生理前に寒気がひどい原因は?妊娠初期の悪寒との違い・対処法も徹底解説

生理前になるとゾクゾク寒気が止まらない…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

実はその悪寒、ホルモンバランスの乱れや自律神経の不調が原因かもしれません。この記事では、生理前に起こる悪寒の原因から、体を内側から温める食事・入浴・服装・ストレスケアなどの対策までをわかりやすく紹介します。

つらい悪寒をやわらげ、女性特有の冷えを整えるヒントを知りたい方は、ぜひチェックしてください。

生理前の悪寒がひどい原因は?

生理前に感じる悪寒は、周囲の温度に関わらず体が震えたりゾクゾクしたりする症状のことです。単なる気温の低さによる寒気とは異なり、暖かい場所にいても体が冷えを感じ、上着を着たり毛布にくるまったりしても一向に治まらないのが特徴です。​

この症状の背景には、女性特有のホルモンバランスの変化が深く関わっています。排卵後から生理前にかけての黄体期に、体内では女性ホルモンが大きく変動し、それに伴って体温調節機能や自律神経のバランスが乱れやすくなるのです。

生理前の悪寒は、こうした体の変化によって引き起こされる自然な反応であり、多くの女性が経験する症状といえます。​

生理前の悪寒はPMS(月経前症候群)かも

生理前の悪寒は、PMS(月経前症候群)の症状の1つだと考えられます。PMSは「月経前、3〜10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するもの」と定義されており、のぼせ、情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、倦怠感、頭痛、むくみなどがあります。

交感神経が優位になり、血管が収縮して血圧が上昇。手足などの末端まで十分な血液が届かなくなるため、冷えや悪寒を感じやすくなります。

参考文献:日本産科婦人科学会
https://www.jsog.or.jp/citizen/5716/

妊娠初期の悪寒の可能性もある

妊娠初期はホルモンバランスの急激な変化により、体温調節が乱れやすくなっています。そのため「寒気を感じる」「体の芯が冷える」といった悪寒が起こることも少なくありません。

もし悪寒が長く続いたり、吐き気・眠気などの他の妊娠初期症状がある場合は、妊娠による体調変化のサインかもしれません。

妊娠初期の体は、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が活発になることで体温が高まりやすくなります。しかし体の冷えを感じるのは、ホルモンの影響で自律神経が乱れ、体温調節がうまくできなくなるからです。

このような症状を風邪と勘違いするケースも多いですが、発熱が軽度で長期間続くような悪寒であれば、妊娠初期症状の1つとして考えられます

「生理が遅れている」「風邪のような悪寒が続く」という場合には、市販薬に頼らず、まずは妊娠検査薬で確認し、医師に相談しましょう

生理前の悪寒の対策

排卵後から月経前にかけては体温が上がる一方で、血行不良が進み、手足の冷えや悪寒を感じやすくなります。ここでは、生理前の悪寒をやわらげるために取り入れたい生活習慣やケアの方法を紹介します。

体を内側から温める食事をとる

生理前の悪寒対策で最も基本となるのは、毎日の食事です。体を内側から温めることで血行を促進し、冷えを緩和する効果が期待できます。

特に根菜類やしょうが、スープなどを意識的に取り入れることで、基礎体温が安定するでしょう。生姜は血管を拡張し体を温める作用があり、レンコンやごぼうなどの根菜類にはミネラルが豊富で代謝を助ける働きがあります。

冷たい飲み物やカフェインの摂りすぎは血管を収縮させてしまうため、できるだけ控えるのがポイントです。食事を見直すだけでも、悪寒が軽減する女性は多いとされています。

湯船につかる

シャワーだけで済ませるのではなく、38〜40℃の湯船に10〜15分浸かる習慣を取り入れるのがおすすめです。湯船に浸かることで血液の循環が促進し、手足の冷えをやわらげるだけでなく、全身の筋肉もリラックスします。

さらに、自律神経のバランスが整い、体の冷えや悪寒が緩和されやすくなります。入浴剤を使うなら、生姜トウガラシシナモンといった温感成分を含むものを選ぶと、より効果的に体が温まります。香りの良い入浴剤はリラックス効果も抜群で、心身の緊張をほぐしストレス軽減にもつながるでしょう

冷えない服装・カイロで体温を保つ

生理前の悪寒を和らげるには、日々の服装選びも重要です。特にお腹や腰回りを冷やさないように、腹巻きや厚手の靴下、レッグウォーマーなどで重点的に温めることが効果的です。

これらは血流が滞りやすい部分を直接温め、冷えの悪循環を断ち切ります。外出時は温度差に備えて、重ね着を基本にしながら薄手のダウンやカーディガンなど調節しやすいアイテムを選びましょう。使い捨てカイロは効果的ですが、貼る場所によって温まり方が変わるため腰のくぼみや下腹部付近に当てるのがおすすめです。こまめな温度管理が悪寒予防のカギとなります。

ストレスを溜めないようリラックスする

ストレスは生理前のホルモンバランスを乱し、自律神経の働きを悪化させる大きな要因です。悪寒の一因となる血行不良も、ストレスが原因で悪化することが多いため、心身のリラックスは必須です。

自宅で簡単にできる深呼吸やヨガ、ぬるめのお風呂でアロマを焚いて過ごす時間など、自分に合ったリラックス方法を取り入れましょう。温かいハーブティーをゆっくり飲むだけでも自律神経のバランスが整い、身体の冷えをやわらげる効果があります。忙しい生活の中でも心を落ち着かせる時間を持つことが悪寒対策のポイントです。

症状が重い場合は婦人科で相談する

生理前の悪寒が強くて日常生活に支障をきたすなら、婦人科での相談を検討してください。ホルモン治療や漢方薬の処方により、乱れたホルモンバランスを整え、つらい症状を緩和できることがあります。

また、強い寒気や持続する発熱は他の病気が隠れている可能性もあるため、自己判断は避けましょう。医師の診断を受けることで適切な治療やアドバイスが受けられ、安心してケアに取り組むことができます。早めの受診が症状改善への近道です。

生理前の悪寒を対策して快適な毎日を手に入れよう

生理前の悪寒は、女性ホルモンの変化により自律神経が乱れ、血行不良が起こることで生じる自然な身体反応です。妊娠初期にも似た症状が見られることがあるため、体調や生理周期を確認することが大切です。

対策としては、体を温める食事や入浴、服装の工夫、ストレスケアなどを意識的に取り入れることで、悪寒の軽減が期待できます。症状が長引いたりつらい場合は、婦人科での相談を早めに行いましょう

ルナレディースクリニックは、低用量ピルや漢方薬の処方に対応しております。つらい症状にお悩みの場合は当クリニックにご相談ください。

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参考文献

厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/001233454.pdf