「いつからピルを飲み始めれば、生理を遅らせられるの?」
「予定の直前でも生理日の移動を間に合わせたい」
大事なイベントに生理が重なると、生理痛や不快感などが気になり快適に過ごせない方もいるのではないでしょうか。
生理日を遅らせるために、「月経移動用ピル」を服用する方法があります。
この記事では、生理を遅らせるピルの詳細や飲み始めるタイミング、服用する際の注意点などを解説します。
正しくピルを服用し生理日を調整するためにも、ぜひ最後までご覧ください。
生理はピルで遅らせられる?

生理を遅らせるには、生理予定日の5〜7日前からピルを服用します。
生理の周期は一般的に25〜40日程度で、ホルモンの変化によって自然にリズムが保たれています。
旅行やイベントなどで「今回は生理をずらしたい」という時に、意図的にピルを使って意図的に生理開始日を早めたり遅らせたりするのが月経移動です。
生理を遅らせたい場合は中用量ピルを、早めたい場合は低用量ピルまたは中用量ピルを使用します。体質やスケジュールに合わせて選ぶことが大切です。
ルナレディースクリニックはオンラインで月経移動の診療を行なっています。診察からお薬の処方まで、すべてLINEで完結します。

生理を遅らせる場合のピルの服用方法

生理を遅らせたいときは、生理予定日の5〜7日前から延長させたい日まで、毎日1錠ずつピルを服用します。
たとえば、生理予定日が1月15日で生理を1月20日まで遅らせたい場合、ピルの服用開始日は予定日の5日前にあたる1月10日です。
服用を始めたら1月20日までの10日間は、毎日ピルを飲み続けます。
ピルを飲んでいる期間はホルモンを調整しているため生理が来ませんが、服用を中止すると2~3日後に生理が始まる仕組みです。
ピルの服用を途中でやめると生理日を思い通りずらせなくなるため、飲み忘れないように気を付けましょう。
生理を早める場合のピルの服用方法


ピルは生理を遅らせるだけでなく、早めることも可能です。
生理予定日を早めたいときは、直近の生理開始日から遅くても5日目までに「低用量ピル」または「中用量ピル」の服用を始めます。
ピルの服用期間は、10~14日間ほど必要です。
たとえば、生理が1月5日に始まった場合、遅くとも5日目の1月10日にはピルを飲み始め、19日までの10日間は1日1錠の服用を続けます。
ピル服用の開始が遅れると排卵が起こり、月経移動に失敗することもあるため、飲み始めるタイミングを誤らないよう注意しましょう。
また、服用期間が短いと効果が不十分なことがあることから、最低でも7日、長くて14日間の服用期間を確保することが一般的です。
生理を早めるのが良い?遅らせるのが良い?
直前の予定に対応したいなら、「遅らせる方法」、先の予定に対応したいなら「早める方法」がおすすめです。
生理を遅らせる方法は、予定日の3〜5日前から服用を始めることで、急な旅行やイベントなどにも柔軟に対応できます。ただし、ホルモンバランスが生理前のまま保たれるため、むくみ・眠気・情緒不安定など、PMSに似た症状が出やすい傾向があります。
一方、生理を早める方法は、事前に2〜3週間の準備期間が必要になります。すぐには実行できませんが、イベント当日は生理前特有の不調が少なく、コンディションが整いやすいのが魅力です。
生理を遅らせる・早めるときの注意点

生理日の移動を検討する際は、以下の3点に気を付けましょう。
【生理を遅らせる・早める時の注意点】
- 副作用が起こる可能性がある
- 生理の周期をできるだけ正確に把握する
- 生理をずらすことができない人もいる
それぞれ詳しく解説します。
副作用が起こる可能性がある
ピルを服用すると、以下のような副作用が発現する可能性があります。
【生理を移動させることによる副作用】
- むくみ
- 頭痛
- 眠気
- 吐き気
- 倦怠感
- 血栓症 など
ピルの服用中は生理前と同じ状態になるため、眠気や頭痛、倦怠感などといった副作用が現れることがあります。
これらの症状は一時的であることがほとんどですが、下記のような血栓症の症状が出た場合は、すぐに服用を中止して病院を受診しましょう。
【血栓症の症状】
- 手足のしびれや麻痺がある
- 息苦しさを感じる
- 強い頭痛や胸痛がある
- 片足が急激に腫れ、痛みだした
病状が悪化するとほかの病気を併発する恐れがあるため、これらの異変を感じたらすぐに病院へ向かってください。

「血栓症」と聞くと、とても怖い病気だと感じてしまいますよね。たしかに注意は必要ですが、月経移動のために中用量ピルを短期間飲むだけで血栓症になるリスクは、比較的低いとされています。
この記事にあるような極端な症状はごく稀なケースだと知っておくだけでも、少し安心できるかと思います。大切なのは、万が一の症状を知っておくことと、普段から水分をこまめに摂ることです。
血栓症の予防には、血液がドロドロにならないように1日1Lほどの水分補給や足のマッサージ、踵の上下運動といった軽い体操などが効果的です。
参考:厚生労働省:患者の皆様へ 血栓症
参考:一般社団法人 日本血栓止血学会:血栓症ガイドブック
生理の周期をできるだけ正確に把握する
生理をずらしたい場合は、普段からの生理周期をできるだけ正確に把握しておくことが大切です。
月経移動は、定期的な生理周期を基準にして生理を早めたり遅らせたりするものです。
日頃から生理周期が大幅にずれていると、適切なタイミングでピルの服用を始められず、月経移動に失敗するケースも想定できます。
生理周期がわからない方は、以下の方法で把握してみましょう。
- 生理開始日と次の生理が開始する前日までの日数をカウントする
- 基礎体温を測る
生理が始まると同時に低温期に入り、排卵が起こると高温期に突入し、その2週間後に生理が始まります。
それぞれの期間を記録すると大体の生理周期がわかるため、平均を出すためにも数ヶ月間は基礎体温を測ってみましょう。
「生理周期がわからない」「生理不順で次の生理の予測がつかない」という方は、生理日を早めるほうが月経移動の成功率が高くなります。
月経移動を確実に成功させたいのであれば、自分の生理周期をできるだけ正確に把握することが大切です。
生理をずらすことができない人もいる
ピルは誰でも服用できるわけではありません。
一定の病気を患っていたり副作用のリスクが高いと判断されたりした場合は、ピルによる月経移動は不可能です。
服用が認められないケースは、以下のとおりです。
- 妊娠中または授乳中である
- 子宮がんまたは乳がんを患っている
- 35歳以上で1日に15本以上喫煙している
- 過去にピルでアレルギーを発症したことがある
- 血栓に関連する病気を患ったことがある など
これらに当てはまらなくとも、医師が慎重に判断すべきと考える場合は処方できないことがあります。
健康状態が良好で高いリスクを伴わなければ、基本的には月経移動が可能です。
生理日をずらしたいからといって、問診で虚偽の回答をすることは危険な行為のため絶対にやめましょう。

「これを伝えたらピルを処方してもらえないかも…」と、問診で正直に話すことをためらうお気持ちはよく分かります。ですが、私たち医師は、あなたの大切な体を守るために質問をしています。安全に月経移動を行うことが、大事なイベントを心から楽しむための大前提です。
もしピルが服用できない場合でも、別の方法を一緒に考えられるかもしれません。まずは安心して、正直にお体のことをお聞かせください。
医師の指示のもと安全にピルを服用することが、月経移動の適切な対応といえます。
月経移動ピルの費用は?
月経移動ピルの費用は3,000〜6,000円前後が相場です。使用するピルの種類(中用量ピルなど)や、オンライン診療・対面診療のどちらを選ぶかによって料金が異なります。保険が適用されない自由診療のため、診察料込みのトータル費用で確認することが大切です。
ルナレディースクリニックでは、月経移動(ピル処方+診察料込み)で5,000円(税込)。患者様が安心してご相談いただけるよう、明確な料金体系を採用しています。

まとめ

生理を遅らせるときには「中用量ピル」の服用が効果的です。
突発的に生理を避けたい予定が入っても、生理予定日の5日前に服用を始めれば十分間に合うため、融通の利く方法といえます。
しかし、ピルでホルモン量を調整し生理日を移動することには、メリットとともにデメリットも存在します。
副作用のリスクも考える必要があるため、生理を遅らせたい方は必ず医師の診察を受けて、指示どおりにピルを服用しましょう。




