HIV感染症はどのような症状が出る?感染経路や予防方法なども解説!

HIVとは「ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus)」のことで、さまざまな病原体から身体を守る役割を持っているTリンパ球やマクロファージなどに感染するウイルスです。HIVに感染した場合、適切な対処をしなければ、命に関わる可能性もあります。

この記事では、HIVに感染した際の症状や感染経路、予防方法について紹介します。

HIVとは?

先述の通り、HIVの正式名称は「Human Immunodeficiency Virus(ヒト免疫不全ウイルス)」で、各単語の頭文字を取って「HIV」と表記されます。

人間の身体には細菌・ウイルスから身体を守るための免疫細胞がありますが、これらの細胞にHIVの感染が及ぶことでさまざまな問題が起こるのです。

ここでは、HIVの感染状況や「エイズ」との違いを紹介します。

HIVの感染状況

厚生労働省の「エイズ動向委員会」のデータによると、2021年時点のHIV罹患率は男性614名、女性が10名で合計624名です。HIV感染者の中でAID(エイズ)患者は、男性260名、女性3名で、計263名です。

上記の通り、HIV感染者およびエイズ患者は女性よりも男性の方が多いです。

HIVとエイズの違い

簡単にいうと、HIVはウイルス、エイズは病気のことです。

AIDS(エイズ)とは、「Acquired immune deficiency syndrome(後天性免疫不全症候群)」のことで、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染し、免疫機能が破壊されてさまざまな感染症を発症する状態を指します。

エイズは、HIVに感染してから厚生労働省が定める「エイズ指標疾患」のいずれか一つに罹患した場合に診断されます。エイズ指標疾患にはニューモシスチス肺炎やサイトメガロウイルス感染症、カンジダ症、活動性結核などを含めた23種類あります。

HIVに感染してからエイズ発症までの期間は6ヵ月~10年以上と個人差があります。

HIVにおける3つの感染経路

HIVの感染経路は、以下の3つに分けられます。

  • 性的接触による感染
  • 血液感染
  • 母子感染

HIVは、ヒトの血液や精液、母乳、膣分泌物などの体液に存在します。

HIV自体は非常に感染力が弱いウイルスのため、血液や体液を介した接触がない限り、日常生活において感染するリスクは低いといえるでしょう。

ここでは、これら3つの感染経路とそれぞれの予防法を紹介します。

性的接触による感染

上述のとおり、HIVは性行為において分泌される血液・精液・膣分泌物などの体液に存在するため、性行為やオーラルセックスで感染するパターンが多数を占めます。HIVを含んだ体液が相手の肛門や性器、口などの粘膜や傷口に付着することで、感染する可能性があります。

予防法としては、コンドームを正しく使用することが重要です。

血液感染

日本の医療機関や献血会場では使い捨ての注射針を使用しているため血液感染のリスクは低いものの、HIVを含んだ血液の輸血や、臓器提供で感染するケースもあります。

仮に注射針の使い回し事故が起こった場合や、HIV感染者の血液を輸血された場合には、2時間以内に抗HIV薬の予防内服によって感染の確率を下げられます。

母子感染

HIVに感染した女性が妊娠した場合、おなかの赤ちゃんまで感染する胎内感染や、出産時の産道感染、母乳哺育からの感染の可能性があります。

母子感染は、妊娠初期のHIV検査・妊娠中の抗HIV療法・陣痛初来前の帝王切開・帝王切開時のAZT(エイズ治療薬)点滴・出生児へのAZTシロップ予防投与・人工乳哺育といった予防が可能です。

しっかり予防することにより、母子感染の可能性は0.5%未満に抑えられるといわれています。

HIV感染症の症状

HIVに感染した場合の症状は、以下の3段階に分けられます。

  • 感染初期
  • 無症候期
  • 発症期

感染初期

HIVに感染してから2〜6週間は初期の段階であり、この段階で症状が出るのは50〜90%ほどです。インフルエンザに似たような症状で、発熱や咽頭炎、リンパ節の腫れ、皮疹、筋肉痛、頭痛、下痢といった症状が現れます。

これらの症状は数週間で消え、次項で解説する無症候期に入ります。

症状が軽いため、風邪やインフルエンザと自己診断してしまいがちです。

無症候期

個人差はありますが、HIV感染から5年〜10年ほど何の症状も出ない状態が続きます。この時期は無症状であるため、検査を行わない限り自分がHIV感染者であることはわかりません。

症状が出なくてもHIVは体内で増殖しており、徐々に免疫力は下がっていきます。

発症期

感染から治療を受けないまま免疫力がある程度まで低下すると、エイズを発症する可能性が高くなります。エイズであると診断する基準としては、以下の23種類の疾患のうちいずれかを罹患した場合と定められています。

1.カンジダ症(食道、気管、気管支、肺)2.クリプトコッカス症(肺以外)3.コクシジオイデス症 ※全身に播種した場合※肺、頚部、肺門リンパ節以外の部位に発症した場合4.ヒストプラズマ症※全身に播種した場合※肺、頚部、肺門リンパ節以外の部位に発症した場合5.ニューモシスチス肺炎6.トキソプラズマ症※生後1ヵ月以後7.クリプトスポリジウム症※1ヵ月以上下痢が続いた場合8.イソスポラ症※1ヵ月以上下痢が続いた場合9.化膿性細菌感染症※13歳未満で、ヘモフィルス、連鎖球菌などの化膿性細菌が原因である「敗血症」「肺炎」「髄膜炎」「骨関節炎」「中耳・皮膚粘膜以外の部位や深在臓器の膿瘍」のいずれかが2年以内に2つ以上多発した場合、あるいは繰り返し起こった場合10.サルモネラ菌血症※再発を繰り返す場合※チフス菌によるものを除く11.活動性結核※肺結核・肺外結核肺(肺結核については、免疫不全による症状や所見がみられる場合に限る)12.非結核性抗酸菌症※全身に播種した場合※肺、皮膚、頚部、肺門リンパ節以外の部位に発症した場合13.サイトメガロウイルス感染症※生後1ヵ月以後の場合で肝、脾、リンパ節以外に発症した場合14.単純ヘルペスウイルス感染症※1ヵ月以上継続する粘膜、皮膚の潰瘍を呈する場合※生後1ヵ月以後に気管支炎、肺炎、食道炎を併発した場合15.進行性多巣性白質脳症16.カポジ肉腫17.原発性脳リンパ腫18.非ホジキンリンパ腫※大細胞型、免疫芽球型、Burkitt型の場合19.浸潤性子宮頚癌※免疫不全を示唆する症状や所見がみられる場合

HIV感染症の潜伏期間

ここでは、初期症状までの潜伏期間とエイズ発症までの潜伏期間に分けて解説します。

初期症状までの潜伏期間

HIVに感染してから2~6週間の潜伏期間を経て、「急性初期感染期」と呼ばれる期間に入り、症状が顕在化します。

風邪やインフルエンザに似た症状のため、感染に気づきにくいのが危険なポイントです。

エイズ発症までの潜伏期間

HIVに感染して適切な治療を受けないまま5年~10年、人によっては15年ほど経つと、病原体への抵抗力を担ってるリンパ球の破壊が進み、免疫不全を起こします。その結果、カポジ肉腫やニューモシスチス肺炎、神経症状など、命に関わる重大な症状が出現し、エイズ発症と認められます。

このエイズ発症までのHIV潜伏期間は症状が出ないため、自覚することが非常に困難です。

HIVの検査方法

HIVでは、血液を採取して抗体ができているかを確認する血液検査を行います。

感染してもすぐに抗体ができるわけではないため(この時期をウインドウピリオドと呼ぶ)、感染の可能性のある機会から3ヵ月以上経過してから検査を受ける必要があります。

HIVの治療方法

HIV治療には、3~4種類の抗HIV治療薬を組み合わせて内服する多剤併用療法(カクテル療法)が基本となります。以下は、カクテル療法に使用される薬剤の一部です。

核酸系逆転写酵素阻害薬剤(NRTI)

  • ジドブジン(AZT)
  • サニルブジン(d4T)
  • アバカビル(ABC)
  • ザルシタビン(ddC)
  • ジダノシン(ddl)
  • ラミブジン(3TC)

プロテアーゼ阻害薬(PI)

  • サキナビル
  • リトナビル
  • インディナビル
  • ネルフィナビル
  • アンブレナビル

非核酸系逆転写酵素阻害薬剤(NNRTI)

  • ネビラビン
  • エファビレンツ

最近の抗HIV薬は、以前と比べて治療効果が高まっており、一定の条件を満たす患者では2種類の薬でも3種類服用する治療法と同等の効果が得られるとされています。ウイルスが十分に抑制されている場合は、1~2ヵ月の間に1回のペースで筋肉注射を受ける治療法もあります。

HIVを予防するためには?

HIV感染予防のためには、感染を疑った段階で検査を受けることが重要です。検査には「スクリーニング検査」と「確認検査」の2つの段階があります。2段階検査の必要性としては、スクリーニング検査だけでは「偽陽性」が0.3%の確率で出ることがあるためです。

スクリーニング検査は、以前まではHIV抗体を調べるELISA法、IC法がありましたが、近年では抗原と抗体を同時に測定できる方法が開発されています。確認検査は、以前はウェスタンブロット法(WB法)もしくはRT-PCR法がメジャーでしたが、現在ではIC法を改良した「HIV-1/2抗体確認法」が推奨されています。

即日検査

前述したスクリーニング法の中には、検査したその日に結果を知ることができるものがあります。これを「即日検査」と呼びます。スクリーニング検査で陽性だった場合、確認検査を行い結果が出るまで1週間以上かかることが一般的です。

そのため、即日検査を受けて陰性だった場合は当日に結果を知ることができますが、陽性だった場合にはある程度の時間を要します。

プレ検査

民間企業などで行われる検査を「プレ検査」と呼びます。インターネットを使用して検査の申し込みを行い、郵送されてきた検査キットで本人が自宅で採血をして返送し、検査結果を知るという仕組みです。

検査キットは、周囲を気にせず検査ができることや、検査までの手間が少ないなどのメリットがあります。しかし、信頼性は会社によって異なるため、病院での検査を前提とした検査方法でしょう。

まとめ

一昔前まではHIV感染は死に至る病気とされていましたが、現代では医療の進歩により、感染後もウイルスの増殖を抑え、症状を出さないようにすることができるようになりました。しかし、カクテル療法などの長期服用により肝臓障害などを引き起こす場合もあり、「慢性疾患」としてのHIVの脅威は残ります。

感染が疑われる場合は、まず検査を受けて早期発見することがポイントです。ぜひこの記事を参考に、感染予防に努めてください。

医療機関へ行くのが難しい方は自宅で検査できる「FemCHECK」がおすすめ

医療機関へ行くのが恥ずかしい、忙しくて病院へ行く時間が確保できない方はFemCHECKで自宅で簡単に性病の検査ができます。

FemCHECKは婦人科医が作った、自宅で検査ができる郵送の性病検査キットです。

結果が陽性であった場合は、オンライン診療で診察からお薬の処方まで自宅で完結させることが可能です。

おりものの異常がある、性病の心配がある方は一度検査してみることをお勧めします。

以下のバナーから注文することができます。時期によっては品薄になる場合があるのでご注意ください。