中絶できる週数と妊娠週数の計算方法

中絶手術をできるのは、母体保護法という法律によって妊娠22週未満(21週と6日)までです。22週目以降の中絶は、日本では認められていません。

また、手術を行えるのは、母体保護法指定医師がいる医院に限られます。

妊娠12週未満の場合と、12週〜22週未満の場合とでは、手術の方法や、必要な手続きが異なります。

望まない妊娠が分かってから、限られた時間で中絶を決断するのは気持ちが進まないかもしれませんが、まずは早めに産婦人科に相談しましょう。

本記事では、妊娠週数による中絶方法の違いや妊娠週数の数え方などについて詳しくお伝えいたします。

中絶手術はいつまで可能か

望まない妊娠をしてしまった場合に、何週までならおろせるのか、心配な方もいらっしゃるかと思います。

日本では、母体保護法という法律によって、妊娠22週未満であれば中絶手術を受けられると定められており、それ以降の中絶は認められていません。

22週を過ぎた中絶ができない理由は、母体に大きな負担がかかることが大きな理由ですが、ほかにも倫理的な側面があります。

中絶手術は、あくまで母体が危険にさらされている場合や、生まれてきた赤ちゃんを育てられない事情がある場合に認められている行為です。そのため、赤ちゃんが母体の外では生存できない時期に行うことが前提となります。

医療技術が発達した現在、22週を超えると、母体の外で赤ちゃんが生存できる可能性が高まるため、倫理的な問題も踏まえて、22週以降の中絶が禁じられているのです。

参照元:日本産婦人科学会「母体保護法

中絶手術はいつからできるのか

中絶手術は、妊娠6週目から可能です。

生理予定日から1週間以上、生理が遅れたら、まずは市販の妊娠検査薬で調べてみましょう。

妊娠検査薬で陽性反応が出た場合は、妊娠を望む・望まないにかかわらず、速やかに産婦人科や婦人科を受診することをおすすめします。

中絶をするかしないかの気持ちが固まっていなくても、正確な妊娠週数を知るために、早い段階で検査を受けることが大事です。

妊娠週数による中絶方法の違い

中絶方法の違い妊娠初期の中絶方法妊娠中期の中絶方法
いつから妊娠6週以降妊娠12週以降
いつまで妊娠12週未満(11週と6日まで)妊娠22週未満(21週と6日まで)
手術方法吸引法
掻爬(そうは)法
※当院は吸引法を用います
分娩
※当院では対応しておりません
母体保護法による分類人工妊娠中絶人工死産
対応できる医療機関母体保護法指定医が在籍するクリニックまたは病院母体保護法指定医が在籍する入院設備があるクリニックまたは病院
入院日帰り1~3日※個人差あり
所要時間15分程度術前処置を含めると1日以上
費用12万円30~50万円程度
※当院では対応しておりません
痛み麻酔を使用するため、痛みはほぼありません出産時と同程度の痛みを伴います
同意書ご本人と相手男性の署名・捺印が必要
※相手が分からない、あるいは死亡している場合や、性犯罪による妊娠の場合は本人の同意のみだけでよい
ご本人と相手男性の署名・捺印が必要
※相手が分からない、あるいは死亡している場合や、性犯罪による妊娠の場合は本人の同意のみだけでよい
死産届不要役所への提出が必要
埋葬不要必要

参照元:日本産婦人科学会「母体保護法

中絶費用に関する詳しい情報はこちらの記事で確認できます。

妊娠初期:妊娠6~12週未満(11週と6日)まで

妊娠期間の数え方には、週数と月数があります。

週数の場合は「満」何週か、月数の場合は「数え」何ヶ月かでカウントします。

妊娠初期6~12週(11週と6日)は、月数で数えると妊娠2〜4ヶ月にあたります。

妊娠初期の中絶手術の方法には、掻爬(そうは)法と吸引法の2種類があります。

掻爬(そうは)法は、子宮口を開いた状態にして、スプーン状の器具で子宮の内容物を取り除く方法です。

吸引法は、ストロー状の器具を子宮内に挿入し、胎児や胎盤を吸い取ります。

いずれも麻酔を使用し、ほぼ無痛で行えますが、吸引法の方が短時間で済み身体への負担が少ないことから、当院は吸引法を採用しています。

なお、海外では、経口妊娠中絶薬を用いて行う中絶方法も認められていますが、国内では承認されていません。

これは、手術を要するほどの出血が起こる例も報告されており、安全性が確保できているとはいえないためです。

厚生労働省のホームページや報道機関などでは、医療機関を受診せずに傾向妊娠中絶役を個人輸入して使用することの危険性が呼びかけられています。

参照:厚生労働省「個人輸入される経口妊娠中絶薬(いわゆる経口中絶薬)について

中絶手術に関して詳しく知りたい方はこちらの記事をご確認ください。

妊娠中期:妊娠12~22週未満(22週と6日)まで

妊娠中期である12~22週未満は、月数換算では妊娠4〜6ヶ月にあたります。

この時期以降の中絶は中期中絶といわれ、初期中絶とは手術の方法も異なるほか、法律上の手続きも必要です。

中期中絶の場合の手術では、まず、子宮頚管を拡張する(子宮口を開く)処置を行います。

その後、陣痛促進剤(子宮収縮剤)を投与し、人工的に流産させるのが一般的な流れです。

妊娠初期の中絶手術とは異なり、通常の分娩と同程度の痛みが伴ううえ、合併症のリスクも高まります。

また入院が必要なため、費用面でも負担が大きくかかります。出産育児一時金を受け取れますが、手術費用以外に入院費用、各種の手続き費用がかかり高額の負担になるのです。

中期中絶は死産扱いとなるため、役所に死産届を提出しなければなりません。その後は、死胎火葬許可証の交付を受け火葬を行います。火葬後は、埋葬許可証を受け取り、お寺などで埋葬を依頼しましょう。

これらの負担を考えると、出産が難しい状況が判明した場合には、妊娠12週を超えないうちに決断できるよう、できるだけ早めの受診と相談をおすすめします。

妊娠週数の数え方

妊娠週数の計算方法は、最終月経日から割り出す方法と、超音波検査による方法があります。

最終月経の初日から280日目を出産予定日としますが、生理の周期が安定していない場合、大きなずれが生じることもあります。

そのため、妊娠12週未満の時期に超音波検査行い、CRL(胎児頭殿長/赤ちゃんの頭からおしりまでの長さ)を測り、そこから、より正確な妊娠週数と出産予定日を割り出します。

妊娠週数の数え方最終月経日から計算超音波検査による算出
計算方法最後に生理が始まった日を妊娠0週0日とするCRL(胎児頭殿長)から算出する。12週以降はBPD(頭の横幅)から算出する。
メリット生理日さえ分かれば計算できる正確
デメリット生理不順の場合計算しにくいクリニックや医院での診察が必要

最終月経日から計算する方法

最後に生理が始まった日を妊娠0週0日とする

最終月経日から妊娠週数を計算する場合は、直近の生理日を0日目として計算します。

この方法では、最終月経日から14日目に排卵することを前提として、出産予定日を割り出す方法です。

もともと生理不順の方は、排卵の時期がずれる可能性があるので、出産予定日はあくまで目安と考えましょう。

数えるときは生理中が1週目にあたり、排卵が2週目の終わりになるため、最初の2週間は着床も受精もしていない時期ということになります。

また、市販の妊娠検査薬が反応するのは、妊娠5週目からです。

妊娠したときに分泌されるhCGホルモンが尿中に含まれている場合に陽性反応となるしくみのため、はっきりとした反応が出るのは、生理予定日の1週間後(妊娠5週目)となるのです。

超音波検査によって計算する方法

超音波(エコー)検査を行いCRL(胎児頭殿長)から算出する

超音波(エコー)によって妊娠週数を計算する場合、CRL(胎児頭殿長/赤ちゃんの頭からおしりまでの長さ)を測定し、そこから出産予定日を割り出します。

CRLとは、Crown(頭の先)・Rump(お尻)・Length(長さ)の頭文字をとったものです。

超音波(エコー)によって割り出した妊娠週数は、最終月経日から計算したものと異なることもあります。

これは生理不順がなく健康な方でも、排卵日は多少ずれることがあるためです。

妊娠8~11週の胎児のCRLにはほぼ個人差がないため、この時期に行う超音波(エコー)用いた算出方法は最も誤差がないとされています。
妊娠12週以降では、BPD(児頭大横径)を測定します。
BPDは、Biparietal(両頭骨頂) Diameter(直径)の頭文字をとったものです。

人工妊娠中絶手術は22週目を超えたら受けられない

日本では、妊娠22週を超え場合は出産しなければなりません。

妊娠22週以降の中絶が禁じられている理由としては、母体への負担が大きすぎることと、倫理的な問題があります。

妊娠初期の中絶手術は、身体や金銭面の費用が少ないのですが、妊娠中期の中絶手術は段違いに負担が大きくなります。

中絶を希望する方は早ければ早いほど、負担が減るため、できる限り妊娠11週と6日までに手術を行いましょう。

妊娠22週目を過ぎてしまっていて中絶できずに出産した方のなかには、どうしても赤ちゃんを育てられないご事情などを抱えている方もいます。

さまざまな事情で子供を育てられない場合は、子宝に恵まれなかったご夫婦と「特別養子縁組」を組んで赤ちゃんの未来を託す方法もあります。全国の児童相談所で、特別養子縁組に関する相談ができます。

児童相談所

全国共通ダイヤル ♯189

参照:日本産婦人科学会「母体保護法」

厚生労働省「思いがけない妊娠にとまどうあなたへ

法務省「特別養子縁組の制度が利用しやすくなります

診療内容

※ 当院では、更年期障害治療・専門的な不妊治療は行っておりません