マイコプラズマは性病でもある?薬での治療についても解説

マイコプラズマと聞くと肺炎を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。マイコプラズマには、性感染症(性病)にあたる種類があります。名称は同じでも、原因となる菌が異なり、性感染症のマイコプラズマは症状が軽く、他の性感染症の症状にも似ているため、見過ごされることが少なくありません。

この記事では、性病のマイコプラズマについて、症状や感染経路・治療法・治療費用などを分かりやすく解説します。

マイコプラズマとは?

マイコプラズマというと、肺炎の原因菌(マイコプラズマ・ニューモニエ、M.pneumoniae)が連想されることが多いかもしれません。しかし、現在見つかっているマイコプラズマ属は124種類と4種類の亜種です。

種類によって体のどの部位に炎症が起こるかが異なります。性感染症の原因菌としては、マイコプラズマ・ホミニス(M.hominis)やマイコプラズマ・ジェニタリウム(M.genitalium)と呼ばれる菌が知られています。

2012年から日本でも検査が出来るようになり、2022年から保険適用になりました。

マイコプラズマ性感染症ではどんな症状が現れるかを解説します。

男性の症状

マイコプラズマが男性の性器に感染した際の症状は、以下のとおりです。

・性器の異臭

・排尿時の痛み

・尿道のかゆみ、違和感

・尿道から膿が出る(透明または乳白色)

・睾丸、股間の痛み

感染後1週間から5週間の潜伏期間があり、軽い性器のかゆみや排尿時の痛み、少量の膿が出る場合があります。放置すると症状は悪化し、精巣上体炎や前立腺炎・不妊など他の病気を引き起こすリスクが高まるため、注意が必要です。

また、肛門や咽頭にも感染する恐れがあり、咽頭に感染すると喉の痛みや違和感・咳などの症状が現れます。

性病のマイコプラズマは、クラミジアや淋病などと症状が似ています。加えて、まだ病気の知名度が低く、検査をしてもクラミジア・淋病共に陰性となり見逃されるケースもあります。

男性のマイコプラズマは女性に比べて症状が分かりやすいです。違和感や不安積極的に感がある場合は病院を受診しましょう。

女性の症状

マイコプラズマが女性の性器に感染した際の症状は、以下のとおりです。

・おりもの(膣分泌物)の増加、性状の変化、異臭

・性器周辺のかゆみ、異臭

・生理以外の出血

・性交時の痛み

・排尿時の痛み

・生理痛が重い

・下腹部の違和感

潜伏期間は、男性と同様1週間から5週間です。女性がマイコプラズマに感染した場合、軽症・無症状で感染に気づかない場合が多くあります。また咽頭や肛門への感染リスクは女性にもあり、性器に感染していなくても咽頭が感染しているケースもあるため注意しましょう。

症状を放置すると炎症が悪化し、卵管炎や骨盤腹膜炎を引き起こします。腹膜炎になると将来的に不妊症や子宮外妊娠などにつながる恐れがあります。少しでも異常を感じたら病院を受診し、早期発見に努めましょう。

マイコプラズマに使用する治療薬

マイコプラズマの治療には、マクロライド系やテトラサイクリン系・ニューキノロン系薬剤の抗菌薬(抗生物質)が用いられます。治療時は内服にて1週間ほど飲み続けることが必要です。

症状がなくなったからといって飲まなくなってしまうと、今度は抗菌薬に耐性がついた菌が繁殖する場合もあります。耐性がつかないように、きちんと飲み切りましょう。

マイコプラズマの感染が確認されたら1週間ほど内服薬を飲み続けて、2~4週間ほど経ったら菌の有無を調べて治療の効果を確かめます。再度陽性になれば、別の抗菌薬を用いて治療を行う流れです。

マイコプラズマの感染経路

肺炎のマイコプラズマの感染経路は飛沫感染ですが、性病のマイコプラズマはあらゆる性行為によって感染します。感染力自体は弱いとされていますが、菌が住みやすい粘膜が接触することで感染するのです。

感染しやすい性行為としては、オーラルセックス・セックス・性器同士の接触が挙げられます。咽頭への感染は、主にオーラルセックスやディープキスが原因です。

そのため、予防方法としてはオーラルセックスを含め、コンドームを正しく使用することです。ただし、コンドームを使用しても100%防げるわけではないため、注意しましょう。

マイコプラズマの検査方法

2012年から日本でも性病のマイコプラズマの検査が出来るようになり、2022年から保険適用になりました。

ただし、保険適用の場合、咽頭部の検査と性器の検査を同じ月にはできません。そのため、自費診療で検査を行うクリニックも多くあります。

最近では、直接病院にいかなくても、検査キットを使用した自宅での検査も可能です。


マイコプラズマの検査は、感染後24時間後から可能になります。PCR検査にてDNAを調べるため、結果の判明までには3~4日ほどかかることが多い傾向です。

検査方法は、咽頭であればうがい検査、肛門であれば綿棒による採取を行います。これらの検査は男女共通ですが、性器の検査は男性の場合と女性の場合で異なるため、それぞれ別にチェックしましょう。

男性の場合

男性の場合は、尿検査が必要です。尿検査では、健康診断で採る中間尿とは違い、初尿(出始めの尿)を採取して菌の有無を調べます。

正しい検査結果を得るため、尿道の菌が流れてしまわないように、尿検査の1時間前からトイレを控えましょう。

なお、自宅でも検査キットを使用し、尿道炎の検査が可能です。

検査結果は、病院で検査を受けた場合は約2~4日後、オンライン診療での検査キットを使用した場合は約1週間後に分かります。

女性の場合

女性の場合は、膣への感染の有無を調べるため、膣分泌物を綿棒でぬぐいとる検査が必要です。病院によって、自分でするか医師にやってもらうかを選べるところもあります。

検査結果は、病院での検査なら通常2~4日ほど、オンライン診療であれば1週間ほどで結果が出るようです。

検査費用

保険適用の場合の検査費用は1,100円程度(+初診料や診察料・処方料など)です。

検査できるのはマイコプラズマ・ジェニタリウムのみで、他の菌は適用外になります。

また、症状がある場合でないと保険適用にはなりません。そのため、無症状の方は、自由診療にて検査を受ける必要があります。

自由診療の費用はクリニックによってばらつきがあり、1部位の検査で7,700~11,000円程です。1部位から検体を採取してマイコプラズマ以外の性感染症も同時に調べるのであれば、11,000~22,000円程度かかります。

まとめ

性感染症のマイコプラズマの原因菌は、マイコプラズマ肺炎と別のものです。

マイコプラズマ性感染症は、他の性病と症状がよく似ているため検査をしても見逃されてしまったり、症状自体が軽いため見過ごされてしまったりする場合も少なくありません。しかし、悪化すると重症化したり女性の場合は不妊につながったりすることもある病気です。

マイコプラズマの検査や治療費は、保険適用されるかどうかで大きく異なります。しかし、最近では検査も手軽に受けられる上、しっかり治療を受ければ完治する病気です。喉や性器に異変を感じた場合は早めに受診し、他の菌だけでなくマイコプラズマ検査も受けてみましょう。

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