「ピルを服用すると太るって本当?」「どうしてピルを服用すると太るといわれているの?」
ピルをこれから服用する方やすでに服用している方で、このような不安を感じている方はいませんか?
本記事ではピルで太る理由と14つの予防方法を解説していきます。
ピルとは?
ピルとは卵胞ホルモンのエストロゲンと黄体ホルモンのプロゲステロンを含んだ経口避妊薬です。
この2つのホルモンは女性の卵巣で作られるもので、受精卵が子宮内膜へ着床することを防いだり、卵巣を一時的に休ませた状態にして排卵を防いだりする効果が期待できます。
ピルの種類
ピルの種類は、病院で処方されることが多い「中用量ピル」「低用量ピル」「ミニピル」の3種類と、月経や子宮内膜改善目的の「超低用量ピル」、緊急避妊薬の「アフターピル」を含めた計5種類です。
それぞれホルモンの含有量が異なることから、気になる症状に合わせて種類が使い分けられます。
ピルで期待できる効果
ピルで期待できる効果は以下の通りです。
- 緊急的避妊
- 月経に関する症状の改善
- 子宮内膜症の改善
- 生理の移動
- 肌荒れの改善
- 子宮・卵巣に関する病気の発症リスクを軽減
このように、ピルは避妊以外にも女性の様々な悩みや症状を改善するために役立ちます。
ピルで太る理由
理由①:保水作用によってむくんでいる
ピルで太る理由として挙げられるのは、エストロゲンの保水作用によって体がむくんでしまうことです。ピルに含有される卵胞ホルモンのエストロゲンは、本来生理から排卵にかけて分泌量が増加する女性ホルモンです。
エストロゲンには体内に水分をつなぎとめるはたらきもあるため、ピルを服用し始めると自然と体内に水分を溜め込むようになり、見た目が太ったように見えてしまうことがあります。
理由②:食欲増進作用によって食べ過ぎている
ピルに含まれるプロゲステロンの食欲増進作用が影響している可能性もあります。
このプロゲステロンは、排卵から次の月経までの期間に分泌量が増加する女性ホルモンで、体を妊娠に備えさせるはたらきに影響を与えています。
その時期は体がエネルギーを摂取しようとして食欲が増進されます。それに伴って必要以上に食事を摂取した結果、体重が増えてしまうのです。
理由③:ヤッペ法で緊急避妊をした
ヤッペ法とは、中用量ピルのプラノバールと呼ばれるピルを使って緊急避妊をする方法です。アフターピルとして代用されています。
プラノバールはホルモン量が多く、副作用として太りやすくなる性質を持っています。
ピルで太ることを防ぐ8つの方法【むくみ編】
①塩分を控える
塩分には、水分を抱き込む性質があるため、塩分濃度が高いものを摂取していると体内の水分量が増えて体がむくむ原因になります。
厚生労働省が定めている1日の食塩摂取目標量は、女性の場合6.5gです。しかし頻繁に外食する方の場合、6.5gを超えてしまうことが多いです。
そのため、できる限り自炊を行ったり、食事を選ぶ際は含有塩分量をチェックしたりして多量の塩分を摂取しないように気を付けましょう。
②積極的にカリウムを摂取する
カリウムは、尿中に塩分を排出しやすくするはたらきをもつミネラルです。
気づかないうちに塩分を摂取し過ぎてしまう方は、このカリウムが含まれた食材を摂取することでむくみ対策に繋がります。
以下の食材はカリウムを豊富に含有しているため、日々の食事へ積極的に取り入れてみましょう。サプリで摂取するのもおすすめです。
- 切り干し大根
- ドライトマト
- ドライバナナ
- 刻み昆布
- 干しひじき
- 乾燥わかめ
③飲酒を控える
お酒もむくみの原因に繋がるため飲み過ぎるのは控えましょう。
ピルの作用に大きな影響が出るわけではありませんが、むくみを助長する原因に繋がります。飲みすぎて嘔吐してしまった場合は、ピルの効果が発揮されない可能性があります。適量にするよう心がけましょう。
④弾性ストッキングを着用する
足にむくみを強く感じるときは、弾性ストッキングのような圧力の強いものを着用することで軽減することができます。
ただし、あまりむくみを感じないときに着用すると締め付けで痛みを感じることもあるため、足がパンパンにむくんでしまって困る場合に限り使用してください。
⑤日常的にマッサージやストレッチを取り入れる
日常的に運動不足の方は、筋肉のポンプ機能が低下して血液が滞ってむくみやすくなります。日々の短い時間でもマッサージやストレッチを取り入れることが大切です。
マッサージやストレッチは、ストレス解消にも繋がるため、気分転換として取り入れてみてもよいでしょう。
⑥むくみ解消サプリを服用する
毎日忙しくてマッサージやストレッチをする時間を取りにくいという方は、むくみ解消サプリを日常的に服用してみましょう。
むくみ解消サプリを選ぶ際は「カリウム」「赤ワインエキス」「メリロート」が含有されているかをチェックしてみてください。これらの成分は水分を体外へ排出するサポートをしてくれます。
⑦漢方薬を服用する
漢方薬は、中国が起源の漢方を、日本で独自に発展させた「漢方医学」で使用される薬です。人それぞれに合った作用を与えてくれる生薬を組み合わせて作ることにより、サプリではむくみ解消できなかった方にも効果を期待できる可能性があります。
特に「九味檳樃湯」と「防已黄耆湯」がおすすめです。
九味檳樃湯(クミビンロウトウ)は、かつてビタミンB1が欠乏する「ビタミンB1欠乏症」でむくみがあり、息切れを感じる方に使用されていた漢方薬です。
防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)は水分代謝が悪く、余分な水分が体に溜まる方に対して水分代謝にはたらきかけることでむくみを取ることができる漢方薬です。「汗をかきやすい」「疲れやすい」方にもおすすめです。
⑧ゆったりと入浴する
お風呂にゆったりと浸かると、水圧がポンプになってリンパの流れを促進してくれます。体を芯から温めることでむくみの改善に繋がります。
さらに効果を求める方は、入浴剤を入れるのがおすすめです。最近では発汗を促進してむくみを解消するものや、血行を促進させてむくみを解消するものなどがあります。
ピルで太ることを防ぐ6つの方法【食べ過ぎ編】
①ながら食べをしない
ながら食べをすると「食べた」という意識が薄れてしまうと考えられています。
加えて、咀嚼回数が減って満腹中枢をしっかり刺激することができず、結果的に満腹感を得るための食事量が増えてしまうのです。
そのため、食事の際はながら食べをせず、食べ物に意識を向けるようにしてみましょう。
②質のよい睡眠を取る
睡眠不足になると、私たちの体内では空腹ホルモンであるグレリンが増加し、食欲増進されて余分に食べ物を摂取してしまう原因に繋がります。
また、食欲のままにご飯を食べると催眠作用のメラトニン物質の分泌が遅れ、さらなる睡眠不足を進行させることに繋がってしまうのです。
そのため、質のよい睡眠を取ることは、太ることを防ぐためにもとても大切です。
長時間眠ればよいということではなく「スムーズに入眠し、短い睡眠時間でも深く眠れたと感じること」がポイントになります。
質のよい睡眠を取るためには「寝る寸前までスマホを触らない」「適度に運動をする」「入眠しやすい環境を整える」などの行動や環境作りを意識するとよいでしょう。
③食べ物をすぐ手が届くところに置かない
手軽に摂取できる食べ物を、デスクや部屋に置いておくと、ちょっと空腹を感じたときにすぐ食べ物を摂取してしまいます。
そのため、座ったり寝転んだりしている位置から手が届く場所に食べ物を置いたり、目の届くところに食べ物を置いたりすることはやめましょう。
④コップ1杯の炭酸水を飲む
どうしても食欲が我慢できないときは、コップ1杯分の炭酸水を飲みましょう。胃を刺激し満腹感を与えることができるためおすすめです。
ただし炭酸水は少量だと、逆に食欲を増進させてしまうため、コップ1杯分も炭酸水を飲めないという方は、他の方法を試しましょう。
⑤ミント系の歯磨き粉で歯磨きをする
歯磨きをしても、また何か食べてしまう方は、ミント系の歯磨き粉で歯磨きすることをおすすめします。ミント系の歯磨き粉で歯磨きをすると、口の中がスッキリして食べ過ぎを防ぐことができます。
加えて、口の中がミントでスッキリしていると、何かを食べても苦く感じるため、食欲を削ぐ効果も期待できるでしょう。
⑥ツボを刺激してみる
ピルの持つ食欲増進作用で、どうしても食欲が止まらないときは、食欲を抑制するツボを押してみましょう。おすすめのツボは以下の3つです。
- 胃・脾・大腸区(い・ひ・だいちょうく):親指の付け根から手首にかけての部分
- 飢点(きてん):耳の穴の入り口付近、耳の前方にある突起の部分
- 神門(しんもん):耳の上のくぼみのキワの部分
胃・脾・大腸区は、親指の付け根から手首にかけて広がっているツボで、まんべんなく刺激することで食欲の抑制効果が期待できます。
飢点は、食欲を調整し、食べ過ぎを防ぐために有効なツボです。
妊娠に対する不安があったり、月経に関する症状などで自身では気づかない間にストレスを溜めていたりする方には神門のツボを刺激することをおすすめします。
ピルで太ることが不安なら医師に相談しよう
ピルを服用したすべての方が太るわけではありませんが、これからピルを服用したいと考えている方で「太ることが不安」という方は、一人で悩まず医師に相談してみてください。
ピル=服用すれば太るというわけではない
ここまでで解説した通り、ピルを服用すると必ず太るわけではありません。
ピルの副作用としてむくみや食欲増進作用があるだけで、ピル自体に太る成分は含まれていないことを理解しましょう。
種類を変えることで改善する可能性もある
現在服用しているピルだと太ってしまう方は、ピルの種類を変えることで改善する可能性があります。一度医師へ相談してみてください。
むくみや食欲増進は数か月でおさまる
ピルの副作用であるむくみや食欲増進作用は、服用から数か月で徐々におさまっていきます。ピルを服用している限りむくみや食欲増進作用に悩まされるというわけではありませんので、安心してください。
無理なダイエットはホルモンバランスを乱す原因になる
むくみは改善できる方法があるものの、一度増えた体重を戻すのは大変でしょう。
しかし、だからといって無理なダイエットを行うとホルモンバランスが乱れる原因に繋がります。
ホルモンバランスが乱れると、自律神経が乱れて頭痛や動悸、不眠症などの症状が出たり、生理がこなくなったりする可能性があるため、無理なダイエットをする前にピルの処方を受けた病院へ相談してください。
ピルで太ることに関するよくある質問【Q&A】
- ピルで何kgくらい体重が増加しますか?
- ピルを服用している人すべてがそうだとは言えませんが、むくみや食べ過ぎによって体重が2~3kg増えることもあるでしょう。
- ピル服用中は何をしても痩せない?
- ピル服用中は、副作用のむくみや食欲増進作用で痩せにくいと感じることはありますが、何をしても痩せないわけではありません。
加えて、この副作用は数か月でおさまっていくため、無理に体重を減らそうとせずしばらく様子を見てください。どうしてもむくみや体重増加が気になる場合は、本記事で解説した予防対策を実践してみましょう。
- ピルの服用をやめれば体重は元に戻りますか?
- 太ったと感じる原因がむくみの場合、むくみを解消すれば体重は元に戻ることが大半です。
食べ過ぎで体重が増加した場合も、ピルの服用をやめて食事量が戻れば、体重も元に戻るでしょう。
これからピルの服用を始めたい方は、いつもと同じ食事量をキープして胃を大きくさせないことを今から意識してみましょう。
- ホルモン量が少ないピルなら太りませんか?
- 体質によりますが、ホルモン量が多いピルよりは、ホルモン量が少ないピルの方が太るリスクは低いと考えられます。
また、近年では低用量ピルのように、いままで使用されていた中用量ピルと比較してホルモン量を減らし、副作用を抑えているものもありますので、処方を受ける際に医師へ相談してみてもよいでしょう。
ピルで太ることなどについてさらに詳しく知りたい方はルナレディースクリニックへ
今回は、ピルで太る理由と14つの予防方法、よくある質問などを解説しました。ルナレディースクリニックはお客様一人ひとりの悩みに寄り添い、ベストな対処法を提案させていただきます。今回の記事も、参考になれば幸いです。
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