エイズに感染していたら?症状や感染確率について解説

エイズ(AIDS)とは、HIVと呼ばれるウイルスに感染すると発症する病気のことで、「後天性免疫不全症候群」と呼ばれます。HIVに感染すると、免疫能が低下しさまざまな病気を引き起こす恐れがあり、主な感染経路は性行為です。性行為の経験のある方であれば誰でも感染する恐れがあります。

この記事では、エイズに不安を感じる方向けに、エイズの特徴や予防方法などについて解説します。

HIV感染症(エイズ)とは?

HIV(Human Immunodeficiency Virus)は、「ヒト免疫不全ウイルス」のことを指し、このウイルスに感染した状態のことを「HIV感染症」と呼びます。

また、HIVに感染した人が「カンジダ症」や「トキソプラズマ症」といった合併症(23種類が存在)を発症した末期状態のことを「エイズ:AIDS(後天性免疫不全症候群)」といいます。

一般的に、HIVに感染すると数年間の潜伏期間(感染してるが無症状の期間)を経たあとに発症します。そのため、HIVの感染が疑われる場合は、早期に検査を受け早期発見・早期治療に努めることが重要です。

いきなりエイズ

「いきなりエイズ」とは、エイズを発症してから検査をして初めてエイズだとわかることです。

欧米をはじめとした海外の先進国の場合、エイズに関する教育や啓蒙活動が積極的に行われているため、エイズの感染者数は減少してきています。

しかし日本の場合、エイズに関する検査や治療体制が整っているにも関わらず、日本人のエイズに対する認知度が高くありません。早期発見されにくく、「いきなりエイズ」が比較的多い傾向にあります。

エイズの症状

HIVに感染してから2~6週間の感染初期では、風邪やインフルエンザに似た症状が現れることが多くあります。その後、症状は数週間程度で自然と消えていき、5~10年ほどの無症候期(症状が出ない期間)に入ります。

しかしその間、免疫力が次第に弱まっていき、エイズを発症するとさまざまな病気が併発してしまいます。

ここでは、感染初期と無症候期の特徴について解説します。

感染初期:感染から2~6週間

感染初期(感染から2~6週間の段階)は、いわゆる急性期にあたり、HIVに感染したおよそ50~90%の人になんらかの症状が現れます。症状は風邪やインフルエンザに似ており、具体的には以下のような症状が現れます。

・発熱

・リンパ節の腫れ

・咽頭炎

・皮疹(ひしん)

・筋肉痛

・頭痛

・下痢

感染初期では、上記のいずれかの症状が現れ、数週間程度で自然となくなるケースがほとんどです。また、感染初期の症状は風邪やインフルエンザに似ているため、HIV感染に気づかないケースも多くあります。

無症候期:感染から5~10年程度

HIVに感染すると、感染初期を経たあとに「無症候期(症状のない期間)」に入ります。一般的に、無症候期は5~10年程度とされていますが、それよりも早くエイズを発症するケースも報告されています。また、無症候期は症状がないものの、免疫力が次第に弱まっていきます。そして、エイズを発症すると、さまざまな疾病(日和見症候群:健康な状態では感染しないような弱い微生物による感染症)が併発します。なお、具体的な症状には以下のようなものがあります。

・急激な体重の減少

・著しい寝汗

・下痢

適切な治療を行わず放置すると、場合によっては数年で死亡することもあります。

原因・感染経路

主に性交渉によりウイルスが粘膜に触れることがきっかけで、HIV感染が起こります。

ただし、一般的にHIVの感染力は弱いため、性交渉以外の日常生活においては感染の心配は必要ないでしょう。

ここでは、HIVの原因や感染経路について解説します。HIVの原因や感染経路を正しく理解することで、感染予防に役立てましょう。

原因

HIVが人体に侵入すると、免疫の中心的な役割を果たす「CD4陽性リンパ球」という白血球に感染します。そして、感染したHIVはリンパ球のなかで増殖していき、新たなリンパ球に感染します。そのため、HIVは以下のようなリンパ球を多く含む体液などが感染源となります。

・血液

・精液

・膣分泌液

・母乳

なお、HIVは感染者の汗や唾液にも含まれていますが、含まれるウイルス量は非常に少ないため、日常的な行動で感染することはありません。

感染経路

HIVの感染経路には、以下の3つがあります。

  • 性行為による感染

HIV感染のなかで最も多い感染経路です。HIVを含む「精液」、「膣分泌液」、「血液」などが、性行為中に性器や肛門、口内などの粘膜や傷口から体内に入ることで感染します。

  • 血液からの感染

注射器の共用や輸血などが、感染経路になるケースもあります。現在の日本では、注射器は使い捨てや医療用血液は検査により、安全性が確保されているため、感染の心配はほとんどないといえます。

  • 母子感染

妊婦がHIVに感染している場合、妊娠中や出産をする際にHIVが赤ちゃんに感染することがあります。また、HIVは母乳にも含まれるため、授乳によって感染するケースもあります。しかし現代の日本では、妊娠の早い段階でHIV感染の有無が判明することがほとんどであり、適切な対策を実施できるため、赤ちゃんへのHIV感染は1%以下です。

エイズの感染確率

エイズへの感染の確率は、感染時のコンドームの使用の有無で異なります。

コンドームを装着せずに、アナルセックスや膣挿入による性行為を行った場合、感染率は0.1~1.0%程度です。しかし、ペニスに傷があったり、他の性病に感染していたりすると感染率は上がります。

感染率はあくまで目安と考え、適切に予防に努めましょう。

コンドームを使用しなかった場合の感染確率

ここでは、コンドームを使用しなかった場合の感染確率について、具体的な行為別に見ていきます。

感染リスク1回あたりの感染確率(%)
輸血90%
アナルセックス(受け入れ側)0.5%
アナルセックス(挿入側)0.067%
膣挿入(女性側)0.1%
膣挿入(男性側)0.05%
フェラチオ(受け入れ側)0.01%
フェラチオ(挿入側)0.005%

コンドームを使用せずにアナルセックスや膣挿入を行うと、感染確率が上がります。

特に肛門の粘膜は薄いため傷つきやすく、アナルセックスは膣挿入やフェラチオに比べ感染リスクが高くなります。

HIVを予防するには

HIVを正しく予防するには、以下の3点に気を付けることが大切です。

  • 性交時はコンドームを使用すること

HIVの感染リスクが一番高いのは性交時です。そのため、性病全般にいえることですが、性行為はコンドームを着用したうえで行い感染予防に努めましょう。

  • 体液が粘膜や傷ついた皮膚に触れないようにする

HIVが多く含まれるのは、精液や膣分泌液といった体液や血液です。そのため、体液や血液が「粘膜」や「傷のある皮膚」に触れると、そこからHIVが体内に侵入してしまうでしょう。そのため、体液が粘膜や傷のある皮膚に触れないように注意ことが大切です。

  • 不特定多数の人と性行為をしない

不特定多数の人との性行為は、HIVに感染するリスクを高めます。そのため、性行為は可能な限り信頼できるパートナーと行いましょう。

まとめ

HIVは、性行為の経験があれば誰でも感染するリスクがあります。そして、HIVに感染すると免疫機能が低下するためさまざまな病気を引き起こし、エイズを発症することもあるでしょう。エイズの代表的な症状として「急激な体重の減少」や「著しい寝汗」などがありますが、適切な治療をせず放置すると死に至ることもあります。

そのため、HIV感染について症状や原因などを正しく理解すると共に、日頃から感染予防に努める必要があるのです。

特に、HIV感染は性行為が原因であることが多いため、性交時におけるコンドームの使用など感染予防に努めることが、自分とパートナーを守ることにつながります。

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