「最近、おりものがペタペタしているけど……もしかして妊娠初期の兆候?」と気になって調べている方も多いのではないでしょうか。このような変化が妊娠超初期によくあることなのか、それとも生理前の症状なのかを知ることで、心の準備がしやすくなります。
結論から言うと、おりものの変化は妊娠の最も早いサインのひとつと言えます。また、妊娠初期のおりものが「ペタペタ」していると感じる人もいます。
※おりものの変化の有無、変化の内容には個人差があります。
この記事では、妊娠超初期のおりものの特徴をわかりやすくまとめました。この記事であなたの疑問や不安を解消していきましょう。
※妊娠初期と生理前のおりものは、とてもよく似ているため、見た目や量の違いだけで妊娠を確定することはできません。 あくまで「体のサインのひとつ」として受け止め、正確な確認は妊娠検査薬や医師の診察に委ねましょう。
妊娠超初期のおりものの特徴(量・色・性状・匂い)

妊娠が成立すると、ホルモンの分泌が急激に変化し、体は妊娠を維持するための準備をはじめます。その影響で、おりものの量や色、性状、匂いにもさまざまな変化が現れます。妊娠超初期のおりものの特徴を知ることで、自分の体の変化に気づきやすくなります。
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【量】増える?それとも減る?
妊娠超初期は、卵巣から分泌される「エストロゲン」という女性ホルモンが増える影響により、おりものの量が増える場合が多いです。普段より下着が少し湿ると感じたり、ライナーが必要になるほど量が増えることもあります。
ただし、すべての方が同じように増えるわけではありません。妊娠初期におりものが急に減ると感じる場合もありますが、これはホルモンバランスの変化や子宮内の環境の調整による自然な現象です。妊娠超初期におりものの量が少ないからといって、すぐに心配する必要はありません。
妊娠超初期のおりものは、多い人もいれば少ない人もいるなど個人差があります。あまり心配しすぎないで様子を見守りましょう。
【色】白、黄色、ピンク、茶色…注意すべき色は?
妊娠超初期のおりものは、白っぽく濁った色や黄色の場合が多いとされています。普段と少し違う変化を感じても、体がホルモンの影響で変化しているサインのひとつなので、あまり心配しすぎないで大丈夫です。
ただし、次のような色や状態のおりものには注意が必要です。
- 濃い黄色や黄緑色でかゆみを伴う場合
クラミジア感染症、トリコモナス膣炎などの可能性があります。 - 白く、酒粕(さけかす)状やカッテージチーズ状の塊が出る場合
カンジダ症のサインかもしれません。
妊娠初期のうっすらと茶色いおりものやピンクのおりものは、着床出血の可能性もあります。ただし、鮮血が大量に混ざっていたり、量が多い場合は、切迫流産などのリスクも考えられるため、早めに産婦人科で相談することをおすすめします。

【性状】「ペタペタ」「水っぽい」など質感の違い
妊娠超初期には、おりものの性状に変化があらわれることがあります。基本的には、白く濁ったような色をしており、さらっとしている場合が多いようです。
人によっては、妊娠初期の水っぽいおりものがよく伸びて、「ペタペタする」と感じた方もいるようです。とろりとした卵白のようなおりものも妊娠超初期に見られることがあり、他の体調の変化や症状とあわせて判断することが大切です。
【匂い】少し酸っぱい匂いは妊娠のサイン?
妊娠初期のおりものの変化は、個人差も大きく、においも人によって感じ方が異なります。生理前のおりものに比べて、妊娠超初期のおりものは酸っぱい匂いがきつくなることがあります。これは、おりものの中に存在する乳酸菌が膣内を酸性に保ち、雑菌から膣内を守っているためです。
一方で、魚が腐ったような強い匂いがしたり、強いかゆみを伴う場合には、細菌性膣症といったトラブルの可能性も考えられます。普段と違う強い匂いが気になるときには、医師へ相談するとよいでしょう。

ピンクや茶色のおりもの(着床出血)は特に注意!
妊娠超初期には、着床出血によって子宮内膜からわずかに出た血がおりものに混ざり、ピンク色や茶色っぽく見えることがあります。
生理予定日の少し前に少量だけ見られるのが特徴です。出血はごくわずかで、1〜3日ほどで自然におさまることが多いです。茶色っぽいおりものは古い血が混じったもので、ピンクのおりものは少し新しい血液が含まれていると考えられます。
ただし、すべてが着床出血というわけではありません。出血の量が多い、強い下腹部痛を伴うといった場合には、別の原因が隠れている危険もあるため注意が必要です。そのようなときは自己判断せず、早めに産婦人科に相談しましょう。

生理周期とおりものの変化の関係
生理前との違いをより深く理解するために、まずは一般的な周期とのおりものの関係を知っておきましょう。
おりものはホルモンバランスの影響を大きく受け、生理周期によって質感や量が変わります。卵巣から分泌されるホルモンには、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類があります。エストロゲンの分泌にほぼ比例して、おりものの量が減ったり増えたりしています。
生理前・妊娠超初期のおりものの違いを比較
項目 | 生理前のおりもの | 妊娠超初期のおりもの |
---|---|---|
量 | ホルモンの分泌が減り、 おりものの量が少なくなる | ホルモンの分泌が続き、多くなる |
色 | 白濁であることが多い 生理前の経血が混ざりピンク色になる場合も | 白濁・うすい黄色・クリーム色 着床出血によりピンク・茶色が 混ざる場合あり |
性状 | 粘り気がある | さらっとして水っぽい |
匂い | 少し酸っぱい匂い | 酸っぱい匂いがきつくなる場合も |
月経期(生理中)
生理中は経血と混ざるため、おりもの自体はあまり目立ちません。体内では、新しいサイクルの準備が静かに進みます。
卵胞期(生理直後~排卵前)
生理が終わると、体の中では次の妊娠の準備が少しずつ始まります。脳からの指令を受けて卵巣の中の卵が育ちはじめると、その影響で子宮の内側もふかふかのベッドのように厚みを増していきます。
生理直後のおりものは、まだ血が混じるので褐色や茶色っぽい状態が多いとされています。その後、排卵が近づいてくると、おりものの量が増えはじめ、さらっとした透明に近い状態へと変わっていきます。
排卵期
排卵の時期になると、育った卵が卵巣から飛び出し排卵します。人によっては、下腹部がチクチクしたり、痛みを感じることもあります。
おりものの量はちょうどこの頃がピークで、透明でゼリーのようにのびる状態が2~3日ほど続きます。
黄体期(排卵後~生理前)
卵子が飛び出したあとの卵胞は「黄体」という組織に変わり、黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌しはじめます。このホルモンの働きで子宮の内側はさらにふかふかに整い、受精卵がやってきても安心して着床できるような準備が進みます。
黄体期のおりものは少しずつ減っていき、白っぽくにごった、のりのような粘り気のある状態に変わります。下着につくと黄色っぽく見えることもあります。生理が近づくと、匂いが強くなったり、少し血が混じったりすることもあります。
生理前
生理前は再びおりものの量が増え、匂いも強くなります。引き続き、白く濁った粘り気のあるおりものです。生理が始まる数日前になると、子宮内膜が少しずつはがれ、少量の経血が混じることで、ピンク色や茶色のおりものになる場合があります。
「生理前と妊娠初期の違い」を見分けるポイント
妊娠初期は女性ホルモンの分泌が続くため、おりものの量が増えることがあります。「おりものシートが必要かも」と感じる人もいるようです。妊娠初期のおりものの色は、白濁・うすい黄色・クリーム色になります。また、妊娠超初期には着床出血の影響で、うっすらピンク色・茶色になる場合があります。
性状にも違いが見られやすく、生理前は粘り気があるのに対し、妊娠超初期はさらっとしていて粘り気がなく、水っぽいおりものが多いです。匂いについては、ほんのり酸っぱい匂いが少しきつくなる傾向があります。ただし、不快に感じる臭いや強い異臭がある場合には、感染症などの可能性もあるため、医師に相談してみるとよいでしょう。
おりものの変化だけで妊娠を断定することはできませんが、体からのサインを知っておくと、自分の状態を冷静に見つめる助けになります。

おりもの以外の症状も含めた妊娠超初期症状と「思い込み」との違いについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
関連記事:妊娠超初期の思い込み?想像妊娠との違い、症状の見分け方を”みんなの実体験”で徹底解説
受診を検討すべき「おりもの」のサイン
妊娠超初期のおりものは、量が増えたり水っぽかったりといった自然な変化がよく見られます。ただ、その中に病気や異常のサインが隠れていることもあるため、少し注意して観察することが大切です。
たとえば、妊娠超初期にかゆみやヒリヒリする痛みを伴い、白くポロポロしたおりものや、カッテージチーズ状のかたまりが出る場合は、カンジダ症が疑われます。カンジダ症は、外陰部の発疹、排尿時の痛みを伴うこともあり、日常生活に影響を及ぼす恐れもあります。
妊娠超初期は体が敏感になっている時期でもあるため、気になる症状をそのままにしておくと悪化してしまうこともあります。いつもと違う変化を感じたら、早めに産婦人科で相談してみると安心です。

おりものに関するよくある質問
Q. そもそも「おりもの」って何?
おりものは子宮や膣から分泌され、膣内を潤して細菌感染から守る液体です。ホルモンや体調で量や質が変わり、排卵期にはゼリー状になって受精を助けます。
妊娠超初期は、水っぽい・さらっとしているおりものの他、ペタペタとしたおりものも見られ、体の変化の目安になります。健康なおりものは白っぽくにおいもあまりありませんが、黄色や膿状でかゆみ・痛みがある場合は炎症の可能性があります。
Q. おりものが黄色く粘り気があるんだけど、これは妊娠初期のサイン?
妊娠初期のおりものが黄みを帯びたり粘り気を感じたりしても、多くは自然な変化です。気になる症状がなければ心配しすぎる必要はありませんが、少しでも違和感があれば専門家に確認することをおすすめします。
ただし、濃い黄色や緑がかったおりものは感染症の可能性があるため注意が必要です。クラミジア感染症や淋菌感染症、トリコモナス膣炎では膿のようなおりものが出ることもあり、早めの検査と治療が大切です。

Q. 卵白のようなおりものが出ました。
妊娠超初期にも、卵白のように透明で伸びるおりものが出る場合があります。卵白のようなおりものは、排卵期に見られる状態ですが、妊娠初期はホルモンの影響で同じような卵白状のおりものが現れることがあります。
排卵期か妊娠超初期かを見分けるには、基礎体温や軽い胸の張り、だるさなどの他の妊娠兆候とあわせて観察することが大切です。
まとめ
妊娠初期は、ホルモンの影響によって体が大きく変化していく時期です。そのため、おりものの量や色、におい、質感に変化があらわれることは珍しくありません。水っぽかったり、ペタペタしていたりと、個人によってとらえ方も様々です。
ただし、濃い黄色や緑色で強いにおいがある、かゆみやヒリヒリ感があるといった場合は、感染症などが隠れていることもあるため注意が必要です。その際は自己判断せず、早めに婦人科を受診すると安心です。
「自分だけおかしいのかな?」と不安になる気持ちは自然なことですが、同じような変化を感じている方はたくさんいます。まずは落ち着いて体のサインを受け止めながら、生理予定日を待ってから検査薬を試してみてくださいね。


