「生理が1週間こない」とお悩みの方はいませんか?
生理が遅れていると不安に感じてしまいますが、妊娠以外の可能性も考えられます。
本記事では、生理が1週間こない原因や病院受診の目安などを解説します。
生理の基礎知識
毎月しっかり来ていた生理が1週間こないと凄く不安になるものです。ここではまず、生理の4つの周期について解説していきます。
生理には「生理期」「卵胞期」「排卵期」「黄体期」の4つの周期があり、女性ホルモンの「エストロゲン」と「プロゲステロン」が大きく関係しています。2つのホルモンの特徴をわかりやすく解説すると以下のようになります。
- エストロゲン(卵胞ホルモン):生理期~卵胞期に増加。生理や妊娠出産はもちろん、皮膚や骨、内臓や筋肉などのはたらきに大きな影響を与える。
- プロゲステロン(黄体ホルモン):卵胞期~黄体期に増加。基礎体温を上げたり、受精卵が着床しやすいようにしたりと、体を妊娠に備えさせるために分泌される。
生理周期には個人差がある
正常な生理周期だと考えられる日数は、25~38日が正常の範囲内です。人によって個人差があり、生理周期が極端に短い方や長い方もいます。
ここでは、何らかの原因で異常をきたしている生理周期について徹底解説していきます。
生理異常の症状一覧
生理周期①「頻発月経」
頻発月経は、生理と生理の間隔が24日以内になることです。
出血期間には個人差がありますが、一般的に10~14日程ダラダラと続いたり月に2回生理がきたりすることもあります。
生理周期②「希発月経」
希発月経(稀発月経)は、生理が40~50日ごとにくることです。
多くは生理が始まった日から排卵までに長い日数を必要とすることが多く、これを排卵が遅れる「遅延排卵」と言います。そのため、排卵はあるけれど生理周期が遅いという特徴があります。
生理周期③「過長月経」
過長月経は、生理期間が8日以上続く生理のことです。
ホルモンバランスの乱れや子宮の病気、その他にも黄体ホルモンの分泌が不十分になったことで、黄体機能不全を引き起こしている可能性もあります。
生理周期④「過短月経」
過短月経は、生理がきても2日以内で終わってしまう生理のことです。
女性ホルモンの分泌量が少ないことで、子宮内膜が厚くならないことや子宮の発育不全、甲状腺機能の異常が原因として考えられています。
生理周期⑤「過多月経」
過多月経は、一度の生理で140ml以上の出血がある生理のことです。
目安として、経血量が80mlを超えると多くの方が貧血になるとされており、過多月経の方は普段の生活に支障をきたしてしまう可能性があります。
ホルモンの異常や子宮の病気が原因として考えられており、ナプキンが1時間ではもたない程の経血量や、経血の中にレバー状のような血の塊がある場合は、この過多月経である可能性が高いです。
生理周期⑥「過少月経」
過少月経は、経血の量が非常に少ない生理のことです。
通常、生理2日目は1日にナプキンを約5~6枚取り替えるとされていますが、この過少月経の場合は2日目であってもナプキンに少量の血がつく程度と、生理時期の出血が全体的に少ないと言う特徴があります。
生理が1週間こないときに考えられる5つの原因
原因①:ストレス
近年、ストレスを抱える女性は増えており、その結果ホルモンバランスが乱れて生理がこなくなることも原因の1つとして挙げられるでしょう。
生理とストレスには深い関係性があり、ストレスを感じると脳から分泌される「副腎皮質刺激ホルモン」のはたらきである「性腺刺激ホルモン放出ホルモンの抑制」によって結果的に生理を遅らせてしまいます。
原因②:妊娠
妊娠をすると、一旦生理は止まり、産後4~8週間後に生理が始まります。
妊娠をしている場合は、生理予定日に来ないだけでなく、「食欲が不安定になる」「おりものの量が増える」「イライラしやすくなる」のような妊娠の初期症状も同時に現れます。
上記のような症状を感じたときには、更に1週間様子を見て一度妊娠検査薬で検査してみましょう。
原因③:過激なダイエット
急激にダイエットで体重を落としている場合は生理が遅れる可能性があります。卵巣へのホルモン分泌指示を行う脳の視床下部が体の危機を感じて、指示を一旦ストップしてしまうためです。痩せすぎている方は、体重を元に戻すと生理が来る可能性があります。
原因④:ピルを服用している
避妊や生理に関する症状の改善、緩和のためにピルを日常的に服用していると、服用期間は生理がこなくなります。しかし、服薬期間には消退出血と呼ばれる生理のような出血が起こります。
そのため、休薬期間になっても出血が全くない場合は、避妊に失敗したか、体で何らかの異常が起こっている可能性があるため、一度婦人科を受診してください。
原因⑤:病気
生理が1週間こなくなる原因として、何らかの病気が隠れている可能性も考えられます。
ここでは、生理がこなくなる病気として該当する5つの病気をご紹介します。
早期閉経(早発卵巣不全)
早期閉経(早発卵巣不全)は、40歳未満で卵巣機能が低下することにより、月経が3カ月以上ない状態のことです。
卵巣のはたらきが悪くなって、女性ホルモンの分泌がなくなることで、生理がこなくなったり、更年期のような症状を伴ったりすることもあります。
早期閉経(早発卵巣不全)は、卵巣の手術や放射線治療、化学療法などのがん治療を受けたことがきっかけとなって発症したという報告や、染色体や遺伝子の異常などで発症したという報告があります。いずれも明確な原因ははっきりしていません。
バセドウ病
バセドウ病は、甲状腺ホルモンが異常に多くつくられることで、新陳代謝が活発になる病気です。
甲状腺ホルモン以外にも交感神経系のカテコールアミンと呼ばれる神経伝達物質が過剰になることで、「動悸」「体重減少」「下痢」「希発月経」「眼球突出」などの症状が生じます。
無月経
無月経は妊娠していないにもかかわらず、3カ月以上月経がない状態のことです。
また無月経には18歳以上になっても生理が始まらない「原発性無月経」と過度なダイエットなどが原因となって起こる「続発性無月経」があります。
原発性無月経の原因は、染色体異常や先天性の性器異常、ホルモン異常などだとされています。続発性無月経の原因はストレスなどによってホルモンバランスが乱れることが1つの原因とされており、黄体機能不全症や機能性子宮出血などを引き起こすリスクが高くなります。
高プロラクチン血症
高プロラクチン血症とは、出産後に多く分泌されるプロラクチンというホルモンの数値が、出産や授乳をしていないのに高い状態になっていることです。
「甲状腺機能低下症」「下垂体の病気」「視床下部の病気」のいずれかが原因となって発症するとされており、プロラクチンの数値が高くなると排卵障害や黄体機能不全による月経不順が起こる可能性があります。そのまま放置すると不妊の原因にも繋がります。
生理が遅れていることに加えて、母乳が出てしまう場合は高プロラクチン血症である可能性が高いです。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、卵巣内の男性ホルモンが多いことで、卵胞の発育に時間がかかってなかなか排卵できない疾患です。
多嚢胞性卵巣症候群は、10mmくらいの大きさの卵胞が卵巣の外側に一列に並んだままの状態で、超音波で確認してみると、ネックレスのように見えることから「ネックレスサイン」とも呼ばれています。
放置することで不妊にも繋がる可能性があります。男性ホルモンの影響で「ニキビができやすくなる」「肥満」「毛深くなる」などの症状も現れることも多いため注意が必要です。
生理が1週間こないときに病院を受診する目安
下腹部痛などの気になる症状がある
生理が1週間こないこと以外にも、下腹部痛のような何らかの気になる症状がある場合は、本記事で解説した病気が隠れている可能性があります。なるべく早く婦人科を受診してください。
生理の周期が常にばらついている
生理の周期が常にバラバラな場合を不整周期月経と呼び、これは女性ホルモンが正常に分泌されなくなっている状態です。ホルモンバランスが乱れる原因はストレスや過度のダイエット、運動や睡眠不足などが挙げられ、生活習慣が乱れがちの方に起こりやすくなります。
この場合、まずは生理周期が乱れる原因を知ることが必要になるので、一度婦人科を受診することをおすすめします。
基礎体温で高温期が続いている
基礎体温を測っている方の場合、生理が1週間来ておらず、かつ高温期が続いている状態は妊娠している可能性が高いです。そのため、更に1週間基礎体温を測って妊娠検査薬を試してみるか、一度婦人科を受診して相談してみることをおすすめします。
生理が1週間こないときに関するよくある質問【Q&A】
- 生理がこない以外に症状はないけれど、病院を受診しても良い?
- はい。生理は女性にとって健康のバロメーターです。
生理がこない以外に症状がなくても、一度婦人科を受診してみましょう。
- 中学生ですが生理が1週間こなくて不安です
- 初めての生理から3年を過ぎている場合、生理が6カ月こなければ婦人科を受診してください。
また、17歳を過ぎている場合は3カ月を過ぎても生理がこなければ婦人科の受診をおすすめします。
- 排卵期に性行為をして生理が来ない場合は妊娠しているのでしょうか?
- 排卵期は「危険日」とも呼ばれており、月の中で最も妊娠しやすい時期です。
この時期に避妊をせず性行為をして生理がない場合は、一度妊娠検査薬でチェックしてみましょう。
また、妊娠が不安というストレスからホルモンバランスが乱れて生理が遅れている可能性もありますので、深く悩まずに妊娠検査薬の使用や婦人科で相談してみてください。
- 未成年ですが、病院の受診には何を持っていけば良いですか?
- 未成年の場合、保険証を持って受診しましょう。
- 病院の診察では内診もありますか?
- 生理異常や、妊娠の可能性がある場合、内診を行うことは多いです。しかし、子宮内膜症や性交未経験者の場合、内診は行わないこともあります。
生理に関するお悩みならルナレディースクリニックへ
今回は、生理が1週間こない5つの原因と病院を受診する目安を解説しました。ルナレディースクリニックはお客様一人ひとりの悩みに寄り添い、ベストな対処法を提案させていただきます。今回の記事も、参考になれば幸いです。
カウンセリング予約はこちら
ルナレディースクリニック 横浜駅前院
ルナレディースクリニック 川崎駅前院
ルナレディースクリニック 新橋銀座口院