人工妊娠中絶とは|手術できる期間や種類・費用・リスク・初期中絶の流れ

望まない妊娠をしてしまったときの選択として人工妊娠中絶が挙げられます。中絶を検討する中で「いつまでに手術をすればよいのか」「費用の負担は大きいのか」など、さまざまな不安や疑問を抱えていませんか?

この記事では、中絶手術にかかる負担やリスク、手術方法など中絶手術に関して網羅的に解説しています。中絶は手術できる期間が定められているため、理解を深めて早期に決断する必要があります。

中絶を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

中絶(人工妊娠中絶手術)とは

中絶とは、胎児を人工的に母体から取り出す手術のことです。妊娠継続により母体に危険が及ぶ場合や、経済的問題がある場合に行います。

母体保護法により中絶を受けられる期間は決まっているため、中絶手術を受けるのであれば早めに決断し、早急に医療機関を受診する必要があります。

中絶手術は、母体保護法の指定医師しか行えません。かかりつけの医療機関やクリニックでは、手術を受けられない可能性があるため注意しましょう。

中絶できる期間・時期

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中絶できる期間は「妊娠22週(21週6日)未満」です。母体保護法で「胎児が、母体外において、生命を保続することのできない時期に、人工的に、胎児及びその附属物を母体外に排出すること」と定められているためです。

中絶期間は、妊娠週数によって以下のように「初期中絶」と「中期中絶」に分類されます。

時期分類
妊娠6週~妊娠12週(11週6日)初期中絶
妊娠12週~妊娠22週(21週6日)中期中絶

初期中絶と中期中絶では胎児の大きさに差が生じるため、手術方法や付随するリスクも異なります。

 


初期中絶中期中絶
手術方法吸引法や掻爬(ソウハ)法人工的な陣痛を起こす
かかる時間15分程度(日帰り)1日程度(要入院)
かかる費用比較的低い比較的高い
母体へのリスク比較的少ない比較的大きい
役所への届出不要必要



初期中絶は、時間や費用があまりかからないうえ、母体へのリスクが低いのが特徴です。

一方、中期中絶の段階になると胎児が大きくなり、入院を必要とする手術を行うため費用の負担やリスクが重くなります。

母体へのリスクを可能な限り抑え、費用の負担を減らすためにも、中絶を行う場合は妊娠12週未満までに手術ができるように進めましょう。当クリニックでは、安全面や経済的な観点を考慮し、12週未満の初期中絶に対応しています。

引用:日本産婦人科医会|母体保護法

中絶の方法の種類

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初期中絶には、以下のとおり「吸引法」と「掻爬法」の2種類が存在します。

種類内容
吸引法子宮の内容物を吸い出す方法
掻爬(ソウハ)法子宮の内容物を掻き出す方法

上記の手術方法は、どちらも母体へのリスクが低く、日帰りで帰れる手術です。

一方で中期中絶の手術は、陣痛促進剤で人工的に陣痛を起こして胎児を取り出すため、母体への負担が大きく入院を伴います。高額な費用がかかるうえ、役所への死亡届の提出や埋葬なども必要になり、心理的にも重い負担がのしかかると考えられます。

当クリニックでは、母体へのリスクや心理的負担を踏まえ、中期中絶を行っていません。
すでに妊娠12週目に突入している場合は、中期中絶に対応している医療機関を早急に見つけましょう。

ここからは、当クリニックでも行っている初期中絶について詳しく解説していきます。

吸引法

吸引法とは、ストロー状の医療器具を用いて、子宮内から胎児や胎盤などを吸い出す手術方法です。世界的にも推奨されている最も安全な中絶方法です。

吸引法のメリットとデメリットは、以下とおりです。

メリットデメリット
・前処置が不要
・麻酔が使える
・痛みが少ない
・出血が少ない
・手術時間が短い(日帰りで可能)
・導入している医療機関が少ない
・1日に実施できる回数が少ない(電動の場合)
・感染症のリスクがある(電動の場合)



吸引法の最大のメリットは、安全性が高い点です。痛みや出血が少なく、麻酔によって痛みを最低限に抑えられるため、母体へのリスクや負担が少ないのが特徴です。短時間の手術かつ入院も不要で、生活への支障が少なくすみます。

大きなデメリットとして挙げられるのは、電動の器具を使った場合に生まれる感染症のリスクです。

当クリニックでは、感染症のリスクが極めて低い「手動真空吸引法」を用いています。手動真空吸引法は、滅菌された使い切りの製品を使用するため、安全に手術を行えます。

掻爬(ソウハ)法


掻爬法とは、胎盤鉗子やスプーン状の医療を用いて、子宮内から胎児や胎盤などを掻き出す手術方法です。

掻爬法のメリットとデメリットは、以下とおりです。

メリットデメリット
・麻酔が使える
・痛みが少ない
・日帰りでできる
・導入している医療機関が多い
・炎症や出血のリスクが高い
・前処置が必要



掻爬法のメリットは、吸引法同様、高い安全性が確立されている点です。また、導入している医療機関が多いため、中絶手術の予約が取りやすい傾向にあります。

一方、炎症や出血のリスクが高いというデメリットも存在します。掻き出す際に器具で子宮内を傷付ける可能性があるため、不安な場合は経験豊富な医師の手術を受けるとよいでしょう。

中絶手術のリスク

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中絶手術後には、以下のような症状や後遺症を発症するリスクがあります。

  • •出血
  • •腹痛
  • •発熱
  • •感染症
  • •中絶後遺症候群(PAS)

術後は、子宮内に溜まった血が出てきたり子宮収縮による腹痛が起きたりしますが、一時的なものであるため過度に心配する必要はありません。
多量の出血や強い痛み、発熱が何日も続くようであれば、なんらかの感染症や異常が起きている可能性があるため、早急に医療機関を受診してください。

中絶後の出血が収まる頃に排卵が始まるケースもあるため、性交渉するときは望まない妊娠をしないように必ず避妊しましょう。

身体的な症状のほかには「中絶後遺症候群(PAS)」という精神的な症状が現れる場合もあります。中絶に対して強いストレスを感じると発症するため、気持ちの整理がつかないときは身近な人や医療機関に相談して心のケアに取り組みましょう。

中絶手術を受けると「今後の妊娠に影響が出るのではないか」と心配する方もいますが、中絶によって妊娠確率が低下したり、不妊症になるリスクが高まったりすることはありません。

中絶手術の費用

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中絶手術は、保険適用外になるため全額実費負担になります。
当クリニックの中絶手術費用を以下にまとめました。

ルナレディースクリニックの中絶手術の費用

項目費用(税抜)
事前検査料(超音波検査+血液検査)15,000円
手術費用84,000円〜
術後の診察(1回目)0円
術後の診察(2回目)0円



術前検査が複数回必要になった場合、上記の費用に加えて2回目以降の検査費用が発生します。

支払いは中絶手術当日ですが、現金払いだけでなくクレジットカード払いにも対応しているため、まとまった費用をすぐに用意できない場合でも安心して手術を受けていただけます。

当クリニックの中絶費用に関しては、以下のページで詳しく解説しています。
人工妊娠中絶の手術費用

中絶手術を受ける際の流れ

中絶手術は、基本的に以下の流れで行われます。

ご予約

② 初回診療

③ 手術当日

④ 術後診察1回目

⑤ 術後診察2回目

具体的に見ていきましょう。

予約~初回診療

予約から初回診療までは、以下の流れに沿って行われます。

ご予約

② ご来院

③ 受付(問診票の記載)

④ 診察(超音波検査・血液検査)

⑤ 手術内容の説明(同意書のご提出)

⑥ 手術日の予約

⑦ 初診料のお支払い

来院後は問診表を記入します。前回の生理日を書く必要があるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

診察では、超音波検査や血液検査を行い、子宮内や体の状態、病気の有無などを確認します。手術についての説明を受ける際は、疑問が残らないようにしっかり聞き、不安なことは医師に質問することをおすすめします。

手術(吸引法)当日

吸引法で行う場合の中絶手術当日は、以下の流れで進んでいきます。

① ご来院

② お会計

③ 点滴・麻酔

④ 手術(15分程度)

⑤ 手術後に2時間ほど休む

⑥ 術後検診の予約

手術の6時間前から絶食、3時間前から水分を控える必要があります。また、マニキュアやジェルネイルをしていると、指で測る酸素飽和度が適切に判断できなくなるため、綺麗に落としておきましょう。

手術自体は15分程度で終了しますが、体の回復を待つため2時間ほど休む必要があります。

手術後~術後診察

中絶手術後は体への負担を考慮して、車の運転を避けたり家事を控えたりして安静に過ごしましょう。

仕事開始時期は、仕事内容や体の状態によって異なるため、医師に相談して決める必要があります。

当クリニックでは、十分な経過観察のために術後診察を2回設けています。

術後診察の費用は手術代に含まれているため、追加費用の心配もなく安心して受診いただけます。

術後に激しい腹痛や高熱を発症した場合は、術後診察を待たず早急に受診してください。
注意すべき症状や後遺症については、以下のページで確認しておきましょう。
中絶手術後の注意点|症状や後遺症、生理や妊娠について

中絶手術を受けるのに必要なもの

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中絶手術を受ける際に必要なものは、以下の5点です。

  • ✅ボックス身元確認書類
  • ✅同意書(配偶者やパートナーのサイン・印鑑があるもの)
  • ✅未成年の場合は保護者の承諾書
  • ✅夜用ナプキン3枚程度
  • ✅生理用ショーツ

本人確認のための身元確認書類や、母体保護法で定められている同意書の提出が不可欠です。術後の出血に備えて夜用のナプキンや生理用ショーツも忘れず用意しましょう。

身元確認書類は保険証がおすすめ

中絶手術で使う身元確認書類には、保険証を提出するとよいでしょう。感染症が判明した場合、保険適用の治療を受ける可能性があるためです。

身元確認書類は運転免許証やパスポートでも問題ありませんが、万が一のときのために、受診する際は保険証を必ず持参しましょう。

同意書は法律による提出義務あり

中絶手術の同意書の提出は、母体保護法で定められているため必須事項です。同意書には本人の署名はもちろん、配偶者またはパートナーのサインも必要です。手術を受ける方が未成年の場合は、親の同意書も追加で提出します。

なお、性被害にあった場合や相手と連絡が取れない場合は同意書が不要になるため、医療機関に伝えておく必要があります。性被害にあわれた方は、警視庁が設置した相談窓口(#8103)の利用を検討してみましょう。

相談窓口ではカウンセリングを始め、金銭面の負担についての相談に乗ってくれます。
参照元:警視庁|性犯罪被害相談電話(全国統一)「#8103(ハートさん)」

<ルナレディースクリニック>

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