性病は自然に治る?放置するリスクについても解説

性病(性感染症)に感染した場合、もしくは感染が疑われる場合、治療せずに放置しても治るのかが気になる方もいるでしょう。性病に感染したことは恥ずかしく人に知られたくないかもしれませんが、早期治療が将来的な自分やパートナーの健康づくりにつながるのです。

今回は、性病は自然治癒するのか、放置するとどうなるかなどについて詳しい解説します。また、性病検査や性病治療の費用などについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

性病は自然に治る?

性病は種類にもよりますが、基本的に自然治癒することはありません。

自覚症状がない場合でも病原菌やウイルスが体内に潜伏しており、気づかないうちに悪化するケースもあります。疑わしい症状や出来事があれば、早めの受診をすることが大切です。早期に対処することで、感染拡大を防ぐことにもつながります。

他の病気で処方された抗生物質が効く場合がある

性病は、胃腸炎といった他の病気で処方された抗生物質で治療できる場合もあるようです。しかし、性病は原因ごとに適切な薬剤が分かれているため、本来は受診が必須となります。性病治療に用いる抗生物質などは決められた用法、用量を守ってこそ効力を発揮します。

また、他の薬で症状が落ち着いたとしても、病原菌やウイルスはまだ体内に潜んでいるリスクがあります。手元にある薬を自己判断で使った場合、中途半端な効果しか得られないだけでなく、薬剤に強い「薬剤耐性菌」を生み出す恐れもあるため注意してください。

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性病を放置する5つのリスク

ここでは、性病を放置する5つのリスクについて詳しく見ていきましょう。

1.パートナーへの感染リスク

性病に気付かず普段通りの生活を続けた場合、パートナーに性病をうつしてしまうリスクがあります。

性病は感染していても自覚症状がないケースも少なくありません。早期発見がしにくいことも、性病の怖さといえるでしょう。

また、性病が完治しているかどうかは再度検査して確かめる必要があるため、医師の指示に従い、きちんと性病の治療が済むまでは性行為を控えることが重要です。

無意識のうちにパートナーへ性病をうつした場合、自分だけでなくパートナーの将来的な健康まで損ないかねないでしょう。

2.母子感染や再発のリスク

妊娠前・妊娠中に性病に感染することで、性病が母子感染する恐れがあります。特に妊娠していることや感染していることの発覚が遅くなればなるほど、母子感染のリスクが高まるでしょう。

「梅毒」「HIV」「クラミジア」「B型肝炎」は特に妊婦女性が気をつけるべき性病とされています。この他、「HPV」「淋菌」「単純ヘルペスウイルス」なども注意が必要です。母子感染は、時には胎児に重篤な症状を起こしてしまうケースもあるため、気になることがあればすぐにでも受診することをおすすめします。

万が一性病にかかってしまった場合でも、医師の指示通りに治療を行い、再発予防を徹底するようにしましょう。性行為そのものもですが、タオルやかみそりなど直接肌に触れるものを共用にしないことも大切です。

3.重篤化のリスク

性病の中には放置もしくは治療を十分に行わなかったことで重篤化する恐れがあるものや、治りにくいものがあることも事実です。

初めは症状が目立たなくとも徐々に進行した場合、男性で陰嚢全体に痛みや腫れを伴う精巣上体炎、女性は骨盤内炎症状疾患という発熱と強い腹痛を伴う状態に恐れがあります。重篤化した場合は治療が長引くだけでなく、一般的な性病治療の範疇をこえた、大がかりな治療が必要になります。

また、治療に伴う費用面の負担も重くなってしまいます。

なお、現在の医療では完治できないHIVをはじめ「淋病」「クラミジア」などは治りにくい性病です。重篤化や再発を防ぐためにも、治療終了から約2~3週間後に行う治癒確認検査までしっかりと受けることが大切といえます。

4.不妊症や無精子症のリスク

性病を放置すると、男女ともに不妊の原因となってしまいます。

例えば、淋菌やクラミジアに感染した場合、男性では無精子症、女性では不妊の原因となる骨盤内炎症性疾患や子宮外妊娠の恐れがあります。

不妊のリスクがある主な性病は、次の通りです。

リスク性病の種類
無精子症クラミジア
骨盤内炎症性疾患クラミジア、淋病、トリコモナス
不妊(男女)HPV(男性)トリコモナス、肝炎ウイルス、HIV

5.免疫力低下のリスク(HIVの場合)

治療しても完治しない病気として、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染によるエイズ(後天性免疫不全症候群)が挙げられます。エイズは投薬治療によって進行スピードを遅らせることは可能でも、現代医療では完治しません。

HIVに感染した場合、初期は風邪に似た症状を感じる方もいますが、数年~10数年間目立った自覚症状はないまま徐々に免疫力が低下する方もいます。しかし、病気が進行すると、健康であればかからないような致死的な病気を併発してしまうのです。

なお、無症状の段階では、エイズ検査(HIV抗体検査)が有効です。多くの自治体や特定検査施設で無料、匿名で検査が受けられるので、少しでも疑わしい場合は利用してみてください。

性病に効く主な薬剤の種類

続いて、それぞれの性病に用いる主な薬剤、治療期間の目安を紹介します。

薬剤を使用する際には、正しい治療効果を得るためにも、服用においては医師の指示のもとで決められた期間、間隔を守ることが重要です。

抗生物質

抗生物質は、病気の原因となる細菌を死滅させ、増やさないようにします。使用する抗生物質は、性病によって異なり、全ての細菌に有効な抗生物質はありません。

以下に代表的な性病の種類と対応する抗生物質を紹介します。

病名主な薬剤治療期間の目安
梅毒抗生物質(ベンジルペニシリンベンザチン筋注製剤、ベンジルペニシリンカリウムなど)約2~8週間
淋菌感染症抗生物質(アジスロマイシン、オーグメンチンなど)1度の点滴重症例の場合約7日間
性器クラミジア感染症抗生物質(アジスロマイシン、レボフロキサシンなど)約7日間

その他薬剤

抗ウイルス薬などの飲み薬、点滴、塗り薬を使用するケースもあります。抗生物質以外の薬剤の例を以下に紹介します。

病名主な薬剤治療期間の目安
性器ヘルペス抗ヘルペスウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビルなど)約5日間
尖圭コンジローマ抗ウイルス薬(ベルセナクリーム)隔日で週3程度原則16週間まで
後天性免疫不全症候群(HIV)抗HIV薬(テノホビル、ラミブジン、エムトリシタビンなど)一生涯
性器カンジタ症抗真菌薬(クロトリマゾール、ミコナゾールなど)約1週間
膣トリコモナス症抗真菌薬(メトロニダゾール)約1週間

性病は治療することで必ず治る?

大半の性病は、適切な治療を行えば治るものです。しかし、受診が遅れた場合は、症状が重症化しやすいことも覚えておきましょう。また、一部再発しやすい性病や完治しない性病も存在します。

再発しやすい性病

数ある性病のうち、再発しやすいといわれている性病は以下の2つです。

・性器ヘルペス

・性器カンジタ症

ここでは、上記の性病について原因や主な症状・具体的な治療法などを解説します。

性器ヘルペス

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)や1型(HSV-1)が原因で発症します。

主に性器や肛門、お尻、鼠径部(太ももの付け根)、太ももに発生しやすく、初感染の場合、痛みが強く現れやすいのが特徴です。一方で、不顕性感染(病原菌やウイルスが体内で増殖するも、症状を起こさない状態)のケースもあります。

感染経路としては、性行為をはじめ、ウイルスが付着した食器やタオルなどを介した感染が挙げられます。

【主な症状】

・性器周囲のかゆみや不快感

・性器周囲に赤色水疱ができる、破れてただれる

・倦怠感

・発熱

・太ももリンパの腫れや痛み など

性器カンジダ症

性器カンジダ症は、カンジタ菌(C.albicans、C.grabrataなど、カンジタ属の真菌の一種)が原因で発症します。

カンジタ菌は健康な方でも常在菌として体内に存在しており、ストレスによる免疫力低下や膣内自己洗浄、糖分摂取過多で発症リスクが高まるされています。

女性が感染しやすい傾向にありますが、男性症例もあります。ただし、男性の場合、症状が出るケースが少ないです。

【主な症状】

男性:陰茎の発赤、皮膚のえぐれ、かゆみ、不快感など

女性:膣や外陰部のかゆみ、ヨーグルト状の白色おりもの、排尿痛、性交痛など

完治しない性病

数ある性病のうち完治しない性病一覧は、以下の通りです。

・尖圭コンジローマ

・HIV

ここでは、上記の性病について原因や主な症状・進行を少しでも遅らせる治療法などについて解説します。

尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマは、主にヒトパピローマウイルス(HPV)6型(HPV-6)や11型(HPV-11)が原因で発症する性病で、治療をしても根本的には治せない病気です。4人に1人の確率で3ヶ月以内に再発するといわれています。

【主な症状】

男性:陰茎周囲にとさかやカリフラワー状のいぼができて痛みや出血、かゆみなど

女性:膣、肛門周囲にいぼ、おりものの増加など

HIV

HIVは、ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus)の略称であり、病原体を守る役割をしているTリンパ球やマクロファージ(CD4陽性細胞)などに感染するウイルスです。

感染経路としては、「性行為感染」「血液感染(輸血など)」「母子感染」などがあります。HIVに感染した上で特定の疾患に罹患すると、エイズと診断されます。

HIVは完治できない性病ですが、適切な投薬治療である程度コントロールできます。

【主な症状】

急性期:発熱やのどの痛み、筋肉痛や下痢など

エイズ発症期:悪性腫瘍や神経障害、各種日和見感染 など

性病を治すためには受診が必要

性病を確実に治すためには受診が必須です。ここでは、性別ごとに受診する科について紹介するとともに、検査費や治療費の相場を紹介します。ただし、紹介する費用はあくまで目安であるため、参考程度と考えてください。

男性が受診する科

性病が疑われる男性の場合、まずは「泌尿器科」「性感染症内科」への受診を検討しましょう。受診したときの費用目安は、以下の通りです。

内容費用の相場
検査費約1万円
治療費約1~2万円
処方薬の費用約2,000円

検査で性病の種類を特定した後、投薬治療を行います。泌尿器科の場合、性病以外も腎臓や尿に関する「尿路系」、陰茎など「生殖器系」なども診療対象です。費用は、性病の種類や医療機関によって若干異なります。

女性が受診する科

性病が疑われる女性の場合、「婦人科」「性感染症内科」の受診を検討しましょう。受診したときの費用目安は、以下の通りです。

内容費用の相場
検査費約5,000円
処方薬の費用約3,000円

婦人科の場合、性病だけでなく、生理や妊娠、ピルや更年期障害なども診療対象です。女性特有のお悩み全般をカバーしてくれるため、普段から気になっていることを相談するきっかけにもなります。

まとめ

性病に感染しているにもかかわらず、恥ずかしさを理由に放置してしまうのは、将来の自分やパートナーにとって好ましくありません。発症しても症状が出ないパターンもありますが、症状が発見できたらすぐに受診するのが鉄則です。薬に関しても自己判断で中止せず、決められた期間内は正しい間隔で薬を続けましょう。

今回の記事を参考に、性病の予防策や性病の治し方、性生活などについて改めて考えてみてください。

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