アフターピルは、処方箋なしでの購入はできないため、受診せずに処方を受けたい場合はオンライン診療を受けて薬剤を配送してもらうか、処方箋を薬局にFAXしてもらう必要があります。オンラインでアフターピルを処方してもらう方法や、クリニック選びの注意点について解説します。
アフターピルはオンラインで買える?
アフターピルは、通常のオンライン診療で処方してもらうことが可能です。オンライン診療のメリットは、病院に行かずに薬剤を購入できるので、近くに婦人科がない場合や婦人科へ受診すること自体に抵抗がある場合に有効です。
オンライン診療
オンライン診療(遠隔診療)に対応している病院で診療を受けて、薬剤を処方してもらう方法です。電話やビデオチャットで医師の診察を受けるため、自宅や外出先でも診療を受けることが可能です。
診察後に、薬剤を配送してもらう方法と処方箋を薬局にFAXしてもらい、薬局で薬剤を受け取る方法があります。
アフターピルは、リスクのある性行為からアフターピル服用までの時間が短ければ短いほど避妊効果が高くなります。タイムラグが少なくて済むという点では、処方箋を薬局にFAXしてもらう方法が最もお勧めです。
ネット通販
医師の診察を受けずに、「個人輸入」でネットショップから薬剤を購入する方法です。購入した薬剤の内容が不確実で、購入から配送までの日数も確約はできないため、非常にリスクのある方法と言えます。
現在は、オンライン診療という、安全性が高く便利な方法があるため、個人輸入を選択するメリットは、価格以外にはないと言えるでしょう。
アフターピルは薬局で買える?
アフターピルは、処方箋が必要な薬剤なので、医師の診察を受けずに薬局で購入することはできません。胃薬や風邪薬のように、自己判断で薬局で購入することのできる薬剤にはなっていないのです。
対面診療を受ける場合は、そのまま診察を受けた病院で院内処方してもらうため、わざわざ薬局に行く必要はありません。
オンライン診療後に、薬局に処方箋をFAXしてもらえれば、薬局で薬剤を受け取ることは可能です。ただ、現在、オンライン診療でアフターピルを処方している病院のほとんどが、薬剤を院内処方して配送するシステムを選択しています。
オンラインでアフターピル処方の流れ
オンラインでアフターピルを処方してもらう場合、「薬剤を配送してもらう場合」と「処方箋を薬局にFAXしてもらう場合」で、多少流れが異なります。
必ず、電話かビデオチャットで、医師の診察を受ける必要があります。文字チャットのやり取りだけで処方を受けることはできません。また、電話やビデオチャットで医師と話しをする時は、性行為の時の状況などを質問されるため、自宅や駐車した車の中など、プライバシーが守れる個室で対応するようにしましょう。
医師の診察時には、次のような点が確認されます。あらかじめスムーズに回答できるようにしておくとよいでしょう。
- 最終月経
- 普段の月経周期
- これまでの妊娠や分娩の回数
- 一番最近の性行為の日時
- その時の避妊方法
- 薬剤アレルギーの有無
<薬剤を配送してもらう場合>
- オンライン診療に対応している病院を探して診察を申し込む
- 電話またはビデオチャットでオンライン診療を受ける
- オンライン診療システム上で会計をする
- 薬剤が届くのを待つ
<処方箋を薬局にFAXしてもらう場合>
- オンライン診療に対応している病院を探して診察を申し込む
- 緊急避妊薬の在庫を置いておりその日に担当薬剤師が在籍している薬局を探す
- 薬局にあらかじめ電話をして「本日緊急避妊薬の処方箋をFAXしてもらってもよいか」を確認する
- 電話またはビデオチャットでオンライン診療を受ける
- オンライン診療システム上で会計をする
- 薬局からの連絡を待つ
- 薬局へ薬剤を受け取りに行く
安全で安い、即日配送のクリニック
アフターピルを院外処方で処方可能なクリニックは非常に限られており、ほとんどのクリニックが郵送で即日配送に対応しています。緊急避妊にかかるコストは、診察料+薬剤料+送料+オンライン診療の手数料で決まります。最もコストが抑えられるのは、処方箋を薬局にFAXしてもらい、送料がかからず、薬局で薬剤を受け取れるようにする方法です。
ポートサイド女性総合クリニック
(引用:ポートサイド女性総合クリニック)
「ポートサイド女性総合クリニック」は、神奈川県横浜市にあるクリニックです。病院としての機能のほかに、エステやリラクゼーションサロンも運営しているクリニックになります。また「院長ブログ」「スタッフブログ」など、複数の切り口からブログを発信しているのも特徴です。
アフターピルの処方は、院内・院外で処方できます。院外処方の場合は処方箋のFAX送信が可能なため、送料がかからずに受け取ることができます。なお、初診の場合はネット予約が必要で、アフターピルを処方してもらう場合も同様に予約を行う必要があります。
EASE女性のクリニック
(引用:EASE 女性のクリニック)
「EASE 女性のクリニック」は東京都中央区にある産婦人科クリニックです。毎週木曜日に乳がん検診を行っており、若い女性・ママともに通いやすいクリニックをコンセプトにしているのが特徴です。
ピル処方は、24時間いつでもスマホで予約できるようになっています。薬を切らさないための配慮としての措置ですが、アフターピルの処方でも同様の対処になります。また、オンラインで完結するため、自宅や職場からでも受診・処方が可能です。こちらのクリニックも、処方箋のFAX対応による院外処方ができます。
赤羽駅前女性クリニック
(引用:赤羽駅前女性クリニック)
「赤羽駅女性クリニック」は、東京都北区にあるクリニックです。JR赤羽駅から徒歩1分の好立地にあり、平日は午前・午後ともに診療を行っています。また、診察もすべて女性医師が担当するため、女性特有の悩みも安心して相談できるでしょう。
ピル処方に関しては、月~土のいつでも診察可能。予約もWebで完結するため、待ち時間も少なく済みます。緊急避妊用のピルを処方してほしい場合は、クリニックに足を運ぶことなくオンライン診療で対応してもらえるのがメリットです。
ゼロマチクリニック天神
(引用:ゼロマチクリニック天神)
「ゼロマチクリニック天神」は、福岡県福岡市中央区にある内科・女性内科のクリニックです。西鉄福岡(天神)駅の駅ナカにあり、忙しい方でも通いやすいのが特徴です。また、毎日ホームページ上で診療状況を公開しており、空いた時間帯を簡単に確認することもできます。
アフターピルの処方は、院外処方に対応しています。また、ホームページ上ではアフターピルについての説明やQ&Aも公開しており、どんな時に服用するのかなどを知ることができるのも特徴です。火曜日と水曜日は休診日ですが、土日診療を実施しているため、仕事や学校で平日は病院に行けない方にも便利です。
プライベートクリニック
(引用:プライベートクリニック)
「プライベートクリニック」は東京都新宿区高田馬場にあるクリニックです。夜7時まで診療を行っているので、仕事帰りにも受診できます。
患者のプライバシーに配慮した診療体制をとっており、完全個室待合を完備。また、遠方や仕事が忙しい方のためにLINEでのオンライン診療ができるのも特徴です。アフターピルなどのピル処方もオンライン受診で処方することが可能であるため、Webサイトにアクセスすら手間も省けます。
クリニックフォア
(引用:クリニックフォア)
「クリニックフォア」は東京、埼玉と大阪に展開しているクリニックです。オンラインでも対面でも受診が可能で、女性向けの診療科目だけではなく、男性AGAなどにも対応しています。
服用可能期間が5日間と長めに設定されているアフターピルを処方してもらうことができ、診察から最短翌日に手元に届くようになっています。オンライン診療のほかにも電話での診療にも対応しているため、都合のいい方法で診察を受けられるのもメリットです。
アフターピルをオンラインで買う際のクリニックの選び方
アフターピルをオンライン処方してもらう際に、どのようにクリニックを選んだらよいのでしょうか?最も重要視すべきは、診療を受けてからアフターピルを受け取れるまでの時間が、いかに短くできるかです。院外処方で対応してくれるか、バイク便で当日配送が可能かなどを中心に、クリニックを選ぶことをお勧めします。
診療から配送までの早さで選ぶ
アフターピルは、どれだけ早く服用できるかが避妊効果に大きく影響します。そのため、性行為からできる限り24時間以内に服用することが、より確実に避妊効果を得るためには重要です。
オンライン診療の場合、最も受け取りまでの時間が短いのは、処方箋を薬局にFAXしてもらい、薬局で薬剤を購入する方法です。そのため、アフターピルの院外処方に対応しているクリニックを選ぶのがベストです。ただし、住んでいる地域によっては、行ける場所に緊急避妊薬を常備している薬局がないという場合もあります。
薬局へのFAX対応をしているクリニックと、緊急避妊薬を常備している薬局は、厚生労働省の『「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に基づく薬局における対応について』でも確認できます。
薬剤を配送してもらう場合は、ほとんどのクリニックが「診察当日に発送」しています。配送の方法によっては、発送したその日に受け取りが可能ですが、対応可能エリアが東京都内に限られているケースがほとんどです。
発送した場所から受け取りの場所が近いほど、早く確実に届きます。そのため、「診察当日発送」「受け取り場所に近いクリニックからの発送」が可能な病院を選ぶことがポイントです。
取り扱っているピルの種類で選ぶ
緊急避妊専用の薬「ノルレボ(後発薬品はレボノルゲストレル)が発売されるまでは、中用量ピルを使用した「ヤツペ法」で緊急避妊を行っておりました。
現在は、血栓症リスクの観点から、中用量ピルを用いた緊急避妊は行わない方針となってきていますが、一部の病院では、まだヤツペ法を用いています。安全性の観点から、処方してもらう薬剤が「ノルレボ」か「レボノルゲストレル」である病院を選択しましょう。
また、性行為から72時間以上経過してしまった場合、日本では未承認の薬剤にはなりますが、120時間まで避妊効果が得られるアフターピルがあります。時間的に、72時間を超えてしまった時は、これらの薬剤を取り扱っている病院を探してみるのも選択肢のひとつです。
サポートが整っているかで選ぶ
アフターピルを服用した後に、出血が来なかったり妊娠が判明するケースもあります。また、頻度は比較的低いとはいえ、薬による副作用が出る場合もあります。
服用後に不安なことがあった場合に、すぐに受診できるクリニックがあるかどうかは、非常に大事なポイントになります。オンライン診療を行っている病院が、自分の住まいから通える範囲にあるのかどうか、診察を担当している医師が産婦人科専門医かどうかなどをチェックして、何かあったらすぐに相談できる病院を選んでおくと安心です。
また、アフターピル服用後にも継続的に避妊が必要な場合は、引き続き避妊用のピルを処方してもらった方がベターです。避妊用のピルを取り扱っているか、ピルの価格は手ごろか、避妊用のピルもオンライン診療で処方してもらえるかどうかも、合わせて確認しておくとよいでしょう。
まとめ
オンライン診療は、便利な受診方法ですが、薬剤を配送してもらった場合は受け取りまでに1~2日かかってしまうというデメリットがあります。アフターピルの場合は、ほかの薬剤と異なり、できる限り早く服用した方が良いため、院外処方でアフターピルを処方してもらう方法が最も有効性が高くなります。