つけるリスクがある |
費用の相場 (健康保険は適用外) | 使い捨て器具の使用などで、掻爬法よりも高額になる傾向がある 当クリニックの費用は術前検査から術後の診察2回までの総額で税込92,400円~ | 7万円~10万円程度 医療機関により料金体系は異なる |
とにかく費用を抑えたい方は、相場下限の7万円を目安に、複数の医療機関で、比較検討することをおすすめします。
当クリニックでは、使い捨ての滅菌器具を使用し、吸引法の中でも特に母体と子宮への負担が少ない「手動真空吸引法(MVA)」を税込92,400円から実施しています。

費用相場の中では高額に感じると思いますが、手術後の2回の診察を無料で実施するため、追加費用の心配なくアフターケアまで受けていただけます。

参照元:WHO|リプラ&日本助産学会訳|中絶ケアガイドライン エグゼクティブサマリー
中期中絶の費用相場は40〜60万円
中期中絶は、妊娠12週から21週6日までの期間に行われる中絶です。
費用相場は40〜60万円程度と初期中絶に比べてかなり高額になります。
(1)医学的な理由
中期中絶は「所要時間が長い」「初期中絶に比べて出血などのリスクが高い」「処置や医学的な管理が多い」「2、3日の入院が必要」という理由で費用が高額となります。
中期中絶では、胎児が大きくなっているため、短時間で掻き出したり、吸い出したりすることができません。
そのため、子宮口を広げる処置をして、子宮収縮剤で人工的に陣痛を起こし、出産と同じように胎児を体外へ出す方法で中絶を行います。
(2)社会的な理由
中期中絶では中絶後の埋葬にかかる費用も考慮する必要があります。
日本では、12週以降の死児の出産を「死産」と規定し、役所への死産届の提出や埋葬などの手続きが義務づけられているためです。
中期中絶は、妊娠週数が増えるごとに金額も増額されるのが一般的。
また、出産と同等の医療設備が必要なため、実施できる医療機関が限られます。
そのため、安い医療機関を探すよりも、一日でも早い手術を行う方が費用を抑えられるでしょう。
健康保険や国民健康保険から「出産育児一時金」を受給できる場合もありますので、加入している健康保険組合や国保窓口への確認をおすすめします。
中絶手術には手術費以外の費用が発生する
手術自体の費用とは別に、以下のようなさまざまな追加費用が発生することがあります。
項目 | 内容 |
---|---|
術前検査費用 | 手術前の診察や超音波検査、血液検査の費用で、相場は1万円程度 |
麻酔費用 | 手術時の麻酔に必要な薬剤・医療技術に対する費用 |
当日手術加算 | 受診当日に手術を行った場合の加算料金 |
土日祝日加算 | 土日祝日に手術を行った場合の加算料金 |
リスク加算 | 麻酔・手術を行う上で、リスクとなる持病がある場合の加算料金 |
術後投薬料 | 手術後に処方される鎮痛剤や子宮収縮剤、抗生剤などにかかる費用 |
術後検査費用 | 手術後の診察、経過観察のための費用で、相場は1万円程度 |
埋葬・供養費 | 胎児の埋葬や供養にかかる費用 |
医療機関によっては、これらの費用が基本料金に含まれている場合もあれば、別途請求される場合もあります。
中絶手術を受ける前に、提示された費用には何が含まれているのかを確認し、術前検査から術後の診察までの総額を把握することが大切です。
ルナレディースクリニックの中絶手術は92,400円から可能

ルナレディースクリニックでは、初期中絶手術の費用が税込92,400円からとなっています。
当クリニックでは妊娠11週までの初期中絶のみの実施となり、費用は以下の通りです。
項目 | 費用(税込) |
---|---|
初診料(超音波検査、血液検査) | 16,500円 |
初期中絶手術費用 | 92,400円〜 |
術後の診察(1回目) | 0円 |
術後の診察(2回目) | 0円 |
当クリニックでは、WHOが推奨する吸引法の中でも、特に安全性に配慮した手動真空吸引法(MVA)を採用しています。
滅菌された使い切りの製品を使用するため、感染症のリスクも極限まで抑えています。

中絶費用には術後検診費用も含まれる
術後検診が1回の医療機関や、手術費用とは別に検診費用を請求する医療機関もありますが、当クリニックは中絶費用に術後の検診費用(2回分)も含んでいます。
追加費用の心配なく手術後の診察、アフターケアまで受けられるよう、料金設定にも気を配っています。
中絶費用を払えないときは医療費控除や分割払いの利用を検討しよう

中絶費用は健康保険が適用されず高額なため、「中絶費用が払えない」とお悩みの方も少なくありません。
費用面で困ったときには、以下のような対処法を検討してみましょう。
クレジットカードでの支払いに対応する医療機関は増加しており、当クリニックもクレジットカードでの決済が可能です。
カード会社との契約内容によっては分割払いも可能なため、一括での支払いが難しい場合には、分割払いが可能か、カード会社に問い合わせてみましょう。
医療費控除とは、1月1日~12月31日までの1年間の医療費が10万円(年間所得が200万円未満の方は年間所得の5%)を超えた場合に、翌年2月~3月の確定申告で一部のお金が戻ってくる制度です。
中絶手術の費用は医療費控除の対象となります。中絶前の資金調達にはなりませんが、後から資金を補填することができます。

未成年で中絶手術を受ける際の注意点

未成年が中絶手術を受ける場合、以下のように特別な注意点があります。
未成年が中絶手術を受ける場合、基本的に保護者の同意が必要です。
「親にバレたくない」という思いから、「バレずに中絶する方法」などをネット検索する方も多いと思います。
万が一、「誰でも、安く、内緒でおろせる」などという誘い文句を見つけたとしても、それは違法業者の可能性が高いため、安易に関わってはいけません。
命の危険にさらされたり、サービスを受ける側でも罪に問われたりしてしまいます。親に打ち明けて同意を得ることがベストな方法です。
中絶費用は、未成年にとってすぐに用意できる金額ではないでしょう。
費用を工面する方法を調べる人もいると思いますが「年齢制限なし」「誰でも借りられる」などという誘い文句に飛びついてはいけません。
それらは「闇金融」「闇バイト」といった違法業者の可能性が高く、命の危険にさらされたり、犯罪に巻き込まれる危険があります。
費用の面でも、保護者に相談し、折半について話し合ったり、費用を出してもらったりすることがベストな方法です。
中絶手術には健康保険が適用されない

健康保険は、病気やけがなど「治療が必要な状態」に対して医療費を補助する制度です。
正常な妊娠や出産は病気ではなく、自然な生理現象とみなされるため、健康保険の適用外となります。
経済的理由による中絶は健康保険の「治療」の目的に該当しないため適用されません。
ただし、以下のようなケースでは保険適用される場合があります。
1.稽留流産(けいりゅうりゅうざん)の場合
胎児が母体内で死亡してしまう「稽留流産」の場合は、健康保険が適用されます。
2.母体の生命に危険がある場合
「子宮外妊娠」や「胞状奇胎(ほうじょうきたい)」などの異常妊娠の場合や、持病があり妊娠の継続が母体の生命に危険を及ぼすと判断された場合も、健康保険が適用されます。
記載はしたケースはあくまで一例のため、持病や異常妊娠など、ご自身の状況に保険適用されるかどうかは個別に医師へご確認ください。

参考元:全国健康保険協会
まとめ
中絶を検討する際は、金額だけでなく、その中に含まれているサービス内容を確認しましょう。
特に、手術の安全性やアフターケアは女性の将来にわたって大切な内容です。
当クリニックは女性の悩みに寄り添い、最善の選択ができるようサポートいたします。
ひとりで悩まず、まずは受診、相談をお待ちしています。


