「妊娠検査薬で陰性だったのに、生理が来ない。」
そんな状況に不安を感じて、情報を検索している方も多いのではないでしょうか。
生理が来ないと、単なる生理不順なのか、体に異常があるのか心配ばかりが増えるので、1日も早くはっきりさせたいですよね。
この記事では、妊娠検査薬が陰性なのに生理が来ない原因や対処法を丁寧に解説します。
「妊娠の可能性は本当にないの?」「病院に行くべき?」など、判断に迷い悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
妊娠検査薬は陰性なのに生理が来ない…不安なときに考えられる原因

生理が来ない原因は、妊娠だけとは限りません。過度に心配しなくていいケースもあれば、注意が必要な場合もあります。
ここでは、生理が来ない主な原因を順番に紹介します。
検査のタイミングが早すぎた
妊娠すると尿中に「ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)」と呼ばれるホルモンが分泌され、妊娠検査薬はこのホルモンが一定量を超えると反応します。
このホルモンが妊娠検査薬で感知できる量(一般的な市販の妊娠検査薬は50mlU/mL以上)が含まれていないと反応しにくく、目安として妊娠4週目以降が検査可能な時期とされています。

妊娠週数は、最終月経の開始日を妊娠0週0日として数えます。
つまり妊娠4週目とは、最後の月経が始まった日から28日目以降になります。(目安として生理予定日から1週間後〜とされています)
市販の妊娠検査薬で正確な結果を出すためには、使用するタイミングが大切です。
「1日でも早くはっきりさせたい」という気持ちはわかりますが、フライング検査をすると誤判定につながり、適切な判断と対処ができません。
インターネット上では「生理前◯日で判定が出た」などの情報がありますが、個人差があり、正確に判断するためには少なくとも生理予定日の1週間後を目安にチェックするようにしましょう。
ストレスや生活習慣の乱れ
生理に関わるホルモンである「エストロゲン」「プロゲステロン」は、過度なストレスを感じるとバランスが崩れて生理に影響を与えます。
- 新年度などの生活や環境の変化
- 睡眠や食事などの生活習慣の乱れ
- 集団生活における人間関係
新生活が始まる方は、環境や人間関係、時間のサイクルといった変化が大きく、気付かない間にストレスを受けていることがあります。
ストレスが多い環境や生活習慣の方は、適度な休息や運動などを取り入れてリフレッシュする時間を取り入れるようにしましょう。
また、睡眠不足や食事の偏りといった生活習慣の乱れによる身体的なストレスや、人間関係による精神的なストレスも生理周期に影響を与えます。
思い当たる方は、まずはできる範囲から環境や習慣を整えるように意識しましょう。
過度なダイエット
ダイエットで過度な食事制限をしている方は注意が必要です。
食事量を減らせば確かに体重は減りますが、体の中では栄養不足が起きはじめます。
私たちの体は、十分な栄養が取れていない状態が続くと生きることを最優先にします。
そのため、激しい体重の減り方や長期間のダイエットをすると、卵巣へ届くはずの栄養が後回しになり、排卵や生理が止まる原因になります。
将来妊娠を希望する女性は、
- BMI19〜25未満(kg/㎡)
- 体脂肪率19〜28%
の範囲であれば、過度なダイエットは控え、適度な運動などで健康的な体を維持しましょう。
BMI = 体重kg ÷ (身長m)2
体脂肪率=体組成計機器などで測定
※BMI・体脂肪率の目安:厚生労働省「働く女性の心とからだの応援サイト」参照
甲状腺や子宮・卵巣の病気
内分泌機能に異常があると、生理不順や無月経を引き起こす可能性があります。
なかでも、甲状腺疾患は月経の乱れの原因になることも。
特に20〜40歳くらいの女性に多い「橋本病(甲状腺機能低下症の一種)」は、月経不順だけでなく不妊症や流産の原因にもなります。
体温が高い、体のほてり、脈が早くなる、下痢気味、情緒不安定、無気力、疲労感、むくみ、寒がり、体重増加、動作緩慢、記憶力低下など
また、甲状腺疾患以外にも、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や子宮内膜症などの婦人科系の病気によって生理が来ないこともあります。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は排卵がうまくいかない疾患で、子宮内膜症は子宮の内膜組織が子宮以外の場所(骨盤内など)で増殖・発育するものです。
これらの病気を早めに見つけるためにも、日頃から定期的な婦人科の検診を受けたり、月経の変化を見逃さないようチェックしたり、意識をしておく習慣をつけましょう。
※参照元:MSDマニュアル「妊娠中の甲状腺疾患」「甲状腺機能低下症」
早発閉経
生理が来ない原因のひとつとして、「早発閉経」があります。
「早発閉経(原発性卵巣不全)」とは、40歳未満で卵巣の機能が低下し、生理が止まってしまう状態のことをいいます。
原因は明確になっていませんが、遺伝的要因や自己免疫異常、治療薬の影響などが考えられています。
早発閉経は、更年期障害のような症状が現れる場合がありますが、出血や腹痛などの目立った症状はなく、進行していることに気づかないケースも少なくありません。
「まだ40代ではないから」と油断せず、数ヶ月経っても生理が来ない場合は早めに婦人科を受診し、異常がないかチェックしてもらいましょう。

生理が来ない時の対処法

「妊娠検査薬は陰性なのに生理が来ない」という状況で、どう行動すればいいか迷っている方に具体的なステップを紹介します。
検査した時期を確認する
まずは、妊娠検査薬を使った時期をチェックしましょう。
妊娠検査薬は、妊娠ホルモンと呼ばれる「ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)」の数値を計測します。
しかし、早すぎる検査ではホルモンの量が足りず陰性になることがあります。
市販の検査薬の多くは「生理予定日から1週間ほど経過した後」が適切なタイミングとされていますので、それより早くチェックした場合は数日待って再検査してみてください。
再検査後も陰性だった場合は、医療機関を受診
生理予定日から1週間以上経っても生理が来ず、再検査しても陰性の場合は、婦人科の受診を検討しましょう。
特に下記のような場合は早めの受診が推奨されます。
- 生理が2ヶ月以上こない
- 不正出血がある
- 強い腹痛や体調不良がある
妊娠だけの問題ではなく、毎月あった生理が来ないということは体に何らかの変化が起きている証拠です。
生理が来ない原因をはっきりとさせ、できるだけ早く適切な対応することが大切なので、「いつもと違う」と感じる時は医療機関を受診しましょう。

妊娠検査薬に関するよくある質問

妊娠検査薬に関して、特に検索されやすい疑問をQ&A形式でまとめました。
妊娠検査薬はいつから使えますか?
市販の検査薬は、一般的に「生理予定日の1週間後」から正確に判定できるよう設計されています。
これは「ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)」が、妊娠が成立してから一定量分泌されるまでに時間がかかるためです。
インターネットなどで検索すると分かるように、反応が出た日には個人差があります。
人によって排卵日のズレやhCGが尿中に出るまでに時間がかることがあるため、他の人の声はあくまで参考程度にして正しいタイミングで使用することが大切です。
「陰性=妊娠していない」と思い込んだり焦りすぎたりせず、使用方法に沿ったタイミングと使い方で落ち着いて検査しましょう。
妊娠検査薬の精度はどれくらいですか?
正しい使い方やタイミングに沿って検査すれば、市販の妊娠検査薬は99%の精度があると言われています。
ただし、女性の体はとてもデリケートです。
ホルモンバランスの乱れが起こると、妊娠していなくてもhCGが少量分泌されることが稀にあり、妊娠していなくても「陽性」を示すケースがあります。
現在の妊娠検査薬は優秀で精度も高いですが、検査薬の結果だけで「陰性=妊娠していない」「陽性=妊娠している」という判断をせず、最終的な確定は必ず医師の診断を受けましょう。
まとめ

妊娠検査薬が陰性にもかかわらず、生理が来ない原因について解説しました。
生理が来なくて不安な方も、まずは本記事で紹介した下記ポイントをチェックしてください。
- 検査薬を使うのが早すぎた
- ストレスなどによるホルモンバランスの変化
- 過度なダイエット
- 甲状腺機能の異常、子宮・卵巣の病気
- 早期閉経
今の妊娠検査薬は精度が高く、タイミングや使い方を守れば、ほぼ正しい結果が出ます。
妊娠検査薬が陰性でも生理が来ない場合、早期検査による誤判定やストレス、病気などさまざまな要因が考えられますが、慌てず落ち着いた対応がとても重要です。
生理が来ない場合は一人で抱え込まず、まずは前回の生理からの日数と現在の体調を確認し、再検査や医療機関の受診をしましょう。
そして、いざという時のために安心して対処できるように日頃から自分の体と丁寧に向き合い、わずかな変化をキャッチできるよう必要に応じて定期的な検診なども検討してみてくださいね。

