梅毒は感染段階によって症状が異なり、第1期はしこりや潰瘍、第2期は掌や足の裏をはじめとした全身の発疹、第3〜4期はゴム腫が発生して命に危険が及ぶことになります。症状が出た場合は、速やかに検査と治療を受けることが大切です。
この記事では梅毒の症状や治療法を詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
梅毒とは
梅毒とは、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)と呼ばれる細菌によって発症する性感染症です。世界中で多数の症例が報告されており、日本でも増加傾向にあることから社会問題として懸念されています。
梅毒にかかった場合、適切な治療を受けなければ健康に深刻な影響を与える可能性があるため、きちんとした処置が必要不可欠です。
梅毒の原因
梅毒は、感染者との性交もしくは性交に類似した行為によって梅毒トレポネーマが粘膜に接触し、感染します。梅毒トレポネーマは、膣分泌液や精液、血液などに含まれており、性器との接触のみならず肛門や口を介した性行為も感染の原因になるのが特徴です。
また、傷口も感染経路となり、キスで梅毒トレポネーマがうつる場合もあります。妊娠中の母親が梅毒にかかると赤ちゃんにも感染が及び、奇形や死産、早産などのリスクが高まります。
梅毒の症状
梅毒に感染すると、3〜6週間ほどの潜伏期間を経て発症します。
症状は第1期・第2期・第3期・第4期に分けられ、途中でいったん治ったようにも見えますが、全く治療を行っていないと徐々に炎症が全身へと広がっていくのが特徴です。
末期症状に至ると命に危険が及ぶため、早めの処置が欠かせません。そこで、こちらでは段階別の症状について詳しく解説します。
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第1期
第1期は、感染が疑われる機会から3週間〜3ヶ月の間に現れます。さまざまな部分で症状が現れるので、兆候を見逃さないように確認してください。
性器や口唇にしこり
口腔や唇、肛門、陰部など、梅毒トレポネーマに感染した部位にしこりが出ます。感染者と性行為をした場合、男性は陰茎や亀頭、陰茎と亀頭の間にある冠状溝性器の周りに、女性は小陰唇、大陰唇、膣内の周りに、しこりの症状が現れやすいでしょう。
しこりは初期硬結と呼ばれ、痛みは伴いません。そのため、気にせずに見過ごしてしまう場合も多いといわれています。
性器や口唇に厚みのある潰瘍
感染部位に出現したしこりは、時間の経過とともに厚みのある潰瘍(硬性下疳)へと変化していきます。潰瘍になっても痛みを感じない場合が大半です。
治療をしないまま見過ごしていると、3〜6週間ほどで自然に治っていきますが、梅毒トレポネーマが消えたわけではありません。体内に潜伏し、徐々に症状が進行していきます。
脚の付け根のリンパ節(鼠径リンパ節)にしこり
性器や口唇の症状に加えて、脚の付け根にあるリンパ節(鼠径リンパ節)が腫れてしこりのような状態になることがあります。
リンパ節の腫れについても痛みを伴うことはほとんどなく、3〜6週間ほどで症状は治っていくでしょう。しかし、梅毒トレポネーマに感染した状態が治癒したわけではないので注意が必要です。
第2期
第1期の症状が現れてから4〜10週間後には、血液を経由して梅毒トレポネーマが全身へと広がっていき、体のあらゆる部位でさまざまな症状が出るようになります。代表的な症状として挙げられるのが、掌や背中、腕など全身に現れる赤い斑点(梅毒性バラ疹)です。足裏や掌に出る赤い発疹は梅毒性乾癬とも呼ばれ、皮が剥けることがあります。
また、肛門や性器に扁平コンジローマを発症してしこりが発生したり、口のなかに口内炎に似た発疹が現れたりする場合もあるでしょう。この他に、全身のリンパ節の腫れや倦怠感、発熱といった症状を伴うケースも報告されています。
第1期と同様に自然に症状は治っていきますが、治療を行わない限り、梅毒トレポネーマは依然として体内に潜んでいる状態です。
第3期
第3期は、感染から3〜10年以上経過した頃に訪れ、全身に炎症が広がっていきます。皮膚のみならず、筋肉や骨などにゴムのような腫瘍(ゴム腫)やしこりが発生するでしょう。
ゴム腫は、周囲にある細胞組織を破壊し、体に大きな影響を与えていきます。鼻の骨の周りに出現するゴム腫(鞍鼻(あんび))は鼻が欠ける原因になるため、江戸時代には「梅毒になると鼻が落ちる」といわれれていました。
第4期
感染から10年以上後に訪れる第4期では、臓器にも腫瘍が発生し、中枢神経系や心臓血管系へ害が及ぶようになります。最終的に、脳や心臓に病変が現れ、神経障害や麻痺性痴呆、大動脈破裂、大動脈炎、脊髄ろうといった症状によって命が奪われることになるでしょう。
末期症状について
昔は、梅毒に対する治療法が確立されておらず、感染すると死に至る病気と恐れられていました。
しかし、現在は医療の発展により治療薬が普及したため、適切な処置を行えば治る病気です。もし感染しても、大半は第1期〜第2期で発見されて治療を行えるようになっていますので、第3期〜第4期に至るケースはほとんど見られなくなりました。
ただし、梅毒のなかには症状を伴わない「無症候性梅毒」があり、感染に気づかないまま何年も経過して体内の炎症が進んでしまう場合があります。症状が出たときはもちろん、症状がなくても感染の心当たりがある際は速やかに医療機関を受診し、検査を受けましょう。
梅毒の治療法
前述の通り、梅毒は適切な治療を受ければ治る病気です。ここでは具体的な治療法について紹介します。
服薬
梅毒の治療には、ペニシリン系の抗菌薬を用いるのが一般的です。内服薬の場合は毎日飲む必要があり、第1期は2〜4週間、第2期は4〜8週間を目安に服用します。
ただし、服用期間は医師の指示に必ず従いましょう。たとえ症状がよくなってきたとしても、自己判断で薬の服用を中断しないでください。中断することで、再び症状がぶり返す恐れがあります。
医師が完治したと診断するまでは、薬の服用を続けることが大切です。
注射
梅毒は、筋肉注射による治療も行われています。
日本では、世界の標準治療薬として知られるベンジルペニシリンベンザチン筋注製剤を治療に利用できない状態が長らく続いていましたが、2021年9月に国内での製造販売が認可されました。
ただし、第1期〜第4期の梅毒や母体から胎盤を媒介して赤ちゃんに感染する早期先天梅毒には有効ですが、梅毒トレポネーマが中枢神経系に入り込む神経梅毒では使用されません。神経梅毒の場合は、抗菌薬を点滴することで完治を目指します。
梅毒の予防方法
梅毒を予防するためには、性行為の際にコンドームを装着し、粘膜との直接の接触を避けることが重要です。コンドームに覆われていないところから感染するリスクはありますが、未装着時と比べれば感染率を抑えられます。
また、不特定多数との性行為は感染のリスクを高めるため、避けましょう。もし特定のパートナーがいる状態で感染が認められた場合は、相互に感染を繰り返すのを防ぐために、相手も一緒に検査・治療を受けるようにしてください。
まとめ
梅毒は第1期〜第4期にかけて段階的に症状が広がっていき、最終的には死に至る恐れのある病気です。現在は早期治療で命に危険が及ぶことはなくなりましたが、無症状で自覚がないまま病気が進行する可能性はゼロではありません。
少しでも心当たりがある場合は、速やかに検査を受け、適切な処置を受ける必要があります。また、コンドームを装着するなどの予防策を取り入れ、感染を抑えることも大切です。自分やパートナーを梅毒から守るためにも、感染予防を意識するようにしましょう。
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