クラミジア感染症になる原因となったときの対処法を解説!

性感染症は近年、日本においても感染者数が増加傾向にあり、そのなかでもクラミジア感染症は、日本で一番感染者数の多い性感染症といわれています。

このクラミジア感染症は、特に若年層に感染者が多いとされており、無症状のまま性行為を繰り返すことで、さらに感染を広めてしまい危険です。治療せずに放置すると、男女ともに将来不妊の原因になってしまう可能性もあります。

ここでは、クラミジア感染症について感染の原因や対処法を解説していきます。正しい知識や予防法を知って、感染対策をしましょう。

そもそもクラミジア感染症とは

クラミジア感染症では、現在も世界中で発症が確認されている感染症です。日本でも年間を通して感染報告があり、日本で一番多い性感染症とされています。

クラミジア感染症の原因となるのは、クラミジア・トラコマチスという病原体です。この病原体は主に性交渉などにより、感染部位の粘膜や分泌物との接触により感染してしまいます。

なお、このクラミジアの保有率は若い女性を中心に年々急増しており、男女ともに保有率は3〜5%と決して珍しい病気ではありません。国内では100万人以上の感染者がいるといわれており、性交渉経験のある女性の3〜5人に1人は感染経験があるという現状です。

クラミジア感染症になってしまう主な原因

日本で最も多い性感染症とされているクラミジアは、どのような原因で感染してしまうのでしょうか。

やはり主な原因は性行為なのですが、クラミジア感染症は感染しても自覚症状を感じないことが多いともいわれています。そのため感染に気付かないまま、他者との性行為などにより感染を広めてしまうだけでなく、放置すると不妊や早産の危険性を高めてしまうこともあります。

感染力の強いクラミジア感染症は、性行為含めどのような感染経路で感染してしまうケースを確認していきましょう。

性行為からの感染

クラミジア感染症に感染してしまう最も多い原因は、ペニスを膣や肛門に挿入する性行為による感染です。

感染者との性行為による粘膜や分泌物への接触で、約50%もの確率で感染してしまうという結果も出ています。また、男性と比較して女性のほうが感染する確率が高いともいわれています。

その他、性行為の類似行為でも感染の恐れがあり、それがフェラチオやクンニリングス、ディープキスなどのオーラルセックスといわれる行為です。

オーラスセックスで、人の喉から喉や性器、性器から喉へ感染する恐れがあります。咽頭に感染すると咽頭炎を発症し、首のリンパ節が腫れるなどの症状を起こしてしまう場合もあります。

なお、クラミジア感染症はこのように粘膜や分泌物への接触で感染する感染症なので、空気感染やプール、温泉などで感染する心配は無用です。

目への感染

クラミジア感染症の感染原因は性行為だけではありません。クラミジアに感染している人の体液が何かしらの原因で目に触れたことで、感染してしまうケースもあり、これをクラミジア性結膜炎といいます。

クラミジア性結膜炎の主な症状は痛みが見られるほかに、目やにや充血、耳前リンパ節の腫れなどです。しかし、初期症状は通常の結膜炎と類似していることが多いため、気付かずに放っておいてしまい重症化することも少なくありません。

治療方法は抗生物質の眼軟膏が用いられます。自己判断により投薬を途中で中止せず、6週間きちんと処置をしないと再発する危険もあるので、必ず最後まで治療しましょう。

万が一、重症化した場合や性器への症状が見られる場合は、内服薬による治療が必要になります。

母胎からの感染

クラミジア感染症は新生児に感染する場合もあります。これは母子感染によるもので、クラミジア感染症に感染している母体の産道を介して、分娩時に母体感染をしてしまうものです。

感染に気付かず分娩してしまうと、新生児肺炎や結膜炎を起こす危険性があります。産道感染で新生児がクラミジア肺炎を発症するのは、生まれてすぐではなく生後2週間〜4ヶ月です。そのため、多くの場合は感染に気付かず退院し、そのあとに発覚することになります。

このようなことにならないためにも妊娠が発覚したら検査し、感染していた場合には早めの治療が必要です。出産時に完治していない場合には、母子感染を防ぐため帝王切開するケースもあります。

クラミジア感染症になってしまったときの対処法

クラミジア感染症に感染している人と性行為をしてしまった場合、症状がなくても感染している確率は50%以上といわれています。

放置していると、他者への感染はもちろんのこと症状の悪化や将来に関わる問題になってしまうこともあります。

病院を受診しての早期発見、早期治療が必要です。感染機会があってから24時間以内に検査を行った場合、正確な結果が出ないことがあるので、そのときは念のため少し期間をおいてから再検査を行ってください。

【検査できる病院】

  • 性感染症内科
  • 婦人科
  • 泌尿器科
  • メンズクリニック

【検査方法】

  • 抗原検査
  • 抗体検査

検査内容によって、検査できる項目や精密さの度合いが異なります。症状や予算などに合わせて医師と相談のうえ、検査しましょう。

クラミジア感染症は自然治癒しない

クラミジア感染症は、無症状のケースもありますが「無症状=発症しておらず、問題ない」というわけではありません。発症しなければそのまま自然に治ってしまうということもなく、自然治癒は絶対にしない感染症です。

無症状で気付かないまま対処をしないでいると、どのような危険性があるのでしょうか。

【男性の場合】

  • 尿道炎
  • 前立腺炎症
  • 精巣上体炎

【女性の場合】

  • 卵管炎、卵管周囲炎、卵巣炎、卵管周囲癒着
  • 子宮頸管炎、子宮内膜炎

これらは将来の妊娠にも関わる可能性があります。不妊の原因になったあとで、治療をしなかったことを後悔しないためにも、放置せずきちんと治癒をしましょう。

適切な薬の服用で対処する

クラミジア感染症の病原体には、以下の特徴があります。

  • 2〜3日周期で繰り返す増殖サイクルがある
  • 免疫が成立しにくい特異な特徴の菌のため、自然治癒しない

必ず治療をする必要がありますが、抗生剤での完治が可能です。抗生剤にはいくつかの種類があるので、症状に合わせて医師に処方してもらいましょう。

系統特徴副作用や注意事項
マクロライド系・副作用が比較的少ない・1週間ほど効果が持続するため、単回服用療法に用いられる・下痢、腹痛など・まれに胃腸や肝臓障害、気管支喘息治療薬と併用の副作用など
ニューキノロン系・抗菌力が強い・乳幼児の軟骨形成に支障をきたす副作用があり、妊婦や小児の服薬は行わない
テトラサイクリン系・重症時に服用・胃腸障害・過敏症状

受診時に持病や服薬状況もきちんと伝え、副作用などの危険がないように医師から正しい診断と処方箋をもらって治療することが大切です。

治癒の判定方法

クラミジア感染症の治癒には抗生剤の服薬が必要です。服用期間は薬の種類や症状により異なりますが、一般的に1日〜1週間程度です。医師の指示にしたがって服用しましょう。

薬の服用が終わっても完全に治癒したと自己判断してはいけません。2〜3週間ほど期間をおいて、再度検査し、陰性が確認できてようやく治癒となります。

【クラミジア感染症を治癒するには】

  • 決められた服用期間を守って投薬治療する
  • 服用期間を終えたら期間をあけて再度検査し、陰性を確認する

クラミジア感染症にならないための予防法

クラミジア感染症は、適切な治療すれば完治させることのできる感染症ですが、できれば事前にきちんと予防するのが理想です。

クラミジア感染症には感染を防ぐための予防接種やワクチンはありません。感染しないためには正しい知識を持って、安全な性行為をすることで対策をする必要があります。ただし、予防をしておけば必ず感染しないというわけではないので、違和感や感染が疑われる場合はただちに病院で検査してください。

コンドームを使用する

コンドームは避妊を目的とした避妊具として認知されているものですが、性感染症予防にも効果的です。

クラミジア感染症は、感染者との粘膜や粘膜から分泌される体液と接触することが感染原因となるため性行為の際には、性感染症予防の目的としてもコンドームの着用が重要です。

さらに性行為だけでなくオーラルセックス・アナルセックスなどの性行為の類似行為においても粘膜や唾液から感染する可能性があるため、必ずコンドームを適切に使用し、感染を防ぎましょう。

また、ピルを使用していても性感染症の予防効果はないため、ピルを服用している場合でも必ずコンドームを使用してください。

不特定多数の相手と性行為をしない

クラミジア感染症は感染しても無症状であることがほとんどで、感染に気付かないことの多い感染症です。そのため、知らず知らずのうちに性行為をした相手にも感染させてしまうことがあります。

そのため、予防策として性パートナーを限定することも大切です。不特定多数の相手と性行為をすることにより、感染源がわからないときちんと治癒させることができなかったり、自分が別の相手にも感染させてしまったりする恐れもあります。

万が一不特定多数の相手と短期間に性行為をしてしまった場合は、定期的に検査して感染していないかどうかを確認しましょう。

感染者の使用したタオルなどを使用しない

クラミジア感染症が感染する主な原因は、性行為やその類似行為ですが、そのほかの原因もあるためそれらをなるべく回避する必要があります。

感染者が何かしらの理由で、自身の粘膜や体液に触れておりその手で触れたタオルなどを使用し、目などの粘膜に触れることで感染する可能性もごくまれにあります。

感染者の使用したタオルなどは一緒に使用しない、きちんと手指消毒するなどの対策も感染を防ぐのに効果的です。

生理のときや体調がすぐれないときの性行為は避ける

膣内には自浄作用があり、細菌・ウイルスからの感染を防ぐ力が備わっています。しかしこの自浄作用はすべての細菌・ウイルスに必ずしも作用するわけではありません。

生理中は膣内が充血した状態で非常にデリケートです。その状態で性行為をすると膣内に傷をつけてしまう可能性もあります。

クラミジア感染症の感染リスクも高まってしまうほか、生理中はHIVなど他の性感染症に感染するリスクも高まるため性行為をしないことが安全です。

そのほかにも体調のすぐれないときは免疫力が低下しており、感染リスクが高まります。体調がよいときに比べて抵抗力が弱いため、より感染しやすい状態にある体調不良時も性行為は避けましょう。

クラミジア感染症になってしまったときに注意すること

日頃きちんと注意や予防していても、クラミジア感染症に必ず感染しないわけではありません。もしも感染者と性行為、何かしらの症状が現れた場合は、速やかに検査しましょう。

感染した際に正しい治療しない、注意事項を守らない感染者もいるために、一度の治療でクラミジア感染症を完治させられる確率は70〜80%であるともいわれています。

そのため、感染した場合には注意すべきことや治療のために必要なことを必ず守り、完治させましょう。クラミジア感染症は一度かかっても免疫がつくわけではありません。再発する恐れもあるため再発しないように治療後も注意が必要です。

性行為をしない

クラミジア感染症の予防策として、コンドームの使用があげられますが、これによって必ずしも感染が防げるわけではありません。

予防時だけでなく、感染した場合も同様のことがいえるため、クラミジア感染症と診断された場合には、治療を実施して陰性が確認されるまでは性行為は避けます。

陰性が確認できる前にパートナーと性行為で、お互いに感染を繰り返してしまう「ピンポン感染」が起きる可能性もあるため、最低でも検査は感染時と治療後の2回実施して結果を確認しましょう。

必ず病院に行く

クラミジアに感染している人と性行為が発覚したら、必ず病院で検査しましょう。

性行為直後に違和感などがなく無症状であっても、クラミジアの病原体は潜伏期間が1〜3週間あるため、知らない間に感染していることもあります。

感染したまま治療せず放置していると、また別の人に感染させてしまう可能性があるだけでなく、症状が悪化してしまったり男女関係なく将来不妊の原因となってしまったりすることがあります。なお、病院を受診する際は、パートナーも同じタイミングで検査することが大切です。

感染しているかどうかの検査は尿検査など簡単なものなので、症状の有無に関わらず感染の可能性がある場合は速やかに病院を受診しましょう。

ネットなどで薬を購入しない

現在日本では、クラミジア感染症に対応する抗生剤の市販薬は販売されていません。医師からの処方箋のもと、処方箋薬局で薬をもらうことができるので、病院への受診は必ず必要です。

日本での販売はされていなくても、海外では市販薬として出回っています。しかし病院にかかるのが恥ずかしい、なるべくお金をかけずに治療したいという理由で、海外サイトや輸入代行サイトで薬を購入することは危険です。

【海外の治療薬を購入し、治療するリスク】

  • 薬が届くまでに半月以上かかり、その間にも進行し悪化につながる
  • 薬が安全なものか判断ができない
  • 薬が正しく届かない可能性がある
  • 悪質サイトだった場合、カードのスキミング被害などが起きる

なるべく早めの治療と完治をするために、きちんと病院を受診して処方された薬を決められた期間は正しく服用してください。

まとめ

本記事では、クラミジア感染症について解説をしました。日本でも感染者数の多い性感染症であり、近年その数は増加傾向にあるため、誰にでも起こりうる病気です。

感染の主な原因は性行為やオーラルセックスなど類似行為などによる粘膜や分泌物との接触とされており、空気感染やプール、温泉などでは感染しません。感染者との接触による感染率が高い感染症ですが、正しい予防法を知ることで自分やパートナーの安全を守ることもできます。

万が一感染者との接触機会を持ってしまったり、症状を感じたりした際はパートナーにもしっかり伝え、病院で検査をしましょう。もし陽性だった場合でも、正しく治療することで完治が可能です。

自身だけでなく、大切な人のためにも正しい知識と行動で感染症から身を守っていきましょう。

医療機関へ行くのが難しい方は自宅で検査できる「FemCHECK」がおすすめ

医療機関へ行くのが恥ずかしい、忙しくて病院へ行く時間が確保できない方はFemCHECKで自宅で簡単に性病の検査ができます。

FemCHECKは婦人科医が作った、自宅で検査ができる郵送の性病検査キットです。

結果が陽性であった場合は、オンライン診療で診察からお薬の処方まで自宅で完結させることが可能です。

おりものの異常がある、性病の心配がある方は一度検査してみることをお勧めします。

以下のバナーから注文することができます。時期によっては品薄になる場合があるのでご注意ください。