カンジダ症は、放置していると症状が悪化したり、パートナーにうつしたりする恐れがあります。しかし、症状が現れてもどのように対処すべきかわからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、カンジダの概要や検査・治療方法、予防法などについて解説します。カンジダの症状が気になる方に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
カンジダとは?
カンジダは、消化管や皮膚などに常在する真菌(カンジダ菌)が増殖して発症する病気です。大きく分けて、表在性カンジダと深在性カンジダの2種類があります。
表在性カンジダの事例としては、外陰・膣カンジダ症や口腔咽頭カンジダ症、カンジダ皮膚炎が挙げられます。
深在性カンジダは、カンジダ菌が体の組織や内臓に入り込み、複数の臓器に病変が発生するものです。しかし、日本ではカンジダ血症として治療が施されるため、全身に広がるような病変が表面化することはほとんどありません。
カンジダの治療方法
カンジダと診断された場合、クロトリマゾールなどの抗真菌薬によって治療が行われます。治療期間は6日程度です。
適切に治療すれば大きな病変を引き起こす可能性は低いため、医師の指示に従いましょう。
こちらではカンジダの検査方法と治療方法、放置した場合にどうなるかについて詳しく解説しますので、参考にしてください。
検査方法
男性の場合、尿道に異変を感じている時は尿を採取し、培養検査を行うのが基本です。女性の場合、膣に症状が出ているのであれば、膣分泌液を採取して培養検査を実施します。
膣の検査に関しては、医師による採取もしくは自己採取のどちらかを選べる場合があるため、医師に相談してみてください。また、男性・女性ともに陰部に皮膚症状が出ているケースでは、綿棒で皮膚の擦過物を採取し、培養検査によって診断を行います。なお、生理中の女性は検査ができませんので生理が終わってから医療機関を受診してください。
治療方法
治療方法は、症状が現れた部位によって変わります。男性の場合、尿道に症状が出た時は抗真菌薬を1週間ほど服用するのが一般的です。皮膚に症状が出ているのであれば、抗真菌薬の軟膏を塗布することで治療を行います。
女性の場合、膣に症状が現れた時は膣錠が処方されます。皮膚と膣の両方に症状があるケースでは、抗真菌薬の内服薬と軟膏によって治療を実施します。
なお、カンジダは常在菌であり、完全になくすことはできません。増殖を抑え、症状が出ないようにするのが治療の目的です。
放置するとどうなる?
治療をしないままカンジダを放置すると、症状が広がって全身性カンジダ症になるリスクがあります。全身に広がらなかったとしても、症状が慢性化して完全に治すことが難しくなる可能性があるため注意が必要です。
膣カンジダの場合、妊娠中の赤ちゃんへの影響はありません。しかし、出産時に赤ちゃんが産道を通る際にカンジダに感染し、鷲口瘡と呼ばれる病気を発症する恐れがあります。
また、不妊症への影響もないとされていますが、カンジダを放置したまま性行為をすると精子が減弱し、子宮に入りにくくなる可能性があります。
カンジダが疑われる場合は放っておかず、必ず治療を受けるようにしてください。
治療後の性行為について
カンジダの一般的な治療期間は1週間ほどですが、治療後に再検査を実施することはほとんどありません。治療を終え、おりものの異常や痒み、痛みなどカンジダ特有の症状が現れなくなったことを確認できたら性行為をしてもよいとされています。
治療途中に性行為を行うと、パートナーにカンジダをうつすリスクがあるため、必ず全ての治療を終え、症状が現れなくなってからにしてください。
また、無理に性行為をすることで症状が悪化し、完治までに長い時間がかかる場合もあります。パートナーや自分の身を守るためにも、発症中の性行為は避けましょう。
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カンジダの症状
カンジダの症状は、性別によって異なります。男性の場合、亀頭周辺の腫れや赤み、ただれ、痒み、白い分泌物が出るといった症状が代表的です。稀にですが、尿道炎を発症する時もあります。
ただし、男性はカンジダ症になっても症状が出ないことが多く、知らない間にパートナーが感染することも珍しくないため注意しましょう。女性の場合は、性器の周りに痒みや発赤、発疹、粘度の高いおりもの、性行為・排尿時の痛みなどの症状が現れます。
膣カンジダの症状
膣カンジダになった場合、性器の周辺に痒みやひりつきを感じるようになります。体が温まると痒みが強くなり、寝ている間に性器をかいて症状が悪化することもあるでしょう。
おりものはカッテージチーズやヨーグルトのように白濁し、量も多くなるのが特徴です。また、おりものに特有のニオイが生じるようになります。他には、排尿時や性行為時に痛みを感じるケースもあるため、何かしらの異常を感じたら病院で検査を受けるようにしてください。
舌・口腔内に発症するカンジダの症状
体内の常在菌のバランスが崩れると、舌や口腔内にカンジダの症状が出ることがあります。
口腔内の粘膜や舌の表面に白い苔のようなものが出現し、赤みや腫れ、痛みを感じる場合が多いでしょう。舌に関しては、違和感や味覚障害が生じるケースもあります。
こうした舌・口腔内のカンジダは、糖尿病やがん、副腎皮質ステロイド薬の服用などで免疫力が落ちている時に発症しやすいとされています。口内炎の症状と似ているため勘違いすることもありますが、適切な医療機関で検査を受け、治療を行ってください。
カンジダ症は自然治癒する?
軽度の膣カンジダの場合、自浄作用によって正常な状態に戻れば自然治癒することもあります。しかし、重い症状が現れているのであれば、自然治癒は難しいでしょう。
また、カンジダは常在菌の一種であるため、免疫力が落ちたり、ホルモンバランスが崩れたりした際に再発しやすくなります。自然治癒したと思い込んで放置していると、体内のカンジダが再増殖し、症状がぶり返すケースも少なくありません。症状の度合いに関わらず、カンジダの恐れがある時は検査と治療を受けましょう。
パートナーがカンジダになったら
男性が性器カンジダを発症するケースは稀です。しかし、性器が不衛生な人、糖尿病の人、ステロイド剤の投与を受けている人などはカンジダの症状が現れることがあります。
パートナーがカンジダを発症していることがわかったら、完治するまで性行為を控えましょう。オーラルセックスを含む性行為によって、カンジダに感染する可能性があります。
また、カンジダはタオルを媒介して他の人にうつることもあるため、タオルの共用も避けてください。お風呂の椅子は、使用後に洗い流すのがおすすめです。
カンジダの予防方法
カンジダは、適切な予防方法を取り入れることで発症を抑えられます。一度カンジダを発症すると、免疫力の低下やストレスなどで再発する場合もありますので、カンジダを繰り返さないためにも日頃から予防を意識していきましょう。
こちらでは具体的な予防方法について紹介します。
通気性のよい下着を身につける
カンジダは真菌(カビ)の一種であり、ジメジメと湿った部分に増殖しやすいとされています。
通気性の悪い下着は、性器周辺が蒸れてカンジダが増殖する原因になるため、通気性のよい下着を身につけてください。例えば、コットンやシルクなどの天然素材がおすすめです。
また、ストッキングやタイツなど締め付けのきついものを下着の上に重ねていると蒸れやすくなります。なるべく通気性を意識した服装を取り入れるようにしましょう。
おりものシートやナプキンはこまめに交換する
長時間同じおりものシートや生理用ナプキンを身につけていると、性器周辺が蒸れたり、不衛生な状態になったりしてカンジダが増殖しやすくなります。できる限りこまめに交換して、清潔な状態を保つようにしましょう。
仕事などでこまめに交換する時間が取れない時は、給水ポリマーを使ったシートやナプキンを利用するのがおすすめです。吸水力が高いため、長時間サラサラとした状態をキープできるとされています。使用している素材にも注目して、自分の肌に合った商品を選んでください。
過度に洗浄しない
カンジダを防ぐためには性器を清潔な状態に保つことが大切ですが、過度な洗浄は逆効果です。
洗い過ぎることで常在菌のバランスが崩れ、カンジダの症状が悪化する恐れがあります。
外陰部を洗う時は、刺激の強い石鹸を避け、ぬるま湯で流すようにします。ゴシゴシ擦ると炎症の原因になりますので、優しく洗うようにするのもポイントです。また、膣内まで洗うのは避けてください。洗った後はしっかりと水気を拭き取り、乾燥させてから下着を身につけるとよいでしょう。
痒くてもかかない
もし性器の周辺に痒みを感じたとしてもかかないようにしてください。
かくと性器に傷ができたり、手の雑菌がついたりするリスクがあります。また、さらにカンジダ菌が広がる場合もあるため、日頃から触らないように意識することが大切です。
しかし、症状によっては我慢できないほどの痒みを感じることもあるでしょう。日常的な強い痒みに悩まされているのであれば、速やかに病院を受診してください。適切な治療を施すことで、痒みによって症状が悪化するのを防げます。
バランスのよい食生活を心がける
カンジダは、栄養不足や睡眠不足などで免疫力が落ちると発症しやすくなります。また、体調不良で風邪をひき、抗生物質を服用したらカンジダが再発したというケースも珍しくありません。体調を崩さないように、バランスのよい食生活を心がけることが重要です。
バランスのよい食事は、野菜類を使った副菜や汁物、タンパク質を含む主菜、糖質を含む主食で献立を組み立てるのが理想とされています。特に食物繊維や鉄分、カルシウムは不足しやすい栄養素のため積極的に摂りましょう。
まとめ
カンジダを発症すると痒みや赤み、おりものの異常などが現れるようになります。軽症だとしても、放置したままだと重症化したり、パートナーにうつしたりといったリスクもあるため、気になる症状がある場合は医療機関を受診してください。
カンジダを防ぐには、通気性のよい下着で性器の蒸れを防ぎ、過度な洗浄を避けるといった対策が必要です。健康な体を保ち、パートナーにうつさないためにもカンジダを発症しないように注意しましょう。
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