クラミジアの感染確率はどのくらい?行為別に紹介

尖圭コンジローマの予防法

クラミジアと聞くと性感染症(STD)だとわかる方が多いですが、感染確率や感染確率を下げる方法についてはご存知ない方も多いのではないでしょうか。今回は国立感染症研究所の資料を参考にした感染確率や感染経路、感染リスク、男女別の症状、男女別の検査方法、治療法について解説します。正しい情報で予防、治療を行い、クラミジア感染症の悩みを解消しましょう。

クラミジアとは

クラミジアとはクラミジア・トラコマチスという細菌が原因で発症する性感染症で正式名称は「性器クラミジア感染症」です。性器同士の接触、あるいは感染者の性器からの分泌物などが原因で感染してしまいます。そのため銭湯や温泉、サウナ、プールなどでの感染はほぼ考えられません。

クラミジアの潜伏期間は1週間から3週間程度とされています。この間、性行為をすると相手へ移してしまったり、身篭っていると出産時に新生児に感染してしまったりと感染が拡大します。

クラミジアに感染しても、症状に気が付かないケースも多くあります。症状が出ると合併症が考えられ、男女で症状が異なります。男性は尿道のかゆみや不快感、排尿時の痛みなどを感じる尿道炎、さらに尿道の丈夫にクラミジアが到達すると陰嚢の腫れや痛みを感じる精巣上体炎が起こります。

女性では発熱や下腹部の痛み、おりものの異変を感じる骨盤内付属器炎(PID)、異臭や出血、おりものの異変を感じる子宮頸管炎、腹部の激痛を感じる肝周囲炎(フィッツ・ヒュー・カーティスFitz-Hugh-Curtis症候群)などです。さらに不妊や早産、死産のリスクも高まります。

クラミジアの感染確率

クラミジアの感染は国内で最も多いとされています。ほかの性感染症と比較しながら感染確率の高さを認識しましょう。以下の表ではクラミジアと、クラミジア同様の5類性感染症に分類されている淋菌感染症、尖圭コンジローマの発生動向を年次経過で、男女別に示しました。

▼男性:定点当たりの報告数

性感染症2019年2020年2021年
クラミジア14.115.015.7
淋菌感染症6.586.858.24
尖圭コンジローマ4.183.663.58

▼女性:定点当たりの報告数

性感染症2019年2020年2021年
クラミジア13.513.914.8
淋菌感染症1.771.792.34
尖圭コンジローマ2.192.142.11

男女関わらずどの年度においても、クラミジアは淋菌感染症や尖圭コンジローマの約2倍を超える感染者がいることが読み取れます。また尖圭コンジローマは2019年、2020年、2021年と男女ともに減少傾向にありますが、クラミジアと淋菌感染症は増加傾向です。

男女を比較するとクラミジアでは女性よりも男性が多く感染しています。男性に症状が出てから女性の感染がわかるケースが多いためとされていて、潜在者が確認できると女性も増える可能性が考えられます。

2019年〜2021年の推移を見ると、クラミジアが国内で感染確率が最も高い性感染症といえるでしょう。

\クラミジアの陽性結果が最短当日に分かる/

1.性器性交の場合

クラミジアの感染確率は、2016年ガイドラインによると複数人との性交経験がある10代で25%、国立感染症研究所によると妊婦検診をされた正常妊婦で3〜5%との報告があります。性行為の中でも性器性交が最も一般的なため、アナルセックスやオーラルセックスよりも感染確率は高くなると考えられます。

またアナルセックスやオーラルセックスの場合でも、感染がないわけではありません。相手方の性器や口腔にクラミジアが感染しているまま肛門性交を行うと、直腸に感染するリスクが高まります。肛門性交に関する具体的な感染確率は、科学的な研究による明確な結論は得られていない状況です。

2.オーラルセックスの場合

尿道炎患者の90%以上がオーラルセックスを行っており、コンドームの使用はなかったという調査結果があります。また性器へのクラミジア感染が見られる方の10〜20%は咽頭感染もしている状態です。

オーラルセックスで性感染症になるという理解と、コンドームの着用や女性器にラップなどを巻いた予防策が大切になります。

3.キスの場合

軽いキスであれば感染確率は下がりますが、ディープキスであれば咽頭感染する可能性が高まります。なぜならクラミジアは皮膚同士の接触では感染が少ないものの、唾液に含まれている可能性があるためです。

一方で、キスでも移るクラミジア以外の性感染症もあるため油断は禁物です。そういった雰囲気になる前に、過去の性行為履歴や感染履歴を把握できると予防のしようがあるでしょう。

クラミジア感染の予防策

クラミジア感染を予防するためには、以下が推奨されています。

  • 男性器にコンドームを正しく着用する
  • 女性器にラップなどをまく
  • 限られた方とのみ性行為を行う

まず、一番効果的な予防策は、コンドームの適切な使用です。性器性交だけでなく、アナルセックスやオーラルセックスの際にも推奨されています。直接的に感染リスクのある性器との接触を回避できると、クラミジアをはじめとして多くの性感染症の感染リスクを大幅に軽減可能です。

女性器には専用の避妊具はありませんが、簡易な方法としてラップを使う方法が挙げられます。もし相手方がコンドームを着用してくれない場合には、自分自身を守るためにも感染リスクを下げる方法となり得るでしょう。

不特定多数との性行為はいわずもがな、接触人数が多いほど感染確率は高まります。また厄介なことに、誰から感染したのかの判断もつきにくくなると対処しようがありませんので注意しましょう。

クラミジアの「ピンポン感染」とは?

ピンポン感染とは男性から女性、女性から男性とパートナー間で繰り返しクラミジア感染が起こる現象をいいます。片方が感染していた場合、完治していない期間や潜伏期間に性行為を行うと相手方に感染し、逆もまた同様の現象が起きて終わりが見えなくなります。

ピンポン感染を防ぐためには、以下の4点を守りましょう。

  • 相手方にクラミジア感染が判明した場合には同時並行で治療する
  • 治療中、治療後すぐには性行為をしない
  • 内服は処方された分すべて飲み切る
  • 症状が出なくなっても医師の許可が終わるまでリスクのある行為はしない

再発リスクもあるため、完治したとしても前述した予防策を講じる必要があります。

クラミジアの感染者数

日本国内における感染者数は2002年をピークにして右肩下がりでしたが、2018年頃から緩やかに増加している現状です。定点当たり報告数を見ると2002年の男性で19.9、女性で27.7、2018年以降は以下の通りです。

性別2018年2019年2020年2021年
男性12.514.115.015.7
女性13.313.513.914.8

また年代別に見ると20代が10〜50代の中で最も罹患率が高く、2016年、2017年辺りから他の年代と差を広げて増加傾向にあります。特に最近では口腔性交が一般化してきたこともあり、性器ではなく口腔に感染する方が増加中です。口腔性交でも感染する可能性が高いので、コンドームを着用した口腔性交が推奨されています。

【男女別】クラミジアの症状

クラミジアは「沈黙の感染症」とも呼ばれ、感染していても初期段階では症状が出ないことが多いです。もしも症状が出た場合には合併症が懸念されます。男女別で症状も異なるため、以下を参考にしてください。

【男性】クラミジアの主な症状

男性の場合、クラミジア感染症は初期段階では特に症状が出ないことが多いですが、感染が進行すると次のような症状が現れることがあります。

  • 尿道から膿が出る
  • 排尿時に痛む
  • 発熱
  • 尿道の不快感
  • 尿道のかゆみ
  • 尿道の腫れ

さらに重症化すると以下の症状が懸念されます。

  • 残尿感
  • 頻尿
  • 排尿困難
  • 発熱
  • 精巣の腫れ
  • 前立腺の腫れ

これらの症状が見られると精巣上体炎、前立腺炎といった合併症に罹患している可能性が考えられます。

【女性】クラミジアの主な症状

女性の場合、男性と同様に初期段階では症状が出ないことが多いですが、感染が進行すると以下のような症状が見られる可能性があります。

  • 発熱
  • おりものの増加
  • 下腹部の痛み
  • 出血
  • 異常な分泌物

さらに感染が広がると下記の症状も見られます。

  • 右季肋部痛
  • 嘔吐

すでに症状が見られると、卵管炎や卵巣炎などの骨盤内炎症性疾患や肝周囲炎を起こしているかもしれません。また感染したまま子どもを産むと、新生児がクラミジアに感染して結膜炎や肺炎のリスクが高まりますので注意が必要です。

クラミジアの検査方法とは?

クラミジアの検査は、医療機関で行われます。具体的にはTMA法やSDA法、Taqman PCR法、Real-time PCR法などがあり、検体の種類が異なるだけで男性も女性も同じ検査法です。

男性の検査方法

検査法は前述の通りで、検査法別に必要な検体は以下です。

  • TMA法:尿道擦過物、尿、咽頭擦過物
  • SDA法:尿道擦過物、尿、咽頭擦過物
  • Taqman PCR法:尿、咽頭うがい液
  • Real-time PCR法:尿道擦過物、尿

男性性器に感染が疑われる場合、基本的には検尿が行われますが、明らかに感染している場合には尿道擦過物で検査を行う場合もあります。

女性の検査方法

女性も検査法は前述通りで、以下に採取が必要な検体を示します。

  • TMA法:子宮頸管擦過物・分泌物、咽頭擦過物
  • SDA法:子宮頸管擦過物・分泌物、咽頭擦過物
  • Taqman PCR法:子宮頸管擦過物・分泌物、咽頭うがい液
  • Real-time PCR法:子宮頸管擦過物・分泌物、膣擦過物

子宮頸管擦過物・分泌物を採取するのは痛いと思われるかもしれませんが、痛くありませんしすぐに終わるので安心して受けてください。感染が疑われる箇所から分泌物を摂取します。

クラミジアの治療法

クラミジア感染症は、抗生物質による治療が一般的です。具体的にはアジスロマイシンやクラリスロマイシン、ミノサイクリン、ドキシサイクリン、レボフロキサシン、トスフロキサシン、シタフロキサシンが使用されます。またミノサイクリン〜シタフロキサシンまでの後半5つの抗生物質は妊婦には処方されません。

治療開始後、数日で症状は改善しますが、治療終了まで性行為を行わないことが推奨されます。ピンポン感染や症状悪化を防ぐためです。

また治療後に、再度検査を行い感染が完全に治ったかどうかを確認します。これは本当にクラミジアが完治したかどうかを見極め、再感染がないかを確認するためです。必ず医師による「治癒の判定」で承認を得るまで治療中という認識で行動しましょう。性行為は完治してすぐではなく、少し間を空けて行うことが望ましいでしょう。

まとめ

クラミジアは男性も女性も心当たりがなく、いつから感染したかわからないうちに性感染症を発症しているパターンが多いため、感染拡大が懸念されています。

そもそもクラミジアとは同じ5類感染症の性感染症の中でも国内で最も感染確率が高くなっています。感染経路としては主に性行為で、性器性交だけではなく、オーラルセックスやアナルセックスで感染します。咽頭感染している方とのキスだけでは移りませんが、ディープキスの場合はリスクが高まるでしょう。

そのため感染確率を下げるための方法として、性行為前からコンドームを着用する、無闇にセックスパートナーを増やさない、定期的に検査をする、感染が見つかったらすぐにパートナーと一緒に治療を開始する(ピンポン感染の予防)などが挙げられます。

また再発の感染確率を下げるためには、医師の了承を得るまで治療に専念する、内服薬は症状がなくなっても必ずすべて使い切ることが鉄則です。

少しでも違和感があればすぐに検査を行い、感染が発覚したら、パートナーと一緒に治療を行い再発防止に努めましょう。

医療機関へ行くのが難しい方は自宅で検査できる「FemCHECK」がおすすめ

医療機関へ行くのが恥ずかしい、忙しくて病院へ行く時間が確保できない方はFemCHECKで自宅で簡単に性病の検査ができます。

FemCHECKは婦人科医が作った、自宅で検査ができる郵送の性病検査キットです。

結果が陽性であった場合は、オンライン診療で診察からお薬の処方まで自宅で完結させることが可能です。

おりものの異常がある、性病の心配がある方は一度検査してみることをお勧めします。

以下のバナーから注文することができます。時期によっては品薄になる場合があるのでご注意ください。