「生理が予定日より早くくるのはなぜ?」
「生理周期が早いと病気の可能性はある?」
このような疑問や不安をかかえていないでしょうか。
生理周期が24日以下の短いサイクルで続いていると、ホルモンバランスに異常が起きていたり、病気が隠れていたりする可能性があります。
生理周期が早い理由や対処法、放置した場合のリスクについて知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
生理周期が1週間以上早い場合には注意が必要
正常な生理周期は、25〜38日周期であるとされています。
生理周期のずれが1週間以内であれば心配ありませんが、生理周期が1週間以上早い場合には「卵胞期短縮症」や「黄体機能不全」といった病気が隠れている可能性があるでしょう。
生理周期が早くなる主な原因
周期の早い生理は「無排卵性」と「排卵性」の2つに分けられます。
「無排卵性」とは、排卵が起こっていないにもかかわらず、生理のような出血がみられる状態のことです。
一方で「排卵性」では排卵が起きているものの、月経から排卵までの期間(卵胞期)が短くなったり、排卵から次の月経までの期間(黄体期)が短くなったりしている可能性が考えられます。
生理周期が早くなる主な原因を、無排卵性と排卵性に分けてみていきましょう。
【無排卵性】年齢
排卵が起きず、周期が早くなる原因には主に年齢が挙げられます。
生理がはじまったばかりで卵巣機能が未成熟の思春期や、卵巣機能が低下する更年期前には、生理周期が安定しないことが多いでしょう。
10代の場合は、一般的に年齢とともに正常な生理周期になります。
【排卵性】卵胞期短縮症
排卵があり、周期が早い生理の原因のひとつには「卵胞期短縮症」が挙げられます。
卵胞期短縮症とは、生理開始から排卵までの期間である「卵胞期」が短くなる状態のことです。
生理周期は「卵胞期、排卵期、黄体期」というサイクルで構成されており、卵胞期が短縮されればその分生理周期も早まります。
卵胞期短縮症の主な原因は、加齢による卵巣機能の低下です。
【排卵性】黄体機能不全
排卵があり、周期が早い生理の原因には「黄体機能不全」も挙げられます。
「黄体」とは排卵後につくられる組織のことで、妊娠するために必要な「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」を分泌します。
黄体機能不全になると、子宮内膜に受精卵が着床しにくくなるため、不妊の原因になってしまうのです。
黄体機能不全が生じる原因には、主に次のようなものがあります。
- 加齢
- 過度な運動
- 肥満
- 摂食障害
- ストレス など
また、30〜40代の方の女性に多い病気である「甲状腺機能低下症」になることでも、黄体機能不全を生じる場合があるでしょう。
甲状腺とは、のどぼとけの下にある臓器で、新陳代謝を促進する「甲状腺ホルモン」を分泌しています。
甲状腺ホルモンは黄体の機能を維持するために重要なホルモンですが、甲状腺機能低下症になると甲状腺ホルモンの分泌量が低下してしまいます。
そのため、甲状腺機能低下症の方では黄体機能不全におちいりやすいのです。
生理周期が早い場合の対処法
生理周期が早い場合の対処法には、主に次のようなものがあります。
- 生活習慣を見直す
- 低用量ピルを服用する
- 漢方を服用する
それぞれの対処法について詳しくみていきましょう。
生活習慣を見直す
食生活や睡眠などの生活習慣が乱れていると、ホルモンバランスが崩れ、生理周期に影響を及ぼす場合があります。
過度なダイエットや偏った食事は女性ホルモンの分泌量を低下させる要因になるため、さまざまな食材をバランスよく食べるように心がけましょう。
女性ホルモンに似たはたらきをもつ「イソフラボン」が豊富な大豆製品を積極的に摂ることもおすすめです。
また、睡眠時間が短かったり、夜中に何度も起きたりすることもホルモンバランスの乱れにつながります。
睡眠の質が悪いと感じる方には、朝起きた際に日光を浴びることがおすすめです。
体内時計がリセットされることで、夜に寝つきやすくなる効果が期待できます。
低用量ピルを服用する
低用量ピルとは「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」と呼ばれる2種類のホルモンを含む薬のことです。
低用量ピルは1シート21~28日周期で構成されており、休薬期間中に生理がくる仕組みになっています。
低用量ピルの服用を続けると、ホルモン濃度の高まりによって脳が「妊娠している」と錯覚するため、排卵や子宮内膜の肥厚が抑制されます。
生理不順の方が低用量ピルを服用すると、「服用中は生理がなく、休薬期間中に生理がくる」という一連のサイクルができるため、低用量ピルの服用により生理不順の緩和が期待できるのです。
低用量ピルの副作用には吐き気や頭痛、だるさなどが挙げられますが、一般的には服用を続けることで徐々に改善されるでしょう。
漢方を服用する
漢方の考えによると、人間のからだは「気・血・水(き・けつ・すい)」の3要素で構成されており、これらのバランスが崩れると生理周期の乱れを含む不調につながると考えられています。
「気(き)」はからだのエネルギー、「血(けつ)」はからだの栄養、「水(すい)」はからだの水分を意味しています。漢方には「気・血・水」の異常を整えるはたらきがあるため、生理周期を正常化する効果が期待できるのです。
漢方は低用量ピルと比較すると副作用が少ないものの、じっくり作用していくため、効果が出るまでには数ヶ月程度かかります。
吐き気やだるさなどの副作用でピルの服用が難しい方や、妊娠を望む場合などには漢方が適していると考えられるでしょう。
生理周期が早いのを放置するとどうなる?
生理周期が早い状態が長く続くと、不妊になる可能性が高まるとされています。「排卵が起きるまでの期間が短い」ということは、卵子が未成熟のまま排卵される可能性があるということです。
未成熟な卵子は受精できる確率が低く、受精したとしても流産してしまう場合もあるでしょう。妊娠を望む場合には、早めに治療を受けることが大切です。
生理周期が早い状態が続くなら婦人科を受診しよう
生理周期が早い状態が続く場合は、早めに婦人科を受診しましょう。婦人科を受診する際は、過去の基礎体温表を持参すると診察の際に役立ちます。
基礎体温表とは、一般的な体温計よりも細かい単位で測れる「婦人体温計」で計測した体温を記入する表です。通常、生理がはじまると体温が低い「低温期」が続き、排卵後は体温が高い「高温期」に入ります。
日頃から基礎体温表を付けていれば、排卵の有無や、ホルモンバランスの変化が起きているタイミングなどを知る指標になるでしょう。
基礎体温表の付け方は次のとおりです。
【基礎体温表の付け方】
- 婦人体温計を用意する。
- 朝起きたら、起き上がる前に舌下で測定する。
- 基礎体温表に記録する。
からだを動かすと体温が上がって正確に測定できないため、基礎体温はベッドのなかで測りましょう。
まとめ
この記事では、生理周期が早い理由や対処法、放置した場合のリスクになどについて紹介しました。
生理周期が早い原因には、思春期で卵巣機能が未成熟なことや、更年期前で卵巣機能が低下していることなどが挙げられます。
また、卵胞期短縮症や黄体機能不全といった病気が隠れている可能性もあります。生理周期の乱れを放置していると不妊につながる恐れもあるため、早めに婦人科を受診しましょう。