「最近陰部がかゆい」とお悩みの方はいませんか?
陰部のかゆみは繰り返すことが多く、せっかくおさまったと思ったらまたかゆくなったということもあります。
本記事では陰部のかゆみが繰り返すときに考えられる13の原因と対処法を徹底解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
陰部のかゆみが繰り返す!考えられる13の原因
ここでは、陰部のかゆみが繰り返すときに考えられる13の原因を徹底解説していきます。
かぶれ
陰部のかゆみで特に多いのは「かぶれ」です。
女性の場合、下着の締め付けや生理用ナプキンを長時間装着することによって陰部がムレてかぶれてしまうことがあります。
膣カンジダ
膣カンジダは、女性の約20%が経験しているとされるポピュラーな病気です。
本来膣内に常在菌として存在するカンジダという真菌が、ストレスや睡眠不足などで免疫力が低下した際に異常繁殖を起こすことによって発症します。
症状としては、非常に激しいかゆみを引き起こすことや、おりものの量が増えてカッテージチーズや酒粕のようなポロポロとしたものに変化することが挙げられます。
膣カンジダを放置して炎症が酷くなると、全身性カンジダ症と呼ばれる湿疹が全身に広がっていく病気を発症することがあります。妊娠中に膣カンジダに感染すると羊水や産道から赤ちゃんへ感染する可能性もあるため、注意が必要です。
膣カンジダの特徴 |
①女性の約20%が経験 |
②外陰部の激しいかゆみ |
③カッテージチーズや酒粕のようなポロポロとしたおりものが出る |
④通常のおりものよりも量が増える |
⑤放置すると、全身性膣カンジダを発症する可能性がある |
膣トリコモナス症
膣トリコモナス症は、幅広い年齢で感染する性病で、トリコモナスと呼ばれる原虫が膣内の環境を変えることで、雑菌が繁殖して炎症を起こします。
症状として、泡状で悪臭の強い黄緑色のおりものが増えることや、膣内が熱いと感じるほどの激しいかゆみを伴います。加えて、外陰部が赤くただれてヒリヒリするため、常に痛痒さを感じるため、強いストレスを感じる方も多いです。
また、性病ではありますが、トリコモナスに感染している人が利用したトイレの便座やお風呂、タオルなど共有スペースでも感染する点が特徴で、性行為をしていない方や幼児でも感染します。
膣トリコモナス症の特徴 |
①トリコモナスによって感染 |
②泡状で悪臭の強い黄緑色のおりものが出る |
③熱く感じるほどの激しいかゆみ |
④外陰部が赤くただれる |
⑤幅広い年齢層で感染する |
性器ヘルペス
性器ヘルペスは、主に性行為での感染が多く、単純ヘルペスウイルス(HSV)によって性器やその周囲、お尻に水ぶくれができる病気です。
この性器ヘルペスは再発しやすく、風邪や発熱、生理、ストレスなどで免疫力が落ちているときに再発しやすいと考えられています。
症状としては、不快感を伴う水ぶくれができて、その水ぶくれが破れると排尿時に強い痛みやかゆみを伴うものです。
また、性行為以外にもウイルスが付着したトイレの便座やタオルからも感染するため、一度性器ヘルペスを発症した方は、共有スペースの利用時は注意が必要です。
性器ヘルペスの特徴 |
①単純ヘルペスウイルス(HSV)によって発症 |
②性器やその周囲、お尻に水ぶくれができる。できる前はヒリヒリとした感覚がある |
③水ぶくれが破れると排尿時に強い痛みや、かゆみを伴う |
④再発しやすい |
⑤性行為以外にも、ウイルスが付着したトイレの便座やタオルからも感染する |
外陰部掻痒症(がいいんぶそうようしょう)
外陰部掻痒症は「閉経後の外陰部の乾燥」や「感染症」「皮膚過敏症」の3パターンで発症しやすい病気で、外陰部からお尻(肛門)にかけて強いかゆみや痛痒さが起こる症状の総称のことです。
症状として、外陰部の一部または全体的にかゆみや痛痒さが起こりやすく、中でも閉経後の外陰部の乾燥が原因で発症しやすいとされています。また性行為での感染や、カンジダ、過剰に外陰部を洗浄するなどの行為によっても発症しやすいため、年齢を問わず注意が必要です。
近年、外陰部掻痒症を改善する治療薬が市販で販売されていますが、感染の再発や薬でアレルギーが出るなど二次被害が起こる可能性もあるため、外陰部に強いかゆみや痛痒さを感じたら、市販薬で改善を促す前に、まずは一度婦人科を受診しましょう。
外陰部掻痒症の特徴 |
①3つのパターンで発症しやすい |
②外陰部からお尻(肛門)にかけて強いかゆみや痛痒さを伴う |
③年齢を問わず発症しやすいが、特に閉経後の外陰部乾燥で発症しやすいとされている |
④かゆみや痛痒さがあっても、過剰に外陰部を洗浄するのはNG |
糖尿病
糖尿病は、インスリンの作用不足によって血液中を流れるブドウ糖(血糖)が増え、高血糖状態が慢性的に続く病気です。高血糖状態が長期間続くと、血液の壁が傷ついて将来的に心臓病や失明、足の壊死など慢性合併症を引き起こす可能性が高くなります。
症状として、足のふくらはぎが痛くて運動ができないなどの間欠性跛行(かんけつせいはこう)や、運動ができなくなるなどが挙げられますが、女性の外陰部におけるかゆみも起こります。
基本的に、女性の外陰部のかゆみはカンジダ症などを疑うことが多いですが、検査の結果、カンジダ症の疑いがなく、外陰部以外にも全身性の強いかゆみが生じる場合、糖尿病が原因で外陰部がかゆい
糖尿病の特徴 |
①インスリンの作用不足で高血糖状態が慢性的に続く |
②糖尿病が進むと、心臓病や失明、足の切断リスクもある |
③糖尿病が進むと、外陰部や全身に強いかゆみが生じる |
④血糖のコントロールが良好ならば、かゆみは軽減する傾向にある |
肝疾患
肝疾患は肝炎ウイルスやアルコール、薬剤、代謝性などが原因で発症する病気です。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、初期ではほとんど症状が出ません。
また肝疾患の大半を占める急性肝炎は初期症状として風邪のような発熱、倦怠感から始まり、肝疾患が進行すると、全身の倦怠感や食欲の低下、黄疸や全身性のかゆみが現れます。
この他にもお腹に水が溜まる腹水なども症状として考えられているため、外陰部のかゆみに伴って全身がかゆいと感じた場合や、食べ過ぎていないのにお腹が出てきたという場合は注意が必要です。
肝疾患の特徴 |
①肝炎ウイルスやアルコール、薬剤、代謝性などが原因で発症しやすい |
②初期症状はほどんどないことが多い |
③症状が進行すると全身の倦怠感や食欲低下、全身のかゆみ(外陰部含む)が起こる |
④食べ過ぎていないのにお腹が膨らんできた場合は腹水が疑われる |
⑤急性肝疾患が悪化して合併症を引き起こすと死亡率70~80%と極めて高くなるため、早めの処置が大切である |
自律神経失調症
自律神経失調症は、ストレスによって自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが乱れることで、様々な体の不調を引き起こす病気です。
ストレス以外にも、過労や事故、怪我なども自律神経を乱す原因とされており、中には光や温度もストレスの引き金になることがあります。
症状として、動悸や息切れ、頭痛やめまいの他にも、自律神経のバランスが乱れ、ストレスを感じることで起こる心因性の外陰部の激しいかゆみを伴うこともあります。
自律神経失調症の特徴 |
①自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが乱れることで起こる |
②ストレス以外にも、過労や事故、怪我も自律神経失調症を引き起こす原因 |
③自律神経の乱れで、心因の外陰部の激しいかゆみを伴うこともある |
④放置すると、仕事や家事ができない状態になることもある |
⑤自律神経失調症は1つの症状ではなく、複数の症状が起こる可能性が高い |
毛じらみ
毛じらみとは、シラミの仲間であるケジラミが陰部に寄生する性感染症です。
主に陰毛の直接接触によって感染することが多いですが、共有のタオルや寝具からの間接的な接触で感染した例も報告されています。
症状として、発疹はないものの、陰部や肛門周辺など毛がある部分に寄生してかゆみを伴います。
しかし、かゆみの感じ方には個人差があり、自身ではそこまでかゆみを感じなかったからといって、毛じらみに気づかずにいたことによって家族全員が毛じらみに感染することもあるため、注意が必要です。
毛じらみ自体が毛のある部分に寄生している以外にも、灰色がかった楕円の卵が付着している場合はなるべく早く病院を受診し、毛じらみと断定されたら市販薬での駆除を行います。
毛じらみの特徴 |
①ケジラミと呼ばれるシラミの仲間が寄生する性感染症 |
②性行為で陰毛が直接接触することで感染することが多い |
③共有のタオルや寝具の間接的接触で感染した例も報告されている |
④かゆみの感じ方には個人差がある |
⑤治療は市販薬での駆除 |
クラミジア感染症
クラミジア感染症とは、「クラミジア・トラコマチス」と呼ばれる病原体が性行為などによって粘膜に感染して起こる感染症です。
症状としては、かゆみやおりものの異常、下腹部の痛み、発熱などが考えられます。しかし中には自覚症状を全く感じない方がいるため、確実に何らかの症状が出るわけではありません。
クラミジア感染症はそのまま放置していると、感染が体の奥へと拡大し、最終的に流産や不妊症などを引き起こす可能性があります。
クラミジア感染症の特徴 |
①おりもの異常(水っぽい・黄色・量が増える) |
②性器のかゆみ |
③不正出血 |
④発熱 |
⑤放置すると流産や不妊などの大きなリスクを伴う可能性がある |
いんきんたむし
いんきんたむしの名称は「股部白癬(こぶはくせん)」と呼ばれ、白癬菌と呼ばれるカビの一種が原因で起こる病気です。いんきんたむしは本人や家族の水虫から白癬菌が移って増殖します。
主に男性に発症しやすいとされていますが、女性でも発症することがあり、女性の場合陰部や股関節の内側、お尻など、皮膚がすれやすい部分に発症します。
症状として、陰部や下腹部、お尻にかゆみを伴う楕円形または環状の赤く盛り上がった発疹が出現し、かゆみでかきむしることで、色素沈着やただれ、傷や出血が起こることもあるため、なるべく早く病院を受診して治療を行ってください。
いんきんたむし(股部白癬)の特徴 |
①白癬菌と呼ばれるカビの一種が原因 |
②本人や家族の水虫から白癬菌が移って増殖する |
③女性の場合、陰部や股関節の内側、お尻に発症しやすい |
④楕円形または環状の盛り上がった発疹が出現し、かゆみを伴う |
⑤かきむしることで、色素沈着やただれ、傷や出血が起こることもある |
年齢に伴う女性ホルモンの減少
私たち女性は10代の頃から女性ホルモンが体内で増えていき、20代でピークを迎えます。
その後、段々と女性ホルモンは減少していくことで、外陰部の皮膚が委縮して乾燥し、かゆみを伴うようになるのです。
このような状態を「外因萎縮症」と呼び、保湿剤や炎症止めの軟膏を塗ったり、婦人科で女性ホルモンの錠剤を処方してもらい服用する治療を行うことでかゆみを軽減させることができます。
剃毛による乾燥
ご自宅でカミソリを使用して剃毛をした後、保湿を怠ると新たな毛が生えてくるときにチクチクとしたかゆみを感じるようになります。
特に入浴後や寝る前の体温が高いときに強いかゆみを感じやすく、我慢できずにかきむしることで埋没毛や、傷、できものを引き起こす原因になるため、注意が必要です。
どうしてもかゆみがおさまらない場合は、市販の保湿薬やデリケートゾーン専用クリームを使用したり、保冷剤をタオルにくるんでしばらくあてたりすると、徐々にかゆみが軽減していきます。
陰部のかゆみを改善させる対処法
次は、陰部のかゆみを改善させる対処法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
塗布タイプもしくは膣錠タイプの市販薬を使用してみる
陰部のかゆみを改善させる市販薬には塗布タイプと膣錠タイプがあります。
この2種類は状況によって使い分けることで、かゆみを軽減させることができます。
外陰部のかゆみや発疹は「塗布タイプ」
外陰部のかゆみや発疹には塗布タイプがおすすめです。
塗布タイプの市販薬には、即効性があり強力な局所麻酔薬のリドカインや、かゆみなどのアレルギー症状を引き起こすヒスタミンの作用を抑えるジフェンヒドラミン塩酸塩などが配合されています。
膣内部のかゆみやおりものには「膣錠タイプ」
膣内部のかゆみやおりものには膣状タイプがおすすめです。
膣状タイプの市販薬には、カンジダの原因となる真菌の細胞膜合成を阻害するミコナゾールや、クロトリマゾールなどの成分が配合されています。
これらの市販薬で効果が期待できない場合は、一度婦人科を受診し症状に合ったお薬を処方してもらいましょう。
タオルに巻いた保冷剤を患部にあてる
どうしてもかゆみがおさまらない場合は、タオルに巻いた保冷剤を患部にあてることもおすすめです。かゆみが生じている箇所は炎症が起こっているため、冷やすことでかゆみが緩和します。
デリケートゾーンを清潔に保つ
ムレや汚れをそのまま放置すると、かぶれなどのトラブルに繋がります。
そのため、デリケートゾーンを清潔に保てるよう日頃から意識しておくとよいでしょう。
入浴後や剃毛後はしっかりと保湿を行う
入浴や剃毛後は、陰部や全身は乾燥状態です。
そのため、しっかりと保湿を行うことでかゆみを予防することができます。
婦人科を受診する
何をしてもかゆみがおさまらない場合は、かゆみの原因が思っていたものとは違う可能性もあります。そのため、一度婦人科を受診して原因を解明しましょう。
陰部のかゆみが繰り返す場合の病院受診目安
次は、陰部のかゆみが繰り返す場合の病院受診目安をご紹介します。
- おりものの量や形状が異常
- 腹痛などの痛みを伴う
- かゆみが数日経過してもおさまらない
かゆみと同時に、おりものに何らかの変化がある場合は一度婦人科を受診してください。
例えばおりものの色が変化したり、ニオイがきつくなったりした場合も同様です。
また腹痛などの痛みを伴う場合や、数日経過してもかゆみがおさまらない場合も、何らかの感染症や病気が隠れている場合もありますので、一度婦人科を受診してみましょう。
陰部のかゆみが繰り返すときによくある質問【Q&A】
次は、陰部のかゆみが繰り返すときによくある質問【Q&A】に回答していきます。
- 市販薬はどこまで塗ってもよいの?
- かゆみを感じている外陰部やその周辺に塗布してください。 仮に膣内部がかゆい場合には、塗布タイプではなく、膣状タイプの使用をおすすめします。
- 塗布薬を粘膜まで塗ってもよいですか?
- 市販で販売されている塗布薬は外陰部やその周辺までが塗布範囲です。 粘膜は薬剤の吸収がよいため、作用が強く出すぎる恐れがありますのでやめましょう。
- カンジダにフェミニーナ軟膏はNGって本当?
- フェミニーナ軟膏を塗布することで、かゆみ症状が一時的に改善することはあります。 しかし、カンジダの治療薬ではないため、まずは婦人科を受診してください。 また、カンジダの治療薬とフェミニーナ軟膏を併用すると、カンジダの治療薬がきちんと作用しているかの判断が難しくなるためNGです。
- カンジダは放置しておいても治りますか?
- カンジダは放置しておいても自然治癒することがあります。 しかし、だからと言って完全に治癒したとは言えないため、再発する可能性が高いです。 また、再発すると場合によってはかゆみが強くなったり、治療をしても治りにくくなることもあるので、放置はせず適切な治療を行いましょう。
- どうして生理前になると陰部がかゆくなるの?
- 生理前はホルモンバランスが乱れやすいことで、陰部がかゆくなりやすくなります。 そのため、生理が始まるとかゆみがおさまるという方も多いです。 また、生理中はムレや生理用ナプキンとの刺激でかぶれやすくなるので、こまめに生理用ナプキンを取り替えたり、通気性のよいショーツを着用してみましょう。
- かゆみはあるけどおりものはありません。病院受診すべき?
- おりものがなくてもかゆみがおさまらない場合は一度婦人科を受診してください。
陰部のかゆみが繰り返す原因についてさらに詳しく知りたい方はルナレディースクリニックへ
今回は、陰部のかゆみが繰り返すときに考えられる13の原因と対処法を徹底解説しました。ルナレディースクリニックは
お客様一人ひとりの悩みに寄り添い、ベストな対処法を提案させていただきます。今回の記事も、参考になれば幸いです。
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