危険日と安全日って何?危険日を知る5つの方法とよくある質問【Q&A】を徹底解説

この記事を監修した医師
近都真侑
近都 真侑 
産婦人科医・産業医

近畿大学医学部卒業し、その後名戸ヶ谷病院で初期研修を経て千葉西総合病院と昭和大学の産婦人科にて勤務。ヤフー株式会社にて専属産業医を経て、JR東日本や株式会社ココナラなど述べ20社の産業医を歴任。

この記事を監修した医師
Avatar photo
川原正行
ルナレディースクリニック院長 / 産婦人科専門医・母体保護指定医

1998年岡山大学医学部卒業。岡山大学病院、広島中電病院、福山医療センターでの産婦人科研修を経て、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)にて医薬品・医療機器の承認審査に従事。こうのとりレディースクリニック、新宿レディースクリニックにて勤務の後、2021年よりルナレディースクリニック院長。

「危険日と安全日って何?」「事前に危険日を知る方法が知りたい」と、お考えの方はいませんか?

本記事では、危険日と安全日について解説し、事前に危険日を知るための5つの方法や、よくある質問【Q&A】についてご紹介します。

危険日とは

危険日とは「1カ月の中で、最も妊娠する確率が高い期間のこと」です。

中でも、排卵日は危険日としても有名で、排卵日はズレを考慮して約5日間あります。

危険日の定義

危険日の定義は「排卵日の前後数日間であること」です。

この時期に性行為を行うことで、妊娠する可能性が高まります。

一方、この排卵日前後数日間以外のことを「安全日」と呼び、危険日と比較すると妊娠確率は低くなります。しかし、確実に妊娠しないわけではありません。

危険日に膣内射精をした場合の妊娠確率

危険日に膣内射精をした場合の妊娠率は約50%です。

更に詳しく解説すると、29歳以下の女性が危険日に膣内射精をした場合の妊娠確率は約30%~50%で、27歳を迎える頃からは徐々に確率も低くなっていきます。

安全日とは

安全日は「性行為を行っても妊娠する確率が低いと考えられる期間のこと」です。

危険日と比較すると、この時期は妊娠する確率は低いと考えられています。

安全日の定義

安全日とは、排卵が終わり、子宮内膜が脱落していることから着床しづらいとされる生理前から生理中にかけての期間を指すことが多いです。妊娠の基礎知識として、女性が妊娠するためには、女性の排卵期に行われる「受精のための準備」が整った状態で男性の精子と卵子が出会い受精卵になる必要があります。

この「受精のための準備」には、受精して子宮へたどり着いた受精卵を迎えるために、通常よりも子宮内膜を厚くして居心地の良い環境を整えることも含まれています。

そのため、卵子が排出された後で、かつこの子宮内膜が剥がれて経血とともに排出される生理前から生理中ならば、妊娠の確率は低くなると考えられるわけです。

安全日に膣内射精をした場合の妊娠確率

上記で解説した安全日の定義を踏まえると、安全日に膣内射精をした場合の妊娠確率はとても低くなります。

しかし、仮に予想していた排卵予定時期とズレて排卵が行われた場合、子宮内では受精を迎えるための手厚い準備が行われている状態のため、性行為を行えば妊娠する確率は大いにあります。

そのため、事情があって妊娠を望んでいないカップルの場合、安全日だから良いだろうと安易に考えて避妊具やピルを服用せず性行為を行うことは、リスクを伴うことなのです。

危険日を知るための5つの方法

次は、危険日を知るための5つの方法を解説していきます。

おりものの変化

おりものは排卵日が近づくと、白くてネバネバとした強い粘性を持ちます。

実際に触ってみるとよく伸びて量も多く分泌され、3日以上続くことが多いです。

そのため、このようなおりものが3日以上続いた場合、排卵が近いサインとされています。

しかし、おりものの変化によっては個人差もあるため、一つの指標としてチェックしてみましょう。

オギノ式

オギノ式とは、1924年に産婦人科医である荻野久作氏が生理周期に基づいて算出した排卵日を特定する方法です。

方法としては、生理周期から14日引くことで、生理予定日から何日目に排卵が起こるのかを特定し、生理予定日の16日後を排卵日、生理周期の14日目~18日目を排卵予定日として計算します。

この方法を利用すれば、ある程度の排卵日(危険日)を予想することができますが、生理周期がバラバラで安定していない方の場合、明確な排卵日を算出することは難しいことが難点です。

排卵検査薬

排卵検査薬は、ドラッグストアで誰でも購入することができます。

この排卵日検査薬を次の生理予定日17日前から使用して検査することで、排卵が起こる日を判断することができます。

しかし、毎月17日分程度の排卵日検査薬を買い続けることで家計を圧迫する恐れや、排卵日検査薬は本来、危険日を回避するために開発されたものではないため、一度病院受診をおすすめします。

基礎体温

基礎体温は、生命維持に必要な最低限のエネルギーしか消費していない状態で測る体温のことです。

そして、その基礎体温を測るための専用の体温計が基礎体温計で、毎朝決まった時間に測った基礎体温を記録しておいて、いつもよりも体温がガクンと下がるポイントがあったら、その前後2日間が排卵予想日になります。

しかし、基礎体温計はオギノ式と同様、生理周期が安定していない方の場合、明確な排卵日を予測することは難しいため、レディースクリニックや、他の危険日を知る方法を併用する必要があります。

病院を受診

病院では、内診や経腟超音波エコーを使用して卵胞の成長具合を確認することで排卵日を予想します。これにより、独自で危険日を知るよりも確実性のある排卵日を把握することができます。

また、妊娠を望む場合は持続的に通院しましょう。妊娠を望まない場合はピルを処方してもらうこともできますし、病気のチェックを行うこともできるため、排卵日の予想も含めて、一度病院で検査を受けておくべきでしょう。

危険日の性行為での妊娠リスクを防ぐ方法

次は、危険日の性行為での妊娠リスクを防ぐ方法を解説していきます。

アフターピルの服用

パートナーの理解が得られず、危険日に膣内射精をされてしまったという場合は、どうしようと悩む前にクリニックを受診し、アフターピルの処方を受けましょう。

アフターピルは、緊急避妊薬とも呼ばれており、避妊せずに性行為をしてしまった場合や、避妊はしていたけれど失敗してしまったときに緊急的に服用するピルのことです。

このアフターピルは、性行為後でも72時間以内に服用すれば高い避妊効果が期待できます。

また、処方されるアフターピルによっては最大120時間以内に服用すれば良いとされているものもあります。

アフターピルでの期待できる避妊効果を高めるためには、性行為から早い時点で服用することが重要です。もちろん〇時間以内に服用と記載されている時間内に服用すればOKですが、服用が早ければ早い程、避妊成功率も高まります。

日常的にピルを服用

「まだ妊娠はできない」「パートナーが避妊への理解がない」という方は、日常的にピルを服用することも望まない妊娠リスクを防ぐ方法です。

ピルには「中用量」「低用量」「ミニピル」の3種類があり、避妊目的で処方されるピルは主に中用量または低用量ピルです。またピルには避妊以外にも肌荒れの改善などの効果が期待できるものもあるため、気になった方は一度クリニックへ相談してみてください。

避妊具をつけたオーラルセックスを提案する

ピルの服用は年齢的に難しいという方や、危険日ということを伝えにくいという方は、危険日の時期だけ避妊具をつけたオーラルセックスを提案してみてはいかがでしょうか。

仮に避妊具を装着してピルを服用していたとしても、避妊率が100%になることはありません。

そのため、絶対に妊娠リスクを避けたいけれど、パートナーの気持ちにも応えたいという場合は、性感染症を防ぐために避妊具を装着した状態でのオーラルセックスを提案してみましょう。

パートナーを上手に説得する

「絶対に妊娠はできない」「だけどパートナーに危険日だと伝えられない」「オーラルセックスも苦手」という方は、これから紹介する「パートナーを上手に説得するトーク」を利用してみてください。

パートナーを上手に説得するトーク例

  • 今日は体調が悪いから一緒にゆっくりDVDが観たいな……。
  • 明日は予定があって早く寝たいから〇日にいっぱいしようよ!
  • 今日我慢してくれたら今度いっぱい尽くしてあげる
  • 今日はセックスの気分じゃなくて、〇〇くんにマッサージしてあげたいな


ここでご紹介したトークを利用しても「体調が悪いならオーラルセックスにしてよ」「俺は今、セックスしたいんだよ」と言ってくるパートナーも少なからずいるかと思います。


その場合は、最終手段に移りましょう。

最終手段!パートナーに危険日であることをはっきりと伝える

最終手段はパートナーに危険日であることをはっきり伝えることです。

中には危険日とは何なのか理解していないパートナーも少数ですがいるかと思います。

そんなときは「妊娠するリスク」「女性の体にとって大切な時期であること」を伝えて、それでも理解してくれないのでしたら、関係性を見直す必要があるかもしれません。

危険日に関するよくある質問【Q&A】

次は、危険日に関するよくある質問【Q&A】に解答していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。

危険日に膣内射精をして妊娠した場合、いつ頃わかりますか?
人によって排卵時期は異なるため、明確な日程は申し上げられませんが、一つの例として、最終生理から2週間程度で排卵が起きた場合、その後性行為を行って受精した受精卵は1週間~10日前後をかけて着床します。
そのため、生理予定日を2週間過ぎても生理が来ない場合は妊娠の可能性があるため、一度妊娠検査薬でチェックしてみましょう。
危険日でも膣内に射精をしなければ妊娠リスクは低くなりますか?
確かに膣内に射精をしなければ、中出しをした場合の妊娠リスクと比較して低くなるでしょう。
しかし、挿入時に避妊具を装着していない場合、膣内に射精をしていなかったとしても、カウパー腺液(男性器の尿道から分泌される無色透明の液体)に精液が混ざっていないとは言えません。
そのため、膣内に射精をしない場合でもサイズの合った避妊具を装着しておくことが大切です。

危険日について更に詳しく知りたいならルナレディースクリニックへ!

今回は危険日ついて、危険日を知る5つの方法やよくある質問【Q&A】などを徹底解説しました。
ルナレディースクリニックはお客様一人ひとりの悩みに寄り添い、ベストな対処法を提案させていただきます。今回の記事も、参考になれば幸いです。

カウンセリング予約はこちら
ルナレディースクリニック 横浜駅前院
ルナレディースクリニック 川崎駅前院
ルナレディースクリニック 新橋銀座口院